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■オープニング本文 ●とある屋敷にて 「暇じゃのう‥‥」 ちっさい女の子がじいさん口調で煙管を吹かしながらぼうっとしている。 どうも最近遊ぶ事がなくなって退屈のようだ。 彼女はそれなりに地位もあり、それなりに金もあり、それなりに腕も立つシノビ。 何事も器用にこなすので遊び相手に不足気味だ。 「たーいーくーつーじゃー」 縁側をごろごろ転がりながらぼうっとしている。 何か楽しい遊びはないものかと模索しながらごろごろ。 「なんか楽しい事はないかのー」 ばたばた足を振りながらぼうっと雲を眺める。 「おやかた様、一つ開拓者の方に依頼を頼んでみれば、いかがでしょうか」 「おぉ、いい手じゃのう、何して遊ぼうかのう〜」 うーん、と唸りながら紅葉の木からぽとっと猫が落ちてくる。 其れを眺めて目を輝かせて「おぉ」とぽんと手を打つ。 「かくれんぼじゃ、かくれんぼをするのじゃー!」 わいわいきゃっきゃとそういいながら家臣の一人にギルドへと開拓者を集めろと蹴りをあてて向かわせる。 ●ギルドにて 「暇つぶしのかくれんぼだぁ?」 幼女の家臣が丁寧に依頼内容を言い始める。 どうにも暴れたりもできないので暇を潰して欲しい、と。 「おやかた様は我侭なもので‥‥あと、出来ればお手伝いも一人ほど」 ぴっと指を夢に一本向ける。 「そりゃ、私もシノビだけど‥‥まぁ、依頼人の要望だし、いいけどなぁ」 と、此方も煙管を回してにんやりとする。 何だかんだで思考が読まれているような。 そんなこんなで依頼書を作り、何時もの様に掲示板にぴしっと貼り付け‥‥。 ●数日して 「おぉ、ギルドに張り出したか、よいよい」 足をぱたぱたさせながら嬉しそうに言う。 動きやすい装束と腰やら手に手裏剣やら苦無やらを装備して準備運動をしている。 「おやかた様が楽しそうでなによりです」 家臣もほわほわそんなちっこいおやかた様を眺めている。 とは言え、可愛いといいつつ投げた手裏剣がびっちり木に当てられるのを見ると少々寒気もする。 「それと、援軍としてギルド嬢をお一人お手伝いに」 「なんじゃ、わらわにはいらぬぞ?」 「おやかた様は可愛らしいので高いところに‥‥」 と、いいかけた瞬間にびしっと指一本分の隙間を空けて手裏剣が横を通り過ぎていく。 身長は言ってはいけません。 「まぁ、よい、かくれんぼじゃー、かくれんぼをするのじゃー!」 今日もおやかた様は元気です。 |
■参加者一覧
輝夜(ia1150)
15歳・女・サ
巴 渓(ia1334)
25歳・女・泰
菊池 志郎(ia5584)
23歳・男・シ
以心 伝助(ia9077)
22歳・男・シ
藤丸(ib3128)
10歳・男・シ
万里子(ib3223)
12歳・男・シ
劉 星晶(ib3478)
20歳・男・泰 |
■リプレイ本文 ●かくれんぼ前日 おやかた様の気まぐれで行われるこのかくれんぼ、流石にいきなりだとどう見ても主であるおやかた様のほうが完全有利、ということで希望者が一日早く仕込みやら敷地の把握に屋敷にやってくる。今日だけはおやかた様と夢は外出して一泊。屋敷には白髪で髭のもさもさした老人が案内をする。 「壊したり盗んだり変なことをしなければ何をしてもいい、とのことです」 丁寧にお辞儀をしながら開拓者にそう告げる。 まずは輝夜(ia1150)が倉のほうへと足を運んで仕込みを始める。とりあえず倉の奥側の片づけをしながら適当な間隔をあけて薄い壁を張り上げ、荷物を入れなおす。薄い壁の方にも、そして入口側のほうにも荷物を積みなおして自然な感じに仕上げていく。なんということでしょう、匠の手によりたった薄い壁一枚と倉の荷物でこんなにも隠れ場所が出来るなんて。仕上げに某泰拳士拠点に飾られている「たいけんしくん人形」を置いておく。勿論中身はがらんどうで輝夜が十分に入れるようにしてある。 「ふぅ‥‥こんなもんかの」 ぱんぱんと手の埃と倉に入った形跡をしっかりと消してから仕事を追えたようなやりきった顔で屋敷を後にしていく。本番はまだなのに何故か心地よい達成感。 そしてこっちでは敷地内をくまなく調べている菊池 志郎(ia5584)、廊下を何度か往復して「三歩分」と呟きながら地図に事細かに書いていく。こういうことに関してはシノビの専門分野構造やら出入り口やら距離などを細かく書きつつ歩きまわる。 また菊池と同じように倉のなかやら庭園の植木の状況を確かめる以心 伝助(ia9077)。赤毛が問題かなぁとくりくりと髪の毛を弄りながらどうするか考える。 「流石にこれは目立つっす」 んー、といいながら敷地を歩き回る。 此方は屋敷を見回りながら死角の有無を確認していく万里子(ib3223)。此方も同じように敷地をぐるぐると見ながら一枚の紙にちらちらと書いていく。 「んー‥‥正座だけは避けたい」 戦闘でもないのにかなり本気、それほど脅威らしい。 庭園の方では一人黙々と劉 星晶(ib3478)が穴を掘っている。罠として使用するための落とし穴を作っている。何個か穴を掘り終えると枯葉を被せて隠蔽。それと自作した木の葉用の迷彩布をそこに仕込んで完了。完徹‥‥は流石におやかた様が帰ってくるので出来なかったが。 そんなこんなで仕込みの終わった開拓者達は一度出直すのだった。 ●かくれんぼ当日 屋敷内の一室、開拓者八人、鬼役の依頼者とギルド嬢が一人ずつ。ついでに使用人の爺さんも交えて説明を始める。 場所は敷地内全て、部屋の一つから地面やら屋根やらとにかく敷地内でのかくれんぼ。ある程度の損害は目を瞑るがあまり酷いようだと正座待機の刑。見つかったら夕方まで星座待機の刑。とにかく正座待機の刑。開拓者が一人でも隠れ切れれば開拓者側の勝ち、全員見つかればおやかた様の勝ち。しごく簡単で恐ろしい。百数えた後から捜索開始。 「では、隠れてもらうとするかのう、ほれ、いったいった‥‥いーち、にー‥‥」 と、その声と同時に開拓者八人ばたばたと部屋から飛び出すと隠れ始める。バタバタと足音を立てながら。 ――庭園にて 「シノビ相手のかくれんぼ‥‥待ち伏せするときと同じでいいかな」 尻尾を帯で止めて藤丸(ib3128)が庭園にやってくる。きょろきょろとあたりを見回し、ぴこんと一つ目に付く。丸まれば子供一人分はいりそうなつつじ、中に手を入れてみるとこれまた好都合に空洞がある。遠くでは「さんじゅー!」と聞こえているので手早く隠れるのを開始。 まずは中に頭を入れて外を見る。多少なりと光ははいるがパッと見ただけでは外は見えない。外側からぐるりと見てみるとこれまたパッと見ただけでは分からない。尻尾を帯から外し、あたりにある枯葉を散らし準備を進める。ぱさぱさと器用に尻尾を箒の様に動かし、中に入った形跡を消し、ごくごく自然な仕上がりに。 「こんなもんかな‥‥っしょ」 もぞもぞとつつじの中に入りひっそりと丸くなる。 藤丸が隠れているつつじから数十メートル進んだところには劉が頑張って掘った穴の中に潜り、迷彩布を被りながら警戒を始める。とりあえず戸板の運用が多少邪魔になるが見つからなければ問題はない。埋伏りを使用して潜伏を始める。 ――倉にて かなり大掛かりに手を入れておいた壁の向こう側、不細工の癖に憎めないたいけんしくん人形の中に輝夜が入り込む。しっかり継ぎ目も消して鬼から隠れる。 「むっ‥‥狭い‥‥」 とても窮屈そうだ。 そしてもう一人倉に入る人物。以心が黒い布で赤毛を隠しながらきょろきょろと倉の様子を調べる。一歩踏み入れると「ぎい」と板の軋む音がする。一呼吸おいで倉の入口に隠れ、中に入ったように見せかけておく。 「どきどきするっす‥‥」 ――屋敷内にて 此方では天井の梁の上で万里子と菊池が息を潜めながら廊下を見張っている。流石に何部屋か間を取っているので互いに入る事は知らない。菊池はそれなりに鬼の近いところでじっと観察を始める。中々の危険度だが、動きやすいといえば動きやすい。灯台下暗しと言うものだ。 万里子も同じように梁の上にいるが此方は部屋の方から遠い。無難といえば無難だ。 「戦闘苦手だけど、こういうのは大好きなんだよねぇ」 器用に梁の上で隠れながらくすくすと笑う。何故か後姿が似合いすぎる。 よく調べなければ見つかりにくそうな死角に巴 渓(ia1334)が潜む。確実にシノビ相手では不利ではあるのだが、彼女なりに考えがあるのかじっと押し黙り、呼吸を薄め、ひっそりとしている。 ――鬼の部屋 「ひゃーく!ほれ、いくぞ!しっかり聞いていたか?」 「外に四人、屋敷に三人‥‥まだまだ甘いなぁ」 ピシャーンと勢いよく襖を開けると大きく歩き始めるおやかた様。その後ろを夢がついていく形になる。隠れるときから戦いは始まっているのだと煙管を吸いながら捜索開始。 ●かくれんぼ中 庭園に出てきたおやかた様と夢、ざっ、ざっと枯葉を踏みながら端から歩き始める。 まずは劉の付近、枯葉の多いところへと接近していく。 「(きましたか‥‥)」 自身は埋伏りと超越聴覚を使い相手の動きを読みつつ、息を潜める。 次第に近くなってくる足音に心音が高くなる。 「ふむぅ‥‥多少沈み込みがあるのう‥‥」 ばっばっと枯葉を取り除いている音が横からする。一つ目はただの仕掛け。 足で枯葉を払いながら様子を調べる音。二つ目も劉のいるところではない。 「(たかが遊びなのになんですかね、この感じは)」 「おぉ、そうじゃ、燃やしてみるかの?」 「火事はやめて欲しいがなぁ‥‥」 丁度劉のいる場所に枯葉を集めていく。 「(まずい、非常にまずい)」 鼻歌を奏でながらずっしりと積っていく枯葉。ひっそりと焙烙玉を上に置いて火を落すのを待つ。と、そして数秒後に爆発。音と煙、ついでに枯葉を舞い散らせる。その間に戸板のさらに下にもぐり様子見。 「(流石にばれましたか‥‥?)」 音はしない、枯葉の落ちてくる音しかしない。ゆっくり慎重に隙間から外の様子を眺める。多少暗くはなっているが、あたりに鬼の姿は見えない。 「(暗く‥‥?まだ昼前のはず)」 と思ってる矢先にばりばりと脆くなった戸板ばりばりと壊れておやかた様が劉のみぞおちへと落ちていく。 「おっ、みつけたのじゃー!」 犠牲者一人目。 嬉しそうに次の獲物を見つけるべく、藤丸の近くへと接近。 隠れている藤丸はというと口に布を当てて、小さい音も出さないようにじっと石の様に、心の中で「俺は木、俺は木」と呟きながら。 そして不意に聞こえてくる足音。土と枯葉を踏みしめる独特の音が聞こえると共に藤丸に緊張が走り始める。埋伏りをしているとはいえ超越聴覚で音を知られては元も子もない。 どくどくと心臓が鳴り響き、自分の隠れているつつじの辺りで足音が止まる。 「(こっちくんなこっちくんなこっちくんなこっちくんな‥‥っ!)」 心の中でずうっと連続でそういいながら外の声を聞き始める。 「ふむぅー‥‥やけに綺麗じゃ、やけにな‥‥ほれ、ちょっと探してみろ」 「はいはい、っと」 つつじの中、藤丸の目の前に手が伸びてくる。 「(やめ、やめろ‥‥くぅ‥‥)」 音を立てないように精一杯仰け反り探している手から逃れる。何度か触れられそうになって冷や汗をかきながらも何とか其れを避け続ける。 「いなさそうか‥‥次は」 別のつつじの方に手を入れて調べる音を聞いてほっと一息。 「‥‥ふぅ‥‥」 「わっ!!」 何とか一息ついたトコで不意に耳元での大声「ひにゃああああ!」と情けない声を叫び上げて藤丸が見つかる。 「ふふ、わらわもよく隠れたものじゃ」 あまりにびっくりして固まった藤丸をぺしぺし叩きながら。 犠牲者二人目。 「二人、見つかったか」 たいけんし君人形の中から音で様子を探っている輝夜。 「なんとも、恐ろしいっす‥‥」 輝夜とはまた違う倉のほうで同じく音を聞いている以心も冷や汗をかく。正座待機も怖いが驚かされるのもなかなかだ。 そうして鬼の二人が倉のほうへと近づいてくる。 まずは輝夜の入る倉を豪快に開け放ち、入ってくるおやかた様、夢は外で見ているようだ。きょろきょろと辺りと気配を探りながら壁に近づいていく。 「ふぅむ‥‥?」 こんこんと壁を叩き音を聞き、偽の壁がまず突破される。さらにゆっくりと睨むようにあたりを見ている。うっすらと天井、床に脱出した痕跡を見つけてもう一唸り。 「やりて、かの‥‥おぉ?」 と、思ってるとたいけんしくん人形の方にとてとてと近づいていく。 「(流石、じゃのう)」 同じように爺さん口調でにぃっと笑う。ふむふむと唸りながらおやかた様が距離を取ると苦無を構えて、投擲。ドスドスと刃物が刺さる音が鳴り響くと無残にも串刺しにされたたいけんしくん人形の出来上がり。頭に一本、目に二本、心臓に二本、両手足に一本ずつ。 「(あぶなっ!)」 丁度ぎりぎり輝夜の手前で止まっている。 「うむっ、ほれ、次のにいくぞー」 命がけだ。 以心は正直戸惑っていた。倉の入口付近に隠れているのだが、目の前に夢、後ろにおやかた様がいて挟まれている。 「(まずいっす、とっても)」 倉の探索を終えたおやかた様が苦無でびっと倉に×印をつけると以心のほぼ真横に立ってくる。いろんな意味で危ない。ぼそぼそと話しているのだが、どうにか心音、呼吸音、その他の音を出さないようにひっそりと印を結び始める。 「(一か八か‥‥水遁‥‥!)」 少し離れた木のほうで水柱が上がり、其方におやかた様と夢が気を取られると同時に抜足を使いながら滑り込むように屋敷の床下へ。 「(はぁ‥‥はぁ‥‥ばれてないっす?)」 目の前ではおやかた様と夢が気配に感づいてか倉の入口に戻っている。 たかが数歩移動するだけでこの緊張感は正座待機が怖いというものではなく。 「(本気ってのも、疲れるっす)」 そのままゆっくりと奥に潜り息を潜め始める。 そしてもう一人死角に隠れているのが巴。 移動しながらもゆっくりと端から見ていたのでどういう状況になっていたかは分かる。あらかた調べ終り此方にやってきたおやかた様の注意を引く為に石を拾って近くに投げてやるが。 「ほう、そっちにおるのか」 投げられた方向、音からばれるとゆっくり確実に近づいてくる。すぐさま反転して瞬脚を多用するが、一歩一歩が相手の方が早い。ジグザグに移動し、先回りを回避し続けるのだが、行き当たりばったりだとうまく巻く事ができない。そして一瞬だけ思考が止まり。 「わらわは鬼ごっこではなくかくれんぼをしてるのじゃぞ」 びゅんと目の前に先回りされる。 「まぁ、動き続けるのはいいけど、多用しすぎかね」 また後ろの方からも夢がやってくる。 そんなわけで犠牲者三人目。 そうして屋敷に戻ってくると、万里子と菊池が動き始める。ひっそりと鬼の動きを追っていた菊池は戻ってくる鬼二人が近づいてくると同時に埋伏りを使い息を潜める。時折上を向かれてびくっとするが冷静に対処する。流石に同じ場所を探すには既に時間もなくなってきている。ゆっくりと静かに天井裏から下りると同時におやかた様と夢が此方に振り向いてくる。 「(くっ‥‥!)」 すぐさま印を組み上げ夜を発動、早駆で近くの部屋に入り隠れる。この間約四秒。歩く音が止まり、音が菊池の方に近づいてくる。「がらっ」と音を立てながら襖が開かれ二人があたりを見回し。 「ふむ、一瞬止まったのだが‥‥違うのかねぇ」 「気配は‥‥そこまでせんのう‥‥鼠でもいるかのう?」 おやかた様が上を見上げて「んぅー?」と目を凝らす。急に入ってきたので中途半端な格好で固まっている万里子。 「(見えないけど、びびるってっ‥‥)」 絶妙なバランスのままゆったり視線だけを落すと天井の梁に上ろうとしているおやかた様が、夢とおやかた様が出す音と同時に体勢を低くし、ゆっくりと後ろに下がる。 「ばぁ!!」 残無の効果で闇に溶け込んでいるとは言え不意打ちは厳しい。鼠の獣人なのに「にゃあああ!」といいながら天井から落ちてくる。 「ほら、いたぞ!」 「子供だなぁ‥‥ほんと」 豪快に尻餅を付いた万里子はそのまま正座待機の犠牲者となった。 ●正座待機 見つかった四人、最初に見つかった劉と藤丸はそろそろ痺れが限界のようでがっくんがっくんし、ストレスをためながら巴も我慢、万里子はどっちかっていうと豪快にぶつけたお尻のほうが痛いのか涙目だ。 「お疲れ様です、皆様。そろそろおやかた様も戻ってくるでしょう」 と、言っていると見つからずにぶーぶー言っているおやかた様と夢が戻りかくれんぼが終わる。終わりの合図と共に苦無まみれのたいけんしくん人形を抱えた輝夜がやってくると。 「次は手加減してくれよ」 無残にもなったたいけんしくんを弔い始める。 次は床下からぼこんと以心。埃塗れになりながらぐったりと。 「疲れたっす‥‥」 そして天井から菊池がすたっと降りる。 「ひやひやするものですねぇ、こういうのも」 そんな事をいいながら、全員があつまりかくれんぼが終わる。 ●終り ということで結局はおやかた様の負けであったのだが、とても満足気にしている。 正座待機してる人の足をつついて叫びを上げさせてケラケラと笑う。 「またやりたいのう、次はもっと楽しいといいのじゃがなぁ」 小さいながらにも強大で凶悪(正座待機的な意味で)なシノビの発した第二回戦のかくれんぼに全員が苦笑いをするのだった。 |