エロガッパ!
マスター名:KINUTA
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2014/07/07 02:01



■オープニング本文

 ここはとある湿っぽく薄暗い山の中。
 ぱんぱんに膨らんだザックを背負う運動不足そうな男たちが、山道を登っていく。

「おい、本当にここにいるのか…?」

「ああ、間違いない。確かな情報筋から聞いたんだ」

「…おお、あったぞ、沼が!」

 薄緑に曇った水面に向け、彼らは一斉に呼びかける。

「おいでませエロ明神様ー!」

「おいでませエロ明神様ー!」

「なにとぞお出ましをー!」

 ふざけているにしては皆表情があまりにも真剣である。
 沼の中からぽこぽこあぶくが浮いてきた。
 ざばっと1匹のカッパが顔を出す。
 これはただのカッパではない。エロガッパだ。
 何故それが分かるかというと、そうとしか言い表しようがない顔つきだからだ。

「なんだ。オレに用なら貢物を出せい」

 男たちはザックを開け、中に詰めていたキュウリを我先にと沼へ投げ込んだ。
 エロガッパは満足げに頷き、くえくえと鳴く。

「よかろう。話を聞いてやる」

「おお、ありがとうございますエロ明神様!」

「エロ明神様!」

 一部ながら人間からこのように信望を集め神扱いされるというのは、アヤカシとして珍しい例であろう。

「エロ明神様、実は私どもこの草紙作家を崇拝しておりまして」

 男の一人が差し出した絵草紙を手に取りパラ見するエロガッパ。
 水に濡れた手でたちまちページがべしょべしょになる。

「このお人の描写力はまさに完璧、文体も萌えの勘所を押さえているのですが…残念なことに清純ものしか書かれないのです」

「好きなものしか書かないタイプの人なのです」

「我々はこの人のエロが見たいのです」

「見たいといったら見たいのです」

「幾度もその旨のファンレターを送ったのですが、耳を傾けてはいただけないようで…」

「ですので、ぜひそういうものが書きたくなるよう仕向けてはいただけませんでしょうか」

 エロガッパはげへへとエロそうな笑いを浮かべ、胸を張って頷いた。

「よかろう」



 くくく…オレを甘く見ないほうがいいぜ開拓者。
 オレの攻撃を受けて無事ですんだ人間は、断言していい、1人もいねえ。
 この皿から発されるエロエロ光線を受けたらどうなると思う。
 深夜のテンションが脳内を支配し2時間はそのままなんだぜ。何を見ても下ネタしか思い浮かばなくなり、次から次へセクハラ言動をかましまくる醜態を演じることになるのだ。
 言っておくがそれは最も軽い「ちょいエロ」の段階だからな。

「ややエロ」
「普通にエロ」
「ガチエロ」
「どエロ」
「ヤバいエロ」
「犯罪的エロ」

 と続き、

「明らかな触法エロ」
「殺人的エロ」
「鬼エロ」

 そして…「神のごときエロ」だ。

 最終段階まで行ったときお前たちは二度と元の頭には戻れないだろう。
 これまでの己は消え去りエロそのものの存在となってしまうだろう。
 それを承知の上で挑むと言うなら、さあ、かかってくるがいい! 







■参加者一覧
神町・桜(ia0020
10歳・女・巫
雪ノ下 真沙羅(ia0224
18歳・女・志
斎 朧(ia3446
18歳・女・巫
サーシャ(ia9980
16歳・女・騎
クリスティア・クロイツ(ib5414
18歳・女・砲
御調 昴(ib5479
16歳・男・砂
八条 高菜(ib7059
35歳・女・シ
雁久良 霧依(ib9706
23歳・女・魔


■リプレイ本文

 御調 昴(ib5479)はエロガッパの口上を聞き終わるや否や、同行者たちを見回した。

(…女性しかいない)

 非常にまずい布陣である。

(深夜のテンションが2時間…)

 断言していい。それだと自分は行動不能に陥る。
 こうなったら一発たりとてエロエロ光線を受けるわけにいかない。

(恥ずかしい以外は変なだけの敵だった筈なのに、いつの間にか僕だけ地獄級難易度に変化してません!?)

 雁久良 霧依(ib9706)は現場に来るに当たって、段ボール箱を抱えていた。
 入っているのは極太葱、キュウリにゴーヤ。特筆すべきはとろろとなった山芋。

「郷里から送られてきたのよ。家に着いたらすぐ食べたかったから、道中すり降ろしていたのよ♪」

 長葱にとろろが塗られ始めた。
 この時点で早くもいやな予感がしてくる。
 続けて彼女は期待を裏切ることのない行動に出た。

「いけないっ…河童と言えば尻子玉っ…皆のお尻を守らないと! まずは自分のを…潤滑させないと切れちゃう…」

 聖宝珠を取り出だし尻にあてがい、葱で一気に奥まで押し込む。

「Foooooo! ああ…痒い…痒いわ…でもこれで尻子玉は守られた!」

 その有り様に雪ノ下 真沙羅(ia0224)が身震いする。
 なんというとんでもなくふしだらなことをさせるアヤカシなのか、と。

「…こ、これは大変なコトになる前に退治しませんと!」

 彼女は霧依が素でこういう人間であると知らなかったのだ。
 クリスティア・クロイツ(ib5414)も同様だ。

「……此のような存在を、何時迄も野放しには出来ませんわ。謹んで神の裁きを……」

 仕方ないのでエロガッパ自身が突っ込みを入れる。

「おい、まだオレエロエロ光線出してねーぞ」

 しかし彼女らは聞いたふうでなかった。

「……わたくし達で、必ずや仕留めましょう……」

 神町・桜(ia0020)は、早速『白』を構える。

「まったく、変態はさっさと退治するのが吉じゃて」

 変態は滅殺! それが彼女の座右の銘。
 昴も『魔氷狼』の銃口をエロガッパに向ける。

「僕は、純潔で、いたいんですよ!」

 そこに響き渡るは八条 高菜(ib7059)の声。

「そこまでです!」

 皆が見上げれば、天井板の透き間に彼女の顔が。
 葱を尻に刺したままの霧依が手を振る。

「あら、高菜さんも来てたのね」

「ああ、これは霧依様奇遇です。それはそれとして書きたがってないものを、無理やりというのは許せませんね、どうせ無理やりなら私に乱ぼ…げふん、いえ何でも」

 サーシャ(ia9980)は思う。正統な意味でなく別の意味でこの上なく恐ろしい相手は、なにもアヤカシに限ったことではないのかもしれないと。
 とまれ高菜はシノビらしく、空中3回転をして降りてきた。

「ともあれお覚悟を、っと」

 エロガッパが目を細める。

「ククク…よかろう、全員オレのエロエロ光線を受けエロの海に沈むがいい! そしてそこの純文学気取った野郎に世紀末どエロ伝説を書かせてやろうじゃねえか!」

「や、止めろ! アヤカシごときに私の高尚な文学世界を汚されてなるものか!」

 瞬間皿が光る。日光を受けたおやじの禿げ頭と見まごうばかりの輝かしさで。

「くっ、ま、眩しい!」

 依頼主だけは守らなければ。
 そんな使命感のもと斎 朧(ia3446)は作家の前に飛び出す。昴もまた同様の理由で翼を広げ作家のもとへ。

「くらえ、エロエロ光線!」

 聞くだに馬鹿馬鹿しいが効果の程は全く馬鹿に出来ない必殺技。
 エロガッパの正面にいた真沙羅が真っ先にやられた。
 一秒前まで鋭かった眼がとろんと緩む。
 彼女はいきなり直近にいた桜を抱き締め胸の谷間に埋める。

「――即効で…な、むー!?」

「うふ、桜さん、ずっと見てましたね。そんなに気になるなら触っていいんですよー」

 乳圧に桜は窒息しそう。逃れようともがき、拍子に真沙羅の服のボタンをひき千切ってしまう。
 都合よくブラジャーの紐も切れた。
 かくしてなまちちが勢いよく外に飛び出す。
 昴の鼻から鼻血も飛び出す。
 クリスティアは慌てて真沙羅を止めようとした。

「ま、真沙羅様。如何か気を確かに持って下さいませ……あっ!」

 その途端にキスされた。何度も情熱的に。

「真沙羅様、ちょっ、お待ちくださいませ正気に戻って…」

 もたついているところ、平等にエロエロ光線が降りかかる。
 桜が俄然騒ぎ始めた。
 自分を挟むたわわな双丘に敵意を燃やし、揉んで揉んで揉みまくる。

「このっ! 先手を取り損ねたではないか! 主らの! この! でかい! 胸がいかぬのじゃ! なんじゃこのわしとの差は!!」

 負けじとクリスティアは、むっちりしたお尻を掴んだ。

「真沙羅様。話によると、まだ大きくなられているとか……揉んで頂いているのですね?」

「ああっ、そんな、上下同時になんて駄目ですぅ」

「如何かわたくしにも分けて下さいまし……桜様? 如何なさいましたか?」

「イカもタコもないわ! そんなに最初からサイズある癖してこれ以上を求めるとはなんたる不届きな成敗してくれる!」

 桜、今度はクリスティアの乳を親の敵のように揉み始める。

「あんっ……桜様。此の世の中には、小さいからこそ良いという方も少なからず……大きなお友達の方など特に……」

 大人方面はもっとすごいことになっていた。

「霧依様ぁ、んふっ…ぅ、ふふふふ…」

 欲情に塗れた瞳で高菜が霧依に抱き着けば、彼女はすかさず逃がさぬとばかり抱き合いアイヴィーを発動し、熟れきった肉体にきつくツタをからめてしまう。

「ああっ、食い込む、食い込んじゃうぅ」

 その上で肌に愛撫を加える。濃厚に濃密にくまなく丹念に。
 双方がその方面に関して免許皆伝のレベルにあるためやり取りも果てしなく卑猥であり淫猥であり猥褻であり要するにどエロい。

「ああ、もう…たまらないっ!」

「ふふっ、もう、高菜さんたら欲しがりなんだから…そんないやらしいあなたにはこれが一番ね!」

「そっ、そんな特大ゴーヤだなんて…ぁは、素敵…とおっても素敵っ♪」

「あらあらこんなにずっぽり飲み込んじゃって…なんて欲しがりさんなのかしら」

「もっと…もっと、くださぁぃっ」

「いいわよ。じゃあこうしてあげるっ」

「んひゃあああ霧依ちゃんそれらめぇえええ」

 昴は目を背けた。そうしないと確実に理性を失いそうだったからだ。
 いや、もうすでに結構失いかけている。

「くっ……なんて、なんて恐ろしい……大から平原、清純派からロリのじゃにお姉様まで、こうしてみると開拓者の女性はなんて隙が無いんですか――じゃなくて、敵は河童、河童!」

 口だけは理性を求めるが、目はちらちらちらオッパイ祭りと尻祭りに奪われている。
 そんな彼を朧がじっと眺めていた。
 言うまでもないが彼女の思考もまたエロ寄りになっている。作家をかばった代償だ。

(男性は作家さんと、エロガッパと、昴さんだけですか…護衛対象に手を出すわけにもいきませんし、敵は敵)

 となると取るべき道はただ一つ。
 襟元をくつろげ前かがみになり、右のおっぱいと左のおっぱいがおしくらまんじゅうしている様を見せつける。

「先程から女性陣を見回してどうしました? ほら、今考えてることは光線のせいですから恥ずかしがらずに教えて下さい。対策たてますので」

 体は正直というべきか。昴の手が勝手に谷間へ向けて伸びた。
 だが目的は達し得ない。
 朧がさっと避けたからだ。
 捨てられた子犬のような少年の目に彼女は、内心興奮を隠せない。

(…求めても満たせない表情とかぞくぞくします)

 何もかもが混沌に飲み込まれて行く中、呆然としている純文学先生の肩を叩いたのは、サーシャ。

「ここは敢えて先生に頑張っていただきたいと思います」

 何を? と聞き返す暇も与えず彼女は続けた。

「ご存じですか? 幾多の女性に声をかけ好みの幼女を自分好みに育てる男性のお話とて、近代では純文学に仕立て上げる事ができるのです。未成年拉致監禁暴行の極悪犯罪も、フィクションでなら純粋な愛の形…この場で行われる諸々を頑張って純文学的表現に昇華していただければ。さしたる憂いもなく、目には目を歯には歯をエロにはエロで迎え撃てます」

「…えっ…と…それ…」

「ええ、答えは聞いてませんので頑張ってくださいね」

 彼女はエロさが増せば増すほど好みがうるさくなり、ストライクゾーンが狭まって行くという性格の持ち主。よって誰彼かまわず恥態を演じはしない――特定の相手にだけそうする。
 少々呼吸を乱し獣のようにがばっと羽交い締めにする程度はまだまだ。
 その上頭に鼻を押し付けて吸い込む勢いで匂いを嗅ぎうっとりしたとしても、深呼吸していると言い張ればそれまでだから検閲されないであろう。
 おまけにぺろぺろし始めたとしても炎症防止とか簡易洗浄とか弁解の余地は残されているから大丈夫だ。
 大柄な娘さんの大柄な胸に挟まれた当の本人昴にとっては、とてもそう受け止め切れないわけであるが。

「やめてーやめてーそれ以上されると僕まずいことにー!」

「あらあら♪ うふふ♪」

 ところで真沙羅とクリスティアである。

「…はあっ、クリスティアさんの柔らかい…」

「真沙羅様こそ…この大きさが憎らしいですわ、えいっ♪」

 いつの間にやら胸と胸とを押し付けあい遊び始めている。
 ぬかりなく霧依が乱入してきた。

「あらあ、なにかしらこの物欲しげなお尻はっ!」

 パシーンと平手打ちを尻に見舞われたクリスティアは、ひゃんっと叫んで身もだえする。

「ら、乱暴はやめてくださいまし…いやあっ、そんな所にキュウリなんて無理ぃ」

 ここは極楽浄土なのだろうか。
 エロガッパが感涙している。

「素晴らしい…こんだけエロに染まりやすい女どもは初めて見たぜ…よしっ、更なる進化を遂げさせてやろうじゃねえか。エロエロアターック!」

 さっきと技名が変わっている――そんな些細な問題は昴にとってどうでもよかった。
 エロエロ光線から女性たちを守るべく走る。

「あぶない!」

 身を呈して守るため、高菜の太ももに飛びつく。
 太ももはほどよい弾力と湿り気と柔らかさを兼ね備えており一度張り付いたらもう離れたくないので、すりすりと頬を寄せる。
 そこにエロエロ光線が当たる。
 幸福感がいや増してくるのを彼は感じた。
 目に映るもの触れるもの全てが至福千年の色彩に包まれ今自分が置かれている状況も忘れてしまう。
 後先などに思案は及ばない。あるのは桃色の現在のみ。

「何でしょう、この光線当たるの嫌じゃなくなってきました」

 混乱状態の中、肝心の作家はどうしているのかというと。

「そもそも、清純が好きだからエロ無しとは何事ですか」

 朧から正座させられ膝を踏まれつつ説教をくらっていた。

「清純でもお下劣でも、性を欲する感情は自然なもの。清純だからエロ不要とか、心の奥で性を意識しすぎて忌避してるだけでしょう。肩肘張らず書けばこんなことにならなかったんです」

「すいません、なぜ私が悪いみたいな感じになってるんですか?」

「あなたが自ら作り上げた作風の殻に閉じこもりさえしなければ、読者の欲求不満も高まらなかったのですよ? その意味では完全な元凶ではないですか」

 理不尽きわまりないが、相手は理屈が通じる状態ではなくなっているので、諦めねばなるまい。
 エロガッパがくえくえと鳴く。

「そうだぜ。諦めてエロを書けよ。実はそれが嫌いなたちじゃねえんだろ。見させてもらったぜ、この門外不出のアイデア帳。正直ストレス溜めてんだろ。表向き書いてるものとは似ても似つかないエロばっかりじゃねーか」

「どれどれ…まあ本当。これはよくない傾向ですね。このまま本音と建前の乖離を続けていると、いつか本当に犯罪を起こしかねませんよ」

「返せ、それ返せーっ!」

 作家の悲痛な叫びに、エロガッパはへらへら青い舌を出す。

「やなこった」

 その頭に霊杖『白』がめり込んだ。

「グエ!?」

 倒れるエロガッパ。
 その前に桜が立ちはだかる。

「お主、ちょっと聞くが真沙羅どのたちの胸とわしの胸とどっちがよりエクセレントだと思う?」

「そりゃ乳はあったほうがいいだろ。色々活用出来るし」

「お前もか! この巨乳好きめが! どいつもこいつも乳乳乳と! 馬鹿にするでないわ!」

 精霊砲を相手に幾つもぶっぱなした後、巫女服も下着も脱ぎ捨てる。

「どうせ皆、巨乳で色っぽい女が良いのじゃろう! わしのような幼児体型なぞ興味ないのじゃ! じゃから裸になったとて見るものはおらぬ!」

 完全に裸かと期待する向きには残念にも、大事なところへ小さめの符を貼っていた――それがかえってエロいと言えば言えなくもないが。

「ふ、裸じゃと思ったか? この変態が! 変態にはお仕置きしてやらねばのぉ? 相応しいお仕置きを!」

 どこから持ってきたか知らない鞭で、エロガッパを足蹴にしつつしばき倒す桜。

「ふおおおお、ロリ責めも悪くないかもぉ!」

「本音が出たなこのオスガッパめ! 鳴け、鳴くのじゃあ!」

 霧依は参加意欲に燃えた。

「…河童ちゃんも気持ちよくなりましょ♪」

 エロガッパの顔面にお尻をくっつけ、ぐりぐり。

「やっぱり私の尻子玉食べてイイわ♪」

 とか言いつつ飛び出させたのはまず葱。
 とろろ効果もあって勢いよく噴出しカッパの顔に刺さる。

「目が、目がぁああ!」

 転げ回るエロガッパを、サーシャが抜かりなく押さえつけた。

「ああっ…出るっ…尻子玉出るっ! 河童さんのお顔に出しちゃうう! 出る! 魔法も尻から出るのおお! んほぉおお!」

 霧依の後方開口部から稲妻と聖宝珠+αが飛び出し、エロガッパに襲いかかる。

「おほおおお!」

 これぞ、殺人的エロ。








 桜がはたと我に返り、己の姿に驚愕した。

「わ、わしは何故こんな格好を!?」

 真沙羅は膝をつき地に伏す。クリスティアは両手で頬を押さえて懴悔。両者赤面して言葉も出ず。
 高菜は霧依とまだいちゃついている

「霧依様ー♪ 後で家に来ませんかー?」

「いいわよー♪ ああ楽しかった。皆さんも第2ラウンド行く?」

 朧は皿を割られ白目をむくエロガッパの上に、袋一杯のキュウリをぶちまける。

「貢物は用意しました。貴方にこの作家をエロくするよう依頼した二人、絵草子無くても妄想に埋没できるくらいエロくしても事は済むのでは? 分かったらさっさと行ってきなさい、このグズ。早すぎる男も駄目ですが、遅いのも問題外ですよ」

 相手が聞いているかどうかはなはだ疑問だなとサーシャは思った。
 昴に目を転じれば、座禅を組んでいる。
 表情がやけに涼やかだ。

「違う……どれもこれも、現実は「本当の理想の女体」とズレがあります……そう、見つけました、究極のエロは妄想の中にだけある、と!」

(エロも神レベルまで極めると賢者になるのですね〜。まあ、エロエロ光線の効果が切れたら元通りとなるのでしょうが)

 新たな発見をしてしまった。
 それだけが収穫と呼べる今回の依頼である…。