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■オープニング本文 ●山より来たる鬼 ずしん、どしんと、山の奥から音がする。 重い音を伴って、村に近い山からのそりと現れたのは、人の背の高さの倍はある大きな鬼のアヤカシだった。 大きな体躯だけでなく、手にしたトゲ付きの金棒を一振りすれば、道の傍らに立つ大きな木がメキメキと音を立て、ぽっきりとへし折れて倒れる。 それを見た村人達が、ビックリ仰天したのは当然の事。 畑仕事を放り出し、まずは慌てて村長へ鬼のアヤカシが出た事を伝えた。 村人達の慌て様と、大きな鬼のアヤカシが出たという話に、普段は穏やかな老齢の村長も驚き。 急かす村人に手を引かれ、背を押され、鬼が見える場所まで来ると村長は更に腰を抜かした。 とにかく鬼の足を止めようと、村人の中には果敢にトラバサミのような獣を獲る罠を仕掛け、あるいはトゲのある物をマキビシの様にまいてみるものもいたが、鬼は痛くも痒くもない様子でそれらを全て踏み潰したという。 それらの話を聞いて、村長は一つ重い溜め息をついた。 「すぐにでも開拓者ギルドへも連絡をし、鬼の退治を頼むとしよう。そして開拓者の到着を待つ間に、全ての者へ声をかけ、皆で安全な場所まで逃げるのだ。村も畑も大事だが、なにより村人の命が第一。万が一にも、開拓者の到着が遅れても、人っ子一人いなければ餓えた鬼は村を通り過ぎ、遠く離れるやもしれん」 その言葉に青ざめた村人達は一斉に頷き、とりあえず腰を抜かしたままの村長を負ぶって、来た道を取って返す。 それから家族を集めると、牛やもふらさまに荷車を繋ぎ、積めるだけの荷物一式を積んで村を逃げ出した。 村人が逃げ出して誰もいなくなった村を、獲物を求める岩鬼はのっしのっしと歩く。 畑の作物を踏み散らし、鉄棒で家を叩き壊し、繋がれたまま怯えて鳴く牛を貪りながら。 |
■参加者一覧
羅喉丸(ia0347)
22歳・男・泰
香坂 御影(ia0737)
20歳・男・サ
氷(ia1083)
29歳・男・陰
滝月 玲(ia1409)
19歳・男・シ
紅虎(ia3387)
15歳・女・泰
赤マント(ia3521)
14歳・女・泰
平野 拾(ia3527)
19歳・女・志
飛天狗 五百房(ia3741)
24歳・女・泰 |
■リプレイ本文 ●託す人々 丹精込めて育てた野菜が整列する畑を、不安そうな村人が数人、遠目に見守っていた。 「みなさん、心配なんですね‥‥ひろい達で、なんとかしなければっ」 村人に気付いた拾(ia3527)が、自分へ言い聞かせるように気合を入れた。 「ああ。幸い、でかいとはいえ鬼は一匹、こちらは八人がかりだ。多少は手を焼くかもしれないが、力を合わせれば何とかなるさ」 心強い滝月 玲(ia1409)の言葉に励まされる気がして、拾は「はい!」と勢いよく首を縦に振る。 「威勢がいいのは結構だが、張り切り過ぎるなよ?」 元気な二人と対照的な氷(ia1083)は、どこか眠そうだった。 「そうだな。世話にならないよう、気をつけておく。確か‥‥」 「ん、オレは符術士の氷ってもんだ。まぁ、適当によろしく〜‥‥ふぁあ」 山犬の面をつけた飛天狗 五百房(ia3741)が応じれば、氷は大きく口を開けて遠慮のない欠伸をする。 今回、集った八人のうち陰陽士――その呼び名が嫌で、氷は『符術士』と名乗っているが――は彼一人。巫女はおらず、いざという時の手当てが出来るのは彼だけだ。 「あんまり怪我をされても、困るからな」 「相手は一体と言えど手強そうだし、油断は禁物だね。でも強い相手だからこそ、尚更燃えてくるよね!」 その言葉で逆に紅虎(ia3387)が闘志を燃やし、釘を刺したつもりだった氷はぽしぽしと髪を掻いた。 「まぁ‥‥デカいだけなら、やり様はいくらでもあるかな」 水を差したくないと言うより、訂正が面倒で適当に話を合わせる。 「どれだけ被害を出さずに退治できるかが、俺達の腕の見せどころか。岩鬼が去ったとしても、村の者には『復興』という次の戦いが待っているからな」 長柄斧を携えた羅喉丸(ia0347)が、再び村人達を見やった。 村人も開拓者達に気付いたのか手を振り、あるいは深々と頭を下げる。 「頑張って、僕達で鬼を退治してくるから! 待っててね!」 声を張り上げて赤マント(ia3521)が大きく手を振り返し、僅かに香坂 御影(ia0737)は目を細めた。 「今回の件では、村人も上手いこと逃げ出せた様だし‥‥少し気が楽になるね。後は被害を減らすよう、尽力しようか」 「うん。村の人は、構わないって言うけど、被害をおさえて返してあげたいね」 御影を見上げて赤マントは頷き、歩みを止めずに玲が村の人々をちらりと振り返る。 「金棒を持ったデカい鬼が暴れたら、小さな村一つぐらい軽く壊滅状態になりかねないしな」 「‥‥ああ。見過ごす訳には、いかない」 道の先を見据えながら、御影は歳の変わらぬ志士に同意した。 自分の力が及ぶのなら、一つでも多くの村を救いたい。家も身寄りも頼る先もなく、路頭に迷う者を増やすのは御免だ‥‥と、御影は胸の内で心構えを新たにし。 「見えたぞ」 遠く岩鬼の姿を見つけた羅喉丸の声に、緊張が走る。 金棒を手にしたアヤカシはまだ彼らに気付いていないのか、ゆっくりと村の中心方向へと移動していた。 「岩鬼か‥‥」 面で表情は判らないが、五百房は面を示した方へ向ける。 「見た感じでは中々の相手のようだが、もっと恐ろしい鬼と日々面を突き合わせているからな。今更、怖じる様なもんじゃねぇが、敵としては不足なしだ」 「それは頼もしいな。では早速、鬼退治といくか」 からからと羅喉丸は笑い、歩を進めるほど張り詰めて行く空気に、両手へ装着した鉄牙の具合を五百房は何度も確認した。 ●小さな取捨選択 岩鬼との距離を測りながら周囲を見回せば、一面畑ばかりで空き地は見当たらない。 「村人の話だと、休んでいる畑はまだ先だなぁ」 ここへ来る途中、避難した村の者から目ぼしい場所を聞いた氷が、溜め息混じりでぼやいた。 「休耕地へ誘導すると、逆に被害が広がるかもしれないか。鬼が通った後の畑で戦った方が、まだマシかもな」 額に手をかざした玲は、鬼が通った跡を視線で辿る。 農作物を踏み潰した畑に、厩(うまや)や納屋、農具小屋と思われる残骸。特に厩と思われる場所は、そこで家畜を追い回して貪ったのか、被害の程度も酷かった。 「戦う場所は障害物がなくて足場が良くて、広い所がいいんだよね?」 確認する赤マントに羅喉丸は「そうだな」と首肯し、身長をゆうに越える長い斧の石突で地面を突く。 「被害を出来る限り抑え、数の利を活かせる、開けた場所。条件として、畑は悪くない選択だが‥‥」 彼が言葉を濁す理由は、やはり残った収穫物への影響だ。 「迷ってる間に全てを潰されては、結果的に同じだ。鬼は、待ってはくれない」 アヤカシから目を離さず五百房は決断を促し、ハラハラしながら拾も鬼の挙動を見守る。 「そうですね。こうして迷っている間に、家や畑が荒らされたら、元も子もないです‥‥」 「早く倒せば倒すほど、最終的な被害は少なくてすむって事なら‥‥善は急げ、だな」 腹を決めた羅喉丸がぐるりと肩を回し、再び長柄斧を担ぐ。 「探すのに手間取らないのはいいけど‥‥アレは厄介そうだなあ」 始める前から眠そうな氷が、鬼を眺めてぼそりとぼやいた。 「それじゃあ、あのデカブツを連れて来る」 「えっと、その‥‥気をつけて、がんばってください!」 鬼の注意を引く『誘導班』の仲間達へ、かける言葉を迷った拾は当たり障りのない注意と激励の声をかけた。 それでも玲は自信ありげな笑顔で片手を挙げて答え、羅喉丸はぽんと長い斧を御影へ投げるように預ける。 「誘導に使わないからな。もし場所が変わりそうなら、目印に立ててくれ」 「承知した。確かに、預かっておく」 「皆で準備して、待ってるよー!」 両手を振り、飛び跳ねる様に紅虎が鬼へ向かう仲間の背を見送った。 「なんだか、きんちょうするね」 「大丈夫。力を合わせれば、岩鬼だって退治できるよ」 やや不安げな拾を明るく紅虎が励まし、五百房は見通しの良い畑の中で潜む場所を確認する。そして御影はニラ畑の畝(うね)の間へ、預かった長柄槍を突き立てた。 様々な野菜が実をつける中、葉野菜であるニラならば、足元に気を取られずに戦う事が出来るだろう。 四人は『待機班』として、鬼と戦うと決めた場所に残り、身を潜めて戦いに備え。 残る四人が『誘導班』となって、鬼の注意を引き、待機班の潜む場所まで誘導する。 誘導したら、後は持てる力を尽くし、鬼を倒すだけだ。 「障害物になりそうな物は、今の間に探して取り除かないとね」 「ひろいも手伝いますっ」 小屋が壊された破片や置き忘れの農具がないか、畑を確認する紅虎に拾が同行する。 一方で御影はニラの前で腰を落とすと土を手に取って握り、あるいは指の間で擦るようにしながら地面へ撒いた。 「‥‥どうかしたか?」 純粋な興味からか、彼の所作に気付いた五百房が尋ねる。 「土に、何か気になる点でも」 「いや‥‥ここの畑は、いい土だな。村人が丹精を込めて土を作っていたのが、よく判る」 「そうか」 御影の返事に何となく納得した五百房は身を屈め、足跡のくぼみでくたりとしたニラの株へ手を伸ばして青葉をなぞった。 野菜の事なぞ、詳しくは知らない。 だが踏み潰されても完全に息絶えない強さは、彼女にも判る。 「こちらも抜かりなく、準備をしないとな。出遅れては、誘導班の者に怒られてしまう」 「ああ、そうだな」 立ち上がった五百房に御影も頷き、手についた土を払った。 ●鬼追い 風を切って、一本の矢が飛んだ。 だが矢は刺さらずに弾かれ、岩鬼の様子に変化はない。 それでも、『獲物』の気配には気付いたのだろう。 重い歩みを止め、頭を振って右と左を交互に窺った。 そこへ、違う角度から再び矢が放たれる。 今度は鬼の背中へ突き立ったが、蚊が刺す程にしか感じないのか、怯む事なく金棒を持たぬ手で払われた。 「どうしよう。矢が当たっても、よく判ってないっぽいよ?」 ロングボウに次の矢を番えていた赤マントは仲間へ振り返り、厄介そうに玲が歩みを止めた岩鬼を見上げる。 「こりゃあ、マジで硬いか鈍いかだな」 「面倒な。あえて姿を晒して、逃げる方が手っ取り早いだろうが‥‥」 舌打ちした羅喉丸は、彼らよりも後ろに下がって待機する氷へ視線を向けた。 眠そうな顔で髪を掻く氷だが、状況は判っているのか、少し間を置いてから首を縦に振る。 「う〜ん。石を投げても無理なら、俺達が人参役やらないとなぁ。符は温存しておきたいけど、いざとなったら動きを鈍らせてみようか」 「頼む。弓で注意が引けないのは、計算外だった」 詫びる羅喉丸に、「お互い様」と氷はひらひら手を振った。 「まぁ、掴まらないように逃げれば、問題ないから」 「そりゃあ、そうだけどな」 「速さなら、僕に任せてよっ」 身体を慣らすように赤マントが軽く飛び跳ね、話を聞く玲は迷いながらも鬼を目で追い続ける。 「聞いた話では岩鬼が走る様子はないが、油断は禁物だからな。鬼を転ばせるより先に、こっちが転ぶのはマズい」 「判った、気をつける」 玲の忠告に少女は神妙な顔をし、短い赤毛を揺らしてこくんと頷いた。 四人がいる場所は、弓が届く射程のぎりぎり。 そこから鬼の視界に入るよう、用心しながら赤マントはそろりそろりと移動した。 重い地響きの様な音が、地面を伝わってくる。 「い、いよいよ、ですね‥‥おとうさんが言ってたように、恐いかおをしてるの、かな‥‥」 鬼さんを見るのは初めてになる拾は、開拓者の父が小さい頃に語ってくれた話を思い出す。 が、何だか怖い想像になり、慌ててソレを追い出すように頭を振った。 「‥‥か、考えるの、やめよう!」 「あ、来たよ!」 駆けて来る人影に、声をあげて紅虎が知らせる。 戻ってきた仲間の表情は、やや焦り。 その後ろに、時おり金棒を振る岩鬼が追っていた。 確かに走らず、歩みも早くないが、鬼が踏み出す一歩の幅は人よりも大きく。 気を抜くと、後ろから金棒で殴られかねない。 援護に飛び出したい気持ちを抑え、待機班の者達は丈の高い栽培物や路傍に立つ木の影で身を屈め、獲物を握って息を殺す。 ぶんと大きく金棒が振り回され、その風で周りの草葉が大きく揺れ。 畑へ岩鬼が踏み込むと、潜む者達は一斉に立ち上がった。 ●巌を穿つ 「こわいけど、やっぱりこわいけど、こわくない‥‥鬼さんこちら、ですっ!」 勇気をふるい、まず真っ先に鬼の前へ飛び出した拾が、鬼へ攻撃すると見せかけ。 「せぇっ!」 気合と共に赤い髪を翻し、紅虎が躍り上がるように一撃を放つ。 飛手をはめ、鬼へ打ち込んだ拳に伝う感触は、弾力のない岩を殴ったようで。 「うわっ、痺れる‥‥硬ーい!」 素早く距離を取った紅虎が、思わずその手をぶんぶんと振った。 「大丈夫ですか、紅虎さん‥‥」 「二人とも、足を止めるな!」 鋭く飛んだ五百房の警告に、考えるより先に二人の少女は飛び退って距離を取る。 後ろを見ずに鬼が振り回した金棒が、大きくニラの葉を揺らした。 「普通に打ち込んでも、効果は薄そうだ。出来る限り、膝裏を狙って転ばせよう」 刀を抜いた玲が、仲間へ呼びかける。 「無理に力押しせず、相手の機動力を奪うんだ、一撃や二撃では難しいかもしれないが、一点集中で傷を深めよう」 「点滴岩をも穿つ、てな。斧、ありがとよ」 地面に突き立つ長柄斧を引き抜いた羅喉丸は、御影へ礼を告げ、刃を鬼へ向けた。 「砕け散るまで、戦うまでだ」 「とか言って、本当に散られたら困るから。んじゃ、あとは任せた」 「ああ。後ろで、高みの見物と洒落込んでいてくれ」 息を整えた氷がひらと手を振れば、皮肉めいた冗談を羅喉丸は笑い飛ばした。 「何処を見ているんだ。そのでかい図体は、飾りか?」 後ろを取った御影はフッと一瞬息を詰め、力を込めて珠刀「阿見」で斬り上げ。 泰拳士ながら、羅喉丸が刀傷を抉るように、長柄斧を叩きつける。 もう片方の足元では、振り回される金棒をかいくぐり、女泰拳士達が拳を振るい。 何とか鬼に膝をつかせるか、転倒させようと試みていた。 うるさげに足元へまとわりつく者達に、鬼が苛立たしげに足を踏み。 「あぁっ! 鬼さんそっちじゃないです! こっちむいてください!」 鬼から見える位置で拾は声をあげながら、仕込み杖を構える。 「ちょっと、大人しくさせてくれよ‥‥と」 自身の余力をはかりながら氷は呼び出した式に命じ、相手の動きを拘束する『呪縛符』で援護し。 「僕の速さと君の装甲‥‥どちらが上か、勝負!」 掌に気合を込めた赤マントが、繰り出す拳にのせて集中させた気を撃ち込んだ。 鬼の行動自体は直線的で、金棒にさえ気をつけていれば厄介な相手ではない。 だが抉った傷を押し広げ、拳を叩きつけても、痛みや疲労を窺わせず。 攻撃が通じているのか、戦う者の胸の隅で不安が頭をもたげる。 それでも、攻撃の手は休めず。 一刻を過ぎた頃、ようやく鬼の巨体が傾いだ。 「いける、諦めるな!」 「応っ!」 激励する御影の声に、羅喉丸が答える。 一方で、蓄積する疲れは僅かに攻撃を避ける足を鈍らせ。 力強い腕がぐいと小柄な身体を引き、風を切る金棒が赤毛をかすめた。 引かれた勢いで、土の上に紅虎は尻餅をつく。 「まだ、立てるか?」 無表情な面を向けて五百房が気遣えば、紅虎は元気よく頷いた。 「うん、ありがとっ」 長丁場の間にうっすらと浅い傷が血を滲ませた細い四肢で、勢いをつけて立ち上がり。 尻についた土を叩くと、キッと鬼を睨みあげる。 「デカけりゃいいってモンじゃないからねっ。お返し、してやるから!」 宣誓し、体勢を立て直そうとする鬼の膝裏を、紅虎は力いっぱい蹴り抜き。 遂に鬼は地へ膝をついて、前のめりに倒れた。 「一気に仕掛けるぞ!」 玲が刀をかざし、仲間を鼓舞する。 地に伏した鬼は金棒を振り回す事も出来ず、身を起こそうとするが。 その前に目玉や首といった急所を狙って、刃と拳が振り下ろされた。 夕暮れ空に、鴉が声が聞こえる。 土の上に鬼の姿はなく、ただ巨大な人の形に凹んだ地面が晒されていた。 疲労困憊といった体で座り込んだ拾は、ほっと安堵の息を吐く。 「みなさん、ぶじで良かったです」 「怪我してたら、手当てするぞ。女の子から先でな」 労わる氷の声を聞きながら、御影は夕暮れの風に揺れる畑を見回した。 「他の畑も、無事の様だな‥‥よかった」 「じゃあ、村の人に鬼を退治したって知らせて、村の被害を調べて、家畜の無事も確かめて。それから、野菜も! 美味しそうだし、食べさせてもらえるかな」 手当を終えた紅虎は元気よく畑から道へ駆け上がり、休む仲間へ振り返る。 「ほら。休んでられないよっ」 「そうだね!」 土に汚れた顔で笑い、赤マントも負けじと追いかけ。 「じゃあ、行くか。俺は家の方を見てくるよ」 「僕は、畑の被害の方を」 他の者達も、後の段取りを相談しながら腰を上げた。 |