がんばる鬼火玉 飛翔編
マスター名:からた狐
シナリオ形態: シリーズ
相棒
難易度: 普通
参加人数: 6人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/12/10 21:00



■オープニング本文

 夜空を彩る大輪の花。
 夏の風物詩だが、祭りや祝いなどで打ち上げられる事も多い。
 風を斬るような高い音を上げ、天高く昇り、可憐な火を散らして大地すら轟かせる――打ち上げ花火。
「綺麗ねぇ」
 時は夏も終わりの頃。女性はその壮大な芸術を楽しんでいた。
 その隣には鬼火玉。キラキラした目で、やはり女性と同じくずっと花火を見ていた。
 それは熱心に。食い入るように。
「ひーちゃんも気に入った?」
 話しかける女性に、鬼火玉のひーちゃんも喜びを示した。
 それはよかったと、女性は素直に納得したが。

 気に入る、の意味がちと違った。


 そして、冬が見え始めた昨今。
 妙に疲れた様子の女性が、うきうきに弾んでいる鬼火玉を連れて開拓者ギルドを訪れる。
「ひーちゃんが、打ち上げ花火になりたいらしいのです。つきましては、その可能性にむけて特訓をお願いします!」
 多摩と名乗り、頭を下げた女性に、ゆっくりとギルドの係員は言われた言葉を整理する。
「つまり‥‥夜空で華麗に自爆したいと?」
「死にたい訳じゃないですから。爆発といいますか、華麗にどんと火花を散らしたいって所だと思います」
 目を丸くする係員に、多摩もがっくりと肩を落としつつ、語れぬ鬼火玉の気持ちを代弁する。
 何でも。
 夏の終わりから、ふらりと鬼火玉のひーちゃんはどこかに出かけるようになった。
 後をつけてみれば、何か一生懸命特訓している。語れぬ鬼火玉の意志はよく分からないが、じっと観察し続けた結果、どうやらそうらしい。
 係員同様、やはり爆発する気かと多摩も焦ってひーちゃんを説得したが、こちらの言葉をどこまで理解してるのか。
 かくて、花火になりたい熱は冷める気配無く、特訓の日々は続いた。
 けれど、ひーちゃん自身どう特訓していいのか分からない。その内、特訓方法も迷走を始めた。
 元々開拓者であった父についてアヤカシ退治などの荒事について回っていた。割におとなしい性格はむしろ家庭向きだろう、といつの間にか留守番を言い渡され、以来多摩とずっと行動を共にしている。が、安穏と暮しても一通り技は覚えている。
 ‥‥ちなみにその父はその後浮気がばれて母から半殺しにあわされた挙句に絶縁状態。今はどこで何してるのやら。
 そんな家庭の事情はさておいて。なまじ技量が高い分、放っておいてはどこで何をどうしでかすか分からなくなってきた。
 野良のケモノに喧嘩売って己を鍛えるような事態にもなりかねず、困って多摩はギルドに訪れたという訳だ。
 内容を加味して、係員は開拓者たちに呼びかける。
「相棒を死なす気でないなら、特訓は問題ないだろ。むしろ誰かついて指導した方が無茶しなくてよさそうだな。誰か暇な奴、相手してやれ。相棒も一緒の方がやりやすいか。そこらは任せるが、特訓内容と成果の提出も頼む。うまくすれば、鬼火玉の新しい使い方‥‥もとい、スキルにできるかもしれないからな」
 げふん、と咳払いで失言を掻き消す係員だが、聞いてた開拓者たちがジト目を向ける。
 まぁ、火薬入らずでぽんぽん花火を打ち上げられたなら、それはそれで楽しいかもしれない。
 そこらの意図までは分からず、多摩は素直に頭を下げる。
「ありがとうございます。とりあえず、ひーちゃんは高く飛んでぱーっと火花を散らしたいみたいなんです。だからひとまず、高く飛ぶ練習に付き合っていただければと思います」
 鬼火玉は普通に十尺の高さまで飛べるが、それでは不満らしい。飛跳躍を使えばその三倍程までいけるが、飛んで体当たりのような技。最高点で何かするには、まだまだがんばらねばならないようだ。


■参加者一覧
柊沢 霞澄(ia0067
17歳・女・巫
喪越(ia1670
33歳・男・陰
瀧鷲 漸(ia8176
25歳・女・サ
リィムナ・ピサレット(ib5201
10歳・女・魔
シーラ・シャトールノー(ib5285
17歳・女・騎
にとろ(ib7839
20歳・女・泰


■リプレイ本文

 どんとあがってぱっと散る。
 夜空に上がる打ち上げ花火に心躍らされる天儀の民は多い。だが、人以外に、そのよさが分かるモノはどれだけいるのか。
「花火の良さが分かるたァ、ひーちゃんもなかなか粋な漢じゃねぇか」
 巧みなリズムに言葉を乗せて喪越(ia1670)が褒めると、何となく誇らしげに鬼火玉のひーちゃんが上を向く。依頼人の多摩は、ちょっとだけ困ったように笑う。
 花火の良さが分かるのはいい。
 しかし、花火になりたいというのはどういう事か。
「確かに打ち上げ花火は綺麗です……。でも、自ら花火に……というのは、鬼火玉ならではでしょうか?」
「私の焔那にはそんな素振りはなかったような?」
 考え込む柊沢 霞澄(ia0067)に、瀧鷲 漸(ia8176)は自身の相棒を見遣り小さく唸る。
 一人より二人、と連れてきた鬼火玉の焔那は極々普通に宙を漂っている。にとろ(ib7839)のストラディバリウスもいるので三人……いや、三体か。
 連れてきた彼らは鬼火玉としてまだまだ若輩の身。それでも鍛える内に弾け飛びたいと思うのだろうか?
「でも、技が完成したらぁ、きっと素敵にゃんすよー。一肌脱ぐにゃんすー」
 にとろが猫娘の外見のままに、顎に手を当てにゃにゃっと告げる。
「自爆の浪漫を極めようってんなら、このフーテンのもっさん、一肌も二肌も脱いでやろうじゃねぇか」
「あのぉ。自爆はちょっと……」
 ちょっとだけよ☆ と本当に脱ぐふりまでする喪越に、多摩がさらに困惑して声をかける。
 ある意味喪越が自爆気味。大丈夫か。
「がんばって特訓しようね、ひーちゃん!」
 そんなやり取りは全く気にせず。
 リィムナ・ピサレット(ib5201)の呼び声に、ひーちゃんも大きく頷き、炎をより燃え上がらせる。
「特訓前に、まずはひーちゃんとの心の距離を縮めようぜ。お互い初対面のぎくしゃくのままじゃ、怪我もするってもんさ。同じ釜の飯を食えば、言葉が通じなくても、心通じるだろうよ。――ってな事で、俺の蕎麦はどうだ!?」
 喪越が打ち立て蕎麦をどんっと用意すると、二つ返事でひーちゃんは目の下辺り――要は口の辺りをかぱっと開けた。
 鬼火玉、雑食。もちろん蕎麦もいける。


 美味い蕎麦で、腹ごしらえも済み。
 開拓者ギルドより場所を移し、一暴れ出来そうな郊外へ出る。何をどう頑張るつもりかは分からないが、街中で爆発されては、付き添う開拓者としても困ってしまう。
 周囲の安全を確かめると、さっそくひーちゃんの特訓に入る。
「花火っぽくといえば、やっぱりぃ飛跳躍とー、業火球にゃんすかねぇ。まずはやってみるにゃんす」
 元々開拓者に付いていただけあって、ひーちゃんは結構レベルが高い。
 にとろの案を試しに挑戦させてみると、あっさりと飛んで見せた。
 地面を強く蹴って高く飛び、上空の敵に一撃加える。
 本体が見えなくなるほど激しい炎に身を包ませ、そのまま回転すれば辺り一帯に火炎が飛び散る。
 どちらの技も完璧である。が、
「……にゃ、にゃんか違うにゃんす?」
 飛び散った火炎にはらはらしながらも、にとろは頭を軽く抱える。
 高く飛び、技を繰り出すのはいいが、どうしても飛跳躍からの業火球になる。何度か頑張ってもらっても、最高高度を過ぎて落下しながらの業火球。『打ち上げ』花火とは言い難い。良くて鼠花火だ。
「業火球は鬼火玉でも難易度の高い技だから。ヒートアップとか簡単な業で試すべきではないかしら」
 上空から滑空艇・オランジュで待機したまま、シーラ・シャトールノー(ib5285)が声をかける。
 暴れても大丈夫な場所を選んだが、出来れば無い方が良し。業火球で出来た地上の焦げ跡は、空の上ならなおよく分かる。確かに花火っぽく見えるが、このまま続けて無駄に周囲の被害を出したくない。
 そんな胸の内は当然知らず、ひーちゃんは素直にシーラの助言に従い、飛跳躍からヒートアップに切り替え……ているようだが、ヒートアップは見た目の変化が分かりにくい。どこら辺で発動しているのやら?
「じゃあ。もっと簡単な所からやってみよう。飛跳躍を強化するんだ! 空を見てごらん! 花火はもっともっと高く上がるんだから!」
 リィムナが空を指差す。
 空は、どこまでも高い。滑空艇の高度もまた高く、普通に飛んだぐらいでは到達できそうに無い。
 そこを目指せと発破をかける。
「地面を強く蹴って跳躍……、って、足どこ? まぁいっか。とにかく、蹴る力を強化しよう!」
 分かった、とひーちゃんが飛び上がる。
 今度はとにかく飛跳躍。飛ぶ時の角度や姿勢、タイミングを見極め、分析し、調整する。
 ヒートアップも使って攻撃力を高めて飛んでみたりもするが……差はそんなに出てるようにも見えない。

「高く飛ぶにゃ地道な筋力強化しかねぇが……それにも限界があるわなぁ」
 身体を揺らして、いつもの調子で。ふざけた態度でも、冷静に喪越は状況を追っている。
「にゃにゃ。自力で駄目なら道具を使うにゃんす。何か、布団や革張りのようなもので跳ねて、弾んで技を繰り出すにゃんす」
「そゆこと。ということで、ひーちゃん専用のこんなものを作ってきたぜ」
 滑空艇・俺様の超カッコイ(ryで運んだ荷物を喪越は取り出す。
 それなりの大きな機械工作はどうみても鬼火玉専用射出機。日曜大工程度なので程度は知れていると喪越は告げるが、鬼火玉を飛ばして安全性も求めるとすればそれなりに。なんとなく、機械弓のような感じになる。
「よし、いくぜぃ!」
 いささか緊張した面持ちで射撃部分に座るひーちゃん。喪越が引鉄部分を引けばたちまち天高く射出される。
 すかさずリィムナが滑空艇・マッキ33で追いかける。マッキ33は地上と荒縄で繋がっているように見えるが、その縄には一定間隔毎に結び目が付けられている。ひーちゃんがどれぐらい飛べるか、それで計測しようというのだ。
「おお、すごい飛んだ!」
 出た結果にリィムナが声を上げるが、飛んで空から鬼火玉が落ちる。そのまま地面にぶつかって、ふらふらとしている。……飛びすぎたようだ。
「高い所に行くまでに、高い所になれる必要がありますね……。物見櫓からどのぐらい飛べるか、がんばってみましょうか」
 霞澄の提案で少し移動。
 物見櫓を借りて、ひーちゃんが飛んでみる。下に布を張って安全に受け止めるよう工夫したせいか、わりと気安く飛ぶ。
 高さ自体に恐怖は無いようだし、落ち方も少しずつ慣れては来た様子。しかし、自身で飛んでいる高さは劇的には変わらない。櫓を使った飛跳躍というか、櫓と飛跳躍の分だけ落ちているというか。
 ついでに、張った布の上で弾んでもらう。高さは出るが、その位置から業火球を撒かれると危なすぎ。とりあえず、跳躍の感じを掴んでもらおうと勧めると、楽しそうに弾んでいた。
「道具に頼ると調整も難しい上、荷物を持ち歩く必要があるか。……では、自前で投げてみるか」
 漸が鬼火玉を抱える。鬼火玉は結構重い。投げられない事はないが、そこでさらに飛跳躍となると、ひーちゃんの方がぐらついている。
「人の手で駄目なら、友情と団結で行くか。焔那! そして、ストラディバリウスも協力を頼む!」
 漸の指示の元、鬼火玉たちが集結する。
 焔那が一番下、ストラディバリウスが真ん中、ひーちゃんが一番上とどこかの串団子のように重ねあうが、何となくぐらぐらしている。その状態で下段から順番に飛跳躍で飛んで行く。焔那が押し上げたところでストラディバリウスがさらに押し上げ、最後にひーちゃんが飛ぶ……が、やはり安定しない。下手をすれば何もしないより悪い。
 試しに一番力のあるひーちゃんを下にして、慣れないのか、ばたばたとこけている。
「まぁ、これも一朝一夕にはって奴だね」
「特訓あるのみ」
 ぶっきらぼうに評する漸に、リィムナも真顔で頷いている。
 だが、肝心のひーちゃんがいささか不満げ。身振り手振りならぬ、炎の揺らめきを見ていると、どうやら、どこまでも自力で飛びたいらしい。
「自力で何十尺も跳ぼうとするより、建物の屋根とか小高い丘から助走をつけて飛び降りる感じで、火の玉をばら撒く方が現実的なんじゃねぇかと思うが……ひーちゃんはそれじゃ満足できねぇのか。うむ、その意気や良し! 最後まで付き合うぜ!!」
 ぐっと親指を立てる喪越に、めらっとひーちゃんも燃え上がる。

 そして、また特訓。特訓……。特訓あるのみ。
 とにかく跳んでみるしかないが、やっぱり早々とした変化は無い。
「そういえば、うちのヴァルさんから何かお話があるそうです……」
 跳んでも飛んでも変わりばえせず。どうしたものかと頭付き合わせていると、霞澄がぽんと手を叩く。
 おもむろに、管狐のヴァルコイネンを召喚する。
「朋友同士、何かお話があるそうですけど?」
「ふむ。人もケモノも切羽詰ると凄い能力を発揮するものだ。私が思うに『飛跳躍』の最高点で更に『飛跳躍』を使えば良いと思う」
 召喚を崩さず、尋ねる霞澄に厳かに頷くヴァルコイネン。だが、告げた提案に、霞澄の表情が若干曇ったのは致し方無し。
「そうだよ、多段跳躍! 連続ジャンプ出来れば」
 リィムナも賛同すれば、ひーちゃんも熱く頷く。
 そして、試しに跳んでみる。
 地面一蹴り、天高く上がる鬼火玉。そして、その最高点でさらに、跳躍……するが、上空で地面は蹴れず。やはり何か妙な技の形になる。
「諦めてはいかん! もう一度だ!!」
 ヴァルコイネンの叱咤で、またもや挑戦。
 飛跳躍で飛ぶひーちゃん。高く飛んだところで、すかさずヴァルコイネンは飯綱雷撃を放つ!!
「私も君も元々地面を歩いている訳では無いのだから、無理では無いはずだ。さぁ、更に上に飛ばないと痺れるぞ? 当たりたくなければ死ぬ気で飛んで来い!!!」
 なんというスパルタ。ばしばし雷を飛ばす狐に、ひーちゃんも必死で跳ねる。
「危ない事をさせてはいけません……。後できつく叱っておきます……」
 召喚終了。きゅっと柳眉に皺を寄せて、霞澄が依頼人と鬼火玉に謝る。
「連続跳びも難しいかなぁ。飛跳躍じゃなく、角突進や炎突進の突進系で上昇中に上に向かってもらう、というのはどうだろう!?」
 諦めずにリィムナが案を出していく。けれども、活性化できるスキルも限界がある。それは少し休んでから、また折を見て特訓する事になった。


 高さ稼ぎはやはり飛跳躍の特訓あるのみか?
 ひとまず、そちらはそれで置いておくとして、問題はまだある。
 上がった後、如何に花火を繰り出すかだ。
 シーラが作ってきた木の実のお菓子で一息ついた後、早速また開けた場所に繰り出し、特訓を再開する。
「今よ!」
 オランジュに乗ってやはり空から。言葉短くシーラが告げれば、飛跳躍で上昇していた業火球を繰り出す。登る途中で技を繰り出したり、落ちてから繰り出したり。やはり早々上手く行かない。
「おトイレ我慢するみたいに、体に力入れて耐えるの! すぐ落ちちゃ駄目!」
 リィムナもマッキ33から、頂点付近で空中静止して、ひーちゃんの動きを見る。
 こちらはさらに難しい。鬼火玉は飛べるが、それだけの高さは無理。なにやら炎をばたつかせ、さながら人間なら両手伸ばして飛ぼうとする感じかもしれない。
 だが、根性では飛べ無い。敢え無く、落下していく。
 落ちても落ちてもくじけずに頑張るひーちゃん。それだけ花火になりたいのか。けなげな鬼火玉に開拓者たち一同真剣に見守り続ける。
「いっそのことぉ、逆にしてみるにゃんすか?」
 何度も休憩を挟みながら、特訓を続ける鬼火玉に、ふとにとろが告げる。
「逆?」
 尋ねられて、にとろが頷く。
「業火球をー、発動させた瞬間にぃ、飛跳躍で飛び上がるにゃんすー。業火球のぉ回転でぇ、銃の弾とおんなじ回転効果的でぇ、飛跳躍でーより高〜く上がれそうにゃんすよー。そのまま空中で乱回転すれば花火にゃんすー」
 どうにゃんしょ、と自身も半信半疑で告げる。
 ともあれ、ものは試しとやってみる。
 危険が無いように業火球の範囲から離れた所に離れてから、ひーちゃんが技を繰り出す。
 激しく炎を振りまき、ぐるぐると回転を始める!!
「いまにゃんす! 飛びあがるにゃんす!!」
 飛び散る炎に負けず、熱い勢いでにとろが叫ぶと、ひーちゃんが飛跳躍を繰り出す。
 が。
「駄目だね。飛距離も減ったし、炎も疎か」
 難しい顔でリィムナが測定。
「新しいことをいきなり出来るはずないですからね。ゆっくりとでもいいから、技を繰り出す練習をしましょう」
 オランジュからシーラが呼びかけると、失敗に負けじとひーちゃんは立ち上がった。


 そんな試行錯誤を繰り広げながらも、ひーちゃんは開拓者たちに支えられ、特訓を続ける。
 飛んで跳ねて跳んで、燃えて回転して、たまには地面に転がりながら。やがてはコツもつかめてきたか、飛跳躍から炎を振りまく姿も様になってくる。
「でも、まだまだ炎は散漫ですし、跳び方にふらつきがあります。高度も安定しません」
 優しげに微笑むものの、シーラの評価は厳しい。完璧主義としては、見直す点はまだまだある。
「けれど、何か掴めたみたいです。ひーちゃん、楽しそうですもの」
 鬼火玉の頑張る姿に、多摩も満足げ。少なくとも、危険で無茶な特訓は避けられそうなので安心している。
「頑張って修行すれば、強くなるものにゃんす。ひーちゃんもがんばるにゃんす」
 爆発ってぇホント良いものニャンすねー、と笑いながら、にとろはストラディバリウス引き連れ、下駄を鳴らす。
 ひーちゃんとしては、まだまだ修行に付き合ってほしそうな雰囲気だったが、開拓者たちとていろいろある。
 特訓を怠らぬよう誓いを交わすと、一同はひとまずひーちゃんたちと別れた。