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■オープニング本文 ● 夏ともなれば日中の日差しはもとより、寝苦しい夜を過ごさねばならない日が多くなってくる。 そのような日には無理に寝付こうとせず、夜道を歩き涼しく過ごせる場所を探してみるのも一つの手だ。 同じように寝苦しい夜に負け、縁側に座り表を眺める、近所で評判の器量良しが、垣根の隙間から垣間見えるというような幸運が落ちているかもしれない‥‥ 「なんてぇ、思うばかりで現実は‥‥」 そもそも、近所で評判の未婚の女なんてものがいるならお目にかかりたいものだ。ぼやきながらも、夕涼みと称した夜道の散歩を続ける男は、心の底で万が一の奇跡を期待していたのかもしれない。 だから、そのとき自分が歩いている道のそばに墓場があることも、すっかりと忘れていた。 「‥‥‥」 向かう先から、ふらりふらりと移動してくるのは、人の影。常よりも過ぎた酒のせいか、酔った自分が揺れているせいだとでも思ったのか、男はその不自然な歩みにも、全く疑問を覚えなかった。 「なんだい、ねえちゃんも夕涼みかぃ? だったら俺と一緒に‥‥」 ガシッ 突然両手で掴み掛かられても、酔っ払いゆえの粗相と思い込んでいる男は、やっと自分にも幸運がめぐってきたのだと、幸せなことを考えていた。 ただ、人影が女性のかたちをしていたから。利かない鼻で、その腐臭を感じることも無く。 「何なら俺んちで介抱してやろ‥‥う‥‥」 ガブリ 男が見た最期の光景は、己にもたれ掛かる女の旋毛。 ● 「最近、屍人に襲われる事件が続いている、そういうことでよろしいですか?」 確認を取る受付係に、沈痛な面持ちで頷く依頼人。これまでも一体ずつでなら発見できていて、その都度、丁度村に逗留していた開拓者に頼んで退治していたとのことなのだが、どうにも増殖しているようだというのだ。 「不用意に夜道を出歩かないよう、村の者にふれまわっているのですが‥‥それでも、確実に防止策になっていないのです」 夏ですからねぇ、とどこかあきれたようにこぼした受付係。すぐに表情を取り繕って、仕事の顔になる。 「行方不明になった者ばかりが、屍人となって発見され、退治されていくのです。一人なら偶然ですみますが、数が多くなってくると‥‥」 彼らを屍人に引き込んだ大元が居るのではないかと考え、神楽の都まで依頼を出しに来たという。 大本の存在についてはあくまでも仮説の話ではある。だが、そう考えることが一番妥当であると受付係も同意して、話を書き留めていった。 開拓者に、大元の居場所はわかるのか、とたずねられ、受付係は、手元の書付を見せる。そこには簡素ながら村の地図が添えられており、いくつかの印が書き込まれていた。 「幸か不幸か、数件続いたせいで場所は目算がつきました。ただ‥‥どうやら、墓場に近づいてきているようでして」 これはあくまでも、受付で話を聞いた限りでの推測ですよと付け加えながら、今まで以上の大量発生の可能性もありますので、気をつけてくださいと受付係は言うのだった。 |
■参加者一覧
柊沢 霞澄(ia0067)
17歳・女・巫
風雅 哲心(ia0135)
22歳・男・魔
雲母坂 芽依華(ia0879)
19歳・女・志
霧崎 灯華(ia1054)
18歳・女・陰
氷(ia1083)
29歳・男・陰
雷華 愛弓(ia1901)
20歳・女・巫
錐丸(ia2150)
21歳・男・志
シャオ・シン(ia2987)
27歳・男・泰 |
■リプレイ本文 ● 簡素な地図には、5つの印がつけられていた。近い印同士、発見し退治された時系列順に繋ぎ合わせると、一つの線に見えなくもない。 「一方の線を延ばすと、墓場に重なるのですね‥‥」 最も新しい印の上から墓場に向けて、指でなぞりながら呟くのは柊沢 霞澄(ia0067)だ。彼女の言うとおり、線は墓場の一部に重なっている。 「屍人に好き勝手してもろたら困りますよって、ちゃんと成仏してもらわんとあきまへんなぁ」 雲母坂 芽依華(ia0879)が軽く息を吐く。印は村の内部に書き込まれているから、村に入りこんでから退治されたということだ。それはつまり、屍人が何の障害もなく、村に入ってこれたことを示す。 「人通りが少ないおかげで、獲物もなかたってェことか」 錐丸(ia2150)が村人に聞いてきた話を告げる。墓場の部分が突き出たように、瓢箪のような形をした村。墓場の周りは背の高い木が並び柵の代わりとなっている。そのため日中でも薄暗く、用がない限り村人は近寄らないのだそうだ。村の中であっても、墓場に近い場所ほど人通りは少ない。村人の家々が並ぶ区域と墓場の間には、土地が遊んでいるくらいだった。 「んじゃ、あとは夜中まで寝てて良いのか‥‥冗談デスヨ?」 一通りの情報を聞き集めたところで、氷(ia1083)がふぁ‥‥と欠伸。八人分の昼飯と、夜の見回り前の夕食の手配を済ませた彼は、二度寝をしていないせいでひどく眠そうだった。 「‥‥いきなり大量発生、という事はありませんよねぇ?」 墓場の事前調査をするのは雷華 愛弓(ia1901)を含め三名。墓標の数を確認し、その全てが屍人となった場合を想像し、無意識に己の体を抱きしめている。掘り返したような跡が見つかっていないのが、現状の救いだ。 故人は焼かず、死した姿そのままに地中に埋める土葬である。薄暗く風通しのよい地形のおかげで気にならないだけなのか、墓場において目立った腐臭は感じられない。 「死人が蘇って動き回るってなァ怪談は泰国にもあったなァ」 関節が固まってしまい、歩けないから跳びはねるのだと、雑学を披露するのはシャオ・シン(ia2987)。両手をまっすぐ前に出し、手首から先を力なくだらりと垂らした状態で数度跳ねた。 だが目線はしっかり墓場へと走らせている。夜間に必要となる、かがり火の設置場所を選んでいるのだ。 「ひとまず、日中に活発に動いているわけではないようだな」 一通り墓場を見回した風雅 哲心(ia0135)が推論付けた。だがその手には瓢箪が握られている。一般的に、酒などを入れて持ち運ぶ紐付きの瓢箪だ。供え物のように置かれていたわけでもなく、空いた場所に放り投げたように落ちていたのだ。 「屍人か〜やっぱ臭うのかしらね?」 霧崎 灯華(ia1054)は、一人で調査を行っている。これまで退治されてきた屍人は皆早朝に現れていた。勿論全て村人で、前の晩から姿が見えなかった者ばかりだ。一晩のうちに何かがあったことになる。 (「ま、楽しい死舞ができるならいいんだけどね‥‥」) 聞き込みを続けると、昨晩から姿の見えないものが二人居るとのことだった。 「‥‥!」 気づいたのは霞澄で、物言わぬまま日陰の奥を指差す。市女笠の乱れを直して日向に出れば、彼女自身で遮られていた日陰への視界が広がる。 服装はただの村人と変わりないため、遠目にはわからないかもしれないが、それは死臭を纏わせていた。屍人だ。 「ん〜、他に屍人もおらへんし、おとなしゅうしとるうちに退治しときますか」 日差しが強いおかげで動きが鈍っているのかもしれない、芽依華が業物に手をかけると、錐丸も屍人へと近寄る。 「おいでなすったか」 危険を察知したのか、それとも獲物が近づいてきたとでも思ったのか、男の姿をした屍人がむくりと立ち上がろうとする。死臭もあたりへ広がった。 「村人が来ないよう見張っとくな」 氷が霞澄と共に下がる。 錐丸と芽依華がそれぞれの得物に炎を纏わせる。二人が攻撃を加えれば、すぐに屍人は空へと消えるのだった。 ● 早めの夕食をとりながら集めた情報を照らし合わせると、いくらか状況が見えてきた。 現在行方不明となっている男二人は友人同士で、よく酒を共にする仲だった。ひとりが屍人となり発見され、もう一人がまだ見つかっていない。墓場で見つけた瓢箪は、彼らがよく使っていたものであると確認したところで、二人が墓場で涼をとりながら酒盛りをしていたことは間違いがないようだった。 「酔っ払いの千鳥足でしたかぁ」 引きずったような足跡なら、間違いなく屍人だと思えたのですけど、と愛弓が呟く。見つけた変わった足跡は、酔っ払って屍人の仲間入りを果たした元村人であり屍人のものだったのかと、小さく頷く。 「昼にうちらが倒した方はそれでっしゃろ。でも、もう一方のおひとの分はありましたんえ?」 「地面にも色々あったからな、足跡が残らない場所もあって追いきれなかった」 踏み固められた土、砂利、小さな植物が萌え茂る部分など‥‥つまりそちらは見つからなかったと、哲心が答えた。 ● かがり火は、日中の見回りのうちに設置していた。それらと持参のたいまつに火を灯せば、ずいぶんと視界がひろがる。 開拓者達は、二手に分かれて墓場の見回りをすることにしていた。昼間の様子は互いに申し合わせてある、違う場所があればすぐに気づくはずだし、二手ならばより早く全体を把握できるという狙いだ。 「ほんとう、ここは涼しいわね」 夏も盛れば夜も寝苦しいはずなのだが、灯華が言うとおり、この墓地には涼しい風がそよぎ、気候だけなら過ごしやすい。 「でも、墓場ですから‥‥肝試しなら、わかりますけどねぇ」 すすんで来たいものではありません、と愛弓が言う。 ‥‥ザッ、ザクッ‥‥ 「シッ!」 物音を聞きつけた哲心が鋭く声をあげる。愛弓が様子を見ようとたいまつをそちらに向ける前に、鍬を持った何かが開拓者達へと襲い掛かってきた。 「かがり火まで誘い込むんじゃないのか?」 シンの制止の声に構わず、哲心が屍人へ珠刀を振り下ろす。 「少なくともあれは大元じゃねぇ、しかも墓穴掘り起こしてやがる!」 たいまつの火に照らされた屍人は死装束ではなく、村人達に近い服装だった。極めつけは、携帯している瓢箪。行方不明者の片割れだろう。 「了解、迅速に始末して次に行くとするか」 哲心の後にシンも攻撃に転じ、その屍人も空へと消えた。 「大元は、予想より頭がいいかもしれないわね」 灯華が見回すと、周囲にはいくつかの穴が掘られている。だがそこに居る屍人は一体だった。掘り起こされた死体は屍人の仲間となり、大元と共に別の場所へいったと考えるのが妥当だろうか。 「掘り起こされた穴は三つ‥‥」 愛弓が呟くところに哲心がたいまつを借りに来る。何事かと三人が見れば、彼は足跡を探しているようで。 「見てくれ。‥‥墓場の外から入ってきている」 目を凝らしてみれば、明らかに自分達とは違う足跡が残っている。更に墓場の奥のほうに歩んでいく跡があり、その数は増えているようである。 「周りの木々は、出入りを遮断しているわけじゃねぇのか」 シンが頷く。昼間は墓場の中にばかり気にしていた分、盲点だったと言える。 「ひとまず、この跡を辿ろう。向こうの班が先に遭遇する可能性も、更に仲間を増やしている可能性もある‥‥これ以上の犠牲を出さないためにも、元からきっちり絶っておかないとな」 ● 開拓者が墓場の見回りをするということで、村じゅうに夜間の外出禁止の連絡がまわされた。昼に6人目の屍人が出没し退治されたことや、本格的に開拓者への依頼が行われ、彼らが実際に調査に回っていたこともあり、村人達が暮らす居住区はしんとしている。 「まだこの中で眠る気にはならないなぁ‥‥」 家々から漏れる明かりを振り返り、目を細めて見つめてから墓場へと向き直るのは氷。いつもより睡眠が足りないものの、眠気の限界を超えたのか、その動きは朝よりもしゃっきりとしている。 「夏の夜に現れる屍人‥‥あまり見たいものではありません。それでも犠牲になった方の‥‥そして永久の安らぎを乱された方の供養の為にも、きちんと解決致しましょう‥‥」 日が沈んだおかげで道を選ぶ必要もなくなったおかげで、わずかに口数が増えた霞澄は、これから対峙するであろう屍人を想像し身を震わせる。昼に退治した屍人は、死体になったばかりの存在であったため、人の原型を留めていた。それはそれで退治するのに後味が悪いのだが、これから先に見るであろう屍人は、ある程度、もしくはひどく腐敗の進んだ死体である可能性が高いのだ。 「せやけど、屍人のぎょうさんおるたまり場を見つけて、夜に一網打尽するんがええのは事実ですえ」 霞澄が何を想像したのか正確に理解した芽依華が、必然だからとフォローを入れた。 「んん?」 手近にあった、気になる墓を入念に調べていた錐丸が顔を上げた。三人も声につられ、彼の視線を追う。 「たいまつの灯り、動く早さが変わってないか?」 もう一方の班が見回っているであろう方角を指差す。墓地の広さはそれなりにあるが、墓自体がそう高さのあるものでもない。互いの顔が克明に見えるほどの明るさはないので不可能だが、移動するたいまつの灯りくらいは、墓地の中であれば判別できる。 「‥‥あっちか?」 氷も目を凝らす。足早に、かがり火のほうに向かっているようにも見える。 「何か手がかりがあったのかも知れねぇ‥‥どうする?」 「‥‥あわてて向かって、屍人を取り逃がす切欠になっても‥‥」 霞澄が迷うようなしぐさとともに提案すると、芽依華が後を引き取る。 「そうですえ、抜けがあってもあきまへん。足早に、でも順序どおりに急ぐんはどうでっしゃろ?」 ● 哲心達が屍人を発見したのは、かがり火よりも離れた場所だった。 遭遇した屍人は7体。うち6体は死装束を身に着けていた。特にその6体目は、今まさに屍人へと作り変えられたばかりのようで、唯一身に着けるものの違う‥‥元は女性だったと思しき屍人に抱えられていた体勢から、ゆっくりと立ち上がった。 「手前ぇが大元か」 哲心が女性型の屍人に珠刀を構えようとするのを、灯華が止める。 「もう一班のほうがこっちに向かってきてる、このままひきつけて挟撃にした方が確実だわ」 「せっかくかがり火まで近いんだ、有利に運べる状況は作ったほうがいいぜ」 「矢を放つには両手と、ある程度の距離が必要なのですよぅ」 言いながら、シンと愛弓はすでに後方へと下がり始めている。 哲心が改めて屍人達を見れば、その向こうからたいまつの明かりが近寄ってくるのが見えた。 「すぐにケリつけてやるぜ」 哲心も仲間達を追うように、ジリジリと後退する。その様子に戦況の有利を感じたのか、屍人達は、まだ後方の開拓者達に気づいていない。ただ目の前の獲物を素直に追いかけてくる。 「居ましたえ!」 かがり火のそばで挟撃に成功した開拓者達。芽依華の声で後ろを振り返った大元らしき屍人は、何とか退路を見出そうと、すぐ横の墓の並びへ逃げようと身構える。 「あんたらのおる世界はここやおまへん。おるべきとこに還るんや。‥‥まあ、そう思うても無理やろし、うちが先導したるで」 うまく屍人への接近に成功した芽依華が、炎を纏わせた業物で斬りかかる。大元の屍人へは射程の都合で届かないものの、目前に立ちはだかっていた一体を倒すことに成功する。 (「今朝のより弱くねぇか?」) それを見て、心中首をかしげるのは錐丸。日中に退治した一体は、自分と彼女の二人がかりで倒したはずだ。 大元の屍人はその間も逃げようと必死のようだ、表情は変わらないし、本来の動きもゆっくりなのだが、動きに焦りが見て取れるように感じる。だがシンが立ちふさがっておりそれもかなわないようだ。 「ここから寄るのは無理か‥‥仕方ない、これでもくらえ!」 哲心が、大元の屍人に近寄れぬ悔しさも込めた一撃を放てば、二体目が倒れるように空へと消える。一歩、大元へと近づく。 「骨法起承拳!」 シンが狙い通り、大元に向けて棍を叩き込む。手ごたえはあるのだが‥‥ (「倒れる様子はねェな」) 屍人は痛みを感じない。そのためどれだけダメージを受けたとしても、その動きに乱れが生じることはない。その割りに、おおきなダメージを与えられた気がしないのだ。 「切り裂け風! 斬撃符!」 (「事件の大元を、先に‥‥!」) 僅かに白くにごったような刃達が、灯華の手元から放たれる。だが大元が倒れる様子はなく、その彼女が配下ともいれる屍人達に合図でもしたのか、護るように他の屍人達が、シンへと群がっていく! 流石に4体に囲まれれば、全てを避けることもできない。 邪魔をしていた目前の屍人が居なくなったおかげで、錐丸に好機が訪れる。 「この『纏朧隻鬼』が地獄から連れ戻しに来たぜ」 それまで肩に担いでいた刀に炎を灯し、振りかぶる。一閃、返す勢いで二閃。灯った炎が軌跡を描き、大元の屍人は消えた。 (「諦めて還んな‥‥蹂躙していい死体なんて此の世にはねェんだ」) 「後は取り巻きだけですねぇ」 愛弓の声で、開拓者達の意識が残った屍人達へと戻る。彼女が構えていた矢は、迷うことなく吸い込まれていく。4体とも固まっているおかげで、狙いも定めやすい。 「遅れました‥‥今治しますね‥‥」 霞澄の声と共に、シンを爽やかな風が包む。その瞬間だけ、あたりに立ち込める腐臭も一掃され、細かな傷が癒されていく。 (「眠ぃ‥‥早く終わる方が好都合か」) 回復用に練力を温存していた氷が、式を飛ばす。張り付かれた屍人がまた一体、消えた。 「怪我もないし、屍人から分けてもらう道理もないな」 司令塔の役目もかねていた、根源である大元は消えると、残るは三体の屍人のみ。 彼ら屍人の腐敗した脳には逃げるという選択肢もなく、抵抗する隙も与えられず、ただ開拓者達に狩られていくのだった。 ● 大元の屍人は女性の形をしていた。黒く霞と消えてしまったため、物証は残っていない。だが開拓者達の記憶にその外見は残っている。 大まかな身体的特徴を村の者達に訪ねてみたものの、その特徴に合う人物を知るものは居なかった。もともとは、この村の者ではない、外かやってきた者だったのか、それともはじめからアヤカシとしてうまれた存在だったのか、答えはわからないままだ。 灯華の提案もあり、念のため数日ほど村で過ごし墓場も見回ったが、屍人が再び現れる様子もなかった。事件は解決したのだ。 墓場の穴は埋めなおされ、屍人となり消えた7人の墓が村の墓場に増えた。 整えなおされ墓、そして新しく作られた墓のそれぞれに飾られた野の花達が、立ち去る開拓者達を見送るように、風に揺れた。 |