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■オープニング本文 ●ごーっぶごーっぶほーぶごっぶっ うっほうっほうっほ‥‥むきっ。 むきっ。 ごっぶほっぶごーぶっ。 むきっ。 ごっぶごーぶほー! むきっ。 とある古戦場の近くには、昔、大きな大きな樹があったのだと言われています。 しかし年老いたその樹はいつしか寿命を迎え、近隣の住人達によって斬り倒され、彼らの生活を手助けする家屋や道具へと変じ、今では見る影もありません。 今その場所には大きな大きな、切り株がひとつあるばかり。 その筈だったのですが――― 「かあさん、鬼がいるよー?」 「なんですって!?」 それなら早く逃げなければと、母親は息子の手を引いて来た道を急ぎ足で戻っていきます。幸いにも鬼達には気づかれていなかったようでした。 安全な場所についてから、母親は息子に尋ねました。 「どんな鬼だったか、わかるかい?」 開拓者達に依頼を出してもらうためには、どんな鬼だったか、どれだけ居たのか、地主にも伝えなくてはいけません。 「えーと、こんな感じだった!」 両の握りこぶしを顔の横にあげて、脇をぎゅっと引き締めるポーズをする息子に、母親はぽかんと口を開けました。 「あとねー、こうだったかな?」 今度はおなかの前あたりに拳が移動したポーズ、片足が一歩前に出ています。 「一匹だけ切り株の上で、楽しそうだったよ?」 「‥‥忘れなさい」 「かあさん?」 「しっ! そんなこと忘れなさい! 人に言ってもいけませんよ!」 子供の教育によくない気配がぷんぷんします。早く退治してもらわなくてはいけません。 ●鬼は鬼でも 「‥‥変態、いや鬼が弐ダース‥‥ですか」 晶秀 恵(iz0117)は顔を引き攣らせて説明を受けていました。回復役がいなかった場合を考慮して、念のため同行するように、と上司から言われているようです。 目撃情報によると、鬼達は皆筋骨隆々の逞しい身体を持っていて、集団行動をしていたという話です。武装もしていたようですが、防具の様なものはほとんど見られず何かこだわりを持っている様子。 (悪鬼兵‥‥よね?) 身体的特徴で判断する限りは間違いないはずなのですが、切り株の上で決めポーズという話を聞くと、確信していいものか迷うところです。 (統率された決めポーズで迫られたくない‥‥) 嫌な想像が、晶秀の脳裏を駆け廻りました。しかしこういうものほど実際に起きてしまうのが世の常というもの。きっと戦闘ではその現象が起きる事でしょう。 ●ごっぶほーぶ‥‥! ほーぶごっぶ、むきっ。 むきっ。 ごぶごぶっほぶー! む‥‥ばたっ! ほぶっ? ごぶっ? ‥‥ご、ごぶぅぅぅうん。 |
■参加者一覧
相川・勝一(ia0675)
12歳・男・サ
阿弥香(ia0851)
15歳・女・陰
ルンルン・パムポップン(ib0234)
17歳・女・シ
エルレーン(ib7455)
18歳・女・志
雁久良 霧依(ib9706)
23歳・女・魔
戸隠 菫(ib9794)
19歳・女・武
白鋼 玉葉(ic1211)
24歳・男・武
九朗義経(ic1290)
17歳・女・ジ |
■リプレイ本文 ●あれに見えるは ほっぶごっぶーごぶっ。 むきっ。 「うわぁ‥‥きもちわるっ」 遠目に見える悪鬼兵に、エルレーン(ib7455)は思いっきり顔をしかめました。生理的に受け付けられないのです。 「ですよね」 「よくよく貧乏くじを押し付けられるのね‥‥任せておいて、さくっと浄化してやるから」 力なく同意している晶秀 恵(iz0117)を、戸隠 菫(ib9794)はぎゅっと抱きしめ、励ますように背をぽんぽんと叩いています。 「筋骨隆々迄は許せちゃいます、きっと脅威だなって警戒もしちゃうもの‥‥でも、あの踊っているようにポーズ付けているのだけは、絶対に許せないんだからっ! 悪い夢を見ちゃいそうなのです」 「ですよね」 「そ〜お? 可愛いマッチョ達じゃない、楽しませて貰えばいいのよ♪」 「ですよね‥‥って違う、楽しむとかあり得ない!」 ルンルン・パムポップン(ib0234)の声にも同意していた晶秀、雁久良 霧依(ib9706)の言葉にも頷きかけて違うと気づき、慌てて否定しています。 「確かに縛りがいのあるいい体してやがるな! でも世の中で一番かっこいい筋肉は死んだ父ちゃん、次にかっこいーのは師匠だ。アヤカシの癖にマッチョなんて300年早ェんだよ!」 阿弥香(ia0851)は持参した父親の絵姿を確認して、頷いてから懐に仕舞いなおしました。 「つまり‥‥奴らが集団で連携を取って何やらアピールしてくるのが問題なのか?」 理解しようと努力している白鋼 玉葉(ic1211)は、しっくりこない事が気持ち悪くてしきりに首を捻ります。 「鬼かよ、見得を切るとは中々の傾奇者よな。張り合わねば九朗の立つ瀬が無いというもの、覚悟せいよ」 九朗義経(ic1290)は真剣な表情で悪鬼兵達を睨みつけていました。既にバイラオーラを発動させて、やる気は十分です。 「まずは僕達の方へと惹きつけないとですねっ。‥‥あんまり惹きつけたくないのですけども」 相川・勝一(ia0675)が諦めた笑いを浮かべて言いました。 教育に悪いアヤカシは早く何とかしなければいけません。 ●アピールからの 「せぇいっ!」 勝一のグングニルが飛んでいき、切り株の上でポージングをしている悪鬼兵の足元に、ドスン! ごぶっ!? ほぶっ!? 「ガオォォォォォン!」 中でも特に体格のいい一匹に向けて、次に勝一が発したのは虎の雄叫び。その声に気を惹かれた悪鬼兵は視線を開拓者達の方へと向けました。 その視線の先に待つものとは一体なんでしょう? 武装した虎っぽいオス。 羽扇をもって豊満な肢体をくねくねするメス。 大仰に武器を構えた人形。 その他六名。 ほぶぅっ! 開拓者達を指さし叫ぶ声に、他の悪鬼兵達も三人を見ました。 ごぶほぼぅっ? もふっ♪ ちゃ〜ちゃっちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃ〜ちゃちゃ、くねくねっ♪ ちゃちゃちゃっ、ばぁーん。 言葉ではなく態度で全てが通じた瞬間、悪鬼兵達は開拓者達に向かって一度、揃ってポーズを決めました。 むきむきむきむきむきっ♪ そして満足したのか、一気に襲いかかってきたのです。 ごぶぅぅぅっ!!! ほぶっ! 「あーらもう終わりなの、早いのね? それじゃあこっちから‥‥フォーッ!!!」 霧依の合図とともに、熱い塊が悪鬼兵達を狙い撃ちます。連携をとるのが得意な悪鬼兵、かたまって動くのが災いして、かなりの数が巻き込まれました。そう、彼らのうち数匹は、熱い塊の前に、志半ばにして燃え尽きてしまったのです。 そして、防具らしき布が燃えた悪鬼兵も居て‥‥ 「ぷっ」 鼻で笑ったその声は、誰にも聞こえなかったようです。 今まさに、殲滅作戦の火蓋が切って落とされたのです。 「理解不能っ」 精霊力を込めた脚力を生かしながら戦場を駆け回る玉葉は、ずっとずっと問答していました。 「わ、わからないぃぃぃっ!」 目の前の悪鬼兵を右に避けて。 「あのポーズに何の意味がっ!?」 今度は左に避けて、切り株のある場所にまで突き進んでいきます。頭の中は大忙しですが、両手は決めていた通りに印を結んでいました。 「準備は整ったァ!」 予定通り、玉葉は切り株の上で指示を出す悪鬼兵の目前に到着しました。 「その場所、譲り受けるっ!」 倶利伽羅剣が薙いだその風圧で吹き飛ばされ、幸せそうな顔をした悪鬼兵が一匹、吹き飛ばされていきます。 ごぶぅぅぅ♪ 切り株というステージは今、玉葉にあけ渡されたのです。 「確かに鍛えてて凄いなって思いますけど、筋肉ダルマに興味はないのです」 何も身につけていない悪鬼兵を前に、特定の一カ所に目を向けないようにしながらルンルンは酷評しています。 「見せつけようったって騙されないんだからっ!」 (線が細いほうが好みなのです‥‥そう、例えばっ) チラッと視線を向けた先に居るのは、虎さんをバッと脱いで褌と仮面だけの姿になった勝一のようです。細身ですが大武器を振りまわすその膂力は鍛え抜かれた筋肉によるもの。引き締まった肉体は正に細まっちょ。 「子供の教育に良くない変態さん達は、正義のニンジャとして放っておけないんだからっ!」 しかし今は戦闘中。ルンルンは意識を切り替えると駆ける速さをあげながら、鑽針釘を弁慶の泣き所へと投げつけていきました。鍛えきれないところを狙うのは、早く視界から消し去ってしまいたいからです。 ごぶぅぅ♪ ほぶぅぅ♪ 弱い部位への攻撃ははちょうどイイ痛みだったようです。見てしまったルンルンは、頬をぷぅっと膨らませました。 「この九朗に目を惹かれたが其方の最期よ!」 義経は常に踊っているように動きます。彼女にしてみれば会話は歌、物音は調。戦場は最も活躍し甲斐のある舞台なのです。 牙折で悪鬼兵を斬り伏せ、その勢いを損なわないよう、サンを持つ手が舞い体幹のバランスを取っています。その動きは、まさに舞台上の役者。 ほぶっ‥‥ また一匹、悪鬼兵が消えてゆきました。振りぬいた牙折を元の構えに戻す動きも滑らかに、改めて義経はポーズを決めました。 「ホモォは斬らねばなりませぬ!」 ‥‥これがなければいっぱしの麗人だったのですが。 「もうっ、きもいきもいきもい!」 エルレーンの前に迫ってきた悪鬼兵も、やっぱり丸見えです。 「とにかくあっちいけっ! ばかっ!」 ごっぶぅぅ♪ 黒鳥剣から放たれた風が、容赦なく数匹の命を狩りとっていきました。しかし、鍛え抜かれた肉体というものは、専用のポーズをとっていなくても、美しく見えるように追求されているものなのです、しかもイイ具合の痛みだったようで、悪鬼兵は消えるそのギリギリの瞬間まで目を細めた笑顔を浮かべていました。 「ふんだっ、そんなきもいかっこうしてッ、だれにみせてるんだよっ!」 くるっと別の悪鬼兵に向き直ったエルレーン、迷うことなくむき出しの股間を貫きました。 ごっ‥‥ほぶぅ‥‥ 仄かに美しいはずの桜色の燐光が、惨劇の演出として利用された衝撃的な一瞬です。 「なにかもんくある、なのっ!?」 むぅっと頬を膨らませ周囲に視線を走らせる彼女。幸いそれを見て竦みそうな男性‥‥褌虎さんはちょうど違う鬼と対峙していました。彼の明るい未来は守られたようです。良かったですね。 霧依のメテオが終わるまでは、と後衛の護衛に専念していた菫も、武器を構えなおします。今日の得物はいつもと違う天輪棍で、特徴は小柄な菫の身長よりも更に頭一つ二つ分多い長さにありました。 「武僧仲間にも筋肉を自慢するのがいたから耐性ついちゃった、けど、鬱陶しい事には変わりないんだもの」 そう言う菫ですが、やはりあまり近づかれたくない本音があって、天輪棍を選んだのかもしれません。 深く呼吸を整えて印を結んだ後、迫ってきている悪鬼兵へと視線を向けました。 「さあ、行くよ。武僧の奥義の一つ、その体で味わってみてね」 喝! ほぶっぅぅぅ〜‥‥♪ 倒れ方が菫の記憶にある仲間に似ていた気がしますが、気付かなかった事にしておきましょう。 勝一も後衛を護衛する位置で悪鬼兵を待ちかまえていました。阿弥香や晶秀の方へ向かいそうな鬼を見つける度にガオーと吠えてみたり、決めポーズで対抗してみたり、術を使わずとも、鬼達はホイホイと勝一の方へと引き寄せられていました。 ほぶっごぶっ♪ 妙に決めポーズばかりしながら勝一の周囲をウロウロしているので、もしかすると仲間だと思われているのかもしれません。勝一がポーズを決める度、嬉しそうに見えるのも気になるところです。 「‥‥よ、よし、この隙に一気に攻めてしまいましょう!」 外れかけていた仮面を直すと、口調もがらりと変わります。 「褌将軍としては対抗せざるをえないしな! 相川勝一‥‥本気となって、いざ参る!」 ごぶっ♪ 気合の入った一声は、悪鬼兵に好感触のようですね。 「んーそろそろかー?」 仲間達の応戦する様子を観戦していた阿弥香は、悪鬼兵を数え始めました。 「ひーふーみー。うん、まぁこれくらい残してもらわねーと俺の出番も無くなっちまうしな」 ちょうどよい距離に居る鬼の数は三、ならばと阿弥香が取り出す符の数も三です。 「さぁて食らってもらおうかー?」 楽しげな笑みは幸いにも誰にも見られていません。皆さん目の前の鬼を見るので手いっぱいなのですから。 「ハコダテー、リシリー、ヒダカー、ラウスー‥‥マコンブ! 今だ! 呪縛符発動!」 飛び出した式は、獲れたてぴちぴちの昆布型。鬼達の胸筋の上やら下やら手首やら足首やらに絡みついた昆布は互いに互いを結い留めたりと協力して悪鬼兵の体を縛りました。 子供の教育によろしくない方向で芸術的な仕上がりです。 ●時既に遅く ほぶぅ? むきっ。 ごぶっほぶほーぅ! むきっ。 気付けば悪鬼兵は、八匹にまで減っていました。はじめに指示を出していた、切り株の上の鬼も玉葉に倒され消えています。 ほぶっ? むきっむきむきっ。 ごぶ。 むきむきっ。 言葉よりもポーズで会話しているような動きの後、悪鬼兵は本気の反撃をすることにしたようです。彼らは再び、開拓者達に決めポーズで襲いかかりました。 むきむきむきむきむきっ♪ 八匹がぴったりと揃って決まりました。しかし既に半数以上がやられていますから、その威力だって半減してしまっているのです。 彼らがどれだけ隙を作ろうと決めポーズで牽制しても、そのポーズに美しさ等感じない開拓者達にはただの気持ち悪いポーズなのです。本来の効果を発揮するどころか、彼らの闘志を更に燃え上がらせるだけなのでした。 肉体美を追求しその美しさで獲物を追及する事を得意としていたアヤカシ達は、美的感覚の違いという決定的な現実という壁によって、全てを無に帰してしまう運命から逃れることはできないのです。 ●仕上げ 「わかったっ!こいつがあるから、ちょーしこくんだねっ!」 閃いたエルレーン、切り株に向かって駆けていきます。 しかしそのステージの上に今居るのは、玉葉です。確かに決めポーズを真似したりしていますが、服もきちんと着ています。 しかし鬼に色々と見せられて怒り心頭のエルレーンは「むかつくぽーずのヤツ」という認識で鬼と思いこんだまま、点火してしまいました。 「ま、まてぇぇぇぇぇい!?」 「もえちゃえよっ、お前たちごと、もえちゃえっ!」 十分に乾燥している切り株は、よく燃えるので良い開拓者の皆さんは真似しないでくださいね。 エルレーンのようにむきむき決めポーズの幻覚を見たとしても、当方は責任を負いませんのでご了承くださいませ。 「エルレーン殿ぉぉぉ!?」 「‥‥あれっ?」 玉葉はなんとか切り株から離れることができていました、天狗駆を使っていたおかげかはわかりませんが、間一髪でした。 ほぶ! ごぶ! 燃えていく切り株を目にした悪鬼兵達は、怒りで更にやる気になったようです。 しかし開拓者達がそれを許すはずはありません。全ては手遅れだと言えましょう。 「おっと、こちらを無視して行くのはいただけないな。俺の身体を見るのだ! ただムキムキの肉体は美しくなく、暑苦しいだけだ!」 「そうですよぅ、私が肉体言語でしっかり言って聞かせちゃうんだからっ!」 勝一が声を張り上げれば、ルンルンが声援を送るように頷きました。確かにこの二人のやっている事はどちらも肉体言語なのでしょう。表現方法が違うだけで、体と体のぶつかり合いです。 「ルンルン忍法ニンジャドライバー!」 勝一が引き付けた鬼を、ルンルンが背後から飛びかかり投げ飛ばしています。大きな弧を描く間の嬉しそうな鬼の顔は、誰の目にも留まらなくて正解です。 「美とは力の強さに非ず、技の切れこそ大事と知れ!」 勝一の声に負けじと義経も声を張り上げていました。うっかり発言がなければ、素敵な役者なのですけれど。ホモォ発言を聞いてしまった仲間からしてみれば、色々手遅れです。 「そうだね。自慢する人に限って、力押しばっかりで芸はないよね。‥‥消えてね、お願い」 菫も落ち着いた声で根を振り下ろしていました。 義経の剣技と菫の棍捌きは正確で、彼女達の前から、また一匹悪鬼兵が消えていきました。 その鬼が昆布縛りでなければ、場はもっと締まっていたはずです。 「あなたイイ趣味してるじゃなーい♪」 阿弥香の作品である昆布締め、その最後の一匹に笑顔で近づくのは霧依でした。 「昆布巻きの予定だったんだが、これでよかったのか?」 首を傾げているので、無自覚だったようです。 「体も火照っているはずよ、熱を冷ましてあげなきゃ♪」 悪鬼兵が上手く動けないおかげで、霧依でも簡単に背後を取る事が出来ます。布切れも燃やされ、動きも制限された鬼の背後で、霧依は両手を構えました。 「昇天! ゴールデンフィンガァァッ!」 ブツッ! 肉に串を刺したような音が聞こえます。指の先から更に内壁をえぐる追撃も放たれていますが、見ることはできません。 「そんじゃ止めだ、落ちろ、マンボウ!」 頭上にマンボウ型の岩が落ちてきて、最後の一匹も消えていきました。 ●兵どもは夢のあとってことにしませんか? 「うう、勢いとはいえちょっとやり過ぎました‥‥」 「素晴らしい大見栄、九朗は感心したぞ」 「格好良かったと思うの」 「こう‥‥だったか?」 「そうそう、イイ線いってるわよ♪」 「父ちゃんには遠く及ばないけどなー」 「ねー、目の保養に綺麗所に行かない? 藤とか、今が花盛りで綺麗な所があるんだ」 「そうね‥‥」 「目にきびしい戦いだったし、い、いいかも‥‥」 「この報告書には青少年の教育によろしくない表現が含まれています。閲覧時は周囲に気を配り、音読は避ける事‥‥こんなところかしら」 ギルドの報告書の余白部分に、晶秀が注意文を書き添えたそうです。 「こんな仕事、もう無いといいわね‥‥」 人の生き様十人十色、アヤカシだって十人十色。きっと、次もあると思います。 |