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■オープニング本文 ●鷹匠の兄弟 石鏡の南西にある小さな村。 そこに、村では名の知れた鷹匠の兄弟がいました。 兄の名を有良(アリヨシ)、弟の名を郁武(クニタケ)と言います。 二人は幼い頃から鷹匠としての才覚を発揮し、共に十六歳を迎える頃には立派な鷹匠になっていました。 兄は白い鷹を、弟は黒い鷹を相棒に選び、それぞれを雪風(ユキカゼ)、夜風(ヨルカゼ)と名付けていました。 彼らは相棒と共に狩りを行ったり、村人や客人の前で芸を披露して楽しませていたりしました。 しかし、一度でも彼らの腕前を見たことがある者ならば、はっきりと分かる事が一つありました。 それは、兄の有良の方が弟よりも一段上手な鷹匠であるということ。 傍目で察することのできるその技量の差は、勿論本人達も自覚していました。 兄は控えめな性格なので、決してそのことを言い触らしたりはしませんでした。 しかし、負けず嫌いな弟の郁武はその態度が余計に腹が立って仕方ありませんでした。 劣等感は向上心を生み、兄という目標を超えるために日々修行に励む郁武。 夜風と過ごす時間からは徐々に楽しさが失われ、次第に怒りだけが募っていきました。 そんなある日、兄より大きな獲物を仕留めようと郁武が躍起になっていた時。 夜風が謎のケモノに襲われ、翼に怪我を負ってしまいました。 地面に伏す夜風を見た郁武は、自分の身勝手さを呪い、これからは夜風を大切に扱おうと改心しました。 しかし、郁武の心の奥に積もっていた劣等感がなくなった訳ではありませんでした。 ●天と地の翼 飛べない夜風と、空を自由に舞う雪風。 どれだけ献身的に介護しても回復しない夜風に、郁武の心は再び黒く染まります。 どうして俺の鷹が地面を這い、兄の鷹だけが空を飛ぶことができるのか。 その様子はまるで自分と兄の差を示しているようで、郁武は苛立ちを周囲にぶつけるようになりました。 郁武が荒れ始めて数日経過した朝、何の前触れもなく夜風が死にました。 しかし、夜風の亡骸を見ても郁武は一滴の涙も流すことはありませんでした。 無表情のまま、何の感情も浮かべずに冷たく夜風を見下ろす郁武。 彼の頭の中には、もう兄に勝てないのかという諦め難い執念があるのみでした。 まるで我が身のように悲しむ兄に一瞥もくれず、機械的に夜風を埋葬する郁武。 そんな彼を一人にしておこうと兄の有良が提案し、郁武は静かな森の中に一人残されました。 魂が抜けたように呆然と墓の前に立つ郁武に、何者かが声を掛けました。 「オマエ、クヤシイカ?」 郁武は左右に頭を振りますが、声の主は見つかりません。 しかし、再び謎の声が語りかけてきます。 「オレ、チカラカス。オマエ、ダレニモマケナイ、ナル」 相変わらず声の主は見つかりませんが、郁武はもうそんなことは気になっていませんでした。 積年の恨みを晴らす機会の到来に、彼の耳は何者かの声に夢中になっていました。 「オレ、ツヨイ。オレ、イッショ、オマエ、ツヨイ、ナル。 オレ、オマエ、ソラノシハイシャ、ナル」 最早、郁武に相手の策を怪しむ思考も、夢物語を否定する思考もありませんでした。 まるで幼子が母にすがるような気持ちで、郁武は何者かの協力を仰ぎます。 「オマエ、カシコイ」 そう言って彼の前に現れたのは、彼の身長よりも大きな体躯の赤い目をしたカラスでした。 普段ならばその常識外れの生物を恐れるはずの郁武の姿は、どこにもありませんでした。 彼の目には、そのカラスが死んだ夜風が蘇った姿のように映っていたのです。 ●虚空に残った復讐心 村へ戻った兄の有良は、普段は鳴かない雪風がよく鳴いていることに気付きました。 もしかすると、夜風の死を悲しんでいるのかもしれない。 有良はそう思うと、雪風を鳥小屋から出し、大空に放ちました。 小屋の中で寂しそうに鳴いている雪風が、可哀想で仕方なかったのです。 雪風も有良の意図を察したのか、大空へ向けて力強く羽ばたきました。 空を舞う雪風の姿は、とても雄々しくて有良に元気を与えてくれました。 しかし、雪風が有良の元へ戻ろうとした時です。 突然巨大な黒い塊が飛んできて、雪風を弾き飛ばしてしまったのです。 小さな悲鳴を上げて落下した雪風を、有良は慌てて受け止め、何事かと辺りを見渡しました。 すると、先ほどまで森にいたはずの郁武が彼の傍らに立ち、不気味な笑みを浮かべていたのです。 「雪風が襲われた。アヤカシかもしれないから気を付けろ!」 兄は弟を心配して声を掛けますが、弟は一切動じません。 それどころか笑い声を上げて、雪風の仇を探す兄を見下していました。 温厚な兄も、脈絡もなく笑い者にされていい気分はしません。 「何がそんなに可笑しい!?」 兄の叱咤を聞いて、やっと郁武の笑い声は静まりました。 しかし相変わらずの不気味な笑顔のまま、郁武は兄に尋ねました。 「兄貴の雪風、ボロボロだな。 その様子だと、もう空を飛べないんじゃないか?」 それが愉快と言わんばかりの弟の態度に、有良は恐怖心すら覚えつつありました。 兄が怯んでいることを知り、郁武はまた笑い声を上げます。 「兄貴はこれから地べたを這って生きていくがいいさ! だが、俺は違う! 俺はこの大空を支配する真の翼を手に入れた! 俺こそがこの空の支配者になるんだ!」 自己陶酔の極みを体現する郁武の背後に、巨大なカラスがゆっくりと舞い降りました。 そのカラスこそが雪風に怪我を負わせた張本人であり、その正体がアヤカシであることを、兄はすぐに察しました。 そして、弟を救うためにはアヤカシを倒す必要があることも、すぐに理解したのです。 騒ぎを聞きつけてやって来た村人が大声を上げ始めたのを機に、有良は全速力で走り出しました。 自分では今の弟を救えない。 その悔しさを噛み締めながら、彼は開拓者ギルドに弟の救助を申し出たのです。 |
■参加者一覧
月夜魅(ia0030)
20歳・女・陰
鴇ノ宮 風葉(ia0799)
18歳・女・魔
海神 江流(ia0800)
28歳・男・志
天河 ふしぎ(ia1037)
17歳・男・シ
喜屋武(ia2651)
21歳・男・サ
赤マント(ia3521)
14歳・女・泰
倉城 紬(ia5229)
20歳・女・巫
春金(ia8595)
18歳・女・陰 |
■リプレイ本文 ●空に舞う夢は堕ちて 依頼を受けた開拓者達が村へ向かっていた道中、避難して来たと思われる村人の集団に遭遇した。 開拓者が彼らから詳しい話を聞こうとすると、偶然にもその集団の中に鷹匠の兄──有良の姿があった。 有良の正体を知るや、天河 ふしぎ(ia1037)が一歩踏み出して彼に質問をする。 同時に、春金(ia8595)も村人達への聞き込みを始めた。 唯一、倉城 紬(ia5229)だけが性格故なのか、村人達に丁寧に挨拶をしていた。 「雪風の怪我と夜風の怪我、よく似てなかったか思いだして欲しいんだ‥‥。 もし、最初からそいつの仕業だったのなら、弟さんの目を覚まさせるきっかけに出来るかも」 ふしぎの言葉を受け、有良は胸に抱える雪風の傷の具合を診ながら意識を過去に戻す。 しばし硬直した後、やや表情を曇らせて有良は答えた。 「直接傷を見た訳じゃないから自信はないが、似ている部分はあるように思える」 ここで証言が得られれば力強かったのだが、どうやら事は旨く運ばないらしい。 しかしふしぎは顔色一つ変えずに礼を述べると、春金の方へ視線を向けた。 彼女も丁度一通り事情聴取を終えたらしく、ふしぎと視線が重なるのを感じると、静かに首を横に振った。 どうやら夜風がやられた現場には鷹匠の弟──郁武しかいなかったらしく、有益な情報は特に得られなかった。 仕方なく開拓者達は村人達に改めて礼を告げ、安全な場所へ避難するように促してから、村へ向けて駆け出すことにした。 互いに背を向けて走っている最中、鴇ノ宮 風葉(ia0799)は振り返って有良の姿を確認すると、苛立たしげな瞳を向けた。 何故もっと弟と向き合ってあげなかったのか。彼女の胸には誰にも告げられない静かな怒りが燃えていた。 その視線を感じたのか、有良が振り返って風葉の表情を確かめようとする。 風葉はすぐに前方へ顔を戻し、背中に感じる有良の視線を無視した。 どうかしましたか、と隣を並走していた海神 江流(ia0800)が彼女に声を掛けてきた。 風葉は何でもないと答えたが、幼馴染である江流は何となく頭の隅で勘付いていた。 しかし彼女が何でもないと言う以上、江流はそれ以上尋ねるような真似はせず、近付く目的地へ意識を集中させる。 彼らの先頭を群を抜いて走るのは、誰よりも速いことを誉れとする赤マント(ia3521)という少女だった。 ちなみに本名を朱猫(アカネ)と言うのだが、その名で呼ぶのは開拓者達の中で風葉くらいなものだった。 赤マントの後ろを少し間を空けて走っているのは、喜屋武(ia2651)という巨漢。 立っているだけで他人に威圧感を与えそうな彼だが、実は礼儀正しく誠実な性格を持っている。 (「このまま二人、すれ違ったままではいけませぬっ」) 心の中で兄弟の絆を案じているのは、陰陽師の月夜魅(ia0030)。 彼女は、失われた兄弟の絆を取り戻し、今一度固く結束して欲しいと願っていた。 その思いは、彼女だけはない。 口に出すことはないが、皆それぞれ似たような思いを抱いて今回の依頼に参加していた。 ●黒き翼 村に到着した開拓者達は、苦労せずに大鴉と郁武の居所を把握することができた。 村の中央より少し南側、荒れた畑の真ん中に、大鴉と郁武が背を向けて佇んでいたのである。 それはまるで獲物の訪問を察知して待つ狩猟者のような気配を醸し出していて、開拓者達は不気味さを覚えた。 「ほら、食料が自ら食べられにやって来たよ」 近寄る開拓者の足音を察知すると、郁武は振り返りながら力のない声で呟いた。 郁武に従うように大鴉もゆっくりと振り返り、品定めをするように開拓者達を見渡す。 このまま戦闘となれば、一般人である郁武も巻き込む可能性が高い。 それだけは何としても避けるため、開拓者達は事前に話し合って決めていた作戦を開始した。 先ずはふしぎが一歩踏み出し、郁武に語り掛ける。 「郁武、目を覚ませ。そして良く思い出して、君の夜風の傷を。 それは雪風のと同じ‥‥最初からそのアヤカシに仕組まれていたんだっ!」 ふしぎの声を聞いて、無表情だった郁武の片眉が少しだけ動いた。 しかし、それ以上の効果はなかったようで、否定も肯定も、郁武は何も答えない。 その反応を見て江流は自分の出番だと悟ると、仲間に目配せをして準備万端か確認した。 皆静かに頷いて答え、江流は一回だけ大きく呼吸をした後、突然郁武を目指して疾走を始めた。 いきなり走り始めた江流に郁武は驚き、大鴉は威嚇するように大きな声を発した。 それでも止まらない江流の姿を見て大鴉が羽ばたき出したので、喜屋武は予定を少し早めて腹の底から獣のような咆哮を発した。 これを聞いた大鴉は意識を喜屋武の方へ向け、迫る江流の頭上を飛び越えて喜屋武へ攻撃を仕掛けようとした。 喜屋武は急いで腰を落として盾を構え、その姿を視認した紬がゆっくりと舞いを踊り始める。 刹那、大鴉の鋭い鉤爪が喜屋武の盾と衝突し、盾越しとは思えない強い衝撃が彼を襲い、僅かに削れた盾の欠片を周囲に散乱する。 「ぐ‥‥うぉ‥‥」 喜屋武が歯を食い縛って耐えていると、彼の背後から風葉の浄炎が大鴉を襲った。 一方、大鴉が傍を離れて不安そうな顔を浮かべる郁武に江流は肉薄し、そのままの勢いで郁武の顔面に拳を叩き込もうとした。 「ヒッ‥‥!」 痛みへの恐怖で郁武が小さな悲鳴を上げたのを見て、江流は彼の眼前で拳を急停止させた。 攻撃することではなく、その動作を見せ付けることで相手の集中を奪う、フェイントという志士の技である。 「今だ、頼むっ!」 「はい!」 江流が合図するとすぐに月夜魅が返事をして、予め用意していた呪縛符を発動させた。 江流が体を退けると同時に呪縛符の式が郁武を囲み、一瞬にして彼の体の自由を奪ってしまった。 その様子を目撃した赤マントは、次は自分の出番だと張り切る。 そんな彼女を応援するように紬が素早く軽い舞いを踊ると、精霊の力が赤マントの体を包み込んだ。 内側から湧き出すような力を感じて赤マントは喜びを感じ、一気に郁武の元へ向けて駆け出した。 足の速い彼女は、江流が彼の前に辿り着いた時よりも短い時間で正面に到達する。 「これを」 そう言って渡された荒縄の片端を持って赤マントは江流と協力し、動けずに戸惑う郁武の体を物理的に拘束してしまった。 無事に縛り終えると、今度は郁武の体を担いで今来た道を逆走する赤マント。 一方の江流は、喜屋武と鍔迫り合いをする大鴉の元へ急いだ。 「‥‥ぉおおおッ!」 鍔迫り合いの末に大鴉を跳ね除けた喜屋武は、体勢を崩した大鴉へ片手棍の一撃をお見舞いする。 姿勢を崩した所への攻撃は一層の効果を発揮したらしく、大鴉は苦痛の余りに不気味な声を上げた。 その背中へ江流が追撃の刀を袈裟に振り下ろしたが、こちらは傷が浅く、思ったよりも負傷を負わせられなかった。 同時刻、赤マントは郁武の運搬を終え、ふしぎの背後にゆっくりと彼の体を下ろした。 彼女はふしぎに郁武を頼むや否や、大空へ飛び上がろうとする大鴉を目指して再び走り始める。 赤マントの脚力は走るだけでなく跳び上がる能力も素晴らしいものだったが、大鴉の飛行時に巻き起こされる強風のせいで追撃に至ることは出来なかった。 「オノレ、ワズラワシイ、ニンゲン‥‥!」 空を飛ぶ大鴉の目は敵意を剥き出しにし、地上で彼を見上げる人間達をいかに死に至らしめるか考え出した。 空の上ならば安全だと考える辺りに、大鴉の知能が垣間見えていた。 「おまいさん、そこはわしらの領域内じゃ」 言って妖しく微笑みながら、春金は霊魂砲を発動させると容赦なく大鴉に浴びせた。 そこへ更に風葉の浄炎、赤マントの泰練気法・壱を上乗せした気功波が加わり、弾幕は力だと言わんばかりの連携対空攻撃が発動した。 空の上に居ることが逆に仇になるとは思わず、大鴉は回避も出来ずにまとも彼女達の技を喰らった。 それでも尚、地面に落ちることなく羽を動かすのは、空の支配者を名乗った大鴉の誇りなのかもしれない。 既に生命力の大半を失っていたが、大鴉はまだ諦めた訳ではなかった。 彼の瞳は攻撃してきた三人の女性ではなく、その後方で郁武の傍らに立つふしぎの姿を映していた。 せめて、失った分は取り戻さねばならない、というのが、大鴉の最後の執念だった。 大鴉は気を抜けば墜落しそうになるのを必死で堪え、更に攻撃しようとする三人との距離を置くため、急上昇をした。 すぐに春金が雷閃で動きを止めようと試みたが、急上昇速度が予想以上に速く、あっという間に有効圏外へと移動してしまった。 もしかするとこのまま逃げられるかもしれないという開拓者達の不安は、次の大鴉の行動で別の不安へと変えられた。 急上昇した大鴉は空中で縦に大きく旋回すると、太陽を背にして一気に急降下を始めた。 降下速度は徐々に増していき、まるで弾丸のように開拓者目掛けて突進してくる。 このままでは為す術無く、開拓者の誰かが一方的な攻撃の標的にされてしまう。 誰もがそう思っていた中で、月夜魅だけは大鴉の真の狙いに気付くことができた。 それは、彼女が怯える郁武の表情を唯一見ていたおかげかもしれない。 大鴉の両目が郁武を捕捉しているように感じた彼女は、事前に準備しておいた罠をいつでも発動できるように構えた。 そして、そんな彼女の様子を見て事態を察した江流も、慌てて刀を鎖分銅に持ち替えるのだった。 この二人の対応こそが、後の絶好の機会を生み出した。 恐るべき速度で迫り来る大鴉の顔を狙って、江流は装備していた飛苦無をいくつか投擲した。 そのほとんどは命中せずに終わったが、一本だけ大鴉の右目に深く突き刺すことに成功した。 まさかの反撃に大鴉は叫び声を上げて姿勢を崩し、地面に真っ逆様の状態で激突する。 同時に、月夜魅は仕掛けておいた地縛霊の罠を発動させ、大鴉の巨体を地面に止めた。 江流はこれを見てすぐに鎖分銅を操り、大鴉の体を縛り上げてしまったのである。 こうなれば、大鴉はもう恐ろしい存在ではない。 抵抗を続けようとする大鴉を囲むと、開拓者達は皆武器を振り上げた。 ●夜風 大鴉の死骸が霞と消えた時、荒縄を結ばれたまま地面に伏していた郁武が突如として暴れ始めた。 訳の分からない言葉を喚き散らし、開拓者に噛み付きかねない勢いだった。 彼をどう説得すべきか開拓者が悩んでいた時、春金がゆっくりと彼に歩み寄った。 一瞬だけ気圧されて声を休めた郁武だったが、春金が武器を持ってないと知ると再び大声を出し始めた。 だが、それはすぐに止んだ。 「いい加減にせんか、阿呆!」 春金が怒声と共に、郁武の頬を叩いたのである。 郁武はしばし呆然とし、それからゆっくりと泣き始めた。 頬が痛かったからではない。 春金が怖かったからではない。 先ほど、大鴉が頭上が強襲してきた時既に、郁武は気付いていたのだ。 大鴉の狙いが自分であり、その形相は決して夜風に似ても似つかぬものだったということを。 そして、夜風はもうこの世にいないという事実。 それが悲しくて、郁武はしばらく涙を流し続けた。 ●空を舞う夢は 事件から数ヵ月後、村は完璧とまではいかないが、ほとんど以前の形を取り戻していた。 郁武は大鴉と協力して家屋を壊し、雪風を傷付ける罪を犯したが、兄は彼を許した。そして、自らの不甲斐無さを兄は謝罪した。 それで郁武の罪が完全に消えた訳ではないが、兄弟は今日も村で生活をしていた。 贖罪のための日々は、まだ続いている。 だが、大空には二羽の鷹が優雅に舞い、村人達の平和を見守っていた。 |