【PM】私掠船
マスター名:姫野里美
シナリオ形態: イベント
相棒
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/11/25 00:50



■オープニング本文

 人族が宇宙に進出して早数世紀。
 人々は、各星系への移住や開拓を乗り越え、スペースコロニーを展開させるに至っていた。
 その一つ。コロニー「天儀」。その宇宙港にて、教師章をぶら下げた奴が1人。
「うっはよー。えーと、今日は何人だっけ?」
「えーと、わかんないにゃ」
 通称『船長』と呼ばれるノイ・リーである。書類を渡しているのは白い獣耳と尻尾を生やした獣人の少女である。乗組員の項目が白紙な事に、船長は「どう言う事だ?」と問うた。
「今回は無制限に受け入れたのにゃ。だから、受付確定日じゃないと、総人数が分からないのにゃ」
 募集人数:無制限とある。頭を抱える船長。
「あほかおまいは。再現無く受け入れたら、自分の首を絞めるって、まだわかんねーのか‥‥。クラス・シップはそれにあわせて調整するんだろ?」
「そうだにゃ。あと、教師枠を取ってるので、戦闘実習が必要にゃ」
 シップでは、自衛的戦闘行為も許可されている。その為、船には戦闘機と戦闘用発着場が取り付けられていた。
「ああ。そいつはかまわねぇ。空域は?」
「このあたりにゃ」
 宇宙海図が広げられている。航行期間は7日間と短めだ。
「でも、危険度は低いにゃ。よろしくにゃ」
「おう。じゃ、ドラゴンフライ出してくらぁ」
 ひらひらと手を振って下るタラップの先には、双胴の大型宇宙航行艦ドラゴンフライが鎮座していた。

 宙間航行船が進むのは、コロニーを遠く5cmほどに見るエリアだった。通信手段はほぼ音声と合図のみと言う状態である。飛ばされてしまえば、限りなくジ・エンドの環境で、船長はおもむろにそのエリアマップを船内モニターへと浮かべる。
「ほんじゃー、始めるとするか」
「今日の授業内容だぉ」
 ぺぺんと雪姫が用意したのは、各種武器のリストだ。怪訝そうな顔をする生徒達に、船長はにやりと笑って、こう言い放つ。
「なんだ。お前等知らなかったのか?このドラゴンフライ号の授業は私掠船。同盟外船舶の余剰装備を3割程いただく簡単なお仕事さ」
 詳しい説明は省くが、要するに海賊行為を一部認められちゃった船だと思って良い。
「今回の授業はこのあたり。ここは船の難所っていわれててな。ふつうの船は通らない。難所をカモフラにしてまで運びたい荷物を持ってる奴が通る。上前はねても、文句は言われないエリアさ」
 非合法の積荷を奪われて、下手に足がつくよりは、黙っていた方がマシと言う輩ばかりである。そんな船の1つを、雪姫がピックアップしてくれた。
「船長、このあたりなんか良さそうだぉ」
「ちょうどいいカモがいる。惑星バグアに荷を運ぶ船だな。外装は観光船だが、それにしちゃ武装がごつい。まぁはずれでも3割なら、ちょっとしたアトラクションにしかならんだろう」
 その難所を行く観光船。目的地は惑星バグア。しかし、その惑星は工業都市であり、観光がおよそ成立しそうにない星である。しかも、雪姫がボリュームを上げた船の内部が傍受されていた。
「海賊?」
「ええ、その通りですよ。弓の姫」
 片方は樋通弐と言う、弓の得意な姫だった。確か、どっかの国家で広報活動をしていた覚えがあるのだが、詳しい事は船にはない。ただ、その側には、人形型アンドロイドを使うボディガード兼執事がいた筈。
「どうしましょう・・・・。急ぎの旅なのに・・・・。間違えて観光船に乗ってしまうなんて・・・・。おまけに海賊・・・・」
「大丈夫ですよ。この船には、惑星バグアの護衛兵が数多く乗っていますから」
 太鼓判を推しているのは、その執事だろう。「そうですか・・・・。では、安心ですね」と、上品な口調で答える樋に、「念のため、護衛を募っておきましょうか」と、何かを操作する音。そこまで聞いた船長は、並ぶ海賊見習達にこう言った。
「このお姫をターゲットに、海賊として、同盟外の船から手数料を3割いただく授業だ。同じ船には、このお姫さんを護衛するメンバーを募集してる。どっちかに付く奴がいるのは予想の範囲内だ」
 確かに、護衛募集は「某国の姫君を護衛していただきたく思います。手数料は襲撃の3割」と、オープンデータで乗っかっている。

「というわけだ。我ら誇り高き私掠船ドラゴンフライ号は、ただいまより営業を開始する」

 この船の乗客の所持金を含めた積荷から、3割のお手数料をどうやっても頂くのが、今回の課題である。

※このシナリオはパンプキンマジック・シナリオです。オープニングは架空のものであり、DTSの世界観に一切影響を与えません。つか、与えちゃダメダロ。


■参加者一覧
/ 無月 幻十郎(ia0102) / アーニャ・ベルマン(ia5465) / 菊池 志郎(ia5584) / 鈴木 透子(ia5664) / 和奏(ia8807) / ロック・J・グリフィス(ib0293) / エルレーン(ib7455) / にとろ(ib7839


■リプレイ本文

 さて、物語は弓の姫こと樋姫の乗る宇宙船より始まる。宇宙港から出発した豪華客船パンプキンマジック号には、姫を守る護衛もまた登場していた。
「シローと申します。以後、お見知りおきを‥‥」
「にとろでにゃんすよー」
 恭しく一礼する菊池 志郎(ia5584)と、いつものようにぽわわんとした見かけのにとろ(ib7839)さん。が、姫様はまーーーったく気にした風情もなく、上級客室のソファでおくつろぎあそばしている。
「新しい護衛の方ですね。よしなに願います」
「はい。どんな仕事でも一所懸命にやらせていただきます」
 思うところあるのか、いつもより礼儀120%増し増しで、頭を垂れる志郎。その傍らには、忍犬の初霜が寄りそう。
「わう‥‥」
「心配しなくても大丈夫ですよ」
 頭を摺り寄せてきた初霜を撫で、そう答える彼。と、姫様がそんな可愛い子を見て「まぁ、可愛い」と褒めてくれた。
「ほら、ご挨拶して」
 好機と見た志郎、そう言って、初霜を差し出す。と、本人(?)も、飼い主の命に答えるように、わうわうと尻尾を振って姫様のおててを舐める。
「ふふ、これで大丈夫‥‥」
 どうやら、初霜の姿は、姫様の心を捕らえる事にがっちり成功したらしい。思うところあってか、そう呟く志郎。
「なにか?」
「何でもありませんよ。ご安心下さい」
 だがまだ、その事を悟られてはいけない。何故なら彼は、宇宙海賊ノイリー一家の一員なのだから。

 で、そのノイリーさん家では。
「ふっふっふ…今日は、すっごく悪いことするの! 怪しい観光船から、たっくさんお宝奪っちゃいますなの!」
 ノイリー一家の船『ドラゴンフライ』号の甲板では、愛龍@ラルの鱗を撫で撫でしながら、エルレーン(ib7455)がおめめをきらきらさせながら、出番を待っている。
「よーし、んじゃまぁ、営業開始しますかー」
「船長ー、ターゲットまで距離100きりましたー」
 キャプテンシートに陣取った船長に、和奏(ia8807)がそう報告してくる。その方の上には、古のオウムやおサルさんが、リーダーの肩の上を定位置としていたように、人妖(と書いてシフールと読もう)の光華姫が、ターゲットをモニターに写していた。
「おう。和奏、直接通信可能域までどれくらいだ?」
「凡そ15分となります」
 カウントが秒単位で減って行く。だが、それだけあれば、得物を片手に準備を整えるのには、充分だ。
「充分だな。お前等、ちゃんと攻略手段考えたか?」
「どうやって徴収しようかねぇ。やっぱ、現物? 俺ぁ酒でもいいぜー」
 相棒『八葉』に似合いの武器か、自分の御褒美か。いずれにしろ、燃料がわりのアルコールも欲しい無月 幻十郎(ia0102)さん。と、そこへ乗客リストをチェックしていたアーニャ・ベルマン(ia5465)が顔写真片手にぶんぶんとそのリストを振りたくって来た。
「せんちょー! 乗客リストによると、弓が得意なお姫様がいるんですって! ゆーかいしましょ! もしかしたら。すっごい美人かもしれませんしぃ!」
 発信元に『S』文字。艦内に侵入しているシローのものだろう。確かにちょっと作り物めいた感はあるが、美人のお姫さんではあった。
「声でけぇよ。そんだけ美人だと、料金上乗せしてもいいかもしれんな。護衛次第だと思うが」
「おっけー。あ、見えてきたよん」
 モニターが最大望遠から通常の倍率へと移動する。そこには、しっかりはっきり『パンプキンマジック』の銘が読み取れる。派手な装飾は、観光船らしいものだった。
「牽引ビーム射出!」
 古の海賊船がそうであるように、ロープ代わりの強力牽引ビームが照射される。強く衝撃が走り、固定された事を示すロックランプが点灯する。
「よぉし、捕まえたな。そのまま乗り込めー!」
「わーーーいっ」
 警告も何もあったモンじゃないが、そんな時間は無駄だと思ったのか、聞く耳を持たないのか、早々に節減させる船長。アーニャとミハイルが、嬉々としてエア・ロックに飛びつく。
「海賊だーー、襲撃だぜーー!」
 ぶしゅうっと強制解除のエアがなだれ込む。空気まで削り取る気は全くないので、漏れないようにしっかりと密閉してからだ。混ざり合った空気の中で、アーニャがミハイルを宥めている。
「はいはい、張り切るのはいいですけど、あまり突っ走らないでくださいね〜」
 待ち構えていたモブ警備員と言う名のアヤカシを、即射でびしびし射止めてる彼女。
「張り切っているのはアーニャの方じゃないか」
 ミハイルさんも負けじと構えたのは‥‥かまいたち。
「俺の右爪が真っ赤に燃える、勝利を掴めととどろき叫ぶ!…バラバラになりたいヤツはかかってこいや!」
「わーーーっ。ちょいまち! それやったら、船ぶっ壊れるだろぉ!」
 真空波の技量を持った爪が突き刺されば、宇宙船の紙装甲なんぞ、ちぎり絵のようにばらっばらだ。船長が止める中、現れたのは、部下5人を引き連れたにとろにゃんである。
「護衛アヤカシ特戦隊、リーダーのぉ、にとろにゃんすぅー。皆、行くでヤンスよー!」
 いや、よく見るとペラ紙1枚残して、一人いない。
「って、あれ?」
 ラッパ吹いた夜鳴きジジィと、腰掛けたおばあちゃんのコラボが、とても宇宙船の中とは思えない。もう1つの椅子には『帰省中です』の文字が書かれ、海苔壁をきゃっきゃと切り取ろうとしているのは、5歳位の男の子。
「あらかわいらしい」
 にとろにゃんの弟くんらしい。アーニャがその頭をぐりぐりと撫でる。
「にゃんだとー!こら触るにゃー!」
「はいはい。お子様はお家帰って遊んでてねー」
 エルレーンがずりずりと引っ張って行った。直後、彼女は矢を番えなおし、残った警備兵‥‥にとろ含むへ向けて、バーストアローを解き放つ。
「突撃する道を作りますよ、どっか〜ん」
「ぴぎゃー!」
 たいした攻撃力も防御力も持たないにとろ戦隊が、あっという間にお星様になった。ただし、この狭い通路で、どうやって宇宙の彼方に飛んでったのかは聞かないで欲しい。
「おぉ、みんな派手だねぇ、そろそろ俺らも行きましょうかね」
 その様子を、後ろから酒の肴がわりに見守っていた幻十郎が、綺麗になった所で、奥の制御室へと乗り込むのだった。

 その頃、宇宙船の客室では。
「くっ。どうやら壱番隊はやられてしまったようですね」
「どうしましょう・・・・」
 志郎の報告に、しばし考え込む姫君。これはチャンスだと思ったのか、彼は姫様にこう申し出た。
「そうですね。した手に出てみましょう。いったん安全な場所に隠れていてくださいな」
「しかし、あの‥‥」
 彼が示したのは、客室に併設された寝室だ。鍵もトイレもあるもう1つのお部屋は、非常時には救出用コールドスリープルームとして機能するよう設計されている事を、志郎は突き止めていた。
「大丈夫。私が交渉してきます。良いと言うまで、出てはいけませんよ」
 もっとも、そこまで進むにはいたらないだろう。鍵のかかる部屋として、なんとか押し込めようとする志郎。だが、そこへもう1人が割って入る。
「ちょっと待て、何故貴様が指揮をしている」
 いわゆる執事さんと言う奴だ。すっかり忘れていた彼、極力表情を出さないようにしながら、その策を考える。
(あとはこっちを何とかしなきゃ行けませんねぇ)
 だが、考えても仕方がない。手段は一つしか思い浮かばなかった。
「そんなつもりはないのですが‥‥。様子を見てくきます。その間、ここはお願いいたします」
 どんっと無理やり付き飛ばす志郎。姫と共に部屋へ入ったそこへ、素早く扉を閉め、鍵をかける。
「何とか誤魔化せましたね」
「わう」
 全然納得はしていないだろうが、ともあれ時間は稼げた。既に船内に何があるかは把握している。後は、コントロールに向かうだけだ。
「それじゃ、船長達をお招きするとしますか」
「わう」
 道案内するかのように、先行する初霜。呼び出すゲストは、既にハッチの向こうへたどり着いている筈だから。

 そして、コントロールルームでは。
「こんにちはー、海賊ですなの!3割ほど、手数料をいただいておりますなの」
 明るい声でにこっと愛らしく微笑み、どす黒いセリフを吐くエルレーン。それに続けて和奏も、どこかの港の税務官のよーに、事務台詞をはいている。
「海賊も何かと物要りなのです。…ええ、と…通行料じゃなくて、輸送料だとお荷物みたいですし…運賃ですね…。必要経費込みで、お荷物の3割、お支払いくださいませ」
 だが、そんな彼が差し出した概算書は、桁がひとつ違う。計算が合わない。
「あ、金額が違うのは、お姫様の分です。手荒な真似はしたくありませんので、無駄に逆らったりしないでくださいねー」
 もっとも、その肝心のお人形さんが、どこにも見当たらない。
「って、その姫はどこいったの?」
「こちらで避難させましたよ。人質だったら、こっちの方が良いでしょう?」
 アーニャが残念そうに尋ねると、入り口の扉が開いて、志郎が入ってくる。
「とゆー事だ。大人しく・・・・って、そういうわけにもいかんのか。こっちは酒でも良いんだが」
 手数料さえ差し出せば、このまま問題なく通行は出来る。武器を付きつけられて、頭を抱える乗組員達。「どうします?」とひそひそ話す中、凛とした声が響いた。
「お支払いしなさいな」
 見れば、笑顔を浮かべたままの姫様。
「ひ、ひめさま? どうやって‥‥」
 外から鍵のかかる部屋へ押し込んだ筈なのに‥‥と、怪訝そうな顔をする志郎に、姫様は髪留めを外して見せた。見れば、鍵の形になっている。
「面白そうなんですもの。私も混ぜて下さいな?」
 さらりと笑顔のまま、そう言い出す姫様。止める筈の執事が居ない事に、志郎が繭を潜める。
「あの執事さんはどうしました?」
「ちょっとお休みしておいて頂いていますわ」
 モニターを動かしてみれば、ベッドの上で、おねんね中の執事さん。後ろ頭にでかいたんこぶが在籍中。どうやら、殴り倒して出てきたらしい。
「怖いお姫さんですね。ならば、この船の真の意味を知ってのご乗船かな?…誘拐のような無粋な真似を行うつもりはありません、ただ、もうしばらくの間だけ、お人形さんのようにじっとしていて頂けますか」
 そんな意外と活動的な姫に、薔薇を投げつつ、微笑するのは、それまでモブに徹していたロック・J・グリフィス(ib0293)だ。
「お人形になるのは嫌ですけど、無粋な真似をされても困りますわねぇ」
 にこにこと笑顔で受け流す彼女は、小脇に楽器の形を模したような弓を抱えていた。それを見て、エルレーンがおててをぎゅっと握り締める。
「へぇ。抵抗するっての? 言っとくけど、不思議な機械がついてなくても‥‥」
 ぼふうっと剣に炎が宿った。その炎を、彼女は乗組員の荷物入れらしき箱へ炸裂させる。どがぁっと盛大に粉砕されたその荷物入れを指し示し、彼女はにやりと笑った。
「このくらいは出来るよ?」
 ドヤ顔のエルレーンだが、姫は表情を変えない。
「中々に度胸のある方ですわね。では、こう言うのはどうでしょうか」
 刹那、何も言わずに、矢を放った。‥‥乗組員へ向けて。
「わぁぁっ。姫様?」
 もちろん、寸止めである。この場合、耳外1cmに着弾させると言う意味だ。
「こちらは急ぎの旅をしておりますの。その腕と船足、我が目的の為、お買いしたいのです。もちろん、お代は払いますわ」
 どうやら、顔に似合わぬ度胸をお持ちのようだ。そりゃあ、単身帝国に乗り込んで、執事殴り倒すような元気さを秘めている。海賊の仲間になりたいと言い出しても不思議はないだろう。
「どうする? 船長」
「俺授業あんだけどなぁ」
 幻十郎の問いに、眉をしかめる船長。
「俺も通常料金以上は接収する気ねぇしなぁ」
 面倒な事には巻き込まれたくないのは、幻十郎も同じだ。と、そこへ話を切り出したのはロックである。
「ふむ。謎の惑星バグア、しかしその実態はバグア帝国と呼べるもの…。密かに同盟の他惑星やコロニーを虎視眈々と狙っている…。船長、海賊行為のついでに、正義の味方をしてしまっても構わんだろ?」
 あくまでも、海賊行為のついで・・・・と言う単語に、船長はある事を思い出す。
「ついで、か。ま、帝国バグアって言えば、そうとう溜めこんでるって聞くしなぁ」
 何しろ、ヒミツを保持するのには、それなりにおぜぜがかかる。侵略の足がかりには、軍資金がいる。それからお代を3割徴収しても、それほど面倒にはならないだろう。
「えー。俺飲みに行こうと思ってたのに」
 面倒そうに言う幻十郎だったが、そこへ姫様がモニターにとあるカタログを映し出す。
「バグアにはこっちにないお酒があると聞き及びます」
「よしのった」
 即答する彼。
「行くぞX…我らはこれよりバグア帝国に反旗を翻し、海賊行為を行う!」
 ロックのマントが、コクピットの中にばさりとはためく。こうして、海賊船ドラゴンフライ号は、無事授業を終え、乗組員を1人増やして、帰路につくのであった。
「抵抗するにゃんすからね〜〜〜‥‥」
 その外壁には、ふっ飛ばされていたはずのにとろが、こっそり張り付いていた事を、中の人は誰も知らない。