【白日】白い闇目玉
マスター名:姫野里美
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/03/29 22:25



■オープニング本文

 天儀とジルベリアを繋ぐ文化。それは、旅の商人と、そして開拓者達によって運ばれると言っても、過言ではあるまい。
 今回、依頼を出してきたのは、そんな異文化でもって、商売を広げようとしたとある職人のチャレンジメニューから始まっていた。
「闇目玉白チョコぉ? なんでそんな面倒くさい物を‥‥」
「いや。これがほんとのお店の目玉、的な」
 船長に相談している顔見知りの職人さん。洒落かいっと突っ込む彼に、その職人さんは明後日の方向を向いて誤魔化し、事情を話す。
「冗談はともかく、朝起きたら、闇目玉のお菓子がいなくなってたんだ。誰か盗んだのかなぁと思って、ちょっと調べてみたんだけど、どうもそう言うわけじゃなさそうなんだ」
 のんきなモンである。職人は朝早い為、作業が終わると、さっさと休んでしまったそうだが、明け方にはもうなくなっていたらしい。
「足が生えて勝手に歩いて行ったか?」
「そうだったらもっと被害が出てるだろ。実は、昨日俺が休んでいる時に、まとめて買って行ったらしいんだ」
 留守中に応対に出た奥方の話では、出来を気に行ったらしい編み笠の御仁が、購入して行ったそうだ。
「そりゃあ結構な事じゃないか」
「だったら良いんだけどねぇ。そんなおめでたい話じゃないんだよ」
 暗く表情を沈ませる職人さん。さすがに、1人だけに売れたのでは、意味がない為、もう一度作って並べ、それなりに売れたまでは良かった。だが、その売った相手と、そして自分までもが襲われてしまったのだ。
「何しろ、残った試作品だけでこの様だ」
 職人さんの右腕は、痛々しく包帯で巻かれている。しばらくは、作業できないだろう。
「よく無事だったな」
「少ししか持ってなかったからじゃないかな。さすがに、アヤカシに狙われるなんて困るだろ。なんで、関係性とかはともかくとして、取り戻して、処分して来てくれないか」
 売ったお客の方は、事情を知って、返金に来たり、自ら返しに来たり、処分してしまったりしてはいる。だが、その大量に買った一人だけが、どうしても見つからないのだ。
「もしかしたら、アヤカシに利用されてるのかもしれない。店の信用云々もだけど、俺の作ったもんで、酷い目にあうなんて、申し訳ないし」
「だぁなぁ。ま、声かけてみるさ。奥方に、詳しい人相書きを聞いてくれ」
 困った顔で、相談してくる職人さんに、船長はそう言って、尋ね人の特徴を用意させるのだった。

【もっていると襲われる白闇目玉を、大量に買って行った人を探し出し、真相を突き止めて安全を確保してください】

 なお、成功の暁には、安全な白闇目玉をご馳走してはくれるらしい。


■参加者一覧
天河 ふしぎ(ia1037
17歳・男・シ
秋桜(ia2482
17歳・女・シ
アーニャ・ベルマン(ia5465
22歳・女・弓
フレイ(ia6688
24歳・女・サ
彼岸花(ib5556
13歳・女・砲
翠荀(ib6164
12歳・女・泰
りこった(ib6212
14歳・女・魔
九音(ib6318
27歳・男・泰


■リプレイ本文

 わいわいと人が往来する繁華街。アヤカシの足音も、まだ遠い用に思える街中で、依頼を受けた開拓者達は、九音(ib6318)の発案で、3班に分かれて聞き込みをする事になった。
 事前聞き込みによれば、職人さんは瓦版を元にそれを作り、材料の一部に『ジルベリア産』と書かれた材料を使っていたらしい。どこかで摩り替わった可能性は高いが、それ自体に毒はなく、アヤカシ達はその場で持ち帰った模様。それぞれ、残りのサンプルを受け取った開拓者達は、買っていた村人の住む場所へと調査へ向かう事になったのである。

 さて、村人の居場所へ向かう道すがら、アーニャ・ベルマン(ia5465)はごろごろと喉を鳴らしていた。
「お姉、お願いがあるの。あのね、依頼が終わったあと私がチョコ食べ過ぎないように気をつけて欲しいの〜〜。だって、太っちゃうし」
「そんなに食べるのか? あまり太っては居ないと思うが」
 九音が以外そうな顔をしている。見る限り、彼女の体型はとても標準だ。それでもフレイ(ia6688)は、そんなアーニャに、軽く注意を促していた。
「まったく‥‥普段から自分で節制なさい」
「だって〜。これ以上太るのは良くないし〜」
 ごろごろと喉を鳴らすアーニャ。そんな可愛い妹分に『仕方がないわね』と言いながら、断る気は全くないようだ。
「まずは、足跡を抑えないとな」
 九音がそう言って、担当の村へと向かう。聞いて見ると、村長の奥方が珍しい菓子を手に入れたらしいと教えてくれた。おそらく該当の菓子だろうと見当をつけた九音は重ねて問うた。
「小鬼を見たと言う話は?」
 彼自身はないが、村の猟師が見たらしい。ちょうどチョコを手に入れた時期と重なっている。村長の屋敷は村の奥まった部分にあるので、家に向かう直前に、猟師に見つかったと言うのが妥当だろう。アーニャに弓を鳴らして貰うと、弱い反応があった。村の裏に広がる森に潜んだ小鬼と言うところだろうか。
「シノビさんの反応はないです。もしかしたら、襲われるのを知っていたのかもしれません」
 小鬼の反応しかない事に、アーニャはそう言った。他の人に行きわたらないように、買い占めたのかも知れないと。
「じゃ、まずはその編み笠の男ってのを、探した方が良いわねぇ」
 それまで、聞き込みを見守っていたフレイは、そう言って、反応のあっ森の小道へと向かうのだった。

 その頃、2班の天河 ふしぎ(ia1037)と秋桜(ia2482)は、早速井戸端で会議をしていたおかあさん達に目をつけていた。
「じゃあ聞いて見るねー」
 店から聞き込んだ男の風体と一緒に、最近この辺でそう言うお菓子が話題になっていないか、店がないかを確かめている。甘いものが好きだとか、人や小技のネタには、お母さん方を当たるのが正解だろうと。
「‥‥へぇ、村長のおかみさんが」
 そこでもまた、村長の奥方が定期的に茶会を開いているようだ。なんでも、村人へ娯楽を提供する事になっていたそうだ。
「ではちょうど良かったです。実は、このあたりで白い闇目玉のお菓子が販売される事になりまして」
 そこへ、秋桜はそう言いながら、貰った白闇目玉チョコを差し出した。ひょいっと奪われて、ふしぎが「ぼ、僕のチョコ‥‥」と涙目になっているところへ、彼女はこう続ける。
「泣かないでくださいな。これで後は待つのみ。村の茶店で一服と参りましょう」
 要は簡単な罠と言った所だろう。後は状況が変わるまで、様子を見守るのが得策と、彼女は言う。
「いいのかなぁ」
「あ、勿論領収書は船長殿あてで」
 が、懐の痛まないお茶に、考えるのをやめるふしぎだった。

 さて、3班目。こちらは翠荀(ib6164)とりこった(ib6212)、彼岸花(ib5556)の3人だ。美少女3人組とも言える彼女達に、聞き込み対象の村では、口が軽くなるのも道理というわけで。
「あ、あのこ、こんな方、お店に着てませんか?」
 もっとも、彼岸花の口調は、ちょっと聞きづらいらしく、怪訝そうに首をかしげている。意思の疎通に手間取っている彼女を見るに見かねて、りこったが首を突っ込んできた。
「ひーちゃんは無理に出なくても良いよ。りこが聞き込みするから」
 そう言って。彼女が書いたメモを受け取るりこった。彼女が書いたメモと、編み笠の男の姿絵、そして彼女自身の意思を元に、一生懸命通訳するりこった。翠荀も「うちも協力するー」と、聞けそうな人を連れてきてくれる。指示通り来たのは、この村の酒場兼食堂で、踊り子をしていると言う女性だった。
「あのね、こんな感じのー」
 彼岸花の変わりに、りこったがそう聞いた。彼女に隠れるように、彼岸花がお菓子を見せる。そこへ、翠荀が姿絵を指し示して口ぞえた。
「ねね、最近になって大量のちょこもったこんなおっさん見なかった?」
 彼女の店にも、来た事があるらしい。りこったが呼び出す口実にした店の焼き菓子、白闇目玉の菓子と交換し、翠荀と彼岸花に手渡すと、彼岸花はこう聞いた。
「あ、あの‥‥‥‥、ど、ちらに‥‥・」
 お店のおねいさんがりこったを見る。えへん、と胸を張った彼女、彼岸花の聞きたい事を喋り出す。それによると、森のほうへ向かう‥‥と言ったそうだ。危ないから止めたのだが、聞き入れてはくれなかったと言う。
「ご、ご協力あ、ありがとうございました」
 礼だけははっきりと言える彼岸花に、おねいさんはなでなでとその頭を撫でてくれるのだった。

 聞き込みを持ち帰った一行を待ち受けていたのは、その御仁が森をぬけて行ったと言う結果だった。どこの村でも、村長の奥方ないしそれに類する立場の人間が、菓子を持ち寄り、前後して編み笠の御仁が姿を見せる。さらに直後に、襲撃または襲撃未遂と言う事件が置き、編み笠の御仁は森へと立ち去る‥‥と言った流れらしい。
 材料のサンプルはある為、似たような状況を作れば、囮になるかもしれない。そう考えた九音と、秋桜のばら撒いた『試作品の噂』を材料に、開拓者達は森に一番近い茶屋で張り込みを行う事になった。店の人に迷惑がかかるかもしれないが、おねいさんは快くOKを出してくれる。様々な旅人の来る場所なので、大捕り物ガ見れると言ったところだろうか。
「来た」
 一行が潜む森の小道に、ふらりと姿を見せる編み笠風の男。体型は細いとも太いとも分からぬそれに、その編み笠はまだ村に向けて歩いているだけで、何もしていない。まだ、慌てるような時間じゃないのかもしれなかった。
 だがその時である。犬の吼えるような声を上げて、森の中からいくつもの影が現れる。見た所、小鬼のようだ。匂いをかぎつけてきたのかもしれないとは、九音の弁。
「二手に分かれよう。こっちは小鬼を担当する」
「では、私どもは編み笠の御仁ですわね」
 そこで、二手に分かれる事にした。九音達は小鬼班。ふしぎと秋桜が編み笠班。そしてりこった達は、決裂した時に備えて、真ん中にいると言う作戦だ。
「向こうに行ったぞー!」
 もっとも、牽制の空気撃を放った直後、小鬼達はすぐに逃げ去ってしまう。その一匹が編み笠の方へと向かっていた。
「ふむ。ちょっとちょっかいをかけてみようかしら」
 それを見て、フレイがアーニャをかばうように後ろに下げながら、編み笠の男に近付いて行く。
「気をつけてね、お姉」
「ええ、わかってるわ」
 心配する妹の位置を確かめながら、編み笠へと近付く彼女。すぐ近くには、りこった、彼岸花、翠荀の3人が潜んでいるのを確かめながら、声をかける。
「はぁい、色男。やっと会えたわね」
「おや? 私に何か御用ですかな」
 その口元に妖艶な笑みを浮かべる彼女。編み笠の下には人の顔。少なくとも、言葉の通じない相手ではないと思った九音は、小鬼の姿を目で追いつつ、こう声をかける。
「用もへったくれも、そのチョコだかについて聞きたい事があるんでな」
 その彼の荷には、甘い匂いを放つ袋が提げられていた。大きさからして、白闇目玉が入っているものだろう。しかし、その刹那、小鬼達が姿を消し、入れ替わるように、もう少し大きな鬼が現れる。
「ほほう。確かに、あれはチョコを欲しがりそうだ」
「そうね。確かにモテそうにはないわ」
 見ればそれは、人をさらうと言われる鬼だった。小鬼を3倍くらいに大きくした体躯は、確かに、チョコを餌にして女性を釣る、と言った浅知恵を持つかもしれない。
「まずは、こっちをやってからだ。襲われる心当たり、後で聞くんだぞっ」
 不思議がそう言って斬りかかって行く。秋桜の援護を受けながら、ふしぎはその大鬼に向かって行く。
「おやおや。勢いの良いお嬢さんのようだ」
「僕は男だーー!」
 言い残して向かって行くふしぎを尻目に、その後で秋桜がこう言った。
「お店から頼まれたのです。出来れば返していただけないでしょうか」
「‥‥ふむ」
 荷を降ろした彼、中に詰まっているであろうそれを、振っている編み笠の御仁。その様子に、中間3人娘が、腕まくりしてくる。
「ダメなら、実力行使だよっ」
 翠荀が不気味な笑みを浮かべてにじり寄る。後ろの方で彼岸花が「出来れば、喧嘩は‥‥ダメですけど」と言いながら、手にしたマスケットを向けてくる。ぴたりと定められたのはその足元だ。
「でもって、ばりばりーってするんだよっ」
 りこったの杖は見習のものだが、指に嵌めた魔力の指輪は、2人の援護をするのに充分なパワーを盛っていた。
「やれやれ。やはり血気の盛んなお嬢さん方だ」
「僕ら、男‥‥」
 ふしぎと九音がそれぞれを指し示すが、編み笠男は首を横に振る。
「気付きませんでしたけどね。しかし、貴女方も存外感覚は鈍いようだ」
「どう言うこと?」
 ふしぎが意外そうに言った。自分も秋桜も、感覚には自身がある。小鬼程度なら気づかない筈がない。だが、その編み笠男はこう言った。
「姿に似る。等しく闇になりたり‥‥。これは、そう言うシロモノなのですよ」
「うわっ」
 しゅるりと、袋の口が空けられた刹那、中から見覚えのある煙が立ち昇る。何度も、遺跡で見た覚えのある薄黒い煙。
「これは‥‥! 闇目玉?」
「いえ、サイズが違います。おそらく、別の物ではないかと‥‥」
 通常よりかなり小さいものだ。ぬらりと出てきたのは、ちょうど大き目の座布団くらいの大きさである。ぶしゅうっと周囲に撒き散らされるのは、瘴気。
「人の心と言うのは面白いものでねぇ。こう言うものにも、負の感情を集め易いのですよ」
「お前、アヤカシかっ!」
 ふしぎが問いただすと、彼は「似たようなものかもしれませんね」と答えていた。
「じゃあ、やっつけなきゃっ」
「そうは行きませんよ。ほうれ、集まって来ましたか」
 その鋭敏な感覚が、凶暴化する鬼と小鬼、そして今まで入っていた袋から、何ものかの気配がする事に気付いた。おまけに、それに引き寄せられて、空気が鳴動するかのように、アヤカシの気配が集まってくる。
「では、私はここで。そうそう、これはお返しいたしますよ。既に、用はなさないかもしれないですがね」
「まちなさぁいっ! わぷ!?」
 追いかけようとする翠荀。だがその正面に、今まで闇目玉の入っていた袋が投げつけられる。中にはチョコが入っているはずのそれを落とすわけにいかず、手を出してしまう翠荀。
「どうしようっ、りこっち、ひがりん!」
「やるよ。それしかないだろ!」
 りこったが力強く頷いた。
「援護は任せてください。襲わせたり、しません!」
 すでに、彼岸花は彼の元へ向けて、銃の引き金を引く。が、すでに離れたその場所へは、そう簡単に当たる物ではない。逆に、その間に鬼と闇目玉が入れ替わってしまう。
「もてそうもないわね。せめて最後くらいは、ダンスの相手をして上げる!」
 ただ、そこは開拓者。攻撃してもいいと分かれば、話は早い。フレイがそう言うと、猿叫で怯ませ、その間にアーニャが援護射撃する。こちらも、翠荀たちと同じ前後戦を展開するようだ。
「わかった。闇目玉の恨み、纏めてお返しするんだからねっ!!」
 飛びかかって行く翠荀。彼女たちの手によって、鬼達は再び元の姿にふんじばられたのは、言うまでもない。

 こうして、白闇目玉は回収された。ただし、戦闘の余波でめちゃくちゃになってはいたが。それでも、物を回収して戻ると、職人さんがせっせと闇目玉チョコを作っていた。
「わー、美味しそう。ねぇねぇ、少しは食べても良い?」
 恐る恐ると言った調子で、翠荀が尋ねると、職人さんは了承の意味で頷いてくれる。
「なんかごちそーしてくれるらしいけど‥‥本当に、食べて大丈夫かなぁ?」
 りこったが覗きこんだ改良版は、つるりとした葛が透明感を増していた。
「食べるのもったいないくらい可愛いです〜。これはヒットしますよ!」
 アーニャが持ち上げたそれは、白から薄紅色に変えられており、中の餡子がうっすらと見える桜餅の水羊羹版‥‥と言った形に変えられている。それを見て、翠荀がおめめをきらきらと輝かせていた。
「ねぇ、たべてもいい?たべてもいい!?」
「でも、甘いもの、好き‥‥。好き‥‥。た、食べる‥‥!」
 じゅるりとヨダレをたらしてガン見している2人に、九音がその水目玉を受け取り、茶を立ててくれた。暖かい湯気と香ばしい香りが立ち上る中、恐る恐ると口に運ぶりこった。
「‥‥! 見た目の、割に美味しい‥‥!」
 控えめだが甘い味が広がる。羊羹の用に見えたその中心部は、チョコレートの味がした。
「あっまぁ〜いぃ! 美味しい、美味しいよこれ! ほっぺた落ちそー。ほら、皆も食べてみなよ。大丈夫そうだよー」
「んまんまー♪」
 既に翠荀は嬉しそうに食べている。最初から最後まで食べる事しか考えてないが、大丈夫だ。問題ないから、一番良いチョコを頼んでいた。
「おいしい‥‥」
 彼岸花も、甘いものは結構好きな方らしく、隅っこではむはむとしながら尻尾を振ったり、耳をパタパタさせながら嬉しそうにして食べていた。
「白闇目玉ちょこ、かぁ。闇目玉ちょこもあるのかなー‥‥」
 職人さんの方を見ると、「まぁ、考えておく」だそうな。
「私の全部食べちゃった‥‥‥‥まだお腹すいてるし。お姉〜〜」
 ごろごろしながらおねだりするアーニャ。注意して欲しいみたいな事を言っていた割には、既にその皿はからっぽである。
「美味しいけど私的には無しね‥‥」
 フレイは食べる気がないようで、苦笑しながらその皿を、アーニャに明け渡していた。まぁ、食べ過ぎると太っちゃいそうだし‥‥とは、思っていたが。
「何故にアヤカシを惹き付けるのか、一つ拝借してギルドに持ち帰り、調べて頂きましょうか。茨木殿が好きそうですし」
 そんな桃色水目玉を、秋桜は友達になった修羅に持って行くべく、丁寧に包んで貰うのだった。