湯けむり混浴戦闘?
マスター名:藤城 とーま
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/12/06 03:17



■オープニング本文

●旅は道連れ

 クロエ・キリエノワは少々ウキウキとした足取りで家路に着く。
「兄上。少々宜しいだろうか?」
 とんとん、と兄の部屋の扉を叩き、許可されてから部屋に入った。
「どうしたのかな」
 人前と、心を許したものの前では微妙に口調の違う兄、ユーリィ。そこがまたクロエのブラコンに何やら拍車をかけている気もするのだが、それは置いておこう。
「先日、ギルドの依頼を成功させてな。依頼主は豪商で、お礼に温泉でもどうかと招待を受けたのだ」
 なんでも、セカンドハウスのある町‥‥神楽には温泉も流れており、少々熱めだが効能として肌がスベスベになる、とか、切り傷に効く、だとか言う。
「日々の疲れを癒すのに、兄上もどうだろう?」
 是非一緒にというクロエだったが、ユーリィは悪いけれどと謝罪した。
「それは楽しそうだ‥‥しかし、私にも職務がある。神楽まで行くにもカレヴィリアで問題が起きてすぐには帰ってこれない。
 今度カレヴィリアかその近くで温泉が見つかることを期待しているよ」
 そうか、と残念そうなクロエ。その肩に手を置き、土産話はたくさん持ってきてほしいな、とユーリィが言えば、クロエは大きく頷いた。


「絶対に僕は行きません」
 翌日、よく世話になる響介のところにその話を持って行くと、断固として拒否された。
「何故だ」
「人に裸を見られるんですよ。羽根も触られるので、風呂は一人で入りたいんです」
 どうせ行水のくせに、とクロエが呟けば、地獄耳の響介は聞き逃さずに『僕は風呂長いんですよ』と答える。
 そんなに時間をかけて、何処を洗っているのかと不思議そうな顔のクロエ。その視線に嫌悪感を露わにした響介は『とにかく行きません』と強固な意思を見せた。


●in神楽

 案内された温泉は、広くて檜の浴槽という豪華な感じなものだが‥‥問題はひとつある。
「どうして老若男女一緒なのだ?」
 しかもなんか酒とか飲んでる奴もいるし。クロエがそう指摘すれば、宿の主人は『気力充実ってやつです』と謎の返答をする。
 混浴で恋が芽生えることもあるだとかムフムフ笑いながら、どうですか楽しそうでしょう、と言うのだが、当然バスタオル着用らしい。
「着用だからといって、身体を洗うときはどうすればいい! 他の風呂はないのか?」
「ああ、ご安心ください。そこに衝立がありますから、身体を洗うときは此方で見えないようにという配慮です」
 ドヤ顔で宿の主人は答えてくれたが、だったら最初から個別に分けて欲しいところである。
 他の温泉施設でも見てこようか、と思ったその時。
「でかいサルが出たぞ!!」
 誰かが、そう叫んだ。
 女性の悲鳴が近くで聞こえ、そちらの方を振り向くと‥‥150cmくらいの大きなサルが温泉に乱入してきたではないか。
「な、なんだ、あの生き物は‥‥!」
 サルを見たことがないクロエは、驚いて動きを止める。ケモノ‥‥だとは思うが、どう対処したら良いものだろうか。
 悩んでいると、サルは近くにいた女性のバスタオルを引っ張る。外れることはなかったが、女性が逃げ出すと他の女性めがけて走りだすサル。
 男性には見向きもしない。良く心得たサルだが、その破廉恥な行いに激怒したクロエ。
「ケモノの癖に、裸を見たがるとは何たる不埒!! そこへなおれ、私が成敗する!」
 同行者が止めるのも聞かず、クロエは一歩踏み出し‥‥石鹸に躓いて転んだ。
「だから言ったじゃないですか。危ないですって」
「くっ‥‥人前で転ぶのも恥ずかしいものだ‥‥」
 しかもサルにまで笑われてるし。そして、サルは開拓者の女性たちに眼をつけたようだった。
 ひたり、とにじり寄ってくる姿と視線は、なんだか厭らしい。
「サル、とか言ったか。身を守る布一枚とはいえ、私は開拓者だ。そう簡単にやらせはせん‥‥!」
 身の危険を感じながら、クロエは手近な風呂桶を手に取った。


■参加者一覧
ペケ(ia5365
18歳・女・シ
煌夜(ia9065
24歳・女・志
レヴェリー・ルナクロス(ia9985
20歳・女・騎
ルンルン・パムポップン(ib0234
17歳・女・シ
猫宮 京香(ib0927
25歳・女・弓
九条・亮(ib3142
16歳・女・泰
リリアーナ・ピサレット(ib5752
19歳・女・泰
灯冥・律(ib6136
23歳・女・サ


■リプレイ本文

●乱入者現る!

「男性と同じ場所での入浴でさえ此れも試練、と思っていたのに――今度は猿!?」
 レヴェリー・ルナクロス(ia9985)は胸元を押さえ、隠すようにしながら現れた珍客を見つめ‥‥いや、凝視した。
 そう、温泉にケモノが乱入してきたのだ。天儀では野生の猿が秘境の温泉に浸かっていることがあるらしいのだが、このようなイタズラをしてしまう程ではなかったと思う。
「でも、どんな理由があったって、乙女の柔肌を覗こうなんて許すことは出来ないんだからっ! ルンルン忍法でお仕置きです!」
 ルンルン・パムポップン(ib0234)、それはもうプリプリ怒っている。怒っているのはルンルンだけではない。
「そうだ、そこの――『さる』か。猿、人に迷惑をかけるのは止めよ。野生動物が人間に危害を加えると、駆除されるかもしれぬ」
 クロエが説得してみるが、猿は首を傾げるとクロエに向かっていき、バスタオルを引っ張り取ろうとしているようだ。悲鳴を上げながら後退するクロエ。
「な、ならぬ! 寄るでない!」
「クロエさん!」
 バッとクロエの前に立ちはだかる灯冥・律(ib6136)。凛とした表情で猿を睨み、クロエを後ろ手で庇う。
「リツ、汝も危険だぞ!」
「ご安心を。大丈夫です」
 云い終わる前に、律のバスタオルをはぎ取る猿。しかし、そこには海苔も飛んで来なかった。
 何故なら‥‥!
「私は水着を着用しているからです」
「心強いぞ、リツ!!」
 パアッと花が咲くような笑みを見せるクロエに、つられてリツも微笑んだ。
「‥‥それにしても、人間の女性の裸を見たがる猿は、こっちに長くいても初めて聞いたわ」
 煌夜(ia9065)が苦笑しつつ、このままにしておくわけにもいかないわよね、と仲間に視線と言葉を送る。
「もしかしてこの猿は女性の身に着けているバスタオルが欲しいのかも知れません」
 先程から女性のバスタオルにばかり興味を示していることから、リリアーナ・ピサレット(ib5752)が推測を立てた。
 そして瞬脚を使用して急ぎ脱衣場へ戻ると、予備に持っていたバスタオルを掴んで浴場へ戻ってきた。
「それをあげるのか?」
「いいえ、わたくしの身につけているバスタオルを――」
 と、衝立の後ろでしゅるりと結び目を解くと持ってきたバスタオルと付け替えるリリアーナは、まだ体温や匂いの残る『脱ぎたてバスタオル』をスッと猿へ渡した。
 差し出されたバスタオルを受け取りながら、匂いをフガフガと嗅ぐ猿。
「あ‥‥」
 レヴェリーは身を固くして嫌そうな顔をしたが、当のリリアーナは平然とその様子を眺めていた。
「匂いを嗅がれたりするのは想定内です、これはケモノですからね」
 なんて男らしい。思わずクロエと猫宮 京香(ib0927)も拍手を送ってしまったが、猿はそんな美女の生着替えアイテムという、マニア垂涎なお宝の価値を理解しないらしい。
 無造作に捨てると、また女性たちの方へ手を伸ばそうとするではないか!
「わわ、何かまたおっきなお猿さんがこっちに来るのです‥‥!」
 身の危険を感じ、思わず理で分身して距離を置くルンルン。
「て、天儀の諺で、踊り子さんには手を触れちゃいけない、ってのがあるんだからっ!」
 いやルンルンはシノビじゃないか。じゃあ触ってもいいじゃない。あ、ダメ? そうか。
「バスタオルが欲しかった、というわけではないようですね‥‥」
 何処か冷ややかな口調で呟くリリアーナ。
「バスタオル巻きだからこそ安心して混浴に入れる方々も大勢いるわけで‥‥
 それを剥ぎ取るなんて行為は猿だとしてもかなり迷惑ですよねー」
 ペケ(ia5365)が困ったように言えば、『実際のところ、どうしようかしら』と煌夜も考え倦ねているようだ。
 九条・亮(ib3142)がなにか閃いたようで、パッと表情を明るくした。
「取り合えず今後に類発されるのも問題だし、ココは1つ、教訓を覚えて行って貰いますか!」
 ここはひとつおもてなし大作戦だー! と言いながら、笑顔で猿に近づいた亮。危ないというクロエをそっと止めたレヴェリー。
「やあっ、猿、初めましてだよ。お客さんココ初めて〜? なんちゃって」
 桶の中に湯船のお湯を入れ、ぱしゃと優しく猿にかけてやる。猿はパチパチと目を瞬かせ、亮のバスタオルから溢れんばかりの豊かな胸を見つめている。
「もしや、お猿に色々サービスしてタオル剥ぎ取りを止めてさせる交渉って感じですかねー?」
 ペケのひそひそにクロエもうーむ、と唸る。それだと、いろいろ調子にのってしまうのでは‥‥と危惧したのだが。
「そうね、温泉で戦闘なんてしたくないし、ここは穏便にいきたいところ‥‥大人しくさせて、騒がしくせずに捕縛、という方向性ね」
 うん、と頷いた煌夜だが、猿とはいえ美女たちが御持て成しするさまはかなり羨ましい。
 しかしそれと同時に――
「そこ、絵面が間抜けとか言わない」
 煌夜が誰にともなくボソリと口にしたが、クッ、なぜ、わかった。

●美女のおもてなし

「よし、体を温めましょうねー」
 と、亮は源泉のお湯をとって、猿にかけた。先程から二度ほど湯船、源泉のループを行なっている。幸い源泉は高温ではないが、それでも水で調節しなければ入れない程度に熱いことには変わりない。
 熱すぎて悶えた猿を今度は律が捕まえ、亮があかすりを行った‥‥が、これはそれほど痛くはないようだ。猿の目前には二人の胸が間近にある。
 しかし律に手を掴まれて動かせないので、バスタオルごしに鑑賞するだけのようだ。
 そこへ煌夜が背中を洗ってあげるわ、と言って抱きつかせるようにしながら泡のついたタオルでこすってやる。
 これはバスタオルの危機かと思われたが、ぎゅっと背中ごしに手を回させ、抱きしめてやること(というかホールド)により『取るに取れない状況』へ持っていったわけだ。
「ああ、きっと博愛の精神は、尊いのです‥‥」
 ルンルンがドキドキしながらもその行為を見守っている。博愛と云うべきか、策略というべきか。
 亮も自身の体に泡を塗り、そっと猿に抱きつき――洗ってやる。その光景も眼福ながら羨ましすぎる、と男性なら誰でも思うだろう。
 だが、世の中はそれほど甘いモンじゃない。鼻の下を伸ばしているように見えた猿の顔が強張った。
 亮がちゃっかり関節も極(き)めていたのだ。コリもほぐしますねと言いながら締めつけていく。これは痛い。
「ぁん、こら、暴れないの‥‥っ」
 痛さにキーキーと悲鳴を上げる猿は、煌夜の腕の中でもがき、暴れた。だが、律がニコニコとしつつも剣気を出すので途中びくっと震えて抵抗は止まる。
 しかし責め苦は続くと踏んだのは野生の勘か。泡の効果もあって、亮が手を離した一瞬の隙をつき、逃げ出すことに成功。急いで湯船に飛び込んだ。あっと驚きの声を上げたクロエ。
「身体を洗い流さず逃げ込むとは‥‥! 泡だらけではないか!」
「そういう子は、お仕置きですねぇ」
 ペケがむすっとした顔で一緒に湯船に浸かる。警戒しながらも猿はペケの側にすいすいとやってきて、彼女の様子を眺めていた。
 そしておもむろにバスタオルに手をかけたことから、学習能力はあまり無いようだ。
 だが、ペケは強かった。迷うことなく猿の第三の足的な柔らかい部分を握り、猿が思わず手を離すと、彼女も掴んでいたモノを離す。
 掴む、離すを繰り返すと猿は危険と判断したのか湯船から退散した。
「これで学んだ、でしょうか‥‥」
 ルンルンが一瞬期待したが、やはりダメだったようだ。ウロウロしつつ、隙の有りそうな女性を狙っている。
 未知の生物・猿にやや気後れしているのを感じ取ったか、クロエに近づこうとした猿から律が立ちはだかってガードする。
「仏の顔も三度まで。仲間のおもてなしを受けてもなお大人しく帰らず、まだ破廉恥行為を続ける様なら――二度と侵入してこない様お仕置きをしなくてはいけませんね」
 傍観していたリリアーナの闘気の質が変わった。バッと鋭くキレのある荒鷹陣で猿に向かう。
 足も高く上がっていることから下を履いてないので大変な仕様なのだが、そこはどこからかやってくる海苔が守る。
「お仕置きモードですね! 任せてくださいっ! ルンルン忍法、影縛り!」
 ルンルンの影が猿に伸び、動きを封じる。
「レヴェリーさん、クロエさん、お仕置きと行きましょうか〜」
 それを見逃さず、京香とクロエ、レヴェリーがじりじりと猿を囲むようにして陣取った。
「乙女の柔肌を見ようなんて、地獄の釜を覗くのと同じなんだからっ! ニンジャ秘伝のお仕置きの数々、その身を持って知るといいのです!」
 側にあった風呂桶を器用に片手の指で3つ挟んで、跳躍。
「風呂桶散華ぁーっ! これは‥‥最初のお姉さんの分、私の分、石鹸で転んだクロエさんの分なん――」
 風呂桶を投げようと大きく振りかぶった瞬間! 激しく動いたためぱらり、とバスタオルの結び目が解けてしまった!!
 タオル、空中分離。ルンルンは一糸まとわぬ姿。ちゃんと海苔は仕事をしたものの、はっと気づいたルンルン、慌てて胸を隠したので散華はヘロヘロとコントロールを失った。
「こ、こっち見ちゃ駄目ですっ‥‥!」
 影縛りも持続できず、茹で蛸のような顔をしたまま湯船に飛び込むルンルン。やっと身体が解放された猿は、捕まえようと跳びかかる三人を避けて逃げる。
「ああっ、避けたらダメですよ〜‥‥きゃぁ!?」
 目で猿を追うが、身体は止まらない。三人とも勢いそのままぶつかってしまい、抱きつくような状態になった。
「くっ、猿っ‥‥! 素早い!」
 猿というのはそういうものなのだが、クロエは悔しがって勢いよく身を起こし、バスタオルが外れかけたので慌てて身体をレヴェリーに押し付けた。
「なっ、何よ‥‥!?」
「すまぬ。バスタオルが、外れ‥‥いや、レヴェリー、汝のほうもか‥‥」
 真っ赤になっているクロエの言葉に、レヴェリーも思わず自分の体を確認した。バスタオルが床に落ちている。
「あうぅっ。こ、此の程度で――見るんじゃないわよ!?」
 恥ずかしさを懸命に押し殺し、バスタオルをつけずに立ち上がったレヴェリーは勇者。もうもうと立ち上る湯気が辛うじてその心を支えていた。
 もう一度ルンルンが湯船の中から影縛りを行い、猿の動きを封じると‥‥リリアーナの冷徹な目が猿を捉え、細い腕はその体を持ち上げた。
 その場におもむろに正座し、膝の上に猿を仰向けに寝かせると――片手で猿を抑えつけ、もう片手は大きく振り上げられ、猿の尻を強く打つ。パーン、と浴場にいい音が反響した。
 音と痛そうな行為に、うわぁと言いながら亮が身体を縮こませた。
 一度では終わらない。何度もその手は尻を打ち据え、猿は悲鳴を上げ続けた。
「この位で何ですか堪え性の無い! うちの妹達は500回は耐えてみせますよ!」
「あれを500も耐えるのか‥‥? 私は母上の手心が加えられたものでも痛くて嫌だったぞ」
 妹強すぎだろう、と言いながらクロエは律の後ろからそれを覗いている。
 これで反省して二度とやらなければいいのだが‥‥

 どれくらい行われただろう。もう十分だと思ったリリアーナは、猿を開放。
 猿はもともと赤い尻をさらに真っ赤に腫れ上がらせて、脱兎の如く逃げ出していった。


●接待終わって

「はぁ‥‥。漸く安心して入浴できるというものだ」
 リリアーナのお尻ペンペン功績により、猿は塀を飛び越えて猛ダッシュで野外へ逃げだした。巨大な猿に町の人はさぞ驚いただろう。
「ですが、怪我人もなく‥‥戦闘にならなくてよかったと思います。あとは猿が自戒することですね」
 浴槽にもたれながら律は微笑み、数人が首肯する。
「しかし‥‥猿をアヤカシと思うたか、人がやってくる気配もないな」
 クロエが浴場を眺め回すが、誰も来ない。
 実は解決したという報告が外に届いていないだけで、外では戦闘中と思い込み、『立入禁止』とされているせいだ。
 確かに従業員に撃退完了と報告したが、従業員の方が入浴に来たお客様へ説明や案内の方に忙しく、忘れているわけではない――はずだが、報告が遅れている。
 おかげで、彼らはゆっくりと入浴する特権のようなものを得ているのだが。
「恥ずかしい目にもあったけれど、これでゆっくり本来の目的である入浴を楽しめると思えば――って、京香!? 何をするのよっ!?」
 レヴェリーがバスタオルを巻いて入浴しようとしているのを京香が手を伸ばしてサッと没収。立ち込める湯気により、隠されていた場所が見えるかと思いきや再び見えなくなったのが残念だ。
「温泉にタオルつけて入るのはダメですよ〜♪」
 クロエさんもダメですよ、と、サッと奪い取った。先ほどの猿よりずっと上手である。
「なっ‥‥、急に取られると、女同士でも、恥ずかしい‥‥」
 恥ずかしそうに胸を隠すクロエ。下は謎の海苔が頑張ってくれている。
 二人の間にやってくると、京香は至福の表情で胸やお尻チェックを行なっている。
「んふふ、お二人共可愛いですし‥‥いい身体してますね〜♪」
「キョウカ、や、止めよ、変なことを‥‥それに、なかなか皆、胸が凄いぞ。ルンルンは隠れ巨乳であろうし、細身でありながら特にカガヤなどは大きいし、何よりリョウとペケ、汝らはその、零れ落ちそうだ」
 ルンルンは照れたように胸を隠す。淑やかに湯をかけていた煌夜は笑みを返し、
 急に話を振られた亮は京香と飲む酒を桶に入れて湯船に入ってきたところだ。ん? と可愛らしく聞き返しつつ、胸を見た。ペケも『そうですか?』と自分の胸をまじまじ見ていた。
「なかなか取れないように工夫してるからねー、あ、お酒飲む?」
 と、亮は京香たちに酒を注いでやり、乾杯とお猪口を傾けた。ああ、極楽です、と京香は幸せの吐息を漏らす。
「身体が温まりましたら、身体を綺麗に洗いましょう。皆で洗いっこするのもいいですね」
 先ほどとは違い、柔らかく微笑んだリリアーナ。賛成、とルンルンも頷く。
「じゃあ、クロエさん、身体をスポンジ代わりにして洗いっこしましょうか?」
 京香が微笑むと顔をひくつかせたクロエは律に抱きつく。
「い、いや、そういうのは、恥ずかしい‥‥! なあ、そうであろう、リツ?」
 同意を求められて、あやすように律はクロエの肩を軽く叩く。
「クロエさん、貴方にばかり恥ずかしい思いはさせませんよ、大丈夫です」
 それはどういうことか、と慌てたクロエの姿に、一同はくすくすと笑った。