【初夢】双眸
マスター名:梵八
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 易しい
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/01/10 17:03



■オープニング本文

※注意
 このシナリオはIF世界を舞台とした初夢シナリオです。
 WTRPGの世界観には一切関係ありませんのでご注意ください。

●お休みはありません
 開拓者ギルドは年中無給、否、年中無休である。
 従って年の瀬であろうと年始であろうとその扉を閉ざす事はない。

 もっともそういった時期であれば依頼が張り出される事も少なく、訪れる開拓者達の数も多いわけではない。営業しているにしても普段よりは暇な状態といえるだろう。
 だが、暇と言っても誰も来ないというわけではない。
 むしろ望まれない客とは得てしてこういう時に現れるものだ。
 そして、その望まれない客とは、アイツだ。 闇目玉だ。

 また闇目玉先生がやってきたぞ!!

●今回の闇目玉
「なんで二つくっついてるのよ!」
 闇目玉には慣れている開拓者ギルド職員、不月 彩(iz0157)とて叫ばずには居られない。
 そう、今回の闇目玉は二つであった。具体的にどんな感じかといわれれば、卵を二つ使って目玉焼きを作った時の様な装いだ。
『『一粒で二度美味しいという奴だな』』
「美味しいとか意味わからないから」
『『どうやらこの魅惑の我儘ぼでぃの恐ろしさがわからないようだな』』
 そう言うと闇目玉(甲)は上の方へ、闇目玉(乙)は地面を這うようにして彩に迫る。割合闇目玉同士をつないでいる体は柔軟に伸び縮みするらしい。
『『こうすれば胸元を覗き込む事も、ローアングルも同時に楽しめるのだ!!』』
「な、なんて卑猥で卑劣なアヤカシなの!?」
 卑猥でいやらしいのはいつもの事だが。
 そしていつもどおり仕事の邪魔である。だいたい毎回毎回特に用もないのに開拓者ギルドに闇目玉が来るのはいったいどういう事だろう。
 しかしまあそんな事を考えてもしようがない。すでに闇目玉は来てしまった訳であるし、ここはいつもどおり駆除してもらう他あるまい。
「あーもう人呼んでくるからちょっと待ってて」
 もう慣れてめんどくさいといわんばかりに彩は依頼書を書くのだった。

 
※注意
 このシナリオはIF世界を舞台とした初夢シナリオです。
 WTRPGの世界観には一切関係ありませんのでご注意ください。
 (大事な事なので二度言ったぞ!)


■参加者一覧
村雨 紫狼(ia9073
27歳・男・サ
豊姫(ib1933
23歳・女・泰
浅葱 恋華(ib3116
20歳・女・泰
綺咲・桜狐(ib3118
16歳・女・陰
雪刃(ib5814
20歳・女・サ
八条 高菜(ib7059
35歳・女・シ
リュシオル・スリジエ(ib7288
10歳・女・陰
にとろ(ib7839
20歳・女・泰


■リプレイ本文

●いつもの事
 開拓者ギルドに戻った不月 彩(iz0157)は中の様子を窺う。
 盆暮れ正月は依頼も減るし、仕事をしようという開拓者は多くない。『誰か呼んでくる』とは言ったものの、『開拓者はいませんでした』という事もないわけではないのだ。
 しかし幸運にも依頼を探している風の開拓者の姿はいくつか見受けられる。
「なんとかなるかな‥?」
 闇目玉の強さは良くわからない部分があるが何とかなるだろう。

 と思ったのだが。
『『出てきたな開拓者どもめ!!』』
 と律儀に開拓者達を待っていた闇目玉を前にして、
「ふうううはあああー我が世の春が来たァァァっ!!」
 って村雨 紫狼(ia9073)は新年早々何を考えたのかわからないが大声で叫んでいるし、
「私をぉ弟子入りさせてほしいぃにゃんすー」
 なんてにとろ(ib7839)は闇目玉に耳打ち(耳無いけど)している始末で、
「エロもとい闇目玉と聞いて急いできました!」
 八条 高菜(ib7059)なんかは今絶対着替えてきただろという薄着、いやあれを服と言っても良いものかという状態になっている。
「‥駄目かも、しれないわね」
 彩はそっと呟いた。

「なんやこの変な目玉は!」
 豊姫(ib1933)の表現は適切だ。
 そしてその『変なモノ』に物怖じする事もない態度にまるで男の様に短い髪と、並大抵の男よりも立派な体つきで男らしさ満点ではあるが豊姫はれっきとした女である。まあ近くで見れば普通に分かる。
「や、闇目玉‥めっ!ぼっ‥僕が相手だっ‥」
 自分の事を『僕』といいこれまた少年の様な髪のリュシオル・スリジエ(ib7288)もまた女。とはいえ黒いワンピースを着た状態ではさすがに男と間違えられる事はない。
 そもそも問題は外面でなく、女でありながら『立派なジェントルメンになりたい』というリュシオルの内面だ。

 そして闇目玉相手は何時もの事と手馴れた者もいる。
「これまた、おっもしろいのが出てきたわねぇ♪」
「せっかくお正月を満喫しようとしてたのに‥」
 闇目玉の出現を喜ぶようにしている浅葱 恋華(ib3116)は寒いにもかかわらず物凄く丈の短い服を着ている。
 どんな感じかといえば、恋華が階段を上っているのを見る事が出来たのなら、それは即ち幸運という程だ。しかし残念ながら、階段はここにない。
 一方闇目玉に不満げなのは綺咲・桜狐(ib3118)。時期柄振袖であるが、何かこう着付けが緩いというか不安な気配を漂わせているのは気のせいではないだろう。
「またえっちぃ闇目玉‥」
 雪刃(ib5814)は何故自分がここにいるのかわからなかった。
 面妖な闇目玉との再会。もしやするとこれは雪刃にとって運命なのかもしれない。しかし、そんな嫌過ぎる運命を雪刃は認めたくないのだった。

●毎度の事
 さて早速退治と言いたい所だが、高菜が素っ頓狂な申し出をしだす。
「はあ、玉が二つ、と。形状も何だか‥お持ち帰りして枕にしたいのですがっ!」
 おやすみからおはようまで、いやらしい視線であなたの寝姿を見つめ続ける『やみめだまくら』。
 多分、闇目玉先生も文句を言うどころか喜んで高菜のまくらになると思うが、駄目だ。性的な意味だけでなく駄目だ。
『『──いいだろ』』
「駄目です。やっちゃってください」
「ちぇー‥」
 彩の拒絶に高菜は拗ねてしゃがみ込む。どうやらまずは見物すると決めたらしい。しかし、しゃがむと‥。
「先生ぇ〜何見てるでにゃんすか?」
『『神秘の世界』』
「楽しぃでにゃんすか?」
『『楽しいのではない、愉しむのだ』』
「よく分からないにゃんす」
 にとろは闇目玉先生が何を言ってるのかわからなかったが、実の所見るのに一生懸命なので適当に受け答えをしている可能性が高い。

●肉体美
 そこへまず躍り出たのが豊姫だ。豊姫はやおら上半身をはだけさせ、どうだとばかりに闇目玉に見せ付ける。ああ、ブラはあるからね。
「見てみぃ!この盛りあがった上腕二等筋ッ!6つに割れた腹筋ッ!」
 そして白い歯を見せて不自然なくらいの笑顔はお約束。
 確かに筋肉はすごい。その肉体は脂肪の塊であるおっ●いの存在を許さぬ程鍛え上げられている。豊姫におっ●いがないわけはないが、それはもうおっ●いではあるまい。鉄だ。鋼の胸板だ。いうなら『アイアンおっ●い』だ。
「背筋もあるで、どやっ!惚れてまうやろー!!」
『『エロスが足りない』』
「な、なんやてー!?」
 健康的過ぎる肉体美は色気まで打ち消してしまったらしい。豊姫はがっくりと膝をつく。
「おいおいおい筋肉は駄目なのかよー!?」
「露出が足りないでにゃんすかね〜」
 紫狼他、外野が騒ぐ。つーか誰も戦ってなくね?

●振袖
 そしてようやく攻撃らしい攻撃が始まる。
「あーはははっ♪」
 高らかに笑いながら動き回る恋華。
 足取りは軽く、しなやか。素早さに加えて不規則な動きで翻弄しようというのだろう。眼で追うのも難しい動きだ。
 だが、恋華が激しく動き回れば、おっ●いは縦に、横に揺れる。脚をあげれば、白い布地が扇情的にちらつく。それならば、闇目玉先生に神がかった力が沸いて出るのは当然だろう。
『『見逃すわけにはいかん!!』』
 赤くなったわけでもないのに約三倍の速さの動きを見せる闇目玉。
「なかなかやるわね、でも──桜狐、今よ!!」
 待ち構えていた桜狐が動く。しかし、慣れぬ振袖が彼女に災難をもたらした。
「いきま‥‥え‥?」
 まず帯が解け、次に着物が開く。下着はもちろん着けてない。つまり、素晴らしい。最高だ。
「うう、見ないでください‥‥!!」
 抱き枕の裏面の様な不自然な乱れ方となった桜狐はへたり込む。
『『いい心がけだ!!』』
 片方は恋華を追いつつ、もう片方は桜狐を見る。夢の如き、いやこれは夢そのものと言わざるを得ない眺めだ。
「見たわね?桜狐のを!」
 恋華が桜狐を庇う形で立ちふさがる。邪魔だ。見えないじゃないか。
「‥うぅ、恋華‥」
「ちょっと待ってなさい!着付けが終わったらすぐに片付けてやるから!」
 そう言い残して桜狐を抱きかかえて恋華は物陰に退散。同じ人が着付けたらまた解ける気がするが、それはそれでありだろう。着物がはだける一連の流れもまたエロスである。

●秘め事
 そして一瞬眼を離した隙にまたよからぬ事態が生じている。
「ど、どうぞ‥!」
 あろう事かリュシオルは自らの幼い体を『いくらでも見ろ』とばかりに闇目玉に差し出していた。
 あれ、これもしかしてすごく不味い状況ではないだろうか。『このゲームに出てくる女性は万が一小学生に見えたとしても全員十八歳以上です』なんて記述は何処にもない。
「ロリ―なボクっ娘最高!!」
 紫狼、そういう事を叫ぶのは人がいない所にしような。
『『これは!?』』
 しかしそんな事情におかまいなしの闇目玉先生は当然の様に未成熟な体を食い入るように見つめ‥てはいるが怪訝そうな表情をしていた。
 だって、そんな体なのにキスマークとかあるんだもん。
 いや、違う。きっとこれはお転婆な遊びをして転んだとかそういう傷跡だよね。
「見せてるのも、全部あの人の望んだ事だから‥」
 そういう困惑をよそに今はこの場にいないあの人への想いを胸に、リュシオルは恥辱の極みに耐えていた。
「立派な男になる為の度胸付けなんだ‥っ」
 本当に度胸が付く行為である、色々な意味で。

●分離
 そしてさらに波乱を巻き起こす雪刃の一言。
「こっちも負けてないと思うけど‥‥見比べてみる?」
 リュシオルとはやや離れた場所に立つ雪刃。裾をちらつかせて誘うは黒ニーソの誘惑。普通、和服であればその丈の長さゆえ、ニーソであっても絶対領域は露出しないものだ。
 しかし雪刃は違う。大胆すぎるそのアピールは絶対領域をも生み出す程の破壊力を秘めている。そしてそれだけではない。あとそれだけでなく、雪刃のおっ●いは大きい。
「迷うところだけど俺は浪漫ニストだからな!」
 芯のある男ゆえ紫狼は動かず。だが、闇目玉先生は欲深い。
『そっちは任せた』
『わかった』
 右のおっ●いを差し出されたら、左のおっ●いも見よ。おっ●いと和解せよ。
 一方をリュシオルの元に残しつつ、もう一体は雪刃の元へ。闇目玉と闇目玉をつなぐ黒いもやは柔軟に伸びてゆく。
 そして臆する事無く雪刃の胸元を覗き込む闇目玉、を雪刃の諸手が掴む。
「捕まえた」
『しまった!?』
「私も捕まえちゃった♪」
 ロリ目玉化していたもう片方も高菜が抱きしめる形でしがみついている。
「先生、大丈夫でにゃんすか〜?」
「硬くならないのかしら?」
 無論、硬くなったりはしない。

●駆除
「さっきはよくも!」
「変態は‥殲滅します!」
『ぐおおお!』
 戻ってきた恋華と桜狐は雪刃の掴んでいた闇目玉に強烈な一撃。
「あ」
 と雪刃が手を放せば、伸びきったゴムが戻るようにもう片方へと吸い寄せられる。
 だが、吸い寄せられる闇目玉との間にはまだリュシオルの姿が。
「愛する人の言葉だから‥」
 しかし呆けたままのリュシオルはその危機に気付かない。
「危ねええ!!」
「えっ!?」
 どん、と紫狼がリュシオルを突き飛ばす。そして紫狼は目の前が真っ暗になるのを感じた。

 その結果──。

 玉が二つと真ん中に紫狼。
 何だろう、素材が素材だけにとっても表現してはいけないものの形状を意識せざるを得ない。
「何だかとっても卑猥ですね‥まるで‥」
 高菜、その先は言うな。
「男らしくてステキでにゃんす〜」
 それはもう男の中の男。否、男性そのもの形状ゆえ仕方が無い。

「しゃあないな、このままケリつけさせてもらおか」
 拳を鳴らしながら豊姫が言う。もちろん、紫狼もろともというわけではないが、まあ『多少』巻き添えはあるだろう。
「待て、俺や闇目玉が実際に美少女たちの柔肌に傷をつけた事があるか!?否、断じて否ァァァっ!!」
 紫狼の魂の慟哭が響く。紫狼はともかく、闇目玉はあるけどね。
「アッー!!」
「ああっ村雨さんごめんなさい!」
 眼にしみるだろうからと式を慣れぬ葱の形にしたのがまずかった。リュシオルのやたら尖った長葱斬撃符が目標を逸れて紫狼のア●ルにストライク。
「ああ!治癒符も!」
 何故か治癒符も長葱となり、ツーストライク。これにはいかに屈強な漢、紫狼であってもぐったりと肩を落とす。

「どや、この脚。見とれてまうやろ?」
 と豊姫は言うがさすがに踏まれてると見れない。闇目玉的には痛くもないが、見れない。
「どーぞ、天国はこちらですよ?」
 高菜の炎が、情欲の炎が身を焦がす。
「消え失せなさい。其の記憶と共にぃ!!」
「全て忘れるんです・・・!記憶から消してください‥!」
 記憶はおろか、このままだと全てが消えてしまう。
「めんどくさくなったから、もういいよね?」
 そこには刀を構えた雪刃。あーこれ絶対終わりだ。もうだめぽ。
 ──そして静かな笑みを浮かべたまま、雪刃は刀を振り切った。

『『うぼぁー!!』』
 闇目玉は断末魔の叫びまでステレオ再生しつつ、崩れていく。
 そこへにとろが走りこむ。闇目玉のまん前に立ったにとろは止めをさすでもなく、叫ぶ。
「先生ぇ〜約束のぉアレにゃんすー」
 脱いだ。脱ぎやがった。
 脱ぐとすごいぞにとろ。にとろの体はダイナマイトだ。
『『おおおぉぉ』』
 しかしさすがのエロパワーも大半が崩れ落ちた闇目玉先生を蘇生させるには至らない。
 心なし安らかな表情で闇目玉は姿を消すのだった。

●一富士二鷹三なすび
 そして何の脈絡もなく場面が切り替わる。
 賑やかな街中から、静かな闇。深い深い闇に取り込まれたような感覚。
 そんな真っ暗な中に気配がある。誰かが会話をしているらしい。
『あいつまでやられたようだな』
『ああ、しかし闇目玉四天王の力はこの程度ではない』
『しかもやられただけ補充すれば問題ないからな』
『ふふfこのカラクリはいかに開拓者とて気付くまい』
『『『『ワッハッハッハ‥』』』』
 不愉快な笑い声が闇の中で響く、気がした。
 しかしあれだけ色鮮やかな夢も目覚めればたちまち記憶の淵からこぼれ落ちていってしまうもの。朝を迎えた開拓者達にその笑い声の事など記憶の片隅にも残らないだろう。

「がぁあああ!アッー!」
 自分の声で目覚めた紫狼は尻を両手で押さえている事に気付く。
「これが俺の初夢かあああ!!」
 と紫狼が今まで尻を押さえていた両手で頭を抱えて叫ぶ頃、他の者もまた次々と目を覚ましていた。
「‥夢でしたか‥まさか正夢になるとか」
 夢の中で充足感を得た気がする高菜はもう少しその余韻に浸ろうとする。
「こんな夢なんて、欲求不満、でしょうか」
 仮に欲求不満だとして、一体どうすればその高菜の欲望が満たされるかという所だが‥。
「夢でにゃんすか‥」
 寝起きのにとろは常日頃に輪をかけて眠そうな眼をしている。そして着物もはだけて寒い。はだけるというか最早脱げていると言うべきか。
 はて、なんでこんなに寝乱れているのだろう。
 よく覚えていないが、何かやらかしてしまった様な気分だ。
「ふにゃあ〜」
 にとろは乱れた着物を直そうともせずあくびをするのだった。

 目覚めた桜狐の手は空を掴む。ご馳走が並び、今まさに手を着けようとした瞬間だったのに。
「‥あうぅ、お稲荷さん‥」
 先程まで目の前にあった山の様なご馳走は泡の様に消え失せた。夢のようなご馳走と思っていたらまさに夢だったわけだ。
「‥‥お腹がすきました‥」
 桜狐にとって嫌な夢であった様な気もするが、今となっては消えたご馳走ばかりが気になる事に。
「初夢が桜狐ってステキね♪」
 一方、恋華の目覚めは良かった。彼女にとっては鷹や茄子が出なくても十分に縁起の良い初夢だったと言えるだろう。
「そうね、夢だけでなくて本当に美味しいものを食べさせてあげようかしら♪」
 もちろん、夢に桜狐が出てきたなんて言うつもりは無いが。

「夢、か‥」
 雪刃はそこが住み慣れた家である事を確認する。しかし夢の中でもアヤカシ退治とは、日頃の疲れが溜まっているのかもしれない。それでもまあ完膚なきまでに叩きのめす事はできたから縁起が良いのだろう、多分。
「寒いな‥」
 冬の冷気が改めて今が現実であると、頬をつねるまでもなく雪刃に知らしめる。
 そんな寒さであってもリュシオルは元気だった。
「なんだかすっきりした気分!」
 実際には何も為されていないのだろうが、達成感がある夢というのは得した気分だ。何かイイ事がありそうな予感を感じさせる。
「あの人にまた近づけた気がする!」
 多分世間的には近づいてはいけない人なのだが‥。

「まぁ、今年もいろんなことが次々起きるっちゅーことかな?」
 豊姫は体を大きく伸ばして残っていた眠気を払う。眠気が去るのと同時におぼろげだった夢の記憶がまたさらに薄れて行く。あいまいな記憶はとりあえず、『色々あった』とだけ認識しておく事にする。
「それはそれで楽しみや!」
 何が起こるかわからないが、今年は忙しい年になりそうだ。