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■オープニング本文 ※このシナリオはパンプキンマジック・シナリオです。オープニングは架空のものであり、DTSの世界観に一切影響を与えません。 ●光 「うぉっまぶしっ!!」 「うわぁぁ!!」 太陽の日差しの様に輝くその球体はまさに地に堕ちた太陽が如くであった。 まばゆい光が辺りを照らす。いや、照らすという言葉では生温い。適切な言葉を捜すなら閃光という方がふさわしい。 「一体何‥?」 室内に居ても異変が分かる光量。夏の昼間であってもここまで明るくは無い。光の強さは雷の光にも似ているが、あれは一瞬。こうも長くはないし、いくら待っても雷の音はしない。 徐々に収まる光。開拓者ギルドの入り口では警備の者が目を押さえてのた打ち回っている。ぱっと見外傷はない。あの強い光にやられて一時的な失明状態にあるのだろう。 ──何者かの襲撃なのかもしれない。警備の者を傷つけたり殺さないと言う事は何か思うところがあるのかもしれないが、平和的な使者でない事は確かだ。 そんな事を考えつつ不月 彩(iz0157)は慎重に入り口の戸から顔を出す。 いた。 いやがった。 闇目玉がいやがった。 光り輝く闇目玉がいらっしゃった。 「帰って」 闇目玉を視認した彩はその一言だけ残してギルドの戸を閉ざした。 ●闇 闇目玉なのに光っている。言うなれば『光の闇目玉』。もはや意味が分からない。 とはいえ光っていようがしょせん闇目玉なのでどうせろくな事をしないのは考えるまでも無い。 今までに何体も闇目玉が開拓者ギルドに襲来しているが、真っ当な闇目玉なんて来たためしが無い。 「早く帰らないかしら」 相手にすると面倒なので出来れば無視しておきたいところだ。 「どうすんのあれ?」 しかし、放っておいて帰ってくれるなら開拓者ギルドなんていらないのだ。彩の馴染みであり開拓者でもあるイツカが闇目玉の処置をどうするのかと彩に問いかける。 「あんたがやってくれば?」 「一人で?ひどくない?」 「闇目玉くらい何とかならないの?」 「いいから彩も来なさいよ」 「‥だって面倒だし‥」 本当に行きたくないのだが、イツカもイツカでめんどくさい。彩は最終的には仕方なく引きずられる形でギルドの外へ出るのだった。 『待っていたぞ』 頭の中に声が響く。イツカも反応している事から、辺り一体にテレパシーの様なものを送っているのだろう。そういった所ではしゃべっているのとそうかわらない。 しかしそれにしても先程凄い光ではないが、ややまぶしい。加えてどういうわけか闇目玉も目を閉じている。目玉だけな姿なのに目を閉じているから何だかおかしな事になっている。 「なんで目を閉じてるのよ!」 『まぶしいからだ』 「‥‥」 今までいろんな闇目玉を見てきたが、ここまで機能不全に陥っている闇目玉は見た事がない。 「目をつぶっていたら何も見えないじゃない!この魔法少女イツカがとっとと退治してあげるわ!」 とりあえず目玉一つだけの闇目玉が目を閉じていれば何も見えないはず。あいつはただの馬鹿だこれは好機だとイツカは杖とも魔槍砲ともいえない物騒でひたすら乙女ちっくな棒状の物を闇目玉に向ける。 しかし闇目玉は目を閉じたまま動じない。 『愚かな‥』 余裕を持った口調にはただの虚勢とも思えぬ深みがあった。まるで全てを見通しているかの様な自信が感じられる。 『青、白‥。その年になって、縞パンとは‥‥』 「え!?」 『恥を知れ!!』 大きくはっきりと闇目玉の眼が見開かれる。大きな眼がイツカをじっと睨み付ける。 「わ、私がどんなの履いてたって‥」 イツカは闇目玉の迫力に押されて無意識にやや後ずさる。ちなみに恥を知るべきは闇目玉だが、それを言わせぬ眼力であった。 「透視ができるってわけね」 イツカの下着などどうでもいい彩は闇目玉の力を分析する。とはいえ心を読むとかであれば面倒だが、透視程度なら大した問題ではない。闇目玉が相手という時点でこの手の被害はある程度覚悟の上だ。 『記憶も読める』 「!」 記憶もという事は心も読めるという意味だろうか、少し間をおいて再び闇目玉の声が頭に響く。 『86、60、87‥。体重は‥‥』 「ちょっ待ちなさい!そこで黙って待ってるのよ!!」 彩はイツカを引っ張って開拓者ギルドに駆け込んだ。もちろん、即座に討伐依頼書があがったのは言うまでもない。 |
■参加者一覧
雪ノ下 真沙羅(ia0224)
18歳・女・志
煌夜(ia9065)
24歳・女・志
アクエリア・ルティス(ib0331)
17歳・女・騎
浅葱 恋華(ib3116)
20歳・女・泰
綺咲・桜狐(ib3118)
16歳・女・陰
ウィリアム・ハルゼー(ib4087)
14歳・男・陰
フランヴェル・ギーベリ(ib5897)
20歳・女・サ
八条 高菜(ib7059)
35歳・女・シ |
■リプレイ本文 ●あらわれる 「光と闇が合わさって、最強に見えます…!」 「お〜っ。本当に光ってるわね、此れは面白いわ♪」 「風の次は光ですか。‥‥いきなり自爆してるような闇目玉ですけど、変態には違いないですし」 雪ノ下 真沙羅(ia0224)が言うとおり、闇なのに光っていた。 浅葱 恋華(ib3116)が言うとおり、光るべきでない存在が光っていた。 綺咲・桜狐(ib3118)が言うとおり、相手は光っているが闇目玉で変態だ。 『現れたな開拓者どもめ!私の力を思い知るがいい!!』 やって来た。 かぼちゃの魔力に魅せられて、闇目玉先生が光り輝きやって来た。 「闇目玉様〜♪」 闇目玉の魔力に魅せられて、ウィリアム・ハルゼー(ib4087)もやって来た。 ちなみにウェディングドレスを着た少女にしか見えないとしても彼は男だ。いわゆる一つの男の娘というものだ。 そして彼以外は全員女性である。相手が闇目玉なのに何故かわからないがこういう組み合わせとなったのだ。まこと運命というのは不思議なものである。何らかの神の意思とでも言うべき何かを感じてしまう。 「また闇目玉ね。もう突っ込まないわ」 煌夜(ia9065)にとっても闇目玉は慣れたもの。こいつらは基本的にどうかしているのでいちいち毎回ツッコミをいれていては時間がもたない。 「ヤミメダマにリベンジよ!」 復讐の炎に燃えるのはアクアことアクエリア・ルティス(ib0331)。昔、風の闇目玉によりピンクのフリル付き紐ショーツというセクシー下着を白日の下に晒された過去がある。闇目玉先生の力は恐ろしいのだ。 しかし闇目玉先生のエロティックパワーをフランヴェル・ギーベリ(ib5897)と八条 高菜(ib7059)は知らない。 「楽しい依頼になりそうだ、ハハッ」 「これが噂の闇目玉ですか‥‥」 どこか会話の中にも余裕のようなものが見て取れる。しかし闇目玉先生はただのアヤカシではない。変態なアヤカシである。そしてまた彼女達の恐ろしさを闇目玉先生も知らない。 両者はまだお互いを知らず、誰もこれから起ころうとしている事態を予測するものはいなかったのだ。 ●せくはらる 『私の力を思い知るがいい!!』 闇目玉先生の目が妖しく光る。なお光の闇目玉なので最初から光っていて、体は目玉しかないのでここは比喩的なものと認識頂きたい。 兎に角その視線の先は緑色の長い髪をおろしている真沙羅だ。なお彼女はその髪よりも何よりももっと注目を集めるものがある。 『さ、三桁、だと‥‥!?』 「え、何が‥三桁何ですか‥?」 桜狐は何を言っているのかわからないといった顔をする。それに反応した闇目玉は桜狐の方を向くが、直後その目には何処か哀れみを伴った光があった。 『測るまでもない様だな』 細い体躯の桜狐には真沙羅の様な巨大なふくらみは存在しないのであった。残酷だが格差社会という現実である。 『しかし、白は良い』 「!?うう、見ないでください‥‥」 闇でありながらも光であるこの闇目玉先生は下着の白に対してご満悦の様子であった。 「桜狐を嫌らしい目で見ないで欲しいわ♪」 嫌らしい目で見るなとはつまり桜狐を見るなという事だろうか。そんなこんなで恋華が遮るように前に立つ。むしろこれは『自分を見ろ』という主張の様にも見える。 『レースか。見えないところのおしゃれという奴だな。‥見えているが』 「そうよ♪もっと奥まで透視ても良いけど?」 恋華も隠す気はないし闇目玉的には色々と見えてしまっているらしいが、具体的にどういう所かは機密事項だ。残念だが大人の事情という現実である。 そして闇目玉は再び真沙羅の方を凝視する。そして衝撃の事実が明らかになる。 『下着が紐だと!?』 「ひ、紐‥‥!?」 「真沙羅ってすごいのね♪」 「や‥わ、私そんないやらしい娘じゃ‥‥」 『この淫乱巨乳娘め!!』 「嫌ぁぁ‥私、私そんな‥」 恐るべし光の闇目玉の精神攻撃。例え熟練の開拓者とてこの様に窮地に立たせてしまうのだった。 ●せまられる 「他の女の事なんか見ないでボクのことだけを見てください!」 どういう気の迷いか知らないが、ウィリアムは闇目玉に執着していた。他の開拓者達に向ける視線は浮気な視線と気に入らないらしい。 だが気を取り直したようにウィリアムは書類を取り出してこう言った。 「今日はボクと結婚式を挙げましょう!」 『‥‥』 ウェディングドレスを纏ったウィリアムとその真正面に闇目玉。見詰め合う一人と一体。愛の力は種族を超えるのだろうか。そして── 『オエー!!』 突如苦しみだす闇目玉。吐く口は無いが口があれば嘔吐間違いなしといった苦しみ様だ。 「闇目玉様!どうしたのですか!?」 青い顔になって駆け寄るウィリアムを激しい光が襲う。 「目が!な、何を?」 『股間に『象さん』がいる花嫁なぞあるか!!』 闇目玉先生は見てしまったのだ。スカートの中にあってはならない突起物を。そしてこんな力なんて無ければよかったと心の底から嘆くのだった。 ●のぞかれる 『このままでは不味い。早く回復をせねば』 手痛いダメージを受けた闇目玉であったが、この場は回復のタネに困らない。 「な、何よ!」 邪な視線に気付いたアクアが盾を構えて警戒する。だが、盾が何だというのか。光の闇目玉先生の力を甘く見てもらっては困る。 『服もピンクなら中もピンクか』 「ダ、ダメよ!やめなさい!このスケベ!」 『まだ私は全力ではない』 「やだっ!ダメェッ!」 果たしてそのピンクの薄布の向こうはどうなっているのだろうか。さらにピンクな世界が広がっているのだろうか。僕らは夢と希望が一杯。アクアの胸はおっ●い。 そしておっ●いならば煌夜も負けていない。 『大きいがそれだけでなくいい形をしている。』 「服を着てるのに隠さなきゃいけないなんて厄介ね‥」 このままでは戦うどころではない。見られる事はある程度覚悟をしているが、見られる事には問題がある。場合によっては『闇目玉が見て発言するととんでもない事になるもの』まで見えてしまうかもしれないのだ。 「でも隠しても見られるのよね。それならいっそ─」 『別に脱いでも良いぞ』 「心を読むな!って何も解決になってないわ‥‥」 結局煌夜は脱がなかった。秘宝たる彼女のおっ●いは秘匿されたまま。秘宝は表に出ないから秘宝なのだろうか。富の偏重は是正されるべきと思わずにはいられない。 ●えろすぎる 闇目玉以外にも見られる事がお望みでなければ脱いでも意味はない。よって脱ぐ必要はない。だが、それもまた良しとする者達もいた。 「うん、そうだね脱ぐのもいいかもしれないね」 皆が脱げばフランヴェルも闇目玉と同じ様に『見える』様になる。いわゆる『幼女』という存在はいなくても綺麗どころがいっぱいなのだからそれはそれでとてもおいしい。 「こんな明るい内からなんて、燃えちゃうかも」 人生経験豊富な高菜とて白昼堂々街中で全裸という体験は刺激的だ。背徳感が情欲を掻き立てる。それに普段なら許されぬ行為もアヤカシ退治という事であればいけるかもしれない。 『もともと裸のようなものだろう』 しかし高菜の服装は闇目玉にツッコミをいれられるくらい露出過多だった。二人の子を為したとはいえ、その体から色気は失われてはいない。 「ああっ、見られてる見られてるぅっ♪」 『この痴女め!』 「あぅ、放置プレイって奴ですか‥?」 隠しているのか見せているのか良く分からない状態で悶えているエロ人妻は置いといて、再度フランヴェルに向き合う。 『黒、か‥。大人の女をアピールというわけか』 「ああボクが下着を見せるのは主に幼い少女達だからね」 『なん、だ、と‥?』 「大人の女性をアピールするのは身も心もボクに委ねられる雰囲気作りの一助とする為さ」 しれっと妙な事を口走るフランヴェル。彼女は髪こそ短めに切り揃えてはいるがどこからどうみても女であり、実際女である。 いつの間にやら晴天だった空が翳りだす。この時あたりから俄かに不穏な雰囲気が戦場に漂い始めたのであった。 ●よまれる 透視という素晴らしい能力をもった光の闇目玉を開拓者達は攻め切れないでいた。 「ああもう!相変わらず剣が効かないのね‥」 無駄と分かっていても斬りつけずにはいられないアクアであったが、やはり闇目玉に物理的な攻撃は通らない。 「‥あ、そういえば無駄なんでしたっけ‥」 高菜の蹴りも意味が無い。いや、『はいてない』のでその蹴りは十分に意味があるが、むしろ闇目玉のEP(エロティックポイント)の回復と上限を超えると色々崩壊してしまう『蔵倫ゲージ』の上昇に寄与してしまっている。 『さて次は‥』 そして調子付いた闇目玉先生は次の攻撃に移ろうとしていた。体や下着については概ね確認済み。となれば次は内面から攻めるべきだろう。 『その胸で覆いかぶさる、か。素晴らしいな』 「今度は記憶を読んだわね」 『子供相手にもその胸でいたずらをするとはショタか』 「違うわ。ていうかいい加減に『壁殴り代行』を呼ぶわよ!」 二十年以上生きていれば、あんな事やこんな事の一つや二つ出てくるもの。煌夜の桃色な過去も闇目玉先生にかかればご覧の有様だ。 『ほう、昨晩もか。お盛んだな淫乱巨乳娘め!!』 「い、嫌ぁ‥‥」 真沙羅と相手しかしらない秘密の情事も闇目玉先生には筒抜け。 『女同士で、そうか。そうなるのか‥‥』 「あらまぁ、真沙羅って意外と凄い事してるのね♪」 「聞かないで下さいー!」 『ほう、恋華は桜狐の●●を××××してあまつさえ△△△と△△△を擦り合せるように■■■したいとは』 「わ、私の妄想は機密事項よー!」 「うう、恋華‥。へ、へへ‥変態!変態!変態です!」 ただちに蔵倫ゲージに影響があるため伏字となってしまった恋華の妄想も闇目玉にはお見通しだ。 「ちょっと、桜狐やめなさい」 「変態!変態!」 『食べる事しか頭に無いのか?油揚げだけが全てなのか?』 「うう‥」 変態の撲滅を願う桜狐にはあまり邪な願望等は無いらしい。結果として色々アレな状態になる事は多々あるが。 そして男の娘は一人、騒ぎの中から離れていた。 「ボクはこんなに闇目玉様のことを愛してるのに‥‥」 しばらく光にやられていたウィリアムであったが、表情に先程のような明るさはない。絶望と憔悴が彼を別人の様に変えてしまった。 「受け入れてくれないなら、いっそ‥」 仕込箒がかちりと音を立て、中の刃が光る。 その危険な光に気づく事なく、闇目玉はフランヴェルを注視する。 『──!?』 またもや百合畑。世間ではかくも百合が咲き乱れているものだろうか。その畑の中でも蕾を愛でるフランヴェル。もちろん、全裸で。 「幼い少女達とお互いに愛し、愛される中で匂いや温もりや柔らかさを感じ‥‥」 見られても何も困る事はないと。逆にあの夜の出来事を見せたいくらいだと。 そしてフランヴェルのそれは『妄想』や『願望』ではない。『記憶』だ。つまりこれは実際にあった出来事という事だ。美味とかもう本当に駄目だから。 『貴様は一体何者だ!?』 「ボクは愛の伝道師にして実践者さ」 『通報しました』 ●たおされる 無敵とも思われる闇目玉であったが、色々と都合上そろそろ倒されなければならない。 「帰って!もう帰ってください!!」 瑠璃色に輝く刀を振り回しながら真沙羅が闇目玉に迫る。なお刀といえど知覚攻撃であれば闇目玉に通る。当たれば痛い。最悪死ぬ。 「そろそろ終わりにさせてもらうわ!」 煌夜の刀が季節に似合わぬ梅の香を漂わせる。もちろんこれも闇目玉に通る。当たれば泣く。最悪死ぬ。 そして闇目玉に迫る脅威は刃物だけではない。死の危険はどこにでも潜んでいるのだ。 「全てあなたのせいですね。あなたが変な能力を持っていなければ‥。滅殺します‥‥」 「そうよ桜狐、全部あの闇目玉のせいよ♪」 桜狐の符は避けれない。マジ痛い。マジヤバイ。 恋華は気功掌。せめて気功おっ●いにして欲しい。それなら全力で受け止める。 「痛いですか?苦しいですか?でもボクの心の痛みはそんなものじゃないんですよ?」 『ヤンデレ男の娘(結婚式Ver)』とか新ジャンル過ぎるだろ誰得だよこれ。相手が相手なら包丁を持っていそうなウィリアムの符も止まらない。 「羞恥はむしろ燃え盛るものですよ?」 実際燃えている。火遁で闇目玉先生の体が燃えている。高菜のエロい炎が燃えている。しかし人妻との火遊びは軽い火傷じゃすまないぞ。 と思ったらアクアが闇目玉先生にしがみつく。 「やっちゃって!」 えーとそれは一体どういう‥?もしかして? 「早く止めを!」 しまったこれは罠だ。しかしおっ●いの感触が判断を鈍らせるぞ。 「闇目玉君、これが愛のパワーだよ!」 何が愛だ。本当に危険なのはこの幼女イーター、フランヴェルだ。これ以上被害者を増やす前に‥‥。 『ウボァー!』 眩い光を放ちながら燃え尽きるように闇目玉の体が崩れ去って行く。 「これで闇目玉様はボクだけのものになりました‥‥。アハハ‥‥」 虚ろ気な目をしたウィリアムがボソッと呟いて乾いた笑い声が響くのだった。 ●おわるる 「やっと終わったわね」 「本当に疲れたわ」 戦いは終わった。煌夜やアクアの表情にも明るさが戻る。もう体を隠さなくても良い。もし服を脱いでいたら今も隠していなければならなかったが。 しかし開拓者達は精神的には消耗していたが、肉体的には無傷であった。何故なら、光の闇目玉には殺傷能力を伴う攻撃手段がないからである。 「ふふふ‥‥闇目玉様、ボクだけを見て‥‥」 約一名が本気で壊れている気がするがきっとそれだけ精神的な疲労が激しかったのだろう。少なくともウィリアムはセクハラ対象外であった事は確かだが。 「もう終わりかぁ」 と熟れた体を持て余す高菜は疲れたというよりも物足りないという風。有閑マダムを満足させるには闇目玉一体では足りないのかもしれない。下に恐るべくは有閑マダムの底無きエネルギーである。 「はぁ、本当、なんでこんな事に‥‥」 「‥恋華、ご飯‥‥」 「いいわね。真沙羅、貴女にもご馳走するわ♪」 恋華は内心焦っていた。桜狐の気が油揚げにいっている内に何とかさっきのをうやむやにしなければ。それならば何より食事に連れて行ってしまうのが手っ取り早い。 「あ、はい」 「‥でもなんか忘れてるような‥」 「ほ、ほら、早く行きましょ」 こうして仕事を終えた開拓者達は次々と戦いの場を後にする。 「さあ子猫ちゃん達でも探しに行こうか」 そして要注意人物が再び野に放たれた。闇目玉はただ見るだけ。しかしフランヴェルは‥‥。 今最も逮捕に近い女、フランヴェル・ギーベリ。手遅れになる前に姪は早く通報するんだ。 |