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■オープニング本文 ● 魔槍砲。それは本来アル=カマル製の特殊銃を指す。 宝珠が組み込まれた長銃身型であり、先端には槍のような刃が装着可能。宝珠近くの樋口から火薬や専用の薬品を詰め込む構造を持つ。 しかし魔槍砲には銃口が存在しない。そして多くの魔槍砲は弾丸を込める手順さえ必要とせず、練力消費によるスキルを代替えとする。 銃身の先端から時に放たれる火炎、爆炎は一見すれば精霊魔法のようだが物理的な攻撃能力を有す。 これまで改良が続けられてきた魔槍砲だがここにきて停滞気味。アル=カマルの宝珠加工技術の行き詰まりが原因といわれている。 このような状況下で朱藩国王『興志宗末』と万屋商店代表『万屋黒藍』は魔槍砲に注目していた。 ●つまりどういうことかというと 朱藩の王様、興志王さんがアル=カマルから魔槍砲という武器を持って帰ってきました。この魔槍砲は大きな威力を有しているのですが、色々と欠点もあったりこの武器はどうもまだまだ改良の余地がありそうなのです。というのも天儀は宝珠の加工技術が進んでいますから、その技術力をもって宝珠周りをいじればもっと良くなりそうな感じなのです。 というわけで、魔槍砲の改良や試作をしようと思うのですが、それにはたくさんの宝珠が必要です。宝珠には色んな種類や特性がありますから、どんなものが適合するか多くの宝珠で試してみたいのです。流石金持ちは考える事もやる事もスケールが大きいのです。かなり気合を入れて取り組むようです。 そういうわけで、開拓者の皆さんに宝珠の発掘依頼がやってきたのです。依頼は一つではなく宝珠の種類を多く揃える為に、色々な経路から集めるようです。 多くは遺跡でしょうけれど、その遺跡にしたって色々あるのです。新しい遺跡もあれば見知った遺跡もあります。 そして今回皆さんが向かった先は栢山遺跡(かやまいせき)。今話題のアル=カマルへと道を開いた宝珠があった遺跡です。 あの宝珠を発見した後も細々と調査は続けられていた様で、以前よりも足を運べる場所は増えているようです。もっともアヤカシがいなくなったわけではないですし、その全容が明らかになったわけでもありません。やはり未だに安全な場所ではないのです。だから開拓者が派遣されたという事になります。 ●そしてこうなった しかしまあそれでも皆さんは困難を乗り越えて宝珠を結構たくさん手に入れることが出来ました。さすがにこれだけ集めれば十分だろうということで発掘を切り上げて、地上へと戻ることにしました。 心地よい疲労感と達成感が気分を高揚させます。ところが、ちょっと浮かれすぎたのでしょうか道をどう間違えたか行きには通らなかった変な部屋に出てしまいました。 穴。穴。穴。壁にも、床にも、天井にも、穴。 至る所穴だらけ。大小の穴が数え切れないほど不規則に並んでいるのです。 そんな危ない道ですもの、躓いてしまうこともよくあります。 「あっ」 と思った時にはすでに遅し、運んできた宝珠を豪快にぶちまけすってんころりん。ああ、宝珠が穴の中に転がっていく‥‥。 そして周りを見回せば、不思議なことに皆転んで宝珠を地面に撒いてしまいました。ええ色々大人の事情で。いくつかの宝珠は穴に落ちてしまいましたが、落ちずに残っている宝珠も結構あります。これらを拾い集めても求められた数は十分にありそうです。 ●その部屋の名は 穴に落ちた分は惜しいけれど、人が入れるような大きさの穴は無いので仕方がありません。 とりあえず残った分だけでもと手近な宝珠に手を伸ばした時、何か違和感が。 何でしょうこの何とも言えない不快感は。 ───見られている。 纏わりつくような、ぬめっとした湿度のある不快な視線。言葉にするならそんな感じでしょうか。 この時はまだあんな事になるなんて誰も思いもしなかったのです‥‥‥。 |
■参加者一覧
斎 朧(ia3446)
18歳・女・巫
ペケ(ia5365)
18歳・女・シ
エメラルド・シルフィユ(ia8476)
21歳・女・志
晴雨萌楽(ib1999)
18歳・女・ジ
浅葱 恋華(ib3116)
20歳・女・泰
綺咲・桜狐(ib3118)
16歳・女・陰
ルー(ib4431)
19歳・女・志
リリアーナ・ピサレット(ib5752)
19歳・女・泰 |
■リプレイ本文 ●元凶 特に難なく事が運び順調で、目的の宝珠は大漁でした。だからペケ(ia5365)さんの気分が良いのは当たり前と言ってもよかったのです。 「帰り道は私にお任せですよー♪」 そう言って先頭を進むペケさん。自信満々で道を行く彼女をみんな信じていました。 でも、それが間違いでした。 「あっ!」 と突然つまずいたペケさん。そして転がり落ちる宝珠、それはころころ転がって幾つか穴に落っこちてしまいました。加えてあと何か布の様な物も釣られて穴に落ちていきました。褌です。何で褌脱げるの? 「ペケったら、やっちゃったわね♪」 浅葱 恋華(ib3116)さんは『穴があるなら仕方がない』と思い──穴? やあ(´・ω・`) ようこそ、闇目玉の間へ。 この闇目玉はサービスだから、まず見つめられて落ち着いて欲しい。 うん、「また」なんだ。すまない。 もふら様の顔もって言わないけどね、謝って許してもらおうとも思っていない。 でも、この部屋を見たとき、君は── 「全然ときめかないです‥‥」 またさらに宝珠が床に転がります。綺咲・桜狐(ib3118)さんも転がった宝珠に足を滑らせ転んでしまったのです。そんなこんなで色々連鎖してみんなで宝珠を撒き散らかした結果、この部屋は穴と宝珠だらけになってしまいました。 「仕方ない、拾うか」 とエメラルド・シルフィユ(ia8476)さんは回収を開始しました。 しかし、なんか妙です。具体的に言うとなんか凄く視線を感じます。 どこから? 穴から。 ‥‥‥。 「‥‥きゃああああああ!!」 こうして無事終わるはずだった宝珠の収集依頼は突如、修羅場と化すのでした。 ●存在 「なんでこんな‥‥目ン玉だらけの部屋で転ぶかなァ!」 仕様です。 「あたいらが拾った時に、見てンだよね?」 いいえ、一瞬のチャンスも逃さぬ様にいつだってガン見です。拾わない時だって見つめています。 文句は言いながらも仕事ですからモユラ(ib1999)さんは宝珠を拾わざるを得ません。例え今日に限って短いスカートであったとしても拾わなければなりません。 浅めに屈んでも、その狭い隙間にある美を見逃さないのが闇目玉です。その視線は獲物を狙う肉食獣よりも鋭いのです。 リリアーナ・ピサレット(ib5752)さんも脚をそろえて一つ一つを拾っています。どこか落ち着いた感じで、あまり闇目玉を気にしていない感じです。 『床に這い蹲って掻き集めるなど‥‥』 との事です。だけど彼女もまたスカートは短いのです。そしてその奥に秘められたものもまた面積が控えめなのです。とはいえ表現に困るようなものが『こんにちワン』する心配はないようです。良く分かりませんが処理済だそうです。 「とりあえずどれくらいいるんだか‥‥」 あちらこちらから視線は感じるものの、どれくらいいるかよくわかりません。 ならばどれくらいいるのだろうと斎 朧(ia3446)さんは『瘴索結界』で調べるのですが‥。 「かなりの数‥‥」 どうやら目には見えなくても物凄い量で何かがいるみたいです。この部屋にいるのは闇目玉だけとしても、全滅させるにはちょっと錬力が持たないかも。 「そんなに?」 ルー(ib4431)さんも気になって気を張って周囲の気配を探ります。 「──!?」 途端に訪れる悪寒。そうです、すでに貴方は見られていたのです!! 「いやぁぁっ!!」 上から眺めてもよし、横からでも後ろでも、もちろん下から眺めてもすばらしいルーさんはたくさんの闇目玉からの視線を集めているのでした。 ●色々 宝珠を拾って帰ればいいのですがとにかく、色々とひどい状態でした。 「ぎゃー、みるなっ!」 ぎゃー、目がーっ!闇目玉に眼突鴉というなんという残虐さでしょう。しかし闇目玉はくじけません。恥ずかしがるモユラさんを見れば意地でも覗かないわけにはいかないのです。 「う〜〜っ!」 唸りながらもモユラさんは宝珠を拾います。もちろん見られない様に気をつけながら。 その状態は見えそうで、見えない。だけど頑張れば、見える。そんな感じです。 ならここで頑張らなくていつ頑張るのでしょう!!闇目玉は素早く前に回りこみます。ちょうどしゃがんだモユラさんの真正面に。 なんというベストアングル。一瞬の脚の動きが織り成す夢の景色。闇目玉はその瞬間を目に焼き付けます。 「み・る・なーーっ!!」 涙目になったモユラさんはまた眼突鴉を放つのでした。 『全くペケさんのどじっ娘ぶりには呆れてしまいますね‥‥』 リリアーナさんがそう考えるのも仕方ありません。誰も彼女を止めなかったとはいえ、こうなった事の原因はほぼ彼女にあるのですから。 だからといってお尻を叩くのはダメです。そんな事をすれば大きなお友達向けの内容になってしまいます。だって、ペケさんは下半身裸です。 迷って、宝珠をばら撒いて、しかも褌まで穴に落っこちたからさあ大変。本当にどうしてこうなった‥‥。 「反省してますーホントデスヨー」 そう言うペケさんはボリュームのある胸元をよりオープンな状態にして闇目玉を挑発します。それで前屈みな姿勢をとろうなんて、結果大変な有様です。 そして朧さんですが、恥ずかしがることも無く大胆に上着を脱ぎます。それだけでは飽き足らず袖までまくれば肌の白さがよくわかります。驚きの白さです。 「んっ‥‥」 そんな声で吐息をもらせば艶やか。 穴に手を突っ込んで宝珠に手を届かないものかと身をよじれば着衣は乱れてパラダイス。 そして朧さんは他の人と違ってあまり隠そうとしません。恥ずかしがるのを見るのもいいものですが、こう堂々としているのを見るのもまたいいものです。良く見えます。見る方はどっちでも遠慮はしませんが。 こうなれば出来るだけ近くで見たいと思うのは闇目玉も同じです。って近寄った闇目玉、燃えてます。 「良く燃えますね」 ひどい。これは罠だったのです。近寄ったら『浄炎』で燃やすなんて。萌えて燃え死ぬ闇目玉なのです。 「このっ!このっ!」 エメラルドさんが剣を振り回しています。もちろん闇目玉にただの攻撃なんて効きません。だからこその精霊剣なのでしょうけれど、そんな事をしていてはすぐに錬力が尽きてしまいます。 「ふ、婦女子の下半身を覗き見るなど!!」 いえいえ、ご冗談を。そんな下半身だけなわけないじゃないですか。 「ま、まさか上からも?あぁっ!」 慌てて体を隠そうとするエメラルドさん、だけどそんな服装では限界があるのではないでしょうか。 「少しでも隠れるならっ」 そうですね。柱はありました。これなら多少は防げそうです。でも、この柱、お尻の辺りに穴が開いてますよ? 「い、いやぁ‥‥!」 はい、エメラルドさんのお尻はとっても良いものでした。 『と、取り乱してしまった‥』 素早く拾い集めて出て行けば良いだけと頭ではわかっているのに、ルーさんは思うように動けません。視線を感じたらその部分を隠すようにして宝珠を集めるのですが、闇目玉はいつだって見える所を全力で狙いに行きます。ルーさんが必死に隠せば隠す程、闇目玉もまた激しく動き回るのです。 そしてまたもう一つ問題が。落ちた宝珠、拾うのはいいとしてそれをどこにしまうのでしょう? 「ここしかないかな」 それは服の中。しかしその行為は危険を伴います。何故なら、そこには宝珠より丸くて大きなものがすでにあるからです。ルーさんは素早く宝珠を懐に入れます。ですが、その瞬間に強い視線を感じ取ります。 「‥見た?」 闇目玉は答えません。ですが、ルーさんはあいつが頷いた様な気がしました。 「くっ!」 まだまだ宝珠はたくさん転がっています。一体あと何回こんな事を繰り返さなければいけないのだろうとルーさんは考えずにいられませんでした。 ●はまった 「いやー何と言うか皆楽しそうでいいわね♪」 どう見ても楽しんでいるようにしか見えない恋華さんは足取りも軽く、動き回っています。 「楽しくなんかない!!」 「いいから早く拾って!!」 不用意な発言に闇目玉被害者からのクレームが連発です。 「わかってるって。私も拾うわ♪」 そんな恋華さんには油断がありました。注意が散漫だったのかもしれません。 「と、ととっ!?きゃぁ!?」 ついうっかり穴に足を取られてバランスを崩せばお尻は見事に穴へすっぽり。 「ぬ、抜けない‥?桜狐ー!助けてー!」 「恋華、大丈夫ですか!?」 呼ばれた桜狐さんが駆けつけます。もちろんその間も闇目玉はしっかり見ています。 「う、覗かないでください‥」 消耗していた錬力をつかって眼突鴉。もちろん闇目玉もそう簡単にはあきらめませんが。 「ああ、もう‥‥」 しっかり穴に嵌ってしまった恋華さんのお尻は簡単には抜けそうにありません。見られないよう隠しながらでは、桜狐さんの片手だけでは無理そうです。 「あ、あぁ、視線を感じる‥‥私のお尻、見られてるぅ!」 恋華さんはどちらかというと愉しんでいる気もしますが。 とにかく片手で無理なら隠すのを諦めて、両手を使って一気に片付けたほうがよさそうです。 「恋華、いきますよ‥‥?」 「わかったわ♪」 二人は呼吸を、タイミングを合わせます。 「「えいっ!」」 ─びりっ、という音とともに恋華さんのお尻が浮き上がります。 「「やった!」」 でも恋華さん、桜狐さん、その手に握っているのは何ですか? 「布かな?桜狐の服になんか似てるかも」 「‥‥布の切れ端?恋華の服みたいな‥」 それでは正解を確認してみましょう。 恋華さんの胸元はより大胆に。というよりもまるごとおっ(検閲)。まるごと闇目玉の時代は終わりました。次回のまるごと装備は『まるごとおっ(以下諸事情により削除) 桜狐さんは安定の白。不自然すぎる形状が露骨にフルオープン。ぎりぎりな姿に闇目玉も絶賛視聴中です。 「「きゃぁぁ!?」」 この日何回目の悲鳴でしょうか。恋華さんと桜狐さんが声を合わせて悲鳴を上げるのでした。 ●踊りと交渉 「わたくし、前に樹理穴踊りというのを踊った事がございまして」 そう言いながらリリアーナさんは扇子を取り出しました。本来は羽扇子のようですがこの際細かい事は置いといて。 「ちゃ〜ちゃっちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃ〜ちゃっちゃ」 誰も曲を奏でる人はいませんから、リリアーナさんは曲を口ずさみます。それと同時に扇子を持った手を上に上げ、くねくねと煽情的な腰つきで踊り出しました。なお穴をまたぐように脚を開いていますから、それはもう入れ食いです。 「フォー!」 甲高い掛け声とともに放たれる気功波が闇目玉を直撃します。問題は『フォー!』までの間にばらつきがある事ですが、それは『荒鷹陣』でカバーという事です。 だけど、片足上げて荒ぶってもより注目を集めるだけな様な‥。 「アヤカシに見られても何とも思いませんので」 でも踊りは情熱的、刺激的。もう何が何だか‥。 一方ペケさんは新たな試みに挑んでいました。ペケさんは胸元を指して闇目玉に語り掛けます。 「下に落ちた物を全部拾ってきてくれたら‥‥見せてあげるけど、どうです?」 Q.もし、この状態で上も開放されたら? A.すいませんがそれはもう全裸です。 闇目玉は考え込むような目つきでペケを見つめます。目しかありませんが真剣そうな表情です。 「ど、どうですか‥?」 アヤカシとの交渉に挑むペケさん。でも下半身は残念な状態になっています。何せ褌も穴に落っこちてしまいましたから。もしそれも回収できるなら、『肉を切らせて骨を断つ』みたいな感じで‥‥ありでしょうか? 闇目玉は相変わらずずっとペケさんを見ています。 「‥‥もしかして考えてるんじゃなくて、見てるだけ?」 ‥‥闇目玉からの答えはありません。 「そ、そんなー!!」 というわけで残念ながら交渉は決裂してしまいました。 ●もう帰ろう 「か、帰るっ!あたい、もう帰るーっ!」 とモユラさんが言い出した頃、すでにみんなの錬力は底を突こうとしていました。というか大半の人は尽き果ていましたけれど。 それでも闇目玉達はまだ健在でした。この錬力が尽きた時を狙ってなんて事はなく、相変わらず見つめ続けています。 「少し待ってください。あとこの一体だけ‥」 朧さんはさすがに巫女。視線にも動じず、『みんながやっているから』といった感じに淡々と焼いていた事もあって錬力に余裕がありました。 というか罠だとわかっても闇目玉、ずっと焼かれてるじゃないですか。それに何という事でしょう、闇目玉は燃える炎に包まれながらも視線を逸らしません。 「確認するまでも無い気はしますが‥‥」 朧さんは『終りへの階』で闇目玉の真意、本当に望むものを見れるかとも思いました。だけどいくら変態的でも闇目玉はアヤカシ、人どころか生物としてなりたたぬアヤカシには死に際に見る夢すらないのでした。 「‥でもあの目は本気でしたね」 そう、闇目玉は本気で変態でした。 「このっ‥!」 撃てるものなら撃ちつくしたいのですが、残念ながらルーさんの錬力はすでに限界です。出来る事としたら『アレ』一回分くらい。使いますか?『アレ』を。 「でもアレを使うと‥」 恥ずかしくないので隠さなくても良くなりますね。『背水心』ですもの。 「そうすると結局余計見られるってわかったから‥‥」 ええ、隠しませんから。 「だから使わない!早くこの部屋を出る!」 「そうですね、早く出ましょう」 もう宝珠は拾いましたから、長居する必要はないのです。リリアーナさんは颯爽と立ち去ります。 リリアーナさんは部屋の入り口に『変態アヤカシ出没 要注意』と書こうと思いました。そして、一足早く部屋を出たリリアーナさんは呟きます。 「その必要はないという事ですか‥」 ええ、すでにそんな注意書きは至る所にありました。 ●やっと外 「誰か‥‥あの遺跡を永久に封印してくれ‥」 栢山遺跡の外に出てもエメラルドさんの気は晴れません。むしろ、思い出せば思い出すほど苛立ちが湧き上がってきます。そして色々考えるのはエメラルドさんだけではありません。 「今日の出来事は心の中に閉まっておこう‥」 ううっと小声を漏らしながらモユラさんは疲れた感じで呆然としています。 「あれが本家変態闇目玉、か‥‥」 ルーさんは闇目玉仮面という変態を退治したことはあってもこんな闇目玉は初めて。心の底から変態というアヤカシに何とも言えない想いでいっぱいになります。 「‥‥変態は全部倒したかったです」 激しい戦闘があったかのように服がボロボロになった恋華さんと桜狐さんも遺跡から出てきました。桜狐さんは変態を討ち漏らした事が不満のようです。 「大丈夫、桜狐?」 そんな桜狐さんに恋華さんが声をかけます。大丈夫かどうかで言うと二人とも多分大丈夫じゃない格好です。そんなこんなですが、『ま、私は楽しかったけどね』と恋華さんは付け加えるのでした。 |