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■オープニング本文 紅葉が眩しい秋の空。 涼しくなり始めた風に乗って、お囃子を練習する音が響き渡る。 「ああ、今年もよう実ったのお」 ほくほくと表情を崩して老人が実の付いた稲を持ち上げる。 その隣には稲刈りを手伝うためにやって来ていた別の人物が、同じように稲を持ち上げて頷いた。 「んだな。これで今年も良い祭りができそうだわ」 「ああ、良い笛の音がするだ」 秋は実りの季節。 各地では豊穣を祝い、多くの祭りが行われる。 その祭りの中でも特に目立つのが、神輿祭りだ。 多岐に渉る祭りの中でも、一際目立つ祭りがあった。 神輿同士が山頂を目指して山を登り、辿りついた速さを競う祭りだ。 「今年はどんな神輿が出るんだべな」 「ああ、それだけどな。去年は怪我人がでたべ。んでな、開拓ギルドも危険性を確かめるとかで神輿を出すそうだ」 「ほえ〜、開拓ギルドがなぁ」 村人たちが驚くのも無理はない。 今まで村人の中から参加者を募って神輿を競わせて来たのだ。にも拘らず、いきなり部外者が乱入、しかもそれが開拓ギルドと言うから驚くのも無理はない。 「んでもよ。ギルドの面子は素人ばっかだべ。優勝は無理だな」 「んだな。神輿は魂の祭りだで、そんじょそこらの奴には勝てん」 んだ、んだ。と頷き合う村人は、刈った稲を抱えて村に戻って行った。 そのころ、開拓ギルドの中では異例の張り紙がされていた。 「なんだこりゃ‥‥『神輿祭り参加者募る?』」 張り紙を目にした開拓者たちは一様に首を傾げる。 「えっと……『一、神輿は参加者で制作すべし』、『二、神輿の天辺に誘導者を乗せるべし』『三、神輿を担ぐのは7名迄にするべし』、『四、神輿は持ち上げれば移動手段は自由とすべし』?」 「なんだか、面倒そうな募集してるな。それになんか無茶苦茶じゃないか?」 「まったくだ。神輿作ってる暇があったら、別の仕事するっての」 口々に語られる言葉はもっともなものだ。 何を好き好んで神輿を作って祭りに参加しなければならないのか。 しかし次に聞こえた開拓者の言葉に、一同の目の色が変わった。 「あっ、優勝者には豪華商品があるって書いてある」 「なにいいぃぃ!!!!」 ドタドタと張り紙に群がる開拓者たち。 確かに張り紙には優勝者には豪華賞品と賞金が与えられると書いてある。 こうして開拓ギルドの神輿祭り参加が濃厚となった。 はたして優勝者に与えられる豪華商品とは何なのか。 皆の期待は無駄に無駄に広がるばかりだ‥‥。 |
■参加者一覧
氏池 鳩子(ia0641)
19歳・女・泰
朧 焔那(ia1326)
18歳・女・巫
剣桜花(ia1851)
18歳・女・泰
水津(ia2177)
17歳・女・ジ
アルネイス(ia6104)
15歳・女・陰
華雪輝夜(ia6374)
17歳・女・巫
天駆(ia6728)
16歳・女・サ
青禊(ia7656)
17歳・男・志 |
■リプレイ本文 秋色に染まった山の中、紅葉を楽しむでもなく真剣な顔をした面々が、山道を登っていた。 「だいぶ進みましたね。道中、目的のものは無さそうでした」 頭に被った笠の位置を整えながら、アルネイス(ia6104)が呟く。その声に、先頭を進んでいた青禊(ia7656)が振り返った。 「見落としたんでしょうか」 足を止めて筆底で頬を掻く。彼の手には手帳があり、来た道が簡単に記されている。 「もしかして‥‥この辺りにあったの‥‥かも」 青禊の手帳を覗きこんで、おずおずと口を開いたのは華雪輝夜(ia6374)だ。 彼女は入口付近を指している。そこへ行くには、かなりの距離を戻らなければならない。 「そこかあ‥‥」 「否。道は間違っていない」 考えこむ青禊の横を通り過ぎたのは朧焔那(ia1326)だ。 巨大な体をものともせず、ずんずん歩いて行く姿に皆が目を瞬く。そしてハタと気付いて、慌ててその姿を追った。 彼女たちは今、神輿祭りの下見に来ている。聞いた話だと、山道の何処かに獣道があるらしい。 「この辺りが中腹でしょう。この先には獣道はないでしょうね」 アルネイスの言葉に足を止める。 ここは山道の中腹部分だ。この辺りでもないとすると、獣道の情報は嘘だろう。 「‥‥なにか感じ取れれば‥‥探しやすい‥‥」 さりげない華雪の言葉に、3人の視線が青禊に向かった。 「えっ、なに?」 きょとんとする青禊に、朧の顔が寄る。その迫力に、若干足が下がった。 「心眼は使えないか」 「心眼‥‥あっ、そうか!」 ポンっと手を叩き、青禊は理解したというように頷いて見せた。 獣道があるのなら、そこを通る獣の気配を探ることができるかもしれない。 「やってみますね」 そう言って気を集中させる。 固唾をのんで皆が見守る中、青禊の心眼が発動される。そして‥‥。 「あった!」 青禊はそう言うと茂みに入って行った。 「うむ、良くやった」 朧は大きく頷くと青禊の姿を追った。 それに続いて華雪も茂みの中に入ってゆく。 「ここが入口‥‥よし、これで迷わないですね」 アルネイスは、獣道の入り口になる茂みに預かった目印を残すと、3人の後に続いて茂みの中に入って行った。 一方、村の外れにある小屋では、別の開拓者が祭りの準備を行っていた。 合の字型に作られた神輿の土台。その強化に当たる天駆(ia6728)は、穏やかな表情で鉄鎚を振る。 「これで土台部分は十分やね。後は‥‥」 周囲を見回せば、仲間は皆自分の作業に没頭している。 「内緒でえぇか。用心するだけやから、堪忍なぁ」 そう呟くと、天駆は神輿の下に潜りこんだ。 そんな天駆の死角に入る位置で枠組みの強化に当たるのは水津(ia2177)だ。 先ほどから一心不乱に鉄鎚を振り下ろしているのだが、そのテンポがよろしくない。 カーン、カーンと、ゆっくり、強く打ちつける音に、何か儀式めいたものが連想される。 「神輿‥‥私の体に流れる巫女の血がうずきますね‥‥」 妖しく笑って再び鉄鎚が振い落される。 「ここも強化しておくと良いだろう」 そう言って差し出された木材に、水津の動きが止まった。 彼女の視線に立つのは、爽やかな笑みを浮かべる氏池鳩子(ia0641)だ。彼女は神輿の担ぎ手の部分を指さすとニコリと笑った。 「確かに‥‥そこも、強化が必要です」 コクリと頷き、再び鉄鎚を振るう。 その姿を確認してから、氏池は別の人物に声をかけた。 「とりあえず木材は運び終えたが、後はどうすれば良い」 彼女が声をかけたのは、もふら人形を脇に置き、まるい物体に色を付けている剣桜花(ia1851)だ。 彼女は氏池の声に手を止めると、ふむと目を瞬いた。 「残るは塗ったりするだけですが‥‥」 やりかすか? そう、筆を差し出され、氏池は慌てて両手を振って見せた。 「いや、あたしにはそう言う仕事は向いてない」 「向く向かないではなく、楽しんでこそです」 実際に塗ってみせる剣はどこか楽しげだ。 「まあ、祭りは実際に行う時よりもこうやって準備している時の方が楽しくはあるな」 そう言って笑った時だ。 小屋の戸が開き、そこから下見に行っていた4人が戻ってきた。 「はあ‥‥疲れた」 妙にぐったりした様子で、小屋に入るなりへたり込んだのは青禊だ。 「随分と疲れてはるね。そないに道は険しいんやろうか」 暗躍を終えた天駆が、不思議そうに近付いて来た。 それに首を横に振ったのはアルネイスだ。 「道は予想の範囲内でした。ただ‥‥」 「村での情報収集が難航した」 アルネイスの言葉を補足するように朧が口を挟む。 「もしかして、村人に苛められましたか? でしたら、私が‥‥」 「ち、違います!」 アルネイスは慌てて水津の発言を遮ると、ちらりと朧を見て大きく息を吐いた。 「ちょっと誤解を招いただけです。それを解くのに青禊殿が頑張ってくれて」 「偵察に行っただけで何の誤解があると言うんだ」 氏池が不思議そうに首を傾げる。 「私が親睦を兼ねて舞いを披露しただけだ。それに村人が感激し涙を流しただけのこと」 堂々と言い放った朧の言葉に、この場の全員が言葉を失う。 「悪気はないはずです‥‥ちょっと、見た感じが怖かっただけでしょう」 水津のフォローに皆が乾いた笑いを浮かべる。そこにほんわか良い香りが漂って来た。 「おまんま! おまんまの香り!!」 今まで会話に加わらず、筆を動かすことだけに集中していた剣が動いた。 キランッと輝く瞳には生気が溢れている。 「‥‥お疲れ様。おにぎり、私が作った‥‥みんな食べて」 目を向ければ、大量の握り飯をお盆の上に乗せて華雪が入って来た。 彼女は最後まで村で祭りのことや村の伝承などはないかと聞いて回っており、その際に村人から白米を分けてもらったのだ。 「おまんま‥‥2ヵ月ぶりのおまんま‥‥」 既に神輿の色付けは何処へやら。 据わった目で握り飯を見つめる剣は涎をこぼしている。 「仇敵殿、少しは落ち着くであります。あの握り飯は、水津のものです!」 「‥‥いっぱいある。だから‥‥喧嘩は、ダメ」 いつの間にやら、華雪の周りには皆が集まっている。 目当ては、華雪が用意した握り飯だ。 「作業は一時中断だな」 「貰える時に貰って食える時に喰う、世の中の基本やね」 氏池と天駆の言葉に皆が同調する。 「そうだ忘れてた! 食べ終わったら練習しましょう、練習!!」 嬉々として手を上げる青禊の手には、すでに握り飯が握られている。 こうして作業は一時中断したのだが、この休憩の後、完成した神輿で練習したのは言うまでもない。 そして、祭り当日。 会場に集まったのは、様々な神輿とそれを担ぐ者たちだ。 その中には開拓ギルドの面々もいる。 「さてさて、私達の実力を思い知らせてやるとしましょう」 薄ら笑いを浮かべて呟くアルネイスは、祭りの雰囲気にのまれて、すっかり黒い部分が露出していす。 その隣には、祭りを満喫したと思われる青禊の姿もある。 「すごく幸せです!」 満足げに笑う彼の手には綿あめが握られている。ほくほくとそれを頬張る姿は年相応だ。 その傍には皆で作り上げた神輿がある。 黒を基調にした神輿は、金の丸の両斜め上に勾玉をくっつけた文様が各所に描かれ、獣道を意識して若干小ぶりに作られている。 合の字型に作られた枠の中には、もふら様の張りぼてが納まっていた。 「もふらさま‥‥可愛い、です‥‥」 もふらさまの張りぼてを見つめる華雪は、神輿の上に乗って指示を与える役目を担う。そのため目立つ衣装を身に纏っているのだが、露出が少ないのは虫刺されなどを心配してのものだ。 「ふむ、それは認めよう」 ふら様の張りぼてに見入る華雪の横から、朧が顔を出してきた。 その目は華雪同様にもふら様に釘付けになっている。 「‥‥可愛い」 ぼそりと呟いた声に、華雪が頷く。どんなに大柄でも、どんなに周りから怖がられようとも、内面は乙女なのだ。 そんな和む雰囲気の2人の横では、気合の入りまくった剣が、拳を握りしめ鼻息荒くしている。 「さあ、いざ出陣です!」 腕を掲げたその先には、目指すべきゴールがある。 「出陣大いに結構です。やるからには優勝なんて目指しちゃいましょうか‥‥」 妖しく笑って同調する水津。その手が影に隠れて暗躍している。密かに立てられる蝋燭。いつどのようにして使うのか不明だが、1本、2本とその数は増えている。 そのすぐ傍には、襷掛けをして着物の袖を括った天駆の姿があった。 「山ん中は懐かしいなぁ、虫食ったり、土食ったり、山で生きるって大変やからねぇ。ちゅうわけで、これを付けとくんよ」 天駆が差し出したのは自作の塗り薬だ。 「蜜蝋と薄荷を溶かして作った虫除けやで。遠慮なく使ってや」 「水分の補給もできる様にしておいた方が良いだろうな」 ニッコリ笑う天駆の隣で、薬を受け取りながら氏池が言う。そんな彼女の携帯品の中には、水分補給用のひょうたんがある。 何だかんだと皆が意気込む中、村人たちの視線も自然と開拓ギルドに集まっていた。 「開拓ギルドの連中も中々やるもんだべ」 「んだな。けんど、神輿だけじゃダメじゃ。祭りはこの後が本番じゃぞ」 ガヤガヤと騒ぐ村人たちの用意した神輿は様々だ。 豊穣を祝い食物にちなんだ神輿が多い中、アヤカシの神輿や、村長の顔の神輿まである。 「凄い神輿ですね。ある意味興味深いです」 アルネイスの呟きに皆が同調する。 目下のライバルはあの長老神輿に決定と言ったところか。 「では、競技を始めるぞい。各組、位置につくが良い」 村長神輿に乗っかる村長が、出来る限り大きな声で叫ぶ。そして腕を大きく掲げた。 「一番に山頂に着いた組が勝ちじゃ‥‥山頂でまっとるぞ!」 パンッと手が打たれ、各人がスタートを切った。 ここから暫くは実況風でお楽しみ下さい。 さあ、各御輿いっせいにスタート‥‥と、思いきや、開拓ギルドいきなり飛び出した! スタートダッシュで、開拓ギルドはトップを独走。その後に続くのは‥‥な、なんと平均年齢八十歳の長老神輿だ! 早くも先頭集団はこの2組に絞られたぁ! さあ、ここで開拓ギルドのメンバーを紹介しよう。 神輿の天辺に立つ、鮮やかな衣装の巫女は華雪氏。可憐で美しい舞いを踊っています。観客もその舞いに見惚れているぞ。華雪氏の安全を考慮しての縁も良い感じだ! その前方で神輿を誘導するのは水津氏だ。妖しげな舞いを踊りながら、火種を繰り出している。微妙に神輿を担ぐ面々が熱そうか? そして神輿と言えば担ぎ手が重視されるが、担ぎ手は総勢6名! その担ぎ手を紹介しよう。 前方で神輿を担ぐ‥‥えっ、これは担ぐと言うよりは持っているという表現が正しいか。身の丈が2メートルは越えるという朧氏が、皆の身長に合わせるために若干無理な体勢で持ち手を掴んでいるぞ! その後ろでは、紅一点ならぬ蒼一点の男児、青禊氏。その後ろでニコニコと神輿を担いでいる力持ちは、天駆氏だ。 そして反対側だが、前方で神輿を担ぐのは、指示に従い黙々と神輿を運ぶ剣氏。続いて真剣に神輿を担ぐアルネイス氏。最後に紹介するのが無難な足取りで声掛けしながら神輿を担ぐ、氏池氏だ。 初出場の開拓ギルド、この先どうなるのか‥‥おっと、山の中腹で足が止まったぞ! その後方を村長神輿が通過して行く! 何かあったのか‥‥ああっと、開拓ギルド、横道に逸れて行くぅ!! どうやら獣道に進んだようだ‥‥おや? 入り口に何やら旗が掲げられているぞ。なになに、もふら様は素敵‥‥何だこの旗はっ!? まさか目印かっ!!! しかし開拓ギルド組は足取りに迷いが見られないぞ。これは事前に下見をしていたか? だとすならかなり有利だが、この先には獣道の障害が存在する。そう簡単には進ませないんだなぁ! さあ、獣道の障害その1の小川が行く手を塞ぐ‥‥って、あ、あれ? 天駆氏が神輿の下に潜り込み‥‥な、なんと、竹梯子が出てきた!!! 他の仲間も驚いているようですが、竹梯子を取り出した本人はすっ呆けているぞ! 開拓ギルド、竹梯子を小川に掛けて難なく障害クリアだ! いやあ、このまま行くと開拓ギルド組ぶっちぎりで優勝か!? しかし、そうは問屋が卸さない。 最後の障害が君たちの行く手を塞ぐ! さあ、正念場! 神輿魂よぶっちぎれぇ!! 神輿を担ぐ面々の息が上がり、周囲は薄暗くなってきている。皆が体力の限界を感じてはいるが、山頂はすぐそこだ。 「‥‥みんな頑張ろう‥‥」 華雪が神楽舞・攻を舞って皆を元気づける。そこに青禊の声が響いた。 「水津さん、生き物の気配がします!」 暗がりに潜む無数の光。それは獣の目だ。 グルグルと喉を鳴らす声が聞こえ、明らかにテリトリーに入り込んだ者に対して敵意を向けている。 「ふ、獣風情がこの焔の魔女の前に立ちはだかりますか‥‥料理してあげましょう」 妖しげに笑った水津。その直後、神輿の周辺に火種が現れた。 その反動で、水津が仕込んでいた蝋燭に火が灯され、周囲が明るくなる。 「焔のパレードです‥‥」 ライトアップされた神輿に獣たちは警戒して去ってゆく。 その姿を見た華雪が呟いた。 「獣‥‥逃げた‥‥今の内、です‥‥」 皆が最後の力を振り絞って獣道を駆け上がる。 そして‥‥。 「ここに我々がたどり着いたことを証明するぞ!」 山頂に氏池が持参した旗が立てられた。 周囲には開拓ギルドの神輿以外の神輿は見えない。 「優勝は開拓ギルド組!!!」 山頂で待っていた村人の声に、わあっと声援が上がる。 こうして神輿祭りの優勝は開拓ギルドに決まった。 祭りの後の宴、そこはある意味祭り以上の騒動が起きていた。 「これが焔の魔女です‥‥」 神輿だけに浄炎を放つ水津。その脇では神輿に興味を持った村人たちへ、独自の説明をする剣がいる。 黒光りする仮面をかぶった彼女は、爽やかな笑みを浮かべて言う。 「実はこの文様G教団のシンボルでして‥‥皆さまもG神様の霊験あらたかな神輿を担いだことによって‥‥」 神輿の文様はどうやらG教団のシンボルらしい。 切々と語る剣の近くでは、威圧感ばっちりに村人に話しかける朧の姿も見える。 「私は巫女だ‥‥祭礼の際などは遠慮せずに呼ぶと良い‥‥」 まったり村人に馴染んだつもりで話す朧に、村人はおっかなびっくり頷いている。 その背後では屋台のおじさん達が頭を抱えていた。 「私の本気を見せてあげます!」 「祭りはええねぇ」 屋台を遊びつくす、アルネイスと彼女に便乗する天駆。景品は底を尽きかけ全滅状態だ。 そんな騒ぎの外では、華雪と青禊、そして氏池が焚火を囲んで賞品の招き猫を見ている。 「‥‥可愛い」 「何で、招き猫」 「‥‥参加することに意義がある、ってね」 各々の感想を口にして、祭りは幕を閉じた。 余談だがこの神輿祭り、翌年以降は開拓者の参加が禁止されるらしい。 |