まいご冒険記
マスター名:青空 希実
シナリオ形態: ショート
危険
難易度: 易しい
参加人数: 7人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/09/14 20:44



■オープニング本文

●迷子二人?
 ふっと、足元に気配を感じた。見下ろすと、とことこ歩く幼子が、通り過ぎる。
「ぎうー、どきょ?」
 きょろきょろする幼子の言葉が聞えた、反芻してみる。思ったとおりに、口に出してみた。
「ギルド、どこ?」
 たぶん、開拓者ギルドを探しているのだ。納得して、開拓者の動きが止まった。幼子の進んだ方向は、ギルドと正反対。
 慌てて振り返る。大通りを、左右確認せず渡る幼子。荷台を引く馬にひかれそうになり、寸前で救出する。
「う?」
 開拓者は言い聞かせるが、幼子は事態を理解していない。不思議そうに、小首を傾げる。
「だーご、おいちー♪ いちゅー、おいちー♪
……おきーいにゅ、きょわーの。ぼきゅ、にえーたお。いちゅーうーろ、しあーな?」
 迷子の幼子を連れて歩いていると、ある言葉を発する。舌足らずの発音は、理解に苦しんだ。
「ありぇ、いちゅーうーろ、ぎうーはきょうの!」
 懸命に教えてくれる幼子。開拓者の手を振りほどき、駆け出した。店先のイチジクを、包む真似をしている。
「……イチジクの袋を、知らない? ギルドに運ぶ?」
 理解しない方が良かったと、開拓者は思う。幼子だけではなく、イチジクも迷子のようだ。


「とーちゃん、大変だってんだ!」
「旦那、一大事でやんす!」
 一本角の修羅少年と人妖が、ギルドに飛び込んできた。幼子の兄の仁(じん)と、世話役の人妖の与一(よいち)。
「かーちゃんからのお使い途中で、尚武(なおたけ)さが、いなくなったってんだ!」
「坊ちゃんたちと、いつもの団子屋へ寄ったでさ」
「おいらたちが、代金を払っているうちに、見失ったってんだ」
「イチジクの風呂敷包みも、無くなっていたでやんすよ!」
 ギルド員の栃面 弥次(とんめ やじ:iz0263)は、しばし天を仰ぐ。甘いイチジクを貰ったと、今朝、妻から聞いた。
 出勤前の仕事、家族全員の洗濯物に手間取り、ギルド員は食べる時間が無かった。妻は気を利かせて、ギルドに届けるように子供たちに頼んだのだろう。
「……すまん、うちの息子をさがしてくれ。団子屋から、そう遠くに行っていないはずだ」
 幼子は志体持ちとは言え、まだ四つ。前を向いた父親は、血の気の引いた顔で、開拓者に言葉を絞り出した。


■参加者一覧
礼野 真夢紀(ia1144
10歳・女・巫
海神 雪音(ib1498
23歳・女・弓
劉 星晶(ib3478
20歳・男・泰
プレシア・ベルティーニ(ib3541
18歳・女・陰
リィムナ・ピサレット(ib5201
10歳・女・魔
ミーリエ・ピサレット(ib8851
10歳・女・シ
戸隠 菫(ib9794
19歳・女・武


■リプレイ本文

●豊富から程遠く
「小っちゃい子が、いなくなったのだー!」
「向こうが騒がしいなぁ……」
 ミーリエ・ピサレット(ib8851)は、受付台を叩きながら大騒ぎ。聞きつけた、礼野 真夢紀(ia1144)は、小首をかしげる
「……迷子? 尚武君が?」
「……え、迷子?」
 いぶかしむ、黒猫獣人。劉 星晶(ib3478)の声に、真夢紀は立ち止まる。テンの首飾りの黄色い勾玉を揺らしながら、受付台の方に視線を向けた。
「あれって、去年の秋に、月餅運びの依頼を出したギルド員さんよね?」
 真夢紀は受付のギルド員に、覚えがある。去年、秋刀魚等買い付けの依頼で、荷車を貸してくれた人物だったはず。
「うちの尚武は、まだ一人歩きをしたことがないんだ」
「……それは、心配ですね。俺でよければ、お手伝いしましょう」
 血の気の引いたまま、弥次はぼそりと呟く。眉を潜めた星晶は、身をかがめ、泣きそうな仁と視線を合わせた。
「……大丈夫。弥次さんの言う通り、そんなに遠くには行ってないでしょうから、きっとすぐに見つかりますよ」
 星晶の青い瞳は、鼻をこする仁を正面から見る。穏和な性格で、意外と世話焼きな黒猫。
「大丈夫です。では、迎えに行くとしましょうか。」
 一言、一言を大切に告げた。仁が頷く所を見届けると、黒猫は立ち上がる。
 星晶は、幼い頃にアヤカシの襲撃で、故郷を失った。けれど、今回は失うことはないはずだから。
「大丈夫! すぐに見つけるのだ!」
 背伸びしたミーリエは、赤い瞳で弥次を見上げる。はりきって、自分の胸を叩いてみせた。
「……知らない人じゃないし、まゆも迷子探しのお手伝いする!」
 ぐっと、拳を握る真夢紀。しょんぼりした人妖を見ると、気の毒だ。冬籠り用の食材運びで温泉郷へ案内してくれ、一緒に行ったときは、もっと活発だったもの。


「ちょっと、きみ危ないよ。どうしたの?」
 尚武を保護したのは、戸隠 菫(ib9794)だった。金の髪を揺らすとしゃがんで、尚武と目の高さを合わせる。
 長文を話すと、幼子は理解できない。菫は常に明るく、あっけらかんとしているが、心得るべきことは知っている。
「きみの名前は? あたしは戸隠 菫だよ、よろしくね」
 菫の言動はストレートで、歯に衣を着せる事が無い。言葉はゆっくりはっきりと、単語も区切って、短めに話す。これぞ、幼子と話す極意なり。
「……おや、尚武ではないですか」
「きみ、尚武くんて言うんだ」
 弓を背負った海神 雪音(ib1498)は、茶色の髪を揺らした。尚武を知る人物を、菫は見上げる。
「……一人のようですが、こんな所で一体どうしたんですか? とりあえず尚武から話を聞きましょうか」
 淡々した口調で話す、雪音。表情の変化が乏しいが、いぶかしみ、心配している様子がうかがえた。
「よいしょ、よいしょ」
 リィムナ・ピサレット(ib5201)は大通りを行く。背中によく乾いた布団を背負い、同じくよく乾いた洗濯物の沢山入った籠を持ちながら。
「あれ? どうしたんだろ」
 リィムナの視線の先に、幼子を取り囲み、困った表情をしている人々がいる。小さな子供は、かんしゃくを起こしたらしい。
 四人姉妹の次女のリィムナは、思わず駆け寄る。妹たちと外を駆け回るのが好きな身としては、放っておけない光景だ。


「尚武君って、今、身長どの位? 今日来ていた衣服と、髪型も教えて欲しいの」
「尚武ちゃんは、ミーリエよりちっこいっと。書いたのだ!」
 真夢紀の質問に、弥次は高さを示す。尚武の特徴を、羽根ペンで手帳に書き込んでいく、ミーリエ。ジルベリア庶民の出身は、故郷の文具を使う。
「尚武君は、弥次さんにそっくりですよね」
 何度か会った事のある、星晶の証言。藍色の髪と朝焼け色の瞳は、父親譲りらしい。
 じっと弥次を見つめる、真夢紀とミーリエ。見つめられた弥次は、頭をかいている。
 真夢紀は去年の夏に、ちらと尚武を見ているが、記憶に自信がなかった。真夢紀やミーリエを含め、子供の成長は早いから。
「無花果を包んでいた風呂敷の柄と、どの位の大きさです?」
 真夢紀は食いしん坊で、舌が肥えている。イチジク一個の大きさを、両手で表しながら、仁に尋ねた。絞り柄の風呂敷包みは、仁が両手で抱えられるくらい。
「真夢紀ちゃん、仁ちゃん、行くのだー!」
 ミーリエは、手早かった。真夢紀と仁の腕を掴むと、星晶と与一を待たずにギルドの外へ。


「……しかし、話すのは始めてではないとは言え、尚武のまだ拙い言葉を理解するのには時間がかかりますね」
 雪音も、しゃがみこんだまま。尚武の舌足らずの口調に、頭を悩ませる。
「イチジクの袋とギルドを探してて、袋は犬を怖がって逃げた時に無くした、って事でいいのかな」
 リィムナすら手間取った、尚武の言葉。保護した者たちが、柔軟な思考を持ってくれたのは奇跡と、後に父親は感謝したとか。
「おきーいにゅ……? あ、団子が美味しい、イチジクが美味しい、大きい犬が怖くて逃げたってこと?」
 通じた。ついに、菫にも通じた!天輪宗に帰依した、ジルベリア人の菫の両親でも、尚武とのやりとりは、てこずるはず。
「え〜と……では尚武はイチジクの入った包みをギルドに届ける途中だった」
 マギサークレットをした雪音は、時間をかけて何とか理解する。金製の冠には、叡智を授ける石といわれる、黄玉があしらわれていた。
「……途中、団子屋に立ち寄った後……大きい犬が怖くて逃げて、その時イチジクの包みを落としたんですね?」
「番所に届けてくれている可能性があるね。大丈夫、みんなですぐイチジク見つけてあげるよ!」
 リィムナの発言を受けた、雪音の決断。まず尚武が立ち寄った団子屋に行こう。団子屋の店員に、風呂敷包みの特徴を聞けばわかるはず。


「尚武君って、家からそのお団子屋さんへの道を、一人で歩いてこれますかね? 無理なら、家に帰る方向の道も含めて、探せば良いかと思います」
「慌ててると、手掛かりを見落としちゃうかもしれないから、落ち着いて!」
 真夢紀の言葉に、すぐ屋根の上に、飛びあがりかけた仁。ミーリエは、素早く仁の着物をつかむ。
「仁君、深呼吸しましょうか」
 ミーリエが捕まえたままの仁に、星晶は諭しかける。仁は慌てすぎている、落ち着かせる必要があった。
「慌てていると、ついつい見落としてしまう事も、あるかもしれませんので」
 どこか飄々とした言動なのに、的を射ている。奇人と呼ばれても、笑い飛ばすだろう星晶の言葉。
「四歳児の足では、そう遠くには行かないと思いますし。風呂敷包みなくしていたら、探している可能性もありますね」
「大丈夫! 皆ですぐに見つけるから! 元気出して!」
 真夢紀の言葉に、少し仁は大人しくなった。ミーリエは、とびきりの笑顔を浮かべる。口元から、可愛い八重歯も覗いていた。
「声も、喋り方も、知っているので、上から尚武君の声を拾ってみます」
 忍装束「影」をまとった、星晶。仁に言い含めると、三角跳で屋根に上がる。大通りを駆けて行くミーリエの姿も、遠くなった。


●平安の到来
「尚武くん、逃げてきた道のりは分かるかな?」
 リィムナは、根気よく言葉を解読した。けれど、問題が生じた。尚武は、右と左の区別がついていない。
「あのね、右はこっち。左はこっち」
 リィムナは思う。何年前のやりとりを、今、繰り返しているのだろう。ミーリエに、言葉を教えていたとき以来だろうか。
「この辺で団子が食べられる所と言うと、あそことそこと……尚武くんは、確かあっちの方から来たよね?」
 菫は、指差し確認。尚武の方向感覚は、アテにならないと分かった。ようやく、右を覚えてくれたか。
「あそこの団子屋さんから聞いてみるのが早いかな?」
 菫は一つの団子屋を選ぶ。店の人も、尚武が食べていたならば、覚えているだろう。あとは、近くで犬を飼っている所や、犬が良く出てくるあたりも尋ねればいい。
「あ、大きいと言っても相対的な感覚だしね、意外と小さいかも。尚武くん、犬の所に行ってみよう」
 菫が犬の話をすると、尚武の眉毛がハの字になった。忍犬くらいの大きさでも、子牛に見える。
「きっとそこに、イチジクの袋があると思うんだ」
 菫は不動明王のお守りを取りだした、尚武の手に握らせる。何物にも負けない力が宿るといわれる、深紅のお守りを。
「皆がついてるから、大丈夫だよ!」
 尚武は留守番中の犬を、怖がっていた。リィムナは、尚武の背中をおして、移動を促す。


「舌足らずな話し方の男の子、みませんでしたか〜? ミーリエより、年下なの」
 ミーリエは、団子屋の店主を見上げる。道行く人にも、同じように尋ねた。
「うんと、この位の背丈で、服や持ち物はこうで、髪型はこんな感じ」
 身ぶり手ぶりで、尚武の特徴を知らせる。知らないとの返事ばかりで、ミーリエは頬を膨らませた。
「えーと、尚武ちゃん、こっちには居ないかも〜。なんか見える?」
 頬を膨らませたまま、ミーリエは、目の前に誰も居ないのに、誰かに話しかける。超越聴覚を使う、シノビたちの会話。
「尚武君、小さいので、上からだと少し分かりにくそうですね」
 屋根の上で、ぴこぴこ動く黒猫耳。ミーリエに返事しながら、星晶は尚武の舌足らずな声を探す。
「上からは見えないって。仁ちゃん、イチジクについての会話は〜?」
 ミーリエは、だっこしたままの与一に報告する。真夢紀たちの方は少し、進展があった。
「一人で歩いている四歳の男の子を見たんですか?」
 団子屋の周囲で、聞き込みする真夢紀。尚武は、はぐれた団子屋から、検討違いの道を歩いてしまったようだ。
「店先で、イチジクについて話していたんですね」
 屋根の上の星晶は、軽やかに隣の家の屋根に飛び移った。音もなく着地し、会話の方向に向かって駆ける。
「早駆で急行〜♪」
 しゃべる人形、否、しゃべる人妖を抱えたまま、ミーリエも走りだす。与一は相変わらず、おもちゃ扱いだった。


「ギルドに向かおうよ。肩車して連れて行ってあげるね」
 肩車と訴える尚武。聞きつけた菫は、しゃがみこみこんだ。頑張って犬と戦ったご褒美と、笑顔を振りまく。
「あら、あそこで手を振っているのはだあれ?」
 菫の視線の先で、ミーリエが手を振っている。大好きな肩車に、尚武はおおはしゃぎ。興奮のまま、手を振り返した。
「あ、あれは……もしかしてっ!」
 ミーリエは、見覚えのある背中を見つけた。大きな布団を背負っていないが、あれは姉のリィムナに違いない。
「えっ? ……みんなー! 見付かったよー! よかったね、仁ちゃん、与一さん!」
 ピサレット姉妹は、何事か話し合う。ミーリエのはしゃぎ声は、星晶や仁の耳に届いた。



●子宝に恵まれる幸せ
「ほう、尚武が一人で犬の所へ? イチジクの袋を拾ってきたのか、えらいぞ!」
 雪音からの報告に、弥次は感慨深げに、尚武の頭をなでる。アムルリープでお手伝いしたリィムナは、菫とにっこり笑った。
「犬なんか怖くなかったよね?」
「うん、きょわーなーの♪」
「あたしたちが護ってあげたし、なにより約束したんだよ」
 菫は勇気のでる、おまじないを弥次に見せた。お守りの上から、尚武の手を両手で包みこむ。菫の花言葉の一つは、誠実。
 尚武はイチジクの袋を弥次に差し出す。受け取った様子を見届け、雪音は尚武の頭をなでた。
「……さてと、お使いご苦労様。でも、もう迷子になってはいけませんよ」
 感情は僅かにしか顔と言葉に出ないが、喜びをたたえた瞳。楽しげに変わるのは、すぐだった。
 色々と模索した、結果弓術士に落ち着いた雪音。尚武の弓がどれくらい上達したか気になる。
 徒手練習を披露する尚武は、射法八節も覚えてきている。雪音はイチジクを頂きながら、自慢げな弥次の話に耳を傾けた。
 聞けば、尚武は将来の開拓者を目指していると言う。真夢紀は風呂敷包みを背負って、歩く幼子の心境を想像した。
「きっと、大冒険だったんでしょうね」
 見聞を広めるという名目と、自身の好奇心から開拓者となった真夢紀。姉たちに、文で知らせる事が増えた。
 体の弱い長姉と、それを守る責務を負う次姉。「早く一人前になって、姉様達の力になれますように」と願う。


「イチジクは美味しく頂くのだ♪」
「イチジク、あたしも頂こうっと♪」
 リィムナは、やっぱりお姉さん。嬉しそうにイチジクを手に取ったミーリエに、食事の挨拶を教える。
 ミーリエは、両手をあわせて「頂きます」のご挨拶。かぶりつきながら、弥次を不思議そうに見上げる。
「弥次さんは家族皆のお洗濯をしてるのかー。小っちゃい子がいると大変だと思うのだ」
 尚武からイチジクを受け取り、ミーリエは納得。次いで、なぜか姉をみた。悟り顔とおもいきや、ミーリエはにやにや笑っている。
「あたし、日当たりのいい共同の物干し台に、布団と洗濯物を干しておいたんだ。取りに行った帰りに、尚武くんに会ったんだよね♪」
 リィムナは見た目通りのお子様で、実はまだおねしょをしている。隠蔽工作や後始末を長年やっているので、洗濯と布団干しはお手のものなのだ。
「うちも、毎日『お布団をびしょびしょにする子がいる』ので、とっても大変なのだー♪」
 ミーリエは、明るく天真爛漫。だが、四人姉妹の末妹は、容赦ない。色々な意味で容赦ない。
「うっ……。し、仕方ないでしょ。しちゃうものはしちゃうんだから……」
「えー? 誰もリィム姉の事だなんて言ってないのだ♪」
「こっ……この〜」
 ミーリエの意見事な誘導尋問は、どの姉に似たのだろう?リィムナは、ミーリエを睨む。
 相手が次姉であろうと、ずばずばっと物を言う。また末っ子の特徴で、姉たちをよく観察する上、要領が良い。
「リィム姉、イチジク食べ過ぎると、また今朝みたいに『おねしょ』しちゃうのだ♪」
 天儀風柄ブーツが、軽やかにステップを踏む。ミーリエ、言っちゃった、言っちゃった!
「あーっ! よくもばらしたなー! こらまて〜」
 ミーリエを追い掛ける、リィムナ。身に付けた聖歌の冠は、声は神々しく響かせるらしい。でも、妹に怒鳴る声は、どうみても神々しくない。
「あっはっはー! ミーリエちゃん参上なのだー!」
 不老長寿の果物と言われるイチジクも、さすがに、リィムナのおねしょは治せないか。ミーリエは姉をからかいつつ、逃げまわる。
「子供は、元気なのが一番ですよ」
 泰国出身の星晶は、楽しげにお茶をすすった。弥次が出してくれたのは、烏龍茶。
 すぐに黒猫耳を倒し、悲しそうな目をする。熱い。猫族と呼ばれる黒猫の獣人には、お茶が熱すぎる。
「……さて、のんびり行きましょうか」
 星晶は腰を据える、長丁場決定。興味を持った事には、何でも手を出すが……。神出鬼没の行動力も、お茶の熱さには、敵わなかったようだ。