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■オープニング本文 暑い夏と寒い冬の間にあるこの季節、海からの風が容赦なく海沿いの村に吹きつけてくる。 砂を含んだその風は放っておけばあっという間に村中を砂で埋めてしまう。だからこの時期の村人は釣りや畑作業の合間に砂を掃わなければならない。 「しかし今年は一段と砂がひどいなぁ」 さくさくと砂山に十能の剣先を刺しこみながら村人の一人がぼやいた。 「だなぁ。今年は嵐が三度も来たもんなぁ」 「悪いことの前触れじゃなきゃ‥‥んっ?」 十能が何かにがちっとひっかかってしまった。村人がぐいぐいと柄を引っ張っても十能は少しも動きはしない。 ひっかかったというよりも、これは何かに咥えられてしまったかのようだ。 「どうした?」 さすがに異常を感じたのかそばにいた村人も十能を引っ張ってみた。動かない。 「なんだ? ここ、何かあったか?」 「いや、何もなかったはずだが‥‥うわっ!」 不意に村人はその場に突っ伏した。 「おいおい、なにやってんだ。足元が留守になるくらい踏ん張らなくてもさ」 「ちが、何か、何かが足元に、ああああああああああっ!! 脚、脚が食われ、食われてぇっ!!」 最初は冗談だと思った。だが確かに村人の背は少しずつ、少しずつ足元から消えていき、助けを求める手が地面の砂を掴んでいるというのになくなったはずの下半身がずるずると下に下にと動いている。 「ああああ、いたい、いたいよおお! たずけてくれえええっ!!」 助けを呼ばれた村人はただがくがくと震えながら知り合いが砂の山の中へ消えていくところを見るしかなかった。 無論、背後にじわりと迫る動く砂山に気付くことないまま。 何人かの村人が犠牲になったが、彼らのおかげで異常を知ることができた。村の住民達は一目散に村の外へと逃げ出した。 追ってくるかと思った砂のアヤカシは村の外までやってくることはなかった。どうやら砂がある付近から移動することはないようだ。 「全員いるか?」 無意味な質問とわかっていながら村長はそばにいる村人に尋ねてみた。 「それが、村の外に行くまでに逃げ切れないとふんだ何人かが家の中に閉じこもってしまったんです」 「なんという‥‥」 化け物の様子を見るに砂のない場所、家の中に侵入することはないだろう。いや、それはただの希望だ。餌に飢えたアヤカシが家の中の存在に気付かないなんてありえない。 「助けを、助けを呼ばなければ。行けるな?」 村の中で最も脚の速い男が村長の言葉に頷いた。 |
■参加者一覧
柊沢 霞澄(ia0067)
17歳・女・巫
深山 千草(ia0889)
28歳・女・志
乃木亜(ia1245)
20歳・女・志
叢雲・暁(ia5363)
16歳・女・シ
菊池 志郎(ia5584)
23歳・男・シ
鈴木 透子(ia5664)
13歳・女・陰
リューリャ・ドラッケン(ia8037)
22歳・男・騎
ジルベール・ダリエ(ia9952)
27歳・男・志 |
■リプレイ本文 ◆ 青々というより黒に近い色の海から、吹きつける冷たい風が丘の上にまで届く。ここには一足早く冬が訪れていた。 「寒いな‥‥」 丘の下の村を見下ろしながら竜哉(ia8037)は呟いた。砂が村を白く染めている。だが幸運にも埋まっている家はないそうだ。ここにたどり着いた折に竜哉が村人に尋ねたから間違いない。 『そうじゃのう。半纏が必要じゃろうか?』 「いや、まさか」 隣に並ぶ人妖、鶴祇の言葉に竜哉は小さく笑って空を見上げた。空では深山 千草(ia0889)が甲龍、寿々音の背に乗りくるくると旋回している。村の地理を把握するためだ。 「早く平和を取り戻して、体も心も無事に、安らいで貰いましょうね」 千草の言葉に寿々音は鈴の音のよう声で鳴いた。厳つい容姿に似合わない声だった。誰かが涙を零さないように千草は戦い続ける。その意志をわかっての返事だ。 そして丘の頂より少し離れた場所。海より離れたこの場所には畑があり、嵐が起きたときの避難場所としても使われている。――今は村を襲来したアヤカシから避難するための場所であるわけだが。 「さて、この場にいない方はどんな方なんでしょうか。できればどの家のどの方なのか教えていただけますか?」 菊池 志郎(ia5584)が丘の上に着いたときに書き留めた、村の全体図を片手に村長に尋ねた。 「アヤカシの数や見た場所はわかりますか? 些細なことでも構いませんから、知っている限りのことを教えてください。お願いします」 乃木亜(ia1245)がその隣で村長にぺこぺこと頭を下げた。守ってもらうはずの開拓者に頭を下げられ、村長は戸惑いながらも答えてくれた。 「いない村人は全部で二十人です。ですが全員助かっているとも限りません。姿を見たものはいませんが、おそらくかなりの数がいるかと‥‥」 「仕事で村の外に出てる人はいますか? できれば使いの人を出して村には戻らないように教えていただきたいのですが」 鈴木 透子(ia5664)の言葉に村長ははっとしたかのように頷いた。見た目は少女であるがやはり開拓者である。仕事を為そうとする意志は高い。 「ええ、わかりました。何人か向かわせましょう」 「全員助かってるとも限らない、か。これは直接聞いてみないとね!」 叢雲・暁(ia5363)の言葉に村人の一人が怪訝な視線を向けてきた。家の中にいる村人は声を潜めているはずだ。 「まさか大きな声を出させるつもりじゃ‥‥」 「大丈夫だよ、どんな小さな音も聞き逃さないから!」 聞こえないように呟いたはずなのに、暁は村人へと笑いかけた。村人はそれが本当であることを知ると同時に開拓者を疑った自分が恥ずかしくなり顔を赤くした。 「ハスキー君! 走るよ!」 忍犬と共にシノビの少女は丘を駆け下りた。他の開拓者達も後を続くように駆けていく。 「村を、皆を頼みます」 村長は祈るように呟いた。 ◆ 昼間だというのに海の音以外に聞こえる音はない。アヤカシの襲来のせいだ。海鳥さえも警戒しているのか近づこうとしない。 駿龍ネイトの背に跨ったジルベール(ia9952)は手元のメモを握りしめた。このメモには要救助者の名前が連なっている。できればすべての人間に声が届くことを祈り、ジルベールはすぅと息を吸い、叫んだ。 「自分達は開拓者や! 今から順番に助ける、信じてじっとしてるんやで! いいか、大声は出したらあかん。慌てて外に飛び出すのもや!」 更に今から点呼すること。大きな声を出さなくとも仲間の技でしっかり聞きとめることを上空から伝えた。 空では駿龍隠逸に乗った志郎が、地上では暁が強く頷いた。彼らの耳は極限まで研ぎ澄まされている。 すると細々とであったが返事があった。大きな怪我をした人間はいないようだが外にアヤカシがいると思うと出ることができないようだ。 しかし聞いた数より名乗り出た村人の数は少なかった。 「姿が見えない相手なら気をつけて対応しないと‥‥紅焔、一緒に頑張ろうね‥‥」 柊沢 霞澄(ia0067)は炎龍紅焔に語りかけ、その手綱を握りしめた。つい、と主人の意思に沿うように紅焔は村の上を低く飛んだ。家屋を傷つけず、地面に届かぬ距離を保ちながら霞澄は集中する。 ほぅっと霞澄の体が淡く光った。結界だ。これでこの場にある瘴気の気配を読み取ることができる。 「砂の中にひぃ、ふぅ、‥‥たくさんいますね‥‥」 個々で強さは違えど、十を越える数の気配が砂の中に潜んでいた。家の中に入り込んでいないのはせめてもの幸運だろうか。霞澄はすべての気配を数え、場所と共に仲間に教えた。 「確実にわかるわけでもないのだけど」 同じように、千草も寿々音を低く滑空させた。瞳に僅かな練力を湛え周囲を見渡す。 「あちらの家に三つ、こちらの家に二つ‥‥村人の方でしょうね」 砂の中に潜んでいるせいか、外にある気配は霞澄が告げた数よりも少なく感じた。だが村人の数が明らかになったのはありがたい。感じられた数は十五。 「村長さんは二十人いないと言ってましたが‥‥」 残りの五人は恐らく――その事実を知り千草は唇をきゅっとかみ締めた。 「砂だらけやな‥‥全部アヤカシに見えてくるわ」 ジルベールは呪弓の弦をかき鳴らした。これもアヤカシを見つけるための技だが、これによりアヤカシの居場所は確実に知れることになった。 開拓者による入念な索敵結果はすぐに他の仲間にも伝えられた。 村の真ん中には食料を保存するための倉庫がある。村が嵐に襲われても倒壊しないように他の家よりも丈夫に作られている。 確かこの中にも人はいたはずだ。透子は倉庫に向かって叫んだ。 「助けに来ました。だけどそこを動かないで下さい。あたしたちが助けに向かいます。それと、今から龍で屋根の上に降りますので驚かないでくださいね」 駿龍蝉丸の巨躯が屋根の上に静かに降り立つ。屋根はわずかに軋みをあげたが中の村人が声を出すことはなかった。 透子は少しほっとしながら屋根から降り立った。 「確かあっちにアヤカシがいるんですよね」 ただの砂山にしか見えない場所を睨みつけながら透子は何枚もの符を取り出し、式を呼び出した。符で呼び出された式はすぐに地面の中に身を潜めた。透子は墨で羽根を染めた矢をその場に突き刺し皆に告げた。 「地面に突き立った黒い羽根の矢には近寄らないで下さい!」 己の背丈よりも長い得物を構え、竜哉が前方を睨みつけていた。そこは先程アヤカシがいると言われた場所。 利き足が踏み込まれ薙刀が前へと突き出された。 「せぃッ!!」 「ギィィッッ!!」 命中した。竜哉は薙刀の柄を力強く蹴り飛ばした。刃先と共に現れたのは大きな蜘蛛、いや蟹だろうか? 見た目は硬そうな姿を持つアヤカシが釣り上げられた。 「モグラかと思ってたんだが、まさか蟹とはな。こっちの方が海らしいと言えば海らしいが」 ギィギィとアヤカシは喚きながら砂の中に帰ろうとした。ひゅんと竜哉の薙刀が蟹の甲殻に突き刺さりぴくりとも動かなくなる。 「さって、軽く浜辺の掃除と行きますかね」 にぃと竜哉は美貌に薄い笑みを浮かべた。 ◆ バブー! ブビー! どこか場違いで陽気な音が村中に響く。暁がブブゼラを吹き鳴らしていた。超越聴覚と忍眼で周囲を警戒しつつ、時折こうして音を鳴らす。そんなことを繰り返しながら暁と乃木亜、その朋友達は村の中を移動していた。 海と逆方向から村に侵入したので避難経路の確保にもなるはずだ。 「音に引き寄せられればいいんだけど、ねー」 「いえ、心配はいらないようですよ」 乃木亜は目の前の砂山をきりっと睨みつけた。じわりじわりと少しずつだが動いている。普通の生き物が潜んでいたとしてもありえない動き方だ。改めて心眼で睨みつけても何かがここに潜んでいることがわかる。 「ここにアヤカシが‥‥」 唾をごくりと飲み込みながら乃木亜は盾を構え、ゆっくりと近づいた。 サクッ! 乃木亜は砂山に深く刀を突き刺した。手ごたえは、ない。 「いない!? お願い、藍玉!」 主人の呼びかけにミヅチは「きゅう!」と鳴いた。途端に砂山の下から水柱が生まれ、悲鳴があがった。 「ギィィ!!」 水流から零れ落ちるようにアヤカシが洗い流された地面の上に投げ出された。蜘蛛のような蟹のような歪な形をした化け物だった。 姿があらわになったアヤカシは砂がある方向、民家がある方角へと脚を蠢かせた。 「そっちには行かせないよ!」 わざわざこちらに引き寄せたというのに逃げれば意味はない。暁は全力で走りこみ、アヤカシを二つに裂いた。 「硬いのは見た目だけなんだね」 キン、と忍刀を鞘に納めると同時にアヤカシは塵になった。 ◆ さて一部の開拓者達が砂の中のアヤカシと戦っている最中、こちらでは残された村人の救助が行われていた。 「先生、できるだけ戸口の傍に寄って着地してくださいね」 志郎の指示により駿龍隠逸が戸口の傍に降り立った。 「ほ、本当にアヤカシはいないんですね?」 中から現れた村人が不安げに志郎に尋ねてきた。 「ええ、大丈夫です。仲間が索敵の結界を張ってますからね」 志郎は村の上を旋回してアヤカシを索敵し続ける隠逸を指差した。指差したのがわかったのか、龍の上の巫女が軽く手を振って返してきた。 「それに俺の耳はどんな音も聞き逃しません。だからここにいるのがわかったでしょう?」 志郎の言葉に村人はやっと安心の表情を見せた。志郎は村人と共に隠逸の背に乗ると、自分と村人の胴体をしっかりと紐で結わえた。 「すぐに皆さんのところにお連れしますから、しっかり掴まっていてください」 「は、はいっ!」 村人は言われたとおりにしがみついてくれた。霞澄がゆっくりと羽ばたき地上を離れ、白い砂が舞う。後は揺れないように気をつければ大丈夫だろう。 そして別の場所でも。 「大丈夫、ですね」 千草が心眼でアヤカシが周囲にいないことを確かめる。そして降りる前に戸口周辺の砂を寿々音の羽ばたきで払い飛ばした。これでアヤカシが近づいてもすぐにわかるはずだ。 家の中では数人の子供と女性が震えていた。 「ごめんなさい。少しだけご辛抱下さいねえ」 子供の一人を寿々音の前に乗せ、千草は子供の体を龍の胴体に荒縄で結わえた。そして子供を抱きかかえたような格好のまま空へと上がった。 別の方向でもジルベールが老人を運んでいた。 「高いトコ怖かったら目つぶっとき。あっちゅう間に着くからな」 ネイトは主人と村人を乗せてあっという間に丘の上に着いた。無事な姿の老人を避難していた村人達は喜び、協力して降ろしてくれた。 「さて、急がなあかんな。きばりや!」 駿龍の名に相応しい速さであっという間にジルベールは村へと舞い戻った。 「おっと、ちゃんと確かめな」 ジルベールは弓の弦をかき鳴らしてアヤカシの気配を探った。いないようだ。ジルベールは民家の前に下りた。 「さて、次は坊が乗るんやな。龍が恐いんか? ネイトっていうんや。優しい顔してるやろ?」 ◆ 『他に動いた砂山はないようじゃが‥‥』 竜哉に言われ、鶴祇は鳥の姿になって村の中の動く砂山を確認していたが、見た感じでは何もおかしくない。 開拓者の攻撃によりアヤカシ側も警戒しているのかもしれない。 「‥‥ギ、ギィィ!!」 安全地帯に立つ透子を狙って近づいたのだろうか。一匹のアヤカシが地に潜んだ地縛霊の攻撃を受けて砂の上へと舞い上がった。砂の中に隠れることも忘れアヤカシがその場から離れようとする。 「わざわざ逃がすような真似をすると思いますか‥‥紅焔」 「ぎゅうっ!」 霞澄の命により紅焔が大きく息を吸い込み、逃げるアヤカシに炎を吹き付けた。黒く焦げたアヤカシがひっくり返り動かなくなった。 「怪我はありませんか‥‥?」 透子の様子を窺う霞澄。 「ええ、心配ありません。それに実はこれって、配置してることがばれたほうが良いんです」 安全地帯を囲むように竹やりで線が引かれている。 「怖がって近寄らなくなってくれれば良いんですが」 そう言ってる間にももう一匹のアヤカシが「ギィ!!」と悲鳴をあげて砂山から飛び上がった。アヤカシは怒りに顎を鳴らし透子の方に牙を向けた。 「手出しはさせへんで! 先即封!」 素早く射られた矢尻がアヤカシの胴体を射抜いた。ネイトの頭はアヤカシに対して別の方向を向いていた。それでもその上のジルベールが柔軟な姿勢で射撃できたのは開拓者達に伝わる騎射術のおかげだ。 二匹のアヤカシが仕留められ、蟲の頭でも近寄れば死ぬことを理解できたらしい。 「こちらにアヤカシが来ているようです! 扉をしっかり閉めて音を立てないようにしてください!」 何度目かに村人を迎えに来た千草が大きな声で叫んだ。 「村人には傷一つつけやしねぇ」 スゥと竜哉は息を吸い込み―― 「――――――ッッ!!」 吠えた。アヤカシ達に震えが走った。頭のよくないアヤカシ達は挑発に軽々と乗ってくれた。竜哉目がけて駆け出すアヤカシ。砂さえ被る余裕はない。 竜哉は透子が作った安全地帯の中にいた。 数匹のアヤカシが地縛霊に射止められひっくり返った。 「さっきの切れ味から考えるに、そんなに防御力はなさそうだな」 技を使うまでもない。竜哉の刃にアヤカシは塵に還った。 これより線がひかれた場所にアヤカシが立ち寄ることはなかった。 「どうやら砂さえ被っていなければたいしたことない相手のようですね。藍玉!」 「きゅい!」 「こっちも行くよ、全部流れちゃえ!」 乃木亜の言葉により藍玉が、そして暁が二つの水流を生み出した。洗い流されたアヤカシ達が次々と姿を見せる。 「がうッ!」 クナイを咥えたハスキー君が顕になったアヤカシの甲殻を切り裂いた。 「よーし、このままイってみよ〜〜!」 暁は高らかに宣言した。 ◆ 開拓者達が訪れたのが昼頃ということもあり、アヤカシは日が暮れだす前にすべて倒すことができた。 「‥‥瘴気はもう残っていないようです‥‥」 常に結界を張り続けていた霞澄がほ、とため息を吐きながら結界を解いた。 「傷ついた方はいませんか‥‥?」 先程の闘いで傷ついた仲間達、そして村人達の傷を癒してまわる霞澄。 だが村人の中には再び地面を踏むことに躊躇する者達がいた。 「大丈夫や! アヤカシは残らず倒したで、見てみ!」 ジルベールはどたどたと村の地面を踏みしめた。 「‥‥ぷっ」 その様子を隠逸と共に見ていた志郎が噴出し、笑いは村人にも伝播した。 「ま、安心したならえーかな?」 ジルベールはぽりぽりと頬を掻いて小さく笑った。 そして忘れてはいけない。助かった村人もいるが、犠牲になった村人もいることも。 砂山の中に変わり果てた村人の遺体が埋もれていた。無残な姿に涙が零れそうになりながら、乃木亜は布をそっと被せて包み込んだ。 「何も出来ませんでしたから‥‥」と乃木亜。 共に作った墓に手をあわせながら透子も呟いた。 「いつか、誰もが安心して地面を踏める世界を作ります」 それが開拓者の仕事なら、と少女は心に誓った。 |