【槍砲】朱藩の魔槍砲
マスター名:天田洋介
シナリオ形態: シリーズ
相棒
難易度: やや難
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/06/09 20:14



■オープニング本文


 朱藩の首都、安州。
 国王『興志宗末』は旅から城に戻ると大の字で板の間に寝転がった。
「よく生きて帰ってこれたもんだ‥‥」
 天井を眺めながらアル=カマルでの日々を思い出す。
 お忍びでアル=シャムス大陸に到達したものの飛空船が故障して広大な砂漠に墜落。灼熱の砂漠を歩いてようやく人々が集まるオアシスへと辿り着いた。助かったのは同行した開拓者達のおかげである。
「しかし収穫もあった‥‥。変わった銃だぜ、こいつはよ」
 興志王は傍らに置いた一挺の銃砲を手に取った。
 それは少々錆が浮いてる非常に長い銃。アル=カマルのオアシスでたまたま手に入れた特殊銃『魔槍砲』だ。
 先端に取り付けられている槍刃は折れていた。組み込みの宝珠には欠損があり、非常に不安定な状態。しかし練力を込めて撃ってみると非常に破壊力がある。魔槍砲に一目惚れの興志王だ。
 しかし破壊力からいって練力消費が激しいのは仕方がないとしても、その他にも欠点があまた存在する。
 弾薬の装填部が先端にあって手間がかかる。使用後、息切れのように戦闘力が低下する。稀に宝珠が暴走して使用者の練力を消費し尽くしてしまう。
 取引した現地の商人に聞いた話によれば、扱いにくさで持てあまし気味の武器らしい。特に宝珠の出力が上がりにくく不安定のようだ。
「何とかこいつを実戦で使えるようにしたいもんだぜ」
 翌日、興志王は知り合いの鉄砲鍛冶の元を訪ねる。
 名は『小槌鉄郎』。齢四十歳の男性である。一人娘の『銀』と二人暮らしだ。
「王様、お久しぶりですな。ちょうどよい時間。飯でも食べていってくだされ」
「おう、悪りぃな」
 興志王は囲炉裏の前で食事をしながらこれまで経緯を伝える。
「何ですかい。そいつを参考にして新生の魔槍砲を造って欲しいと。そういう訳ですかい」
「他の鍛冶屋には万屋から手に入れた銃の改良を頼んでいるんだが、お前さんには部品の一つ一つからすべてやってもらいてぇんだよ。是非に中折れ式で頼むぜ」
 鉄郎は興志王の依頼を引き受けてくれた。
「魔槍砲を動かすには志体持ちがどうしても必要なのさ。専用っていってもいいぐらいだからな。そこでギルドで開拓者を募集してきた。力も知恵も優れた奴らだから役に立つはずだぜ」
「そいつは心強え。これまで開拓者ってのと関わりがなく生きてきたんで楽しみでさぁ」
 興志王と鉄郎は食事の後も天儀酒を酌み交わす。銃砲について夜遅くまで語り明かしたのだった。


■参加者一覧
美空(ia0225
13歳・女・砂
芦屋 璃凛(ia0303
19歳・女・陰
ルオウ(ia2445
14歳・男・サ
パラーリア・ゲラー(ia9712
18歳・女・弓
フィーネ・オレアリス(ib0409
20歳・女・騎
クルーヴ・オークウッド(ib0860
15歳・男・騎
ノルン・カペル(ib5436
18歳・女・砲
赤い花のダイリン(ib5471
25歳・男・砲
ローゼリア(ib5674
15歳・女・砲
サクル(ib6734
18歳・女・砂


■リプレイ本文

●意見
 朱藩の首都、安州の外れにある銃砲工房『紅蓮』。
 ここは朱藩国王の興志宗末と懇意な小槌鉄郎が営む鍛冶施設である。一人娘と暮らしていたが弟子をとらない主義ではない。独立を促すのが鉄郎のやり方だった。
 開拓者十名が門を叩く。
「ようこそ」
 出迎えたのは鉄郎の娘『銀』である。まずは鉄郎が待つ板の間へと通された。
「この魔槍砲を参考にして中折れ式の使いやすい新しいのを造ってくれというのが王様の注文だ」
 鉄郎の前には興志王がアル=カマルで手に入れてきた魔槍砲一挺が置いてあった。区別する為に原型・魔槍砲と名付けられていた。
「魔槍砲を実際に試射させていただけませんか?」
「それはもっとも」
 ノルン・カペル(ib5436)の願いを鉄郎は即座に受け入れた。まずは庭で順に試射を行うこととなる。
「おお? 銃口ねえの?? じゃあこれどうやって弾撃つんだ??」
「先端の宝珠から放射されると王様は仰っていましたわ」
 ルオウ(ia2445)は銀の手解きを受けた。長さ故に両手でぶら下げるように構えて引き金を絞ると爆炎と共に的が木っ端微塵に吹き飛んだ。
「この宝珠から炎が飛び出すのですね‥‥」
 ノルンはこれまでに使った事があるマスケット銃と比べながら試し撃ちをした。使いどころを間違えるとしっぺ返しを食らいそうな練力消費である。その分、威力は凄かったのだが。
「ほえ〜〜。疲れるのにゃ‥‥」
 続いて撃ったパラーリア・ゲラー(ia9712)は縁側に倒れるように座り込む。容赦ない練力消費に驚きながら。
「宝珠はここに。火薬は近くにありますか」
 原型・魔槍砲に顔を近づけて各部を触って確かめてから美空(ia0225)は試し撃ちをする。
「柄は槍の構造が強く反映されているようですね」
 フィーネ・オレアリス(ib0409)は試射の後で槍として使ってみる。先の槍刃は折れていたので真似事として。確かに止めを刺すのに適した形状であった。
「うーん‥‥どんなもんだろ」
 芦屋 璃凛(ia0303)は仲間が試射する様子をスケッチに描く。
「槍でありながら長銃でもあるとは。新しい技術の可能性に触れる機会が得られて光栄ですね」
 クルーヴ・オークウッド(ib0860)は藁を束ねた的に槍として攻撃を仕掛けてみた。手応えは悪くない。しかし続いての砲撃は反動故に姿勢を崩されてしまう。
「これ‥‥薬室を動かせねぇか?」
 試射した赤い花のダイリン(ib5471)は銃身先端付近の薬室を睨みつける。まとめて火薬を入れておけるものの詰める作業がやりにくいのはどうしようもないからである。
「魔槍砲‥‥いささか私の趣味からは外れている気がしないでもありませんが、砲術師としては興味がつきませんわね」
 ローゼリア(ib5674)は重さに意識を傾けながら試射を行う。威力さえ維持できれば軽い方がよいのは明白。その辺りの見極めが大事だと感じていた。
「確かに改良の余地は多そうですね」
 サクル(ib6734)は事前に思い描いていた欠点を一つ一つ確認しながら試射を行った。
 その後は鉄郎との討議である。
 開拓者同士で重なる意見もあったがまずはいろいろと試すべきだとの意見で合意を得る。
 改良に成功した部分を集約して三種類程度の完成形にまとめ上げるのが計画の概要だ。正式採用が興志王の腹づもりで決まるのは既定事項である。
 開拓者十名はそれぞれに意見を集約した設計図を数日かけて描き上げることとなる。実際には設計図というよりも大まかな仕様だが、読み解く鉄郎にとってはそれで十分だった。

●パラーリア
 庭でドンと爆発音。煙の中からパラーリアが咳き込みながら千鳥足で出てくる。
「目から火花がでたにゃ‥‥」
 試していた際、原型・魔槍砲の宝珠が暴走したのである。
 練力が殆ど尽きたパラーリアは仕方なく眠り、起きたのは夕方だった。
「アル=カマルの衣装、ありがとうございますね」
「銀ちゃん、似合っているよ〜」
 昨日、贈ったメラッファを銀は喜んでくれた。お礼にといって銀が持ってきた冷やされた枇杷をパラーリアは美味しく頂く。
 三日後、パラーリアは鉄郎に設計図を見せる。宝珠が暴走した場合の追加資料も添付して。
「アヤカシを相手にしてとても戦える安定性ではないか‥‥。本格運用をするのなら確実に克服しておかなくては」
「それと中折れ式にするならどれくらいの長さがいいのか調べてみたにゃ。槍としての便利さも一緒に考えてみたよ〜」
 パラーリアは卓に広げた設計図を指先でなぞりながら鉄郎に説明する。とどのつまり、三から三・五メートルの長さが適当ではないかといった意見だ。
 他にも『宝珠銃「皇帝』を見せてフルエレメンタル式の火薬を使わない構造に出来ないか考えを述べるのであった。

●フィーネ
(「槍としての使い勝手は悪くありません。しかし肝心の銃砲の部分は荒削りの印象がありますね」)
 原型・魔槍砲の検証を終えたフィーネは今一度問題点を紙の上に列挙する。
 壱、火薬の装填箇所が先端にある。
 弐、使用後に息切れによって戦闘力が低下する。
 参、宝珠の出力が不安定で暴走の危険あり。
 フィーネはブレイブランスを参考に新しい魔槍砲の構想を描いた。
 ブレイブランスは騎槍故にバランスをとる為の工夫がなされている。中折れ式を採用しながらもフィンをうまく配置して片手でも使えるようにならないかを探った。
 しかし原型・魔槍砲の射撃時の反動は凄まじく、例え半分に抑えられたとしても片手で扱うのは難しい。槍としての役割は別にしても片手装備は諦めざるを得なかった。それでもフィンを活用した案を鉄郎に提案する。
「中折れ式の変形によって崩れた重量バランスを可変フィンの連動で調節させます。同時に火口は銃身の先端ではなく手元に持ってこようかと」
 フィーネは他にも宝珠の数を増やして安定化を図れないかと相談する。具体的には出力用と制御用とに役割を分ける方法だ。
「実際にやってみなくてはわからねが――」
 挑戦してみると鉄郎は約束してくれた。

●赤い花のダイリン
「引き金から通した練力が着火用の宝珠と薬室の火薬っつー増幅装置を通して砲撃用の宝珠に作用する。ってのが魔槍砲の大体の仕組みってとこか」
 ダイリンは鉄郎の説明を思い出しながら原型・魔槍砲の各部を触る。一つずつを確かめた後で呟いた。『これ‥‥薬室を動かせねぇか?』と。
 その点を考慮に入れた設計図を仕上げる。
 銃身を二重構造にして練力の伝達路と薬室の移動路の二つを確保する。薬室の移動にはからくりが必要だ。
「銃身の側面に取っ手をつけて押し込むってのはどうだろうか?」
「目のつけどころが面白い」
 自らの考えも含めて設計図と一緒に鉄郎に相談したところ好意的な返答があった。実装方法の検証は必要だが試してみようと。
「天儀にはサムライ、ジルベリアには騎士がいるからな」
 併せて槍の機能を重視した魔槍砲も提案する。まだまだ魔槍砲には伸びしろがあるとダイリンは考えていた。

●クルーヴ
「槍としては凡庸のようですね」
 クルーヴは原型・魔槍砲でスマッシュを試す。手応えは悪くないがよくもない。粉砕した丸太を観察してから設計図にとりかかる。鉄郎から聞いた宝珠の練力変換の構造を考慮にいれて。
 クルーヴだと一度のみ撃てた日と二度可能だった日が存在する。どちらの日も練力の状態は万全だ。
 宝珠が不安定なので同一銃であっても一発ごとに練力消費が違うようだ。さらに消費が激しければ威力が比例するというものでもなかった。
 意見をまとめた設計図を持って鉄郎に相談する。
「せっかく中折れ式にするのですから、後ろから火薬を詰めるようにしてほしいです。引金側の火薬から先端の宝珠まで力を届けることは可能でしょうか?」
「方法は模索しなければならないが何とかなるだろう」
 クルーヴは火薬を紙巻きの円筒形にして扱いやすくする案を出す。さらに爆発する液状の薬品を紙に染み込ませる案も出たが、そのような存在は発見されていなかった。少なくとも朱藩国王の人脈においては確実に。
「薬品の研究は専門家に頼む必要がある。宝珠で火薬を必要としない構造にする案も出ているが併行して進めておくべきか」
 クルーヴの意見を鉄郎が受け止める。またクルーヴは四メートル級の全長をもった魔槍砲を願うのだった。

●ノルン
「短銃に、とは参りませんが、他のサイズの武器で、同等の効果を持つ様な設計はどうでしょう?」
 設計図を描く前に鉄郎に別案を持ちかけたのがノルンである。
 火炎を放つような構造ならば長柄の槍に拘る必要はなく、剣などの別武器との合体でも構わないのではないかといった考えからだ。
「朱藩独自の魔槍砲を、というのが王様の依頼だからな。槍が使えて中折れ式といった具体的な注文もある。引き受けたからには条件の中で模索するのが筋だと職人の俺は考えている」
 依頼者の意向は遵守するべきである。そう鉄郎は語った。
「銃好きな王様のことだ。絶対とはいえんが銃に関する依頼をまた出すだろう」
 鉄郎は槍先のついた魔槍砲の開発協力をノルンに求めた。
 もし無理に進めるとしてもからくりの小型化というものは並大抵の努力では達成し得ない。二ヶ月程度の期間では小型化の目処は立たずに終わってしまうだろう。
 納得したかどうかはノルンの心の内に留まる。
 ただサクルが中心にして行った原型・魔槍砲の分解作業については積極的に協力してくれたノルンであった。

●美空
「魔剣銃を作りたいのであります」
 美空は正座して魔剣銃の想定を鉄郎の前で語る。
 槍の役割は別にして、魔槍砲の長さは玉の軌道安定化には寄与していない。そこで銃身を切り詰めて主宝珠を取囲むように薬室を配置し直す。宝珠周辺を刀の鍔と見立て柄の部分に引き金などのからくりを配置。薬室の部分を改良して火薬を多重装填。大型のナックルガードを設けて機構を保護したものを。
「協力は頼みたい。だが――」
 鉄郎は興志王の注文を無視出来ないと説明する。造りたい銃に関しては次の機会を待つべきだと。美空の心の内はこの時に明かされなかった。
 それとは別に問題点の解決法が美空から提示された。
 宝珠の不安定さについては三個に増やして接続方法をいろいろと試してみる。また中折れ式を実現する為に引き金付近と宝珠付近のからくりの新しい繋げ方を提案するのだった。

●ルオウ
「火薬入れるのは引き金の傍がいいよなぁ」
 深夜、ルオウは顔中を墨だらけにしながら机へと向かう。
 設計図を描き直し続けているうちに夜が明けた。『できた』と叫んだのと一緒にお腹が鳴る。銀の朝食を食べてから設計図を鉄郎に見てもらった。
「発射としては宝珠が銃身の先端についてないとまずいだろうからさ。もう一つ、宝珠を用意して中継させたらどうかなって思うんだ」
「うむ‥‥」
 中折れ式をうまく成立させる為にルオウは複数の宝珠による中継方法を提案する。宝珠加工職人に聞いてみなければわからないものの、成功の糸口はあると鉄郎は答えた。
「取っ手の部分にガードを作れないかな。狙われると厄介だし、いざとなればそこで叩けるし」
 ガードだけでなく本当は宝珠発動によるガード機能かあれば便利でかっこよいと考えていたルオウだ。しかし費用や複雑化の問題もある。
 朱藩における魔槍砲の基礎開発に徹するべきだという鉄郎の考えに、ルオウは賛同するのであった。

●サクル
 サクルは数日待って仲間達の試射が一通り終わってから原型・魔槍砲の分解を行った。
「一度各部品を模倣して作成し、組み立てて同じものを作成してみてはいかがでしょう?」
「なるほどな。複製の段階で気がつく工夫もあろう。急がば回れという諺もある」
 サクルの案に鉄郎も賛同してくれた。
 丁寧に原型・魔槍砲が分解されてゆく。サクル、鉄郎の他にも殆どの開拓者が集まる。特にノルンは一緒に分解作業を手伝ってくれた。
 分解は原型・魔槍砲の欠点を洗い出す為に避けては通れない道である。
 一つ残らず部品の図形を描きながら分解を進めていったので丸一日の作業となった。終わった頃には誰もが疲労困憊。アヤカシと戦っていた方がマシだという者がいるくらいに。
「任せてくれ」
 鉄郎はさっそく複製に取りかかる。もちろんサクルは率先して手伝うのだった。

●ローゼリア
「特殊な構造と想像していましたが、宝珠の数がこれだけとは驚きですね」
 ローゼリアは原型・魔槍砲の分解過程を思い出す。
 宝珠はメインとなる程々の大きさのが一個、そして火口となる欠片のような宝珠が一個のみ。たまたま原型・魔槍砲だけがそうなのかも知れないが、ローゼリアは意外な印象を受けた。
 さっそく引いた設計図を鉄郎に見せる。
「取り回しを楽にしたいと考えて軽量化をしたいのです。鉄以外の材質はどのようなものがあるのでしょうか?」
「そうだな――」
 鉄郎によれば鉄材といっても融かした熱さや炉から取り出した時間でかなり質が変わるという。あえて品質を均一にさせない場合もあり得る。そうやって造りあげた鉄材には軽量かつ丈夫なものも存在するという。値は張るのだが。
「構造によって強度も変わるのではないかと思います」
 ローゼリアは構造からのアプローチも視野に入れていた。
 長さによる命中精度の差はわずか。そこで覗き窓で的を狙えるようにと望遠鏡のような器機の追加も願うのだった。

●芦屋璃凛
 魔槍砲分解の際に手分けしてパラーリアとスケッチしてくれたのが芦屋璃凛である。
(「うーん‥‥参加したけどうちに何できるんだろう」)
 寝室で分解の詳細図を眺める芦屋璃凛。考えていたのは陰陽師が活躍出来る魔槍砲である。火薬を必要とせず完全に宝珠を媒介して練力を物理攻撃に変換。さらに瘴気や式を活用出来るようにしたいというのが芦屋璃凛の構想であった。
「王様が陰陽師ならば間違いでないのだろうが、砲術士じゃからな。例え完成の道筋が見えたとしても使えぬ能力満載の魔槍砲では満足なさらぬだろう。当然、配下の氏族への提供もしかりだ。その殆どが砲術士といってよい」
 鉄郎の言葉に芦屋璃凛は肩を落とす。
「夕食の時間ですよ」
「うち、只メシ食わせて貰える事してないし‥‥いらないや」
 呼びに来た銀に芦屋璃凛は事情を話した。その場は姿を消した銀であったが後でおにぎりを持って再び現れる。
「まずは今回の開発に力を貸しては頂けないでしょうか? 興志王の信頼を得なければ何も始まらないと思うのです」
 おにぎりがのった盆を置いて銀が去ってゆく。芦屋璃凛は月夜を眺めながらおにぎりをかじるのであった。

●そして
 鉄郎は設計図に描かれた試作を次の機会までには形にしておくと約束してくれた。複製についても同様だ。
 滞在の時間が許す限り鍛冶を手伝う開拓者達であった。