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■オープニング本文 泰国は飛空船による物流が盛んである。 その中心となっているのが旅泰と呼ばれる広域商人の存在。 必要としている者に珍しい品や食料を運んで利益を得ている人々だ。時に天儀本島の土地にも根ざし、旅泰の町を作る事もあった。 当然の事ながら泰国の首都『朱春』周辺にもたくさんの旅泰が住んでいた。李鳳もその中の一人である。 ただいま仕事でチョコレートを運んだ昇徳商会の一同は、朱藩の安州に滞在中であった。 「まさか、こんな目に遭うなら受けるんじゃなかった‥‥」 昇徳商会の若き女社長『李鳳』は卓に上半身を突っ伏す。 目の前にあったのはチョコレートを使った新作菓子。そしてここは朱藩の首都、安州の菓子店『るみてあ』である。 「あ、輝風! 待ちなさい! ズルイわよ!」 「後は任せるよ」 李鳳は子猫のハッピーを抱えて逃げてゆく王輝風を呼び止める。しかし虚しい扉が閉まる音だけを残し、王輝風が店内から姿を消す。 「はい。おまちどおさま〜♪ あれ? 輝風さんはどこいったの?」 店の奥からやってきたのは店主であり菓子職人である娘『貴世』。手には追加の出来たて新作菓子がのったトレイを持っていた。 もう試食するのが嫌で逃げ出したとはいえず、笑って誤魔化す李鳳である。当の李鳳も消えたい気分だ。 決して貴世の作った菓子がまずい訳ではない。一つか二つを食べるならばとても美味しかった。 問題はその量だ。試食故に半端ではなかった。 子供が喜ばない菓子は菓子とはいえないというのが貴世の方針だ。 注文のチョコレートを届けた際、李鳳は気軽に試食を引き受けてしまったのを後悔する。 「そうそう。ちょっとお願いがあるんだけど頼まれてくれないかな?」 涙目で新作菓子を食べる李鳳に貴世が相談を持ちかける。自分を飛空船で理穴の首都、奏生に連れて行って欲しいというものだ。 「理穴にはいろいろな甘み食材があるらしいの。それが新作菓子用に欲しいのよね。樹木から採る樹糖や砂糖大根の黒砂糖とか。他にもいいものありそうだし」 「行っている間、このお店どうするの? 一人でこの店やっているっていってたような」 「あ、大丈夫。ごらんの通り流行っていないから。滅多にお客さん来ないでしょ」 「‥‥それってまずいんじゃないの?」 「だから流行らせるために新作菓子を開発中なのよ。資金が尽きる前にね♪」 笑って話す前向きな貴世に、いつもの自分のお株をとられた感じの李鳳である。とにもかくにも朱藩の安州と理穴の奏生を往復する依頼を受けた昇徳商会であった。 |
■参加者一覧
風雅 哲心(ia0135)
22歳・男・魔
志藤 久遠(ia0597)
26歳・女・志
秋霜夜(ia0979)
14歳・女・泰
キァンシ・フォン(ia9060)
26歳・女・泰
フラウ・ノート(ib0009)
18歳・女・魔
エルディン・バウアー(ib0066)
28歳・男・魔
フレイア(ib0257)
28歳・女・魔
壬護 蒼樹(ib0423)
29歳・男・志 |
■リプレイ本文 ●空 雲の上をふんわりと浮かぶのは昇徳商会の中型飛空船『翔速号』。 朱藩の安州の飛空船基地から離陸して、今は理穴の奏生に向かう途中である。 護衛として雇われた開拓者八名が守るべきは第一に女社長の李鳳。第二に操縦士の王輝風。第三に同行する菓子職人『貴世』。第四に翔速号で第五が黒い子猫のハッピーだ。 奏生での滞在中、李鳳は現地の旅泰の集まりに一人で参加予定になっている。新たな仕事請け負いを模索するらしい。 王輝風は翔速号の整備に費やす。常日頃からの心がけが大切だというのが彼の口癖になっていた。ハッピーは王輝風と一緒に飛空船基地での待機となる。つまりこれまでに滞在予定をあげた二人と飛空船、猫一匹は護衛を必要としていなかった。 元々旅の目的は貴世の願いを叶える為。食材探しに熱心な貴世が様々な場所に顔を出すのは明白であり、自然と開拓者達が護衛しなければならない対象は彼女に定まる。 一同は操縦室に集まって朝食代わりのお茶を頂いていた。 「俺はあまり菓子を作った事がないんだが、ジルベリア風のというのはどういう感じのものなんだ?」 ふと風雅 哲心(ia0135)がした問いは、多くの者が疑問に感じていた点だ。 「そ〜ねぇ――」 貴世はいくつかのお菓子の名をあげた。どれも創作菓子であったので含まれる食材の名からしか想像出来なかったが大体はわかる。 貴世はまず質の良い甘味が欲しいという。蜂蜜、砂糖、樹糖辺りだ。 果物も手に入れば嬉しいが、こちらはあまり期待していなかった。離れた土地なのでどうしても安定した供給に無理があるからだ。乾燥させた干し葡萄などは保存が効くので別である。 他には新しいパン作り用の発酵の種も欲しいが、おいそれとは手に入らないと思われた。 「お菓子は甘さこそ正義よ。だから子供が喜ばないお菓子なんてダメダメ」 「子供の笑顔はいいですよね。貴世さんの気持ちわかります」 キァンシ・フォン(ia9060)は貴世に頬笑むとお茶をすする。 「あたしフラウよ。よろしくね♪」 「こちらこそよろしくね」 集合時には忙しくてろくな挨拶が出来なかったので、フラウ・ノート(ib0009)は改めて李鳳と握手した。他の仲間達とも順に握手をすませてようやく人心地がつく。 「チョコ試食はぜひとも喜んで!」 「え? ええ。帰りにはよろしくね。たくさん作るつもりだから」 貴世の右手を両手でかぶせるように握るのはエルディン・バウアー(ib0066)。 輝く瞳は貴世に向けられたものなのか、チョコレート菓子を渇望する思いからなのか、それはエルディンが信じる神のみぞ知る。 「太りにくい体質なので大丈夫、うぉっ‥‥いてててて」 話している途中でエルディンは尻餅をついた。振り返ってみれば腰に荒縄が結ばれている。その先は秋霜夜(ia0979)へと繋がっていた。 「現地で崖などを降りるときもあると思いまして、命綱をと。試していたら思わず引っ張ってしまいました」 ぺこりと謝る秋霜夜だ。秋霜夜はエルディンが属する神教会の信者ではないが、何かと彼を手伝っているらしい。 「私は先に休ませてもらいます。貴世殿、お菓子の話は後ほどさせてもらいましょうか」 志藤 久遠(ia0597)は仲間と活動時間をずらす為に就寝しようとしていた。 敵の襲来を監視する見張りの順番はすでに決めており、志藤久遠は夕方から深夜にかけてである。まだ朝といってよい時間だが今から寝ておくのは懸命な判断だ。 「奏生には、ジルベリア風のお菓子のお店もあると思いますので食べ歩きするのも良いかもしれないですわね。いいヒントがあるかも知れませんので」 「そうよね。実はそれも楽しみだったり」 フレイア(ib0257)と貴世がお菓子談義を始めた。仲間達もそれに加わる。 「たくさん食べるのは自信があります。僕に任せて下さい」 壬護 蒼樹(ib0423)は自らの胸をドンと叩く。それだけをいってさっと見張りとして甲板部の展望室に向かう。 真面目というよりこれ以上美味しそうなお菓子の話を聞いたらお腹が空いて仕方がないというのが本音である。 数日に渡る空旅の間、開拓者達が丁寧な見張りをしてくれたおかげで特に何事も起こらなかった。 暮れなずむ頃、翔速号は理穴の奏生の飛空船基地へと着陸するのだった。 ●食材探し 翌朝、貴世は奏生の街に繰り出す。開拓者達は彼女の後をついてゆく。 貴世が最初に立ち寄ったのは様々な食材が集まる市場だ。次々と買い求めては開拓者の男性陣が担ぐはめとなる。 「よいしょっと。そうだ、貴世さん。新しいものを知る為に、知らない土地の味を知るというのも大切だと思いますよ」 壬護蒼樹は桃の蜂蜜漬けが入った大きな壺を背負う。 「市場で手にはいるのなら手っ取り早い。片づけてしまおう」 風雅哲心は砂糖が詰まった藁袋を両肩にのせた。 「え? これは試作分で後日また大量に買い付けをするのですか!」 エルディンは小瓶に入った樹糖と蜂蜜を手にぶら下げる。 女性陣は貴世を囲むようにして買い物を楽しんだ。 「ここがいいですよ〜」 秋霜夜が見つけた甘味処でひとまず休憩となる。 「ふー。見ているだけでも楽しいわね♪」 買い物をしている最中の貴世の頬はゆるみっぱなしだ。 「宇治金時‥‥のかき氷があります」 壁に貼られたお品書きを読む志藤久遠。もうあるのかと全員が注文する。 朱藩に比べれば寒い理穴なので、保存された氷が氷室にたくさんあるのだと店の看板娘が教えてくれる。 「ん〜 シ・ア・ワ・セ〜。泰国じゃこんな美味しい物食べれません〜♪」 秋霜夜はパクパクとかき氷を頂く。北の山岳部ならまだしも泰国はかなり暑い国なので氷はかなり貴重だ。 「そんなに急いで食べると‥‥ほら、やっぱり」 キーンと痛くなって頭を押さえる秋霜夜にエルディンは温かいお茶を差し出した。 「これからの季節は暑くなると思いますので、このような爽やかさと甘味のあるお菓子が良いかも知れませんね」 フレイアはかき氷の味を確かめる。 「美味しいです」 キァンシはかき氷の味を楽しみながらも周囲の警戒を怠っていない。常に出入り口付近が視界に入る位置のお座敷に座っていた。 あっという間にかき氷を食べてしまった壬護蒼樹を見て、貴世は笑顔でもう一杯を注文してあげる。そして何となく目の前にあった樹糖の壺が気になり、蓋を開けて指先で舐めてみた。 「これ、変‥‥。試食のと違う」 貴世の味覚が正しければ壺の約三分の二を蜂蜜が占めているという。蜂蜜も高価なものだが樹糖はそれ以上だ。さらに砂糖水で水増しされているかも知れない。確認したところ、他の食材は試食したものと同じで本物だ。偽物は樹糖のみ。 一同は急いで樹糖を売っていた露天の元へと引き返す。しかしそこにはすでに空いた区画になっていた。 ●奮起 翔速号に戻った後でも貴世は落ち込んでいた。そのまま日が暮れて夜になる。 「せっかく来た奏生なのに落ち込んで何ていられない!!」 早朝、近くの厩舎にいる鶏の鳴き声よりも早く翔速号内に貴世の声が響き渡った。一晩ぐっすり寝て復活を果たしたようだ。 その声で目覚めた者が殆ど。すやすやと寝続けていたのは李鳳のみである。 朝食を頂きながら貴世は本日の行動プランを話した。 騙した奴を捜したところでよい樹糖は手に入らないというのが貴世の判断だ。混ぜものに含まれていた樹糖の品質はたかが知れていた。 しかし試食で舐めた樹糖は最高級の本物である。おそらくは盗んだか、または仕方なく買ったものだろう。 ここは理穴の中心である奏生。この街のどこかに最高級の樹糖があると貴世は踏んでいた。開拓者達は貴世と一緒に再び街へと繰り出す。 昨日の時点で市場にあれ以上の樹糖は売っていなかった。しかし休んでいた店や、たまにしか来ない行商もいるのかも知れない。そこを手がかりにして最高級の樹糖を探す。 「教えてくれたっていいじゃない!」 「貴世さん、貴世さん。さっきあの店を覗いたら美味しそうな餡蜜がありましたよ」 無愛想で質問に答えくれない店主に貴世が突っかかる。フラウは貴世に質問をして気を逸らす。 「すみませんが、せめて事情だけでも聞いて頂けませんか?」 その間に志藤久遠が店主に詳しい事情を説明して情報提供を願う。 地道な聞き込みの末、一同はそれらしき商人を探り当てた。普段はお得意様相手に商いをしているので市場には滅多に現れないらしい。 「その囮に使われた樹糖はうちのだろうさ。いくつか盗まれたからな。でも譲れないね。そのせいもあってお得意様の分を確保するだけで精一杯なんだ」 「そこを何とか、お願い! あれほどの樹糖をあたし知らないんです」 商人と貴世のやり取りは小一時間続いた。反省したのか途中で見せていた乱暴な振る舞いだけはしなくなっていた貴世である。 (「ここは静観致しましょう」) フレイアも含めて開拓者達は様子を見守った。 「気の毒だがうちのせいじゃないだろ。蜂蜜が混ぜられていたのは不憫だが。不憫といえばうちも蜂のせいで‥‥いや、これは関係ないな」 「蜂? 蜂がどうかしたの?」 商人がついこぼした愚痴の内容に貴世は食いつく。 住処の軒先に雀蜂が巣を作り始めたのだという。駆除したいところだが商人は蜂が苦手であった。 「お話しの途中失礼します。差し出がましいようですが、その雀蜂任せて頂けませんでしょうか?」 「あたしたちは開拓者なのです」 フレイアとキァンシが話を切り出す。そして雀蜂の退治を条件に樹糖を譲ってもらえる約束を取り付けた。 ●蜂の巣 「熱心なのはわかるが、もう少し俺らを頼ってくれてもいいんじゃないか?」 風雅哲心の説得により貴世は自ら雀蜂の巣を駆除するのをあきらめる。ここは開拓者の出番だ。 「神よ、私達をお守りください、アーメン」 蜜蜂の巣を採る覚悟は持っていたが、雀蜂は考えていなかったエルディンである。しかしここはやらねばと屋根の上で秋霜夜と縄で繋いで準備完了だ。 「最後の確認をしてっと。これで一心同体‥ですね」 くすっと笑う秋霜夜は嬉しそうだが、エルディンはいっぱいいっぱいである。 「ほとんどが巣に集まっています。今です」 一緒に屋根の上にいる壬護蒼樹が心眼で雀蜂全体の動きを探った。秋霜夜とエルディンは夕日を浴びながら垂らした縄を伝って壁を降りてゆく。 「これでよいでしょう」 フレイアは巣のある下でわざと若葉を混ぜて焚き火をしていた。燻すことで雀蜂の動きが鈍くなるからだ。 秋霜夜とエルディンは用意した大きな袋を巣に被す。根元を切り取ってほっと安心したがそれだけでは終わらない。 「急いでください! 何匹か戻ってきます!」 戻ってきた雀蜂に気づいた壬護蒼樹がマントを被りながら大声で叫ぶ。エルディンと秋霜夜は大急ぎで地上へと降りた。 「小さいのは厄介だな」 刀を抜いた風雅哲心は飛び交う雀蜂を両断してゆく。 エルディンが追いかけられる一幕もあったが、特に怪我をした者もおらずに雀蜂退治は終了する。 「この樹糖が欲しかったんだ‥‥」 ようやく手に入れた最高級の樹糖の壺を貴世は抱きしめるのだった。 ●帰路の翔速号 菓子用の食材をたくさん積んで一行は翔速号で帰路に就いた。 操縦室に溢れていたのはジルベリア風のお菓子。奏生での滞在中に貴世が作ったものだ。持ってきたチョコレートと手に入れたばかりの食材との競演である。 「試食ってのはほんの少し食べるだけあればいいんだ。こんなに作ったら材料や資金がいくらあっても足りないだろ」 「まあ、まあ、そうはいわずに食べてみて」 操縦室を訪れた風雅哲心は貴世に椅子へと座らせられる。そしてクッキーの間にチョコレートと樹糖を挟んだものを頂いた。 「‥‥なるほど、単純ながらこいつはいけるな。あとで少し手を加えて作ってみようかな」 結構気に入った風雅哲心である。 「あ、志藤さん、どこに行くの?」 「私は展望室での見張りの時間なので。では」 貴世に呼び止められたものの、志藤久遠は振り切って操縦室を後にする。確かに美味しかったが、李鳳と王輝風が内緒で教えてくれたように量が半端ではなかった。持ち回りで試食する約束を貴世を除く全員で交わしていた。 「試食は大歓迎です♪ エルディンさん、あたしが取り分けてあげますね」 食べ始めたばかりの秋霜夜は元気だ。エルディンと並んでの試食である。 「思った通りです。これはいけますよ」 エルディンは自らが提案して貴世に作ってもらったお菓子を一口食べた後で秋霜夜と顔を見合わせて頷いた。 タルト生地にチョコレート味のクリームを敷き、その上に苺をのせたものだ。特に苺でなくても季節の果実を使えば一年中提供可能だろう。 「これって炉火純青だわねえ」 キァンシは貴世の巧みさに感嘆の声をあげる。積層した生地にチョコレートが挟まれたものは歯ごたえが心地よい。蜂蜜がうまく使われていてチョコレートの風味もマッチしていた。 それにココアに唐辛子の粉を入れたものも飲めて大満足のキァンシだ。前回、チョコレートと一緒に少しだけ運ばれたココアが使われていた。 「あたしもそろそろ下部の展望室にいかないとね。注意♪ 注意っと♪ 後は壬護さんよろしくね」 「えー、もう少し食べて感想聞かせて欲しいな」 貴世の菓子を軽く頂いたところで志藤久遠と同じくフラウも退散である。 (「男の人には悪いんだけど、あたしは小食なのよ。母親なら、全部対応できそうだけど。ごめんっ」) 小走りに去ってゆくフラウである。 「僕がいくらでも食べますので任せて下さい」 何でも美味しく感じてしまうので味についての意見は無理だが、壬護蒼樹の胃袋は底なしだ。 「たくさん食べてくれる男の人ってすてきよね。もっとあるのよ」 貴世は大喜びはお菓子を運んでくる。 「あぁ、そう言えば、家の息子が、シルベリアのそぉすぅを使って色々の料理を作ってきたことがありました。そんな風に、あんことクリームとか、新しい組み合わせもよいかもしれませんね」 「そうねぇ。少しだけ天儀風と組み合わせてみるのも悪くないかも」 空になった皿を片づけながら貴世は壬護蒼樹と話す。 「試しに作ってみましたわ。どうぞ、試食なさって」 フレイアが持ってきたのは桃の蜂蜜漬け入りジュレである。 中の桃が見える半透明のプルンとした型抜きされた冷菓子。冷たくする必要があるので貴世の店で出すのは難しいものの、何かのヒントに繋がればとフレイアは作ってみた。ちなみに今回はフローズを使って冷やしたようだ。 「どの菓子も美味しい〜♪」 「たくさんの人がいてよかった‥‥」 持ち回りのおかげで李鳳と王輝風は楽しみながら頂いた。子猫のハッピーには身体を壊さない程度でちょっとだけ。 和気藹々とした雰囲気で翔速号は安州へと飛び続けるのだった。 |