娘の誕生日〜巨勢王〜
マスター名:天田洋介
シナリオ形態: シリーズ
危険 :相棒
難易度: やや易
参加人数: 10人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2013/01/08 20:15



■オープニング本文

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 アヤカシとの戦いに勝利しても希儀の地にはまだ謎が多く残る。
 それでも精霊門の開通により開拓者の介入はしやすくなったおかげで徐々に解き明かされてゆくことだろう。
 精霊門が建設されたのは二カ所。宿泊地『明向』と南部の海岸に面した『羽流阿出州』である。
 羽流阿出州は当て字でパルアディスと読み、建設地近くの遺跡外縁の石壁に刻まれていた綴りから朱藩の王『興志宗末』が命名したという。
 その羽流阿出州に武天の王『巨勢宗禅』は滞在していた。
「ぬかった‥‥これほどの大失態をおかすとは‥‥」
「王よ。どうなされましたか?」
 視察の最中、巨勢王は突然に立ち止まった。
 臣下達が戸惑っているのをよそに巨勢王の顔色が変わる。赤褐色の肌から血の気が抜けて薄まってゆく。
「いや、なんでもない。次は精霊門を見学させてもらおうか」
 巨勢王は視察を続けたが、心の中では別のことを考えていた。
 迫る十二月二十三日は愛娘、綾姫が十歳になる誕生日。
 こちらでの仕事はまだ残っているので当日までに武天此隅へ戻ることは適わなかった。
 それは仕方ないことなのだが、問題なのは忙しさにかまけて自分自身が娘の誕生日をすっかりと忘れていたことだ。反省しても反省しきれない。
「邪魔させてもらうぞ」
「どのようなご依頼で‥‥こ、巨勢王様?!」
 深夜、巨勢王はようやく自由な時間がとれるようになって自ら現地ギルドへと赴いた。
 まだすべての準備が整っていない状態で天儀本島最大国土を誇る武天の王が来訪。大慌ての職員達。とにかくと奥の部屋で話しを聞くことになる。
「あ、綾姫様の誕生日の準備を‥‥でしょうか?」
「そうだ。頼みたい」
 依頼内容に拍子抜けするギルド職員だが、巨勢王の睨みに急いで書類を作成する。
 日は過ぎてしまうものの、自分が此隅へと戻ったときに娘を祝えるよう誕生会の準備を願う巨勢王であった。


■参加者一覧
紙木城 遥平(ia0562
19歳・男・巫
鈴木 透子(ia5664
13歳・女・陰
西中島 導仁(ia9595
25歳・男・サ
宿奈 芳純(ia9695
25歳・男・陰
フェンリエッタ(ib0018
18歳・女・シ
ジークリンデ(ib0258
20歳・女・魔
将門(ib1770
25歳・男・サ
蒼井 御子(ib4444
11歳・女・吟
津田とも(ic0154
15歳・女・砲
島津 止吉(ic0239
15歳・男・サ


■リプレイ本文

●不機嫌
 武天の都、此隅の城庭。開拓者の三人が岩の陰から綾姫を中心とする一団の散歩を窺う。
「綾姫様、ご機嫌斜め‥‥やっぱり誕生日のこと忘れられたせいかしら?」
「そうだと思うよ。でも王様、気がついてくれてなにより、だよー」
 フェンリエッタ(ib0018)と蒼井 御子(ib4444)が小声でやり取り。
「次、お茶にするぞよ」
 綾姫はむすっとした表情で侍女達に対してどこか不作法である。
(「おそらくは‥‥」)
 鈴木 透子(ia5664)は自分達開拓者の存在を知れば綾姫は機嫌をなおすだろうと想像していた。
 散歩後、開拓者の三人は侍女達に事情を説明して綾姫のお世話係を請け負った。すぐに自室へ戻った綾姫を訪ねる。
「‥‥‥‥おー、三人ともどうしたのじゃ!」
 襖を開けた直後は眉をひそめていた綾姫だが突然に明るい表情をみせた。鈴木透子が考えていた通りである。
「じつは希儀についての打ち合わせの帰り道なんだよー。希儀のおかげでまた開拓の場所が広がったし。そのお手伝い、だね」
 綾姫は蒼井御子の言葉をふむふむと頷きながらお茶を勧めた。
「そういえばこの間の、苺。どうなったっ?」
「よくぞ訊いてくれた。種を撒いたら芽が出たのじゃ。うまく株が出来てくれればよいのだがな」
「土は大丈夫?」
「ちょっと不安があるのう〜。大丈夫だとは思うのじゃが」
 窓戸を開けると綾姫が蒼井御子の手を引っ張りながら庭の一角を指さす。そこが苺を鉢植えで育てている場所であり、株が増えたら郊外の畑へと移すようである。
(「やっぱり綾姫は苺が好きなのね。プレゼントもその線で考えた方がよさそう‥‥。それはそれとしてバースデーカードの文章を考えて欲しいって、王に風信器で伝えておかないと」)
 フェンリエッタは目を輝かせて苺についてを話す綾姫を笑顔で見守った。
「少し早いですが‥‥」
「これはサンタじゃな」
 鈴木透子がサンタクロースに纏わる絵本を綾姫に渡した。
「ご存じでしたか」
「詳しいことまでは知らないぞよ」
「それでは次を捲ってもらえますか?」
「これは‥‥鹿がソリを牽いてる様子じゃな」
「いえ、トナカイといいます。このソリは空を飛ぶそうです」
「なんと! まるで飛空船じゃな。いや、大きさからいえば飛空挺かのう」
 綾姫は鈴木透子から解説を受けながら絵本を読み終える。
「本当にいるのかや?」
「あたしも良く知らないのですが、その家の父親がサンタクロースの役をしていることが多いみたいです。たぶん忙しいんだと思います」
 鈴木透子は巨勢王のことを考えてサンタクロースについて事前に説明をしておくのであった。

●準備の二日間
 さっそく開拓者達は誕生日会の準備を始める。
「誕生を祝うのか、贅沢なもんだなあ、飯と野菜こば集めてくりゃあええんじゃろが」
 島津 止吉(ic0239)が向かった先は此隅郊外の農家である。
「えいころしゃっとのう。おなごは甘いものが好きじゃしの」
 雪かきをし、集めた薪をさらに斧で割って燃料にする。それを対価として農家から野菜や干し柿と受け取った。塩漬けの魚の代わりに鮎干しが手に入る。
「こりゃ、ええもんみつけたど」
 薪集めの最中、雪が深く積もった山奥でアケビを発見した。一つを食べてみれば十分に甘い。雪に閉じこめていたおかげで野鳥に食べられず、さらに甘みが増したようだ。
 島津止吉は手に入れた食料を背中に担いで巨勢王の居城へと戻って行くのであった。

「これが小隊の仲間がいっていたピスタチオだな」
「旦那、お目が高いね。これは正真正銘の希儀産だよ」
 西中島 導仁(ia9595)は方々を探し歩いてピスタチオと巡り会う。
 狡猾な商人との交渉の末に必要分を確保して城へと戻り厨房を訪ねた。板長に相談すると若い板前を紹介してくれる。
「ピスタチオですな。巷で噂の」
「知っているのならば話が早い。少し甘めの米粉の生地を薄く延ばして、塩煎りしたピスタチオを乗せて焼いてもらえるだろうか?」
 西中島は近くに待機して料理の出来上がりを待つ。
「さらに半分の薄さは‥‥無理か?」
「やってみましょう」
 試作が繰り返されて三回目、西中島が脳裏に浮かべた菓子と非常に近いものが仕上がる。
(「気に入ってもらえればよいのだが」)
 後は若い板前に任せた西中島は会場となる部屋の飾り付けを手伝った。

 険しい山中に分け入った津田とも(ic0154)が探したのは獣肉である。
「政を司る王も大変だね、まあ家族との重要な記念日は大切んもんだ、ひと肌ぬいでやろうじゃねえの」
 津田ともは『マスケット「クルマルス」』を肩に担ぎながら足跡が残る雪面を確認する。雪が降ったのは二日前なのでそれまでの様々な足跡が残っていた。
 まずは目につくウサギやキジを仕留め、最後に大物として鹿かイノシシを探す。
 獣道を監視し続けて三時間後、イノシシがついにやってきた。
 イノシシの額に命中させて一発で仕留める。イノシシはゆっくりと雪の上へ横たわった。
 長めの小刀を心臓に刺して血抜きを行う。そして両肩に担いで此隅城へ。
「せっかくだし丸焼きにしてみるのもいいだろ」
 調理は薫製用の小屋を利用する。塩、胡椒をまぶし、腹わたの代わりに香草を詰め込んだ。さらに支えとする鉄棒へ針金で縛り付ける。熱が内部に伝わるよう細めの鉄棒数本を適当にぶっさして準備完了。
「そろそろだろう」
 丸焼きにはかなりの時間がかかる。会の開始を逆算した上で炭に火を点けるのだった。

 祝いの広間を飾るために宿奈 芳純(ia9695)は生け花を用意しようとしていた。
 正座して呼吸整え、おもむろに一輪を手にする。
 一つ目は花筒代わりの竹筒へと梅の枝を真に添えて葉牡丹を低めに配す。さらに千両を差し込む様に添えて万年青を正面に添えた。
 もう一つも別の竹筒へと飾る。ツツジを真に添え赤芽柳を脇に配し撓める。菊をツツジの花に見立てて添え山茶花を正面に配す。
「綾姫様と巨勢王様がこちらに座るとして‥‥」
 広間に卓が並ぶと考えてふと気づいてもらえるような壁際へと生け花を飾った。窓の位置、壁の色などの考慮にいれて。
 その後、宿奈芳純は厨房へと向かう。薪割りや水汲みなどの力仕事を手伝うのであった。

「一年が経つのは早いものだな。綾姫が好きなものといえばやはり苺は欠かせんだろうな」
 将門(ib1770)は雑踏を歩きながら顎に手を当て去年のことを思い出す。
 ジークリンデ(ib0258)が此隅近辺の農家を当たってみるといっていたので、自身は旅泰を訪ねてみることに。去年、旅泰から購入したと聞いたような気がしたからだ。
 飛空船の係留地にはたくさんの旅泰が滞在していた。苺を扱っている旅泰はなかなか見つからなかったがついに探し出す。
「苺の在庫は余裕があ‥‥‥‥こほん。ぎりぎりしかないのだよ」
 初老の旅泰は苺の値をふっかけてきた。将門は用を足すふりをして一旦その場を離れる。そして下っ端にかまをかけてみた。
「苺が売れて景気がよさそうだ。さぞ正月の餅代もたくさんもらえるんだろうな」
「どこの誰の話だよ、それ」
 下っ端によると本来の購入主が少量しか買ってくれず、初老の旅泰は腐りやすい苺の在庫に困っているという。
 戻った将門は強気で値踏み。妥当な値段で苺を手に入れるのであった。

「農家では無理で諦めていたところですわ。おかげでお菓子が作れそうです」
 夕方の此隅城。将門が持ち帰ったたくさんの苺を見てジークリンデは喜んだ。
「誕生日を祝うケーキを小動物の形にカットしたフルーツで飾ってみますわ」
 紙の上で筆を滑らせてどのようなケーキにするのかを構想する。翌日の早い時間からジークリンデは動き出した。
 まずはカステラに似た柔らかいパン生地を焼き上げた。充分に冷ましてから続きを行うのだが、食べ頃というものがある。苺を含む食材の保存には城内の氷室を活用した。
 夕方に新鮮な牛乳を手に入れて調理を再開。
 島津止吉に頼んだキジも手に入ったので下拵えをしておく。ジルベリアの七面鳥を使いたいところだが入手が難しいのでキジに変更したのである。
「これを混ぜておけばいいのですね」
 紙木城 遥平(ia0562)はケーキ作りを手伝う。生クリームを味見して深く頷いた。この味ならば綾姫も満足してくれるだろうと。
「皆の者、城の護り、ごくろうであった」
 深夜に巨勢王が帰還。後は夜が明けるのを待つのみとなった。

●誕生日会
「これはなんじゃ?」
 昼から風呂に入った綾姫は部屋へ戻ると置き手紙を発見する。目を通してみれば親しい侍女の名で離れの広間へ来てもらいたいとあった。
 廊下に出れば蒼井御子、鈴木透子、フェンリエッタと遭遇する。そこで一緒に訪ねてみることに。
 襖を開くと広間は真っ暗闇。しかし綾姫が一歩踏み入れた瞬間に目映く輝いた。天井の宝珠が灯ったのである。
 広間にいたのは見知った者達。さらに襖と雨戸が開かれ、庭の様子がよく見えるようになる。そこには真っ赤なサンタ服姿の巨勢王の姿があった。
「父様!」
「わが娘よ。誕生日、まことに目出度い!」
 駆けた綾姫が庭へ飛び出して巨勢王へと抱きついた。王が乗っていたのはトナカイに扮したくさんのもふらさまが牽くソリの上である。
 犬ゾリに近かったがここは気持ちの問題。雪が積もる周辺を一周して巨勢親子は戻ってきた。
「僕からはこちらを」
「苺の花のかわいらしい扇子! 遥平殿、ありがとうなのじゃ♪」
 紙木城が贈ったのは白地に小さく苺の花があしらえられた扇子。派手すぎず長く使えることを念頭に作られていた。
「綾姫様、この度はお誕生日おめでとうございます。綾姫様並びにご家族や皆様の今後の一年が幸多いものでありますよう心よりお祈り申し上げます」
「丁寧な挨拶、嬉しいのじゃ♪」
 宿奈芳純が綾姫に贈ったのは『簪「早春の梅枝」』『枝垂桜の簪』『りゅうのぬいぐるみ』である。
「こちらは私からです♪ 誕生日おめでとう♪」
「フェンリエッタ殿、ありがとうなのじゃ♪」
 にこやかなフェンリエッタが綾姫に手渡したのは薄い桃色のちりめんの巾着。中には練り香水が入っていた。
 綾姫はさっそく苺の花の意匠が施された小さな丸い容器の蓋を開ける。
「仄かに香るのう〜♪」
 フェンリエッタが綾姫の手首の裏に塗ってあげる。その香りに綾姫が笑顔を零す。
「私からはこちらを。アロマキャンドルです」
「おお、こちらは香る蝋燭じゃな。二つは親子ウサギの形をしているのう〜」
 ジークリンデの贈り物は苺の香りがするアロマキャンドルであった。
「巨勢王様とそれぞれにお持ち頂ければ」
「そうじゃな。父様、肌身離さず持っていてたもれ」
 綾姫はジークリンデから受け取った親子ウサギの小さなアロマキャンドルの一つを巨勢王に手渡す。困った表情を浮かべた巨勢王だが頷いて懐に仕舞う。
「俺からはこれだ。こちらの本も贈らせてもらおう」
「白い布はとてもきれいじゃな。本は戦と武器に関するものか、興味深い」
 綾姫は将門の贈り物であるランヴォトーガを試しに巻いてみた。会が一段落してから着替えてみればその麗しき姿に巨勢王が感動の涙目を浮かべることとなる。
 いつの間にか広間には音楽が流れていた。
(「ここはちょっと優しい感じの曲だねっ」)
 蒼井御子が竪琴で奏でたのは心がほぐれるような曲。彼女からの贈り物である。
(「王様ってやさしい目のときもあるんだねっ」)
 巨勢王と蒼井御子は目が合う。深く感謝されたようなそんな気がした蒼井御子だった。
 ふとした時、どこからか飛んできた小鳥が生け花へと留まって綾姫が頬を緩ませる。
 料理を贈った者もいる。
「さてとちょうどよい頃合いだよ」
「見事な獲物だな」
 津田ともが台車に載せて運んできたのはイノシシの香草丸焼きである。巨勢王が手伝って肉を切り分けた。
「とも殿よ。昔、父様母様とこのようなイノシシを食べたことがあるのじゃ」
 綾姫は懐かしむような表情で肉を頬張る。
「よいしょっと!」
 突然の激しい音に誰もが驚いた。先程閉じた襖と雨戸を開くと島津止吉が侍女の一人を返し役にして餅つきをしていた。
「もうすぐ搗きあがんからな。酒もあるべえ、柿のほかに木になっていたアケビをとってきてやったど」
「アケビとはこれか。うむ、甘いのじゃ♪」
 島津止吉にいわれて卓に置かれていたアケビを食する綾姫。搗きたてのお餅も堪能する。
「ピスタチオと呼ばれる豆が美味しいと聞き及びこのように。お口に合えばよいのですが」
「うまいぞよ、導仁殿♪」
 次に綾姫が頂いたのが西中島が準備させた小さな塩炒りピスタチオ煎餅である。その食べっぷりから綾姫のおやつの定番になるのは間違いなかった。
「さあ、少し遅くなってしまいましたけどケーキですわ」
「おお、苺がのっているのじゃ♪ 器用に切っておる苺は兎、こちら猫じゃな」
 ジークリンデが運んできた苺ケーキを見て綾姫がはしゃいだ。さっそく切り分けて食べた綾姫はまさに至福の表情。雉のローストも非常に好評であった。
「わしからの贈り物は部屋の靴下の中にはいっておるぞ」
「気づかなかったぞよ」
 綾姫は巨勢王が昨晩の間に鈴木透子と一緒に作った靴下の中に贈り物を入れておいたと聞くと急いで部屋へと戻ろうとする。
「こちらですね。なかなかの重さです」
「助かったのじゃ、さすが透子殿」
 気を利かせた鈴木透子が大きな靴下を広間まで運んでおいてくれた。
 中に入っていたのは長曽禰喝破が天儀刀二振りを打った際に並行して作られた護りの小刀とバースデーカード。カードの文章はフェンリエッタの勧めで巨勢王が書いたものである。厚めの天儀紙に苺や葉と蔓があしらった装飾が施されていた。
 綾姫が二つ折りのカードを開く。
『よくぞ元気で健やかに育ってくれた。姫は儂の大切な宝じゃ。そなたを傷つけようとする不届き者あらば、たとえ儀の端で溺れかけていても駆けつけて退治してくれよう』
 カードに目を通した綾姫が振り返って巨勢王を見上げる。
「危険があれば駆けつけるとあるが誕生日には遅れたのじゃ‥‥」
 綾姫はぷくっと頬を膨らませて怒る。巨勢王は反論できずに片手で頭をかく。
「‥‥よいのじゃ。大切な仕事をほっぽりだすのは男のやることではない。父様がそんな阿呆であるはずがないのじゃ。‥‥だが真にわらわが危ないときはすぐにでも戻ってきてたもれ」
「命をかけて約束を守ろうぞ」
 綾姫は巨勢王に抱きついて喜んだ。
 贈り物はもう一つ。蒼井御子からの連絡によって郊外の畑用に希儀の土が運ばれる段取りが済んでいた。
 それから深夜まで、楽しい誕生日会は続いたのであった。