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■オープニング本文 泰国は天儀本島と離れた地。嵐の壁によって隔たっていたものの、今では飛空船での往来が可能である。多数の群島によって形成され、春王朝天帝と諸侯によって治められていた。 帝都の名は朱春。 春王朝天帝の名は春華王。十一歳の時に帝位に就き、今はまだ十四歳の少年である。 「よきにはからえ」 宮殿奥の天帝の座。春華王は接見の者に言い渡す。 刺繍の施された布で仕切られていて互いの姿は確認出来ない。それ故に思慮深いと噂される春華王の笑顔を実際に観た者は少なかった。 『よきにはからえ』とは春華王の口癖のようなものだ。臣下に言い渡す言葉は大抵これだけ。こうして接見するのさえ滅多にない。泰国において政は科挙によって選出された官僚が取り仕切るので、天帝の仕事はないに等しい。重職に就く者の任命が主な仕事といってよかった。 宮殿はすべて春華王のものだが、それは建前で実際に安らげる場所は少ない。一般に比べればとても広いが、象徴だとしても泰国を統べる者の住処と考えればとても質素だ。 そんな宮殿だが、春華王の許可なしに誰も立ち入れない部屋があった。名は『青の間』という。 今の所、春華王以外に許可が出ているのは侍従長ただ一人。春華王は毎日かなりの時間を青の間で過ごす。 「これでは‥‥」 座して机についていた春華王は腕を組む。袖には邪魔にならないよう襷がかけてある。何故ならそれは絵筆を持つため。 泰国の風景を描こうとしていたのだがどうにもうまくない。過去に観た宮殿外の景色を描いたのだが、記憶がおぼろげなせいもあってよい出来とはとてもいえなかった。 「やはり実際に観ないとよい絵は描けぬ。宮殿から描こうとすれば朱春を見下ろす絵ばかり。それでは物足りん。亮順もそう思うであろう?」 春華王は茶の用意していた侍従長『孝 亮順』に同意を求める。亮順は白髪の痩せた印象のある男性だ。歳は五十を越えているだろう。 「恐れながら、わたくしめは未だ反対で御座います」 「それでも準備はしてくれた。感謝しておるぞ、亮順」 「ありがたきお言葉」 「この部屋にいる時は、そう畏まるでない」 春華王は視線を亮順の後ろに移す。そこには、この部屋にいるはずのない三人目の姿があった。 その姿は春華王に瓜二つ。隠し通路から訪れた影武者として用意された少年だ。 「お、お留守の間、せ、精一杯務めさせて頂きます」 「何、難しく考えることはない。亮順が立ち振る舞いの覚えは完璧だといっておったぞ。困った時には『よきにはからえ』といっておけばよい」 影武者の少年に春華王は微笑むのだった。 その日のうちに亮順の依頼によって泰国の開拓者ギルドを通じて一つの募集が始まる。 商人の御曹司を護衛する内容とされていたが実際には違った。泰国ギルド長の許可を得ていたが、本当は春華王の護衛である。 絵を描く為に朱春をお忍びで見学するつもりの春華王だった。 |
■参加者一覧
柚月(ia0063)
15歳・男・巫
紅(ia0165)
20歳・女・志
柚乃(ia0638)
17歳・女・巫
久万 玄斎(ia0759)
70歳・男・泰
富士峰 那須鷹(ia0795)
20歳・女・サ
純之江 椋菓(ia0823)
17歳・女・武
伊崎 紫音(ia1138)
13歳・男・サ
浅井 灰音(ia7439)
20歳・女・志
奈良柴 ミレイ(ia9601)
17歳・女・サ
パラーリア・ゲラー(ia9712)
18歳・女・弓 |
■リプレイ本文 ●挨拶 宮殿の地下に伸びる秘密通路の出入り口付近で春華王は着替えを行う。 服装を整えて地上に出たのならこの国の王ではなくて商人の御曹司。名は常春である。 架空の父親が営む商家の名は『深茶屋』。屋号の通りお茶の老舗問屋であり、泰国の地方に実在する。深茶屋の大旦那には話を通してあり、そこから春華王の正体がばれる事はまずない。 「よきには‥‥いやいや。みなさんよろしくお願いします。私は常春という者。ご自由に呼んでください」 待ち合わせ場所となっていた飯店にはすでに開拓者全員が集まっていた。常春と名乗った春華王は影武者の少年から教えてもらったように平易な言葉で話すように心がける。とはいえ年齢からすれば、どうしてもしっかりとした言葉遣いになってしまうのだが。 「ハジメマシテ。僕は柚月。好きに呼んでねっ」 「それでは柚月さんと呼ばせて頂きます。お世話になると思います。いろいろとお願いしますね」 柚月(ia0063)は首を傾げながら大きな瞳で春華王を見つめる。 「常春さんか。宜しくお願いする。丁寧な言葉を使った方がいいだろうか?」 「普段、そのままで構いません。こちらこそお願いします」 袖に手を入れて腕を組んでいた紅(ia0165)は春華王を見て大きく頷いた。 「柚乃は絵を描いた事がないけど‥楽しい?」 「もちろんですよ。あっという間に時間が過ぎる程、絵を描くのは楽しく感じられます」 春華王に訊ねた柚乃(ia0638)は自分も一緒に絵を描く事とする。 「ふむふむ‥‥。かっかっかっかっか、たまにはこのようなこともいいのう」 顎髭を撫でながら春華王を眺めた久万 玄斎(ia0759)は大きく口を開けて破顔一笑する。 「では『坊ちゃま』と呼ばせてもらおうかのう」 「ぼっちゃま‥‥ですか。それはその‥‥」 ニヤリと笑う久万玄斎から春華王が口元を扇子で隠しながら視線をそらす。 「絵を描きたいか。己が目に見えるモノを忘れずにいる事は難しい事じゃ。忘れぬ為にいい方法があるが試してみるか? 常春」 「それはどのような?」 富士峰 那須鷹(ia0795)は後で話すとニカッと笑う。それとは別に依頼の間はざっくばらんに話す了承を春華王から得る富士峰だった。 「朱春は神楽の都などとはまた一味違いますね‥‥。初めて都を訪れた時を思い出しますっ」 「純之江さんは泰国は始めてですか?」 春華王にそうですと答える純之江 椋菓(ia0823)。仕事を疎かにするつもりはないが、純之江は道中をとても楽しみにしていた。 「ボクも朱春に来るのは初めてなんです。だから、すごく楽しみです」 「下々の生‥‥。いや、私もこれまでに朱春を通りすがった事があるだけで初めてのようなものです」 伊崎 紫音(ia1138)は何故か冷や汗をかいている春華王に微笑む。 「もう少し軽い感じの服がいいかな。今回は開拓者の慰安旅行でいこうとさっきまで仲間達と話していたからね」 「どうも世事には疎‥‥。いや田舎に住んでいたもので、街の流行りには詳しくなく。途中でどこか購入出来る店に寄ってもらえるでしょうか?」 浅井 灰音(ia7439)の意見を春華王は受け入れる。 「よろしく。奈良柴 ミレイだ。絵を描くと聞いたが、人か? それとも景色だろうか?」 「そのどちらもを描きたいと。生活の景色を描いてみたいのです」 奈良柴 ミレイ(ia9601)は、その金色の髪とまとった傾奇羽織が相まってとても輝いていた。春華王が答えると奈良柴は何もいわずに後ろへ下がる。そっけないのか、それとも恥ずかしがり屋なのか、春華王には今のところ奈良柴がどちらなのか判断がつかない。 「にゃっす! あたしパラーリア☆ 常春くんよろしくだよ〜♪」 「よ、よろしくお願いします。お元気ですね」 人なつっこい笑顔を振りまきながらパラーリア・ゲラー(ia9712)は手を挙げて春華王に挨拶をする。パラーリアも地味な服装にした方がいいと春華王に助言をした。 挨拶の途中でも話題になったが、今回は春華王も含めて開拓者の慰安旅行に扮する事となった。朱春ほど街ならば能力を含めた開拓者の噂は広まっているはずである。余程間の抜けた者でない限りは邪魔をしてこないだろうという考えからだ。 飯店で朝食を済ませると、さっそく春華王の希望を聞いて一行は街に繰り出すのであった。 ●帝都、朱春 より市井の者に近く、そして開拓者としても通りそうな服装を整えてから春華王は朱春の街を歩いた。 開拓者は側でお供をする者。後方などから離れて周囲を見張る者など様々だ。 「すごい‥‥」 大通りでの人混みに春華王はキョロキョロと周囲を見回す。これほどの混雑というものに春華王は遭遇した記憶がない。 「自由に歩いていいけど、逸れナイよに手をつないでねっ」 奈良柴は春華王と手を繋いで離れないように気を付ける。 「あ、常春クン。蟹、売ってるよ。何ていう蟹?」 「これなら私でも知っています。朽葉蟹といって、泰国の名物といってよい蟹ですよ」 柚乃は春華王の袖を引っ張ってはお喋りを楽しんだ。 (「しばらくはこの道をまっすぐでよさそうだな」) 紅は少し前を歩いて人混みの流れから春華王を守った。 (「この様子ではスリに注意せねばいかんのう」) 春華王より後方を歩いていた久万玄斎は白い眉の下にある瞳の奥を光らせる。すれ違う男の怪しい手が春華王の懐に伸びた瞬間、持っていた煙管で弾く。 「は〜い。おまちどうさま♪ あつあつだよぉ〜☆」 一行は人混みから離れたところで一息をついた。近くに屋台を見つけたパラーリアが春華王からお金をもらって竹皮に包まれた肉まんを買ってきてくれる。 「これはいけるな」 「まだまだ美味しいものはたくさんあるらしいからねっ」 春華王の横で一瞬のうちに肉まん二つを食べきったのは柚月だ。三つ目に手を伸ばそうとした時に浅井灰音の視線に気がつく。 「柚月さん、幾ら常春さんがご馳走してくれるとはいえ、限度ってものがあるんだからね?」 「‥にゃ。灰音に注意されちゃった。まだそんなに食べてナイのにねー」 浅井灰音から春華王へと視線を移した柚月は同意を求める。『そ、そうですね』と春華王の答えはどことなく曖昧だ。 「何かよい景色はあったか?」 「やはり活気がある様子がいいですね。とはいえ、あの人混みの中で絵は描けないでしょうけれど」 そうかと奈良柴が呟いてそこで春華王との会話は終わった。奈良柴はどこかよいところは無いかと考えを巡らせる。 「国の主は民の父母とも言いますから、活気があるのは主様がきっと良い方なのですねっ」 「そうだとよいのだ‥‥いやそうですね。きっとよい王なのでしょう。はい、純之江さんもどうぞ」 春華王から受け取った肉まんを純之江も食べ始める。 「何処か、具体的に行ってみたい場所とかありますか?」 「そうですね‥‥。大通りのどこかに落ち着ける場所があれば、まずそこで描いてみたいです。いろいろな人が歩いていますので」 伊崎紫音は春華王の言葉を仲間達にも伝える。 「肉まんより、酒が呑みたくなった。少しふける」 そう春華王に告げてから富士峰は一行から姿を消す。仲間にはすでに事情を伝えてある。すべては一行をつけてくる二人組の存在を知ったからだ。 勘違いかも知れないのでしばらくは様子見であった。 ●絵 人の流れを邪魔しない大通り沿いの団子屋の軒先を借りて春華王は絵を描き始める。 この時ばかりは持っていた扇子を置き、代わりに絵筆を持つ。 厚着こそしていたが冬の外は震える寒さだ。焚き火を用意して暖をとりながらとなる。 「絵うまいね。凄いっ。僕、見るのは好きだケド描くのは‥‥」 「柚月さんも描いてみたらどうですか?」 ひょいと春華王の絵を覗き込んだ後で柚月は遠い目をした。今日のところは護衛に徹するつもりである。 「んー、こんな感じかな」 「浅井さん、うまいですね。こんな描き方もあるんですね」 春華王の隣で同じく絵を描いていたのは浅井灰音だ。ジルベリアの文化に興味を持っているせいか、浅井灰音の絵はどことなく異文化を漂わせていた。 「おなご達に囲まれる坊ちゃまの姿。なかなかよいのう。どれどれ」 絵を描く様子を俳句のネタにしようと久万玄斎は筆をとる。果たしてそのままを写しとるのか、それともかなりの妄想が入るのかは久万玄斎のみが知るところだ。 (「目だけは離さないようにしないとね。それにしてもこのお団子美味しい‥」) 絵を描く春華王を眺めながら長椅子に座って柚乃は油で揚げたお団子を頂く。 (「奴ら、動くつもりじゃな」) 物影に隠れる怪しい二人組が刀に手をかける。それを見た富士峰は屋根の上に登って仲間に姿を晒した。ただし春華王からは見えない位置にだ。 (「あれは?」) 紅は一行から離れていた富士峰を見つけて合図を確認する。どうやら少々の荒事になりそうである。 (「ふむ‥‥。袖の下で穏便にすみそうならばよいのだが」) 久万玄斎も富士峰の合図に気がついた。 「私は常春さんについていますっ」 小声で紅に声をかけた純之江は春華王のすぐ側まで近寄る。そして柚月、浅井灰音、柚乃に仕草で状況を知らせた。 「ちょっと見せてもらえますか?」 「ええ、構いませんよ」 ニコリと微笑んだ伊崎紫音は画板ごと春華王から絵を受け取る。 「こっちで少し休んだほうがいい。焚き火があるとはいえ、手がかじかんではいい絵は描けないはず」 奈良柴が春華王を団子屋の店内に誘導する。こうすれば荒事が起きても春華王に見せないでも済むからだ。 「ほら〜、美味しいよ〜。この揚げ団子♪ 常春くんの分は今頼んだばかりだから、あたしのをあげるね☆」 先に絵を描くのをやめて休憩していたパラーリアが店内の椅子に春華王を座らせた。 春華王と一緒に店内に入ったのは、パラーリア、柚月、柚乃、浅井灰音、純之江、伊崎紫音、奈良柴。 残る三人は怪しい二人組に詰め寄る。 「先程から坊ちゃまをつけておるようだが、何か失礼したかの? よければこれで収めてくれんか?」 店内に入ろうとした二人組の前に立ちふさがった久万玄斎が紙に包んだ金子を渡そうとした。だが怪しい二人は無理に通ろうとする。 「私達は開拓者。事を構えるのは損だぞ? もう一度考え直せ」 酒でも渡して怪しい二人組を追い返そうと考えていた紅だが、久万玄斎に対しての行動を見て威圧の行動にでた。 「いいから退け! そんなはした金はいらん!」 いきなり一人が抜いた刀を開拓者達に向ける。 「わしらを開拓者と認識して尚絡むとは、余程の阿呆か」 富士峰は刀を抜く事もなく、簡単に刃を向けた男を転がす。 もう一人は紅によって弾き飛ばされた。 「何故、坊ちゃまを狙ったのかのう」 「あ、あの子僧‥‥往来で――」 久万玄斎が気絶した一人を叩き起こして事情を訊く。 春華王は道のど真ん中で金の詰まった袋を落としたらしい。ちょっとやそっとの金額ではなかったようだ。その様子を怪しい二人組は見ていたという。開拓者達と接触する前の出来事だ。 春華王の世間知らずを開拓者達は再認識するのだった。 ●そして 往来だけでなく一行は朱春の様々な場所にいった。市場や歓楽街、郊外で野原の景色を描いた時もある。 春華王の描いた絵は五十三枚にのぼる。俳句のネタにするといって、その殆どを持ってくれたのが久万玄斎だ。 時間は過ぎ去って道中は終わりを迎える。 「はい。これ‥‥いらない?」 別れ際に柚乃は春華王に『もふらぬいぐるみ』を贈る。 「大事にさせてもらいます。とてもかわいいですね。ありがとう」 春華王と握手をする柚乃は笑顔であった。 「そういえば思い出を忘れない方法って‥‥」 春華王は最初の約束を思いだして富士峰に振り向いて問う。 「上を見よ、何が見える?」 「上‥‥ですか?」 富士峰に上を見た春華王に富士峰が唇を奪おうと顔を近づけた。 仲間達がはっとするものの、春華王と富士峰の唇の間には広げた扇子が挟まる。 「用心深いのは悪い事ではないが、素早いの。常春。まあ、よい。記憶に残る印象深き事がなくば、景色なんぞすぐに忘れてしまうでの」 そういって富士峰は春華王の頭を撫でる。 「後、持ち物と併せ覚えておくのも手じゃぞ? わしの念を籠めておいた、とっておけ」 持っていたお守りを渡した富士峰は何故か少し寂しげだ。 「やれる事は今の内に存分やっとくがいい」 何かを知っているかのように富士峰は春華王に言葉をかけるのであった。 「今度は一緒に描けるとイイなっ‥‥ていうか描き方を教えて欲しっ」 「またこんな旅をしたいと思っています。最後にもう一度、柚月さんの笛の音を聴かせてもらえますか?」 柚月は春華王に頷くと依頼の間に何度か聴かせた笛を今一度吹いた。 「私に絵心は無いが、良い出来だと思う。特に街の人々の顔がいいな」 「ありがとう。きゅうで‥‥いや、家に帰ったらちゃんと色を塗って仕上げたいと思っています」 紅は何枚かの絵を眺めた後で春華王に微笑んだ。 「わしも神楽の都へ帰ったら俳句をまとめようかのう。坊ちゃまもお元気でいてくだされよ。かっかっかっかっか」 「世情に疎くていろいろとご迷惑をおかけしました。次の機会がありましたら、またご指導お願いします」 声をあげて笑う久万玄斎に春華王はお礼をいう。 「このお土産の玉とか良いですねっ。眺めて思いだしてくれれば幸いです」 「いろいろと買い物にもつき合ってくれてありがとう。思い出ができました」 純之江は春華王が腰につけていた飾りを眺めてから別れの挨拶を交わす。 「すごく楽しかったです。また一緒に、何処かに行きたいですね」 「私もそう思っています。出来ればもっと朱春より遠くに‥‥行ければいいのですけれど」 伊崎紫音から春華王は遠くの土地の話を多く聞かせてもらっていた。 「絵とはいいものだよ。私のはこんな感じだ」 「この絵を頂けませんか? 代わりに私のどれかを」 浅井灰音と春華王は一枚ずつ絵を交換する。 「奈良柴さんにはこちらの絵を。描いている時に気に入ったといってくれましたので」 「いいのか? 市場の絵だな」 春華王からもらった絵を奈良柴は大事に仕舞う。 「にゃっす! 常春くんまたね〜♪」 「食べ物を探してくれて嬉しかったです。どれも美味しかった。特に一緒に食べた肉まんと朽葉蟹の酒蒸し。絶対忘れません」 パラーリアとは握手で別れの挨拶をする春華王である。 「みなさん、ありがとう〜。楽しかったです〜〜」 夕暮れ時、春華王は一人去ってゆくのだった。 |