【初心者歓迎】開拓者支援中
マスター名:霜月零
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 8人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2013/03/13 02:00



■オープニング本文

 ジルベリア最北領スウィートホワイト。
 その南に位置するポアリュアの街で、町長はそれはそれは悩んでいた。
 もともと薄かった頭が、つるんと禿げてしまう位に。
 首都ホワイティアが機能不全に陥り、ここポアリュアの町に臨時開拓者ギルドを設置したのはいい。
 だが、依頼の量が半端なく多いのだ。
 首都に閉じ込められた開拓者の数が多かったのか、もともとスウィートホワイトに立ち寄る開拓者が少なかったのか。
 依頼の量に比べて、圧倒的に開拓者が足りなかった。
 そう、近くの街道にアヤカシが出たというのに、直ぐに討伐に向かわせられないレベルで。
 ほうっておけば、いつこの街に向かってくるかわからない。
「どーしたらよいのかの〜?」
 ポリポリと頭をかいて、髪のないことにはっとして、町長は顔を赤らめる。
 町長、実は女性。
 カツラを買えばいいのだが、財政難な事もあり、自重。
 いそいそと、お気に入りの手作り帽子をかぶってごまかす。
 つい、室内だと被るのを忘れてしまうのだ。
 とても町長の執務室だとは思えない質素な絨毯の上を、町長はうろうろ、うろうろ。
 そんな悩める町長の執務室に、ノックの音が響いた。
 コココン、コン♪
 ちょっと変わった叩き方をするのは、秘書の合図だ。
「どうぞ〜?」
「失礼します」
 町長が呼びかけると、秘書がテキパキと室内に入ってくる。
「この書類は明日までに、こちらの書類は今週中にお願いします」
 使い古しの執務机に書類を置く秘書。
 凛として一見無機質な印象を与える彼女に、ふと、町長は尋ねてみる。
「開拓者がの〜?」
「わかっています。支援制度を導入検討してはいかがでしょうか」
 町長の言葉を瞬時に理解し、秘書は『明日までに』といった書類の束の中から、一枚の書類を取り出した。
「ふむふむ〜? 新人開拓者に支援を〜?」
「そうです。現在、天儀の万商店にて開拓者向けの支給品が毎日配られているのはご存知ですね?」
 ピッと眼鏡を抑える彼女。
 実は知らなかった町長は思わずこくこくと頷いた。
「も、もちろんじゃとも〜」
「ですがあれは、めったに手に入らない高級武具もあるのですが、何が手に入るかは運任せです」
 毎日万商店で開拓者向けに配布される特別支給品は、毎日無料。
 様々な装備品や消耗品日常品とバラエティに富んでいるのだが、その分、自分が欲しい品物を手に入れられる確率は少ない。
「そこで、この街で新人開拓者の支援育成を検討中です。新人開拓者に最初からある程度の初期装備は支給されていますが、全て見習い用です。
 こちらを、各開拓者に合わせて衣類やアクセサリー、武器といった装備品を中心に支援します。
 ……もちろん、財政のこともありますから、高級武具の支給は不可能でしょう。
 ですが、見習い用よりは良い装備をご用意できるはずです」
「ほほ〜。新人開拓者が喜びそうだの〜?」
「はい。この最北領への開拓者呼び込みにもなるかと」
「おお〜! 流石なのじゃ。早速、ギルドに張り紙を〜。ついでに、近くの街道のアヤカシ退治もお願いしたいのじゃ〜」
「かしこまりました」
 ピシッと音がしそうなぐらい礼儀正しく一礼をし、去ってゆく秘書。
 そして悩みが解決しそうな気配に、うきうきしだす町長。
 
 こうして、ポアリュアの臨時開拓者ギルドに下記のような依頼文が張り出されることになった。

『求む! 新人開拓者! 街道のアヤカシをブチのめすと装備品がもらえるよ♪』



■参加者一覧
イデア・シュウ(ib9551
20歳・女・騎
逢坂 覡(ib9745
28歳・男・志
紫ノ眼 恋(ic0281
20歳・女・サ
久郎丸(ic0368
23歳・男・武
鶫 梓(ic0379
20歳・女・弓
沫花 萌(ic0480
20歳・女・武
暁 久遠(ic0484
22歳・男・武
綾花(ic0488
25歳・女・巫


■リプレイ本文

●雪原
「ジルベリア……久々に来ましたが相変わらずですね」
 独特の寒さと雪に、イデア・シュウ(ib9551)が苦笑交じりに呟く。
 あまり良い思い出ではないのか、楽しくはなさそうだ。
「頂いたコートが意外に暖かくてね。防寒対策は侮れないな」
 逢坂 覡(ib9745)は、町長から先に支給されたコート「エレクトラ」の首元を押さえる。
 耳元で勾玉がシャラリと音を立てた。
 そんな覡を、沫花 萌(ic0480)が下から見上げるように覗き込む。
「逢坂殿、此度は宜しく頼むぞぃ」
 にっと笑って、萌は朱金色の尻尾を楽しげに揺らす。
 萌にとって、この雪景色は寒さよりも眼福。
 友たる精霊達も喜んでいる気がするからだ。
「…………寒い、な」
 フードを目深にかぶり、出来るだけ、その特殊な肌を隠すかのように俯く久郎丸(ic0368)は、寒さの為か、より一層青白さが増して見える。
 ……俯いているのは、仲間の女性陣が皆、美しいからなのかもしれなかったが。
「アヤカシをブチのめすと装備品が、ねぇ……。まぁ、とりあえず今回も私は私ができることをするだけよ」
 鶫 梓(ic0379)は、町長の言葉を思い出す。
『こんな辺鄙なところに、来て頂けただけでも感謝しておりますのじゃ〜。装備品は、あまり良いものがご用意出来ずに申し訳ないのじゃが〜』
 そう言いながら、町長自らが全員に防寒具を手渡していた。
 あまり裕福な街ではないとは聞いていたが、町長自身も質素な身なりだった。
 装備品は秘書が選ぶとのこと。
 一体どんなものが配られるのか。
「然し何かと苦労しておる街のようじゃったのう」
 綾花(ic0488)も町の様子を思い出す。
 街自体は、それ程小さいわけではなく、むしろジルベリア最北領では首都の次に大きな町だろう。
 だが街としての収益はそれ程ないらしい。
(諸先輩方の足手まといにならないようにしなければ……)
 足元の雪を、一歩一歩踏みしめながら、暁 久遠(ic0484)は皆に決して遅れないように気を巡らす。
 あまり、深い雪には馴染みがないのかもしれない。
「あたしは、何が見えるのかが気になるな」
 紫ノ眼 恋(ic0281)は、事前情報による雪幻灯の能力を考える。
 見る物の好む姿を見せるという特殊能力。
 恋がみたら、何がその青い瞳に映るのだろう。
「……さて。皆の者、往こうか」
 前方に灯る赤い光に、萌の瞳が剣呑な光を帯びる。
 赤い光は次第に近づいて――。 
 

●ボム
 雪原に浮遊する火の玉――ボム。
 その数は情報通り5体。
「遠慮は無用ぞ、思う存分やるがよい!」
 覡の後ろに待機し、扇を高らかに掲げて萌が叫ぶ。
「さて、それなら遠慮なくひと暴れと行こうか」
 カチリと叢雲を鞘から抜いて、覡が跳ぶ。
 数多の合戦を経験し続けた覡に迷いはない。
 纏わりつく火の粉を払い、突っ込んでゆく。
「じ、時間は、か、かけたくない、な」
 体力が減ると自爆するというボム。
 久郎丸は大地の精霊の加護をまとった鎌に、さらに精霊力を付与して力を高め、ボムへと振り下ろす。
 おどおどとしているのは言葉遣いだけのようで、その攻撃にブレはない。
 浮遊するボムに火の粉を浴びせられながらも、鎌はその首を刈るように横薙ぎにボムを裂いた。
(やっぱり……自分には彼女が見えると思いました)
 イデアは、雪幻灯と思わしき者が見える姿に、奥歯に力をこめる。
 雪幻灯が見せる幻影。
 それは、イデアにとって、最愛の者の姿。
 今は亡き、妹の幻……。
 軽く頭を振って、イデアは雪幻灯と、妹と向き合う。
 優しく慕う妹を、変わらぬ姿のそれを、イデアは敵とみなしてその場に押し留める。
「匂いまでしてきそうだな、くっそ、あたしにあれを斬れと……っ」
 恋が雪原の中に見たのは、熱々の大鍋。
 沢山の肉はもちろんの事、豆腐に白滝、白菜に春菊、ネギに椎茸、飾り切りの人参――。
「うおおぉおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 誘惑を断ち切るように、恋は鍋から目を逸らし、渾身の叫びを咆哮にしてボムを引き寄せる。
 恋の叫びは手近なボムを直撃し、激しくボムは身体を揺らして恋に突っ込んでくる!
 だがボムが恋を攻撃することはなかった。
「自爆する前に射抜いてあげるわ」
 予め打ち合わせしておいた梓の矢が、ボムの身体を貫いたのだ。
 限界までじっくりと弦を引き撃ち放たれた矢は、強力。
 ボムを貫くだけでは止まらず、そのまま後ろに吹っ飛んだ。
 直後、激しい爆音とともに自爆するボム。
「意外と熱いね」
「い、い、威力が、あ、あるのだ」
「範囲外にいれば問題ないわ」
 最前線にいる覡と久朗丸、そして呼び寄せた恋は無傷。
(……あれは……焼失したと言われている幻の経典でしょうか? おや、あちらには50冊しか発行されなかったという哲学書が……。これがいわゆる雪幻灯なのですね)
 雪原を書物が歩いてくるという現象に戸惑いながら、久遠は雪幻灯の押さえに回る。
 とはいえ、雪は意外と邪魔にならないものの、視覚的に対応し辛いのだ。
 想像してみて欲しい。
 数冊の本が雪の上を飛び跳ねる姿を。
「幻の経典だから、幻となっているんですか……?」
 そんな問いかけをついしてしまうレベルで、それでも久遠は戦う事を忘れてはいない。
 独鈷杵を掲げ、精霊の力を借りながら、久遠は本としか思えないそれを食い止めた。
「おぬし達は勇ましいのう。どれ、わしが少しでも力になれればよいのじゃが。頑張るがよい」
 綾香が外套をひらめかせ、雪原の上で華麗にして攻撃的な舞を舞う。
 鋭さを増す舞は、仲間達の攻撃力を上乗せする。
「ふふっ……それは……自分が最も愛し、最も憎んだ姿ですよっ!」
 イデアの緑の双眸は、最愛にして弱き憎き妹を写しながらも、その姿に惑わされる事なく剣を振るう。
 霊剣「カールスナウト」を。
 青銅色の刀身は、死霊を払うといわれ、今のイデアにはぴったりの得物だった。
「きみに仲間を傷つけさせはしないよ」
 前衛の覡をすり抜けて、萌を狙おうとしたボムを、覡は刀で受け止める。
 激しい火の粉が覡に降り注ぐ。
 そしてその背に庇われた萌は、 
「来るなっ!! ……そなた等は後で片付ける故、大人しくしておれ」
 ボムの集団に乱入を図った雪幻灯に、萌は一喝を放つ。
 もっとも、萌の目に映っていたのは雪の上を迫ってくる巨大な餅なのだが。
「まだよ。どんどん吹っ飛びなさいな」
 梓が接近してくるボムを次々と即射を放ち、隙のない連撃は急激な接近を防ぎきる。
「そ、その攻撃は、き、効かぬ……喝っ!」
 二体同時に飛来してきたボムを、避けきれずに大量の火の粉を浴びながら、久朗丸は再び二体にそれぞれ霊戟破を放つ。
 吹き飛ぶ二体は、激しく怒っているのだろう。
 上下に揺れながら火の粉を飛ばす。
「無理はせんようにの。お主達が戦う姿は勇ましゅうて愛らしい故」
 効かぬ、とはいいながらも軽くはない負傷を受けている久朗丸を、綾花の癒しの風が治癒してゆく。
「あ、あ、ありが、とう……」
 綾花の優しい風に癒されながら、頬を染める久朗丸。
「こっちにきやがれ、うぉぉおおおおおおおおっ!」
 覡の攻撃でかなりのダメージを負っているであろうボムに、再び恋が咆哮を放つ。
 狙うは、久朗丸に弾かれた二体のボムとの同士討ち。
「急げ。ま、間に合う。け、怪我など、させない……っ」
 自分を癒した綾花を、今度は久朗丸がその手を引いて全力で後退する。
 恥ずかしさは、咄嗟だったから吹き飛んだ。
「伏せて」
 覡が萌を抱きかかえて雪の中に伏せる。
「まとめて消え去ってよ」
 梓の矢が、タイミングを合わせてボムを撃ち抜けば、自爆も重なって全てのボムが消え去った。


●雪幻灯
「待たせたなッ! もォ大丈夫だ。さっさとケリ、付けちまおうかァッ!」
 豪快に雪を蹴り上げて、恋が久遠の元へ走る。
 そのまま勢いよく放った地断撃は、雪を巻き上げながら久遠に襲い来る雪幻灯を切り裂いた。
「……我が声を聞き届け賜わば、我に御力与え賜え!」
 精霊に久遠が捧げる祈りは、彼の独鈷杵から迸り、本を、恋の斬り付けた雪幻灯を天へ還る瘴気へと導く。
「きついわね、これ……」
 梓は、雪幻灯の見せる姿に、唇を噛む。
 話には聞いていたし、ボムと対峙しながらも、イデア達が押し留める雪幻灯の姿は目の端に捕らえてはいた。
 だが、改めて正面から見つめれば、それは梓が愛して止まない弟と妹。
 奇しくもイデアと同じく家族の姿だった。
 ボムには情け容赦なく放てた弓矢は、梓の手を離れない。
 焦点など、合わせれようはずもないのだ。
「な、なぜ、あ、あなたが、ふ、ふたり……」
 久朗丸は、ボムから守りきった綾花と、こちらに向かってくる綾花。
 二人の姿を交互に見つめて、戸惑いを隠せない。
「おぬしには、あれがわしに見えているのか」
 久朗丸の隣で、ふむと頷く綾花。
 無論、綾花が二人になったわけではない。
 雪幻灯の幻は、女人が苦手な久朗丸に、強い印象を残した綾花の姿を見せたのだ。
「あたしには巨大な餅が五個じゃの。雪と同じ白さでちと見づらいが。……跳んでくるでないわ!」
 久朗丸に一気に跳躍してきた雪幻灯を、萌が一喝して止める。
「お、おれは、ま、惑わされない」
 鎌を構えて応戦しようとする久朗丸だが、守りたい仲間と同じ姿をとる敵にその腕は鈍る。
「さあ、いくらでも来なさいよ。もう手加減はしないわ!」
 イデアが一気に攻撃に出る。
 愛して、憎んで。
 アヤカシに消されてしまった弱い妹を、その手でもう一度この世から消し去る――。
 全てを切り裂くように、悲しげに泣く妹を、イデアは霊剣で流し斬る。
 突進して来た妹を、雪幻灯を、イデアは仕留めた。
 胸の中の甘い思い出を切り裂くように。
「彼女の笑顔を、こんな形で見せられるとはね」
 覡は雪幻灯が見せる姿に苦笑する。
 本物の愛しい彼女は、こんなにも華やかで優しげな笑顔を覡に見せてくれたことはない。
 その事実は、覡の油断を誘えない。
 雪幻灯にとって大きな誤算だったろう。
「その笑顔は、虚しいね」
 跳躍してきた愛しい人を、覡は刀で応戦する。
 愛しい人の目が妖しく輝くが、少しの油断もしていない覡には錯乱も効きはしない。
 ボムのほうが、よほど彼を傷つけられただろう。
「春の雪のように、空に還るといい」
 雪幻灯は、炎を纏った覡の刀の錆となって消え去った。
 そして久朗丸は、雪幻灯の攻撃を避けるだけでうまく動けない。
 ボムに果敢に向かっていった久朗丸とは別人のよう。
「落ち着くがいい。おぬしの側にいるのがわしじゃ。この温もりは忘れぬだろう?」
 自分と同じ姿を久朗丸に見せているらしい状況に、綾花は久朗丸の手を握る。
 その温もりは、久朗丸がボムから彼女を守る為に引いた手と同じ。
「お、俺は、決して、若い女が、好きとか、そ、そういうのは、な、な、な、無い」
 いっそ目をぎゅっと瞑ってしまいそうな勢いで久朗丸は叫び、偽者の綾花に鎌を振り下ろす。
 急に反撃を受けた雪幻灯は、綾花の姿を写してはいても血飛沫を飛ばす事はなかった。
 鎌に切られた傷口からは、紫の瘴気が漏れて逝く。
「梓殿! 今だぜ! 思う存分、ブチ抜け!」
 旨そうな鍋を、白銀の刀身で真っ二つにした恋が叫ぶ。
「あの子たちの皮をかぶった偽物は見敵必殺、地面の味でも味わってなさい」
 絶対に、確実に。
 愛するもの達ではないと悟った梓が、気を取り直して矢を放つ。
 怒りをも乗せたに違いないその矢は、雪幻灯を次々と打ち抜いていく。
「願わくば、来世では争う事なき姿で……」
 祈るような気持ちで、久遠が最後の一撃を放った。


●雪の中で
「戦う姿が愛しゅうあったぞ」
 綾花がぎゅっと久朗丸を抱きしめる。
「お、お、俺は、俺、は……っ」
 再び真っ赤になった久朗丸は、もういっそ錯乱をかけられたかのよう。
(願わくば、常世にて彼の者らの魂が安らかであらん事を)
 アヤカシにも、祈りを捧げる久遠。
(……弱い者は……大っ嫌い……あの子も、私も、全部……)
 雪原を見つめ、イデアはもう一度、心の隅に妹の幻影を追いやった。
「……腹、減ったな」
 恋は、未練がましく雪原を見つめる。
 沢山あった鍋は、もちろん全て幻覚。
 視覚の暴力は、消えた後も空腹感となって恋に押し寄せた。
「そうだのぅ。皆、お疲れ様じゃ。腹ごしらえでもせぃ」
 用意のいい萌が、バックから大量の食料を取り出した。
「うな重に龍の鱗クッキーに、兎月庵の白大福に雪だるま饅頭に……まだあるのですか」
 久遠があまりの量に絶句する。
「依頼お疲れ様、怪我とかなかったかしら?」
 梓が恋にお酒を手渡しながら、さり気なく彼女の黒くてふさふさの尻尾を撫でる。
「用意がいいな。遠慮なく食うぜ」
 恋は梓のお酒と萌の食料に気をとられてそれに気づかない。
「残るは町長へのご報告だね。どんな装備品を選んでくれるのか楽しみにしているよ」
 覡が言えば、萌も頷く。
「報告もじゃが、装備品の礼も述べなければのぉ。まぁ、腹ごしらえが終わってからじゃな」
 オブジェを眺め、雪原を楽しんで。
 開拓者達はゆっくりとくつろぐのだった。