†G†
マスター名:霜月零
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: 普通
参加人数: 6人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2012/07/24 02:00



■オープニング本文

 例えば、見るのも嫌なものを見た時。
 あなたはどうするだろう?

1)見なかったことにする
2)存在を叩ききる!
3)時と場合と嫌なものの種類による

 大抵の人は『3』を選ぶだろう。
 大人しい人なら『1』かもしれないし、攻撃的な人なら『2』かもしれない。
 だが、基本大人しく慈愛に満ち溢れ、動物達には無限の愛を注ぐ鳩羽が選んだ事はある意味全てだった。
 住み込みでお世話になっている寺院の掃除をいつものように終わらせ、鳩羽はふと、蔵に目を止める。
 年に一度は掃除をしている蔵だが、町人達からの贈り物やら寺院に昔から眠るお宝という名の粗大ゴミやら、ありとあらゆるカオスが詰まったそこは、長い事整理が付かずにいた。
「†掃†」
 呟いて、鳩羽は蔵に近づく。
 ジルベリア最北領とはいえ、夏が近いせいか気温は暖かく、快晴。
 そんな良い天気だったから、つい、蔵の掃除などを思いついてしまったのだ。
 そして蔵の扉を開けた瞬間、悲劇は起こった。

 カサカサカサカサカサカサカサカサッ!

「!!!」
 黒くて素早くて多足の例のアレが、鳩羽の足元を通り過ぎる。
 しかも一匹ではない。
 集団で、一気に!
 足元を埋め尽くすのではと見まがう大量のソレに、鳩羽の理性は一瞬で吹っ飛んだ。

「†GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGっ!!!†」

 橙色の瞳に涙を溜めて、鳩羽は渾身の力を込めて精霊砲を撃ち放つ!
 ただの蟲に過ぎないそれは次々と消滅していくが数がありえない。
 そして錯乱した鳩羽の瞳には、動くもの全てが恐怖のソレに見えてしまったのだ。
「今の叫びは、一体……?」
 鳩羽の叫びにわらわらと集まった寺の坊様達に、鳩羽はゆらりと向き直る。
「危ないにゃ!!!」
 咄嗟に鳩羽の異変に気付いた寺院いに居着いている猫又達がお坊様を突き飛ばす。
 その瞬間、今お坊様がいた場所に白霊弾が打ち込まれ、寺院の床が爆ぜた。
 泣き叫ぶ鳩羽の目には、もうお坊様の姿も愛してやまない猫も猫又も。
 全部巨大なGにしか見えない。
 鳩羽は恐怖を絶つべく、再び精霊砲を撃ち放った。
 


■参加者一覧
陽(ia0327
26歳・男・陰
村雨 紫狼(ia9073
27歳・男・サ
浅葱 恋華(ib3116
20歳・女・泰
綺咲・桜狐(ib3118
16歳・女・陰
マルカ・アルフォレスタ(ib4596
15歳・女・騎
刃兼(ib7876
18歳・男・サ


■リプレイ本文

●下準備は念入りに
「鳩羽様、殺生はお嫌いなはずですのに。Gとはそれほど恐ろしい物なのでしょうか?」
 開拓者ギルドの受付で、マルカ・アルフォレスタ(ib4596)は小首を傾げる。
 寒いジルベリア育ちのせいか、それともお嬢様だからか。
 本来天儀ならばともかくジルベリアで昆虫類の生息は少ないはずなのだ。
 なぜか運悪く今回は大量発生してしまったようだが……。
 数少ないGは発生してもマルカの家では使用人たちが即座に処分しており、マルカは幸いな事に恐怖のGと呼ばれるその生き物を生まれてこの方目にした事がなかった。
「榴遊でいいなら何匹でも貸し出すわよぅ」
 お昼寝していた猫又・榴遊をギルド受付嬢深緋がひょいっと掴んでマルカに手渡す。
 榴遊は乱暴に扱われても無抵抗。
 きっと抵抗したほうが危険な事を本能と現実で叩き込まれているのだろう。
「大人しいですわね」
 腕に抱いた榴遊の背を優しく撫ぜて、マルカは寺院へと向かう。


(これは一刻を争うよな)
 ジルベリア最北領・スウィートホワイト。
 そのとある寺院で起きた惨事を聞いた村雨 紫狼(ia9073)は、寺院の間取り図をもらう為に避難しているというお坊様達の元を訪れていた。
 大量のG出現だけならまだ良かったのだが、恐怖の残念美人・鳩羽が泣き幽霊よろしく徘徊しているのだ。
 何もわからぬまま寺に突撃すれば待っているのは精霊砲の雨。
 しかも鳩羽は家屋を破壊して回っているというのだから作業が遅れれば最悪、倒れた家屋に全員押し潰される、などということもあるかもしれない。
 大急ぎで逃げたから見取り図など持っていなかったお坊様達だったが、一番絵心のあった一人が筆を取り、大まかな間取りを紙に書いてみせる。
「結構複雑な間取りだな」
 ざっと書いてもらった間取り図を眺め、村雨はうーむと唸る。
 もともと小さな寺院だったのだが、幸い敷地が広かった。
 だから増設に増設を重ね、コの字を並べて上下入れ替えて所々繋げたような不思議な形になったようだ。
 村雨はお坊様達にお礼を言うと、急ぎ、寺院へと走り出した。


●寺院
「鳩羽ったら、よっぽど怖かったのね? 可哀想に……」
 鳩羽の友人である浅葱 恋華(ib3116)は、訪れた寺院の荒れ模様にわんこなたれ耳をさらにしょんぼりと垂らす。
 ふさふさの手入れの行き届いた赤い尻尾も元気がない。
 かさこそかさこそ。
 寺院には恐怖の元凶があちらこちらを這いずり回っていた。
「ん、鳩羽が大変ということで来ましたけど……相手がアレってどういうことでしょうか」
 綺咲・桜狐(ib3118)は足元やら寺院の壁やらを這いずるGを極力見ないようにしながら、恋華の袖を掴んで涙目で見つめる。
 見ないようにしつつも嫌でもGの歩く音がカサコソその狐耳に届くとか何とか。
「…………どうしてこうなった」
 刃兼(ib7876)の額にも嫌な汗が溢れている。
 凄まじい数のGと、錯乱中の巫女。
 時期といい場所柄といい状況といい何もかもが絶妙のタイミングで異常事態。
 そして一人、Gの意味がわからず頭を抱える陰陽師・陽(ia0327)。
(じぃ? じぃ……じぃ……爺? 爺さんみたいなアヤカシが出たわけね。そりゃあ錯乱もするか)
 ひとしきり悩んで出た答えに陽は満足げに頷く。
 蔵からじぃさんじゃねーといいながら、何の躊躇いもなく手近の蔵の扉を開け――

 カサコソカサコソカササササササッ!

「!!!!!」
 バンッ!
 陽は全力で扉を閉めた。
 うん、彼はきっと何もみなかった。
 たとえ一瞬のこととはいえ開いた扉からGが溢れてたり、陽の身体をかさこそソレが這いずったとしても!
(……なんか騙されたっ)
 Gが何を指すのかやっと理解した彼は、胸に這い上がってきたGをぺしっと指で弾き飛ばした。
「榴遊さん、こちらがかの有名な神楽之茶屋のみたらし団子です」
 マルカは真面目な顔で腕に抱いた榴遊にお菓子を勧める。
 香ばしい焦げ目と程よい餡の甘さ。
 一見どこにでも売っていそうなみたらし団子は、これ以上はないと思えるほどの絶品。
 榴遊は満足げに髭を揺らすと、寺院を取り囲むように、それでいて鳩羽に見つからないように潜んでいた猫又達が数十匹、開拓者と榴遊の前に集まった。
「鳩羽ちゃんが心配なのは分かるけど、ここはひとつ事態の収拾を優先させるってことでどうよ?」
 集まった猫又達に、陽も提案。
 一番いいのは一緒にGを退治してもらう事だが、天井裏や縁の下、そのほか人がどうしても捜索し辛い場所をチェックしてもらえるだけでも有難いのだ。
「手伝ってくれるなら、秘蔵の油揚げをあげてもいいですよ?」
 断腸の思いで桜狐も提案。
 甘い甘い油揚げは寺院の猫又達にとっても大好物。
 こくりと大きく頷く猫又達に、
(少しじゃなく、全部食べられちゃいそうですね……)
 と桜狐は涙目のまま遠い目をした。 


●開拓者VS! 〜Gだったりラスボスだったり
「うわ。地獄絵図か、これは」
 刃兼は蔵の扉を開けて絶句する。
 既にさっきから周囲をかさこそ這いずってはいたが、塊で出現されると全身に嫌な汗が吹き出てくる。
 多少慣れているとはいっても、限度があるのだ。
(心頭滅却、と……)
 刃兼は背水心で気合を入れるが、蔵の床を埋め尽くす勢いで溢れるGに一気に爽快感が吹っ飛んだ。
 だがやるしかないのだ。
「すまない、これも仕事なんだ」
 呟いて、桶に作っておいた石鹸水をGの這いずる床にぶちまける。
 トロリと泡立つ石鹸水に足を絡めとられ、G達はみるみるその動きを鈍らせる。
 実家では熱や油でGを弱らせていた刃兼だが、台所もGに占拠されているここでは石鹸水は簡易で大量に作れる捕獲道具。
「流石に素手ではな」
 飛ぶことも出来なくなったGを、刃兼は手袋をはめて慣れた手つきで紙袋に捨てていく。
「実家でも出るには出たんで、退治したことはあるが……流石にこの数、おかしくないか?」
 何袋めかの紙袋の口を縛りつつ、まだまだ沸いてるGに刃兼は深い溜息をついた。


「うぉ! 飛んできたっ! 飛んできた〜!」
 ぶーーーーーんっ!
 人として決して楽しくない音を響かせて、恐怖のGは陽に向かって飛んでくる。
(もうほんと、飛ばなくていいですから〜!!)
 口を開くとその中にはいってきそうで、陽は心の中で叫びまくりながら氷柱を発動させる。
 一匹二匹では決してきかない量のGが氷柱に冷凍保存。
「陰陽師でほんと良かった……えいっ!」
 氷柱を逃れて壁を這いずるGに、持ってた瓦版を丸めて陽はひっぱたく。
 ぺしっと小気味良い音と共にGは天へと召されていく。
 そして――
「……うおっ?!」

 ずがんっ!
 
 本能的に避けた陽が居た場所に、何かが撃ち放たれた。
 恐る恐る振り返ると、部屋の外からこちらを伺う錯乱巫女・鳩羽が!!
「……お、お邪魔してま〜す……うあっと?!」
 
 ずがんっ、ずがん、ずがんっ!!

 挨拶をする陽に鳩羽の連撃が止め処もなく打ち込まれる。
「何か虫けらを見るような目で見られてるんだけど……」
 気のせいだよね?
 Gを殴りたいのがたまたま陽の方にも流れ弾がきているだけだよね?
 そんな陽の願いもむなしく鳩羽の目はまっすぐに陽を捉え、そしてその手には破邪剣が出現!
「無理むりむりむりっ!」
 ぎりぎりのぎりぎりで鳩羽の剣を交して、陽は思いっきり呼子笛を吹きながら鳩羽の横をすり抜けて廊下に走り出す。


「この音は、鳩羽?!」
 Gをおびき寄せる為の罠を桜狐に預け、鳩羽を捜していた恋華は呼子笛にはっと顔を上げる。
(此れ以上、泣かせはしないから)
 呼子笛の音を頼りに、恋華は全力で駆けてゆく。


「いつもの慈悲深き鳩羽様は何処にいかれたのですか! Gはわたくし達が処分しますから、しっかりなさいませ!」
 さまよう鳩羽をその目にした瞬間、マルカは叫ぶ。
 だが鳩羽には動くもの全てがGにしか見えないのだ。
「「「危なすぎるのニャー!」」」
 鳩羽に近づこうとするマルカを、榴遊とその仲間の猫又達が足元から救うように抱きかかえ、全力で引き離す。
「ちょっと、榴遊さんっ?!」
 じたばたと抵抗するマルカだが、大量の猫又達に御輿のように下から身体を支えられて移動しているから下手なことをすると落っこちそう。
「「「みたらし団子〜」」」
「えええっ」
 鳩羽も大事だが、榴遊にとってはみたらし団子も大事だったのだ。
(浅葱様がいらっしゃるし、鳩羽様のことはお任せしましょう)
 ぷにぷに肉球の柔らかさを背中に感じながら、マルカは苦笑する。
 

「鳩羽ちゃん?!」
 Gを粉砕しないように器用に刀で切り捨てていた村雨は目を見開く。
 そこには、泣きながら刀を振り回す鳩羽が!
 幸い、鳩羽はまだ村雨に気づいていないが、その目線は家屋を這いずるGにまっすぐに注がれている。
(盾になるしかないよな、これ!)
 咄嗟に背水心を決め、鳩羽が精霊砲を撃ち放った瞬間Gと鳩羽の間に割ってはいり、村雨は両手を大きく広げる。
 その身体に決まった精霊砲は思いっきり村雨を直撃、村雨は家屋に叩きつけられた。
 だが家屋そのものに攻撃があたるよりも遥かに家屋へのダメージが抑えられたはずだ。
 村雨はよろりと立ち上がり、鳩羽を押さえるために懐に忍ばせておいた縄を手にする。
 だがその瞬間、まったく思いもしなかった方角から攻撃が!
「「「攻撃は許さないニャーーーーー!!」」」
「こ、攻撃じゃないっ、話せばわかる話せば……アーーーーーーーーーーーーーッ!」
 鳩羽を見守っていた猫又が数十匹で村雨に覆いかぶさる。
 ぶぎゅるっと嫌な音を立てて村雨は猫又達に押し潰された。


「見るのも嫌ですけど、さっさと退治してしまいましょう。鳩羽のためにも自分自身のためにも……」
 そういいつつも、桜狐のその目はGからそっと逸らされていたり。
 恋華から預かった竹筒の蓋を開けると、何処まで臭うのかと言いたくなるほどの強烈な葱の香りと食用油、生臭さも併せ持った練り物団子が出てくる。
「うぅ……辛いです……」
 既に桜狐に寄ってきているGを涙目で迎撃し、桜狐は練り団子をGが好みそうな、それでいて撃破しやすそうな場所に設置していく。
 目の前で練り団子に群れていく真っ黒い塊に気が遠くなりながら、桜狐は霊魂砲を放つ。
 だがGもただでやられはしなかった。
「はぅ?! 来ないでください、それ以上来ないでください……」
 臭いがついているせいだろう。
 桜狐にまでじりじりとGが詰め寄る!
「お願い、来ないでえええええええっ……っ!!」
 大きな黒い瞳に大粒の涙を貯めて、桜狐は霊魂砲を連打しまくった。 


(呼子笛は此方のあたりだったわ)
 曲がり角で恋華は壁を背に懐の小石を角の先に放る。
 その瞬間、小石が爆ぜた。
 鳩羽が迎撃したのだ。
 そう、廊下を曲がった其処に鳩羽がいる!
 恋華はきゅっと唇を引き結び、曲がり角を飛び出すと鳩羽が迎撃するまもなく駿脚、一気に鳩羽との距離を0に。
「鳩羽、鳩羽。私よ、良い娘だから落ち着きなさい……!」
 恋華は危険極まりない鳩羽のその頬を、両の手で優しく包み込む。
 Gなど見えぬよう、鳩羽の顔をまっすぐ見つめ、その橙色の目線を恋華ただ一人に注ぐように。
 鳩羽の見開き曇っていた瞳孔が、恋華を映す。
「†恋華†」
「そう、そうよ、私よ、鳩羽!」
 正気に戻った鳩羽を、恋華はギュッと抱きしめる。
 だがまだ周囲にはGが居る。
「いい? 決して目を開かないで。私があなたを守るから」
 恋華の言葉に鳩羽は頷き、硬く瞳を閉じる。
 そんな鳩羽に恋華はマルカから渡されていた香水を使う。
 優しい香りが鳩羽と恋華の鼻腔をくすぐった。
 恋華はGを避けながら鳩羽の手を繋ぎ、既にGが退治された場所へと移動する。


●終わりよければ全てよし
「ほぼ駆逐できたようだな」
 寺の庭の片隅にGのつまった紙袋を埋めて、刃兼は周囲を見渡す。
 あれほど溢れていたGも、開拓者と猫又達の協力で綺麗に消え去っていた。
 だがそれはあくまで見えている部分。
 やつらはありとあらゆる所に潜めるのだから。
 庭の中心に立つ刃兼にみんなの視線が注がれる。
 覚悟を決めて、刃兼はすうっと息を吸い込むと渾身の力で咆哮発動!!!
 瞬間、何処に潜んでいたのかぶわっと庭に黒い影影影!
「ひっ!」
 生理的に合わない存在だと認識していたマルカだが、刃兼に群がるそのおぞましさに小さく叫ぶ。
「俺も叫ぶぜ、Gーーーーーーーっ!!」
 ずーるずーると猫又を背に載せたまま這いずる村雨も咆哮発動!
 刃兼に群がろうとしていたGはくるっと向きを変えて動けない村雨に!
 背中に乗ってた猫又達が全力で村雨を踏み台にして逃げていく。
「Gは、滅すべし……っ」
 既に泣きつくした桜狐が渾身の一撃を村雨ごとGに撃ち放つ。
 すでに猫又達に痛めつけられていた村雨はGよりも虫の息。
 そして自身に来ていたGを処分した刃兼も村雨に群がるGを極力村雨を避けながら撃破!
「鳩羽、決して目を開けないでね」
 恋華は庭から離れてはいるものの、最後の仕上げをしていることを感じ取り、鳩羽に声をかけて握る手に力をこめる。
 

「なんというか……災難だったな」
 全てが完璧に終わって。
 刃兼は猫又と、そして恋華に手を引かれて現れた鳩羽に労いの声をかける。
「†謝†」
 鳩羽は、何が起こったのかを理解し、開拓者皆に深々と頭を垂れる。
 そして瀕死の村雨に治癒を施した。
 間違って終りへの階を使いかけたのは秘密だ。
「皆様お疲れ様でした。パンプキンパイと紅茶をご用意させて頂きましたわ」
 マルカがみんなに紅茶とパイを振る舞い、猫又達も嬉しそうに尻尾をピンと立てる。
「もう一生分のGを見た気がします……」
 恋華にぎゅーっと抱きついて、桜狐はくったり。
「さ〜此処からまた一仕事よ♪」
 一休みしたらお片づけしましょうねと、恋華は桜狐を撫で撫で。
「う〜っし、お兄さんに任せンしゃい。片づけなら得意だぜ〜」
 陽も腕をまくって力こぶしを作ってみせた。
 みんなで片付けた寺院は、壊れる前よりも綺麗になって、戻ってきたお坊様達もとても喜んだ。