★あなたなんて大嫌い★
マスター名:霜月零
シナリオ形態: ショート
相棒
難易度: やや易
参加人数: 7人
サポート: 0人
リプレイ完成日時: 2011/04/11 05:49



■オープニング本文

「ちょっと聞いて!」
 ばんっ!
 開拓者ギルド受付で、ロリぷに少女は机を叩いて叫ぶ。
 むしろ叩くというより乗っかる勢いだったりするのだが、ちみっ子過ぎて乗っかれない。
「‥‥ロリコン趣味はないのよぅ?」
 迎えるギルド受付嬢・深緋はロリっ子に実にそっけない。
 自慢の簪を磨く手を休めもしない。
 イケメンじゃないからってあんまりな。
「そんな趣味あったらぶったたいてるわっ。そんなことはいいの、問題はダーリンなのよ!」
 だんだんだんっ!
 手だけじゃ物足りないのかロリっ子、ぷにぷにあんよで床をだんだん!
「床、抜けそうねぇ‥‥」
 そんなわけないのだが、わざとらしく深緋は溜息をつく。
「うんもうっ。ダーリンはねぇ、志体持ちの開拓者で、超! イケメンなんだからっ!!!」
「イケメン?!」
 ふふんと勝ち誇ったような顔のロリっ子に、深緋、興味津々。
 イケメンと聞いたら身を乗り出さずにはいられない。
「うんうんうん。ダーリンはね、魔術師なの。どんなアヤカシだってやっつけられるのよ? だけど‥‥」
「だけどぉ?」
「臆病者なの!」
 ロリっ子、ぷーっとほっぺたを膨らます。
 イケメンで魔術師で強くて臆病で(たぶん)ロリコン。
「‥‥それ、イケメン?」
「あったりまえよ! みてみて、かっこいいでしょう? お父様のお抱え絵師に描かせたのよ」
 いそいそと、ロリっこはうさぎのポーチから手の平サイズの絵姿をだす。
 そこに描かれた青年は優しげに微笑んでいて、絵の通りならば正にイケメンだろう。
 ただし、華奢すぎて深緋の趣味とは少し離れてはいたが。
「優しそうなダーリンじゃなぁい。臆病でも顔が良ければいいのよぅ?」
「だめ、よくない! わたしのお婿さんは、最強じゃなくちゃいけないの! だからダーリンには、アヤカシを退治しに行って欲しいのよ」
 どん!
 うさぎのポーチから、受付のカウンターに紙袋を取り出すロリっ子。
 なんだか甘い香りが漂っている。
 深緋が中を覗くと、金貨の換わりに金貨模様のまあるいクッキーが一杯詰まっていた。
「これで雇えるだけ開拓者をやとって、ダーリンと一緒にアヤカシを退治してきて。ダーリンに根性をつけてもらうの!」
 えっへんとふんぞり返るロリっ子は、どうやら見た目だけでなく正真正銘のロリっ子だったらしい。
 開拓者は実年齢と見た目が大きく離れているものも多いから、本当の子供がギルドに一人で紛れてくるとは思わなかった。
「ねぇ? ダーリンの何が臆病なのぉ? アヤカシ退治が出来なくとも、自分のできる事をすればいいのよぅ?」
 子供と判れば流石に鬼畜風味な深緋でも蔑ろには出来ない。
 カウンターからくるりと回って出て、屈んでロリっ子に目線を合わせる。
「だって、ダーリンはほんとは強いのよ? ゆーりが襲われてた時助けてくれたんだもん‥‥。なのに! ずっとお手伝いみたいなことしかしないのよ」
 ロリっ子、悔しいのかちょっぴり涙目。
 よくよく聞くと、ダーリンことシュヴァイツ・クーレハイトはアヤカシを倒せる力があるにもかかわらず、街角のおばあちゃんの荷物もちとか、町の人のお引越しの手伝い、お掃除やら買い物やら、手紙を届けるといったおよそ開拓者でなくとも出来そうな依頼ばかりをしているらしい。
「ダーリンは臆病病にかかっちゃったのよ。だから、アヤカシをみんなで退治してきて!」
 えぐえぐ駄々をこねるロリっ子の頭を撫でて、深緋は依頼書を作成してみるのだった。
 


■参加者一覧
雲母(ia6295
20歳・女・陰
ラシュディア(ib0112
23歳・男・騎
百々架(ib2570
17歳・女・志
ジレディア(ib3828
15歳・女・魔
蒼井 御子(ib4444
11歳・女・吟
マルカ・アルフォレスタ(ib4596
15歳・女・騎
アナス・ディアズイ(ib5668
16歳・女・騎


■リプレイ本文

●事前調査は大事かも?
「―― ってジレディアさんにラシュたん?! 二人そろってどう‥‥って依頼だよねー」
 開拓者ギルドに訪れた蒼井 御子(ib4444)は、先にギルドに来ていたジレディア(ib3828)とラシュディア(ib0112)がいることに気づいて声を上げる。
 自己解決気味だが緑の猫目を丸くして驚くその様子から、彼らが二人でいる事は余程予想外だったのだろう。
「魔術師のジレディアと言います。よろしくお願いします」
 みんなに挨拶をしていたジレディアは、側に寄り添うラシュディアをチラッと見つつ、驚く蒼井にも控えめに会釈。
「小さな子が悩んでるって聞いてね。大切な妹と相談に乗れたらと思ってね。子供の我侭‥‥とも言えるかもしれないけど、彼女なりに真剣なんだろうと思うし」
 大切な妹、の言葉にジレディアの丸い眼鏡の奥の瞳が曇ったが、それはほんの一瞬の事。
 ジレディアはすぐに町の人々へ事情を聞きにいこうと、ラシュディアを促す。
 そんなラシュディアにちょこちょこっと駆け寄って、蒼井はその耳にこそっと質問。
「ラシュたん、ラシュたん。依頼人につられて、ってのは無いよね?」
「?!」
「ほら、前科があるとはいえ、さすがに依頼で、ってのはマズイよ? せめて依頼終わってからにするといいよー」
 ウキウキわくわくという擬音がつきそうな蒼井の表情と妄想にラシュディア焦りまくり。
「前科って何?! 一体何の話‥‥いてっ?!」
「失礼。足元が見えませんでした」
 思いっきりどう見てもがっつりラシュディアの足を『ついうっかり』踏んだジレディアは、目が笑っていない。
 苦笑しながらラシュディアは彼女と共に情報収集へと町へ繰り出す。
「件のお子様はどこだい? 少し話をしたいんだが」
 煙管を吹かしながら、雲母(ia6295)がギルド員に尋ねる。
 ギルドの受付周囲にはそれらしいお子様はいないのだ。
「ユーリちゃんならこちらですよ」
 ほんと可愛いといいながらユーリを抱っこして、百々架(ib2570)がギルド受付に戻ってくる。
 どうやら駄々っ子ユーリにせがまれてギルド探索に付き合っていたようだ。
「色々我侭なのも歳相応と言うところかね」
 百々架に抱っこされてご機嫌なユーリを見て、聞こえないようにこそっと苦笑する雲母。
 そしてちょこっと屈んで百々架の腕の中のユーリに説教。
「とりあえず。戦う事を避けるのを臆病とは言わないのだが?」
 むろん、ユーリがそんな言葉に納得するはずもなく、知らないもんと不貞腐れるのも雲母には予想済み。
 だから、心に留めて置いてくれればと付け足し、それ以上は無理に納得させようとはせずにギルドを出て行く。
「ユーリさんには私もお聞きしたいことがあるのです。シュヴァイツさんが貴方を助けたとき、周囲にはどんな方がいらっしゃいましたか?」
 アナス・ディアズイ(ib5668)は雲母を追いかけようと百々架の腕の中でじたじたするユーリに尋ねる。
 問題はユーリをどうやって納得させるかだと考えているアナスだが、ユーリもユーリの愛しのダーリン、シュバイツについても何も知らないのだ。
 だから、二人を良く知るためにも情報収集に取り掛かる。
 ユーリが言うにはユーリの家の執事とメイド、従姉妹のフレッタ、それと、ちょうど市場にいた奇術団に花売りの少女と、目撃者多数。
 これならば情報収集は容易だろう。
 市場調査をしたあとユーリの家に向かえば丁度良さそうだ。
 

●ただ今ロリっ子の両親説得中☆
「ロリコン、という言葉がよくわからないのですが、大根の親戚でしょうか‥‥?」
 自分が棲んでいた実家よりも少し小さな、けれど質の良い調度品で揃えられたユーリのお屋敷の客室で、マルカ・アルフォレスタ(ib4596)は花瓶を撫でる。
 滑らかな質感の白い花瓶には緑のエクレールが飾られ、マルカを柔らかいオールドローズの香りが包む。
 長く丸みを帯びた花瓶のデザインと、そこに飾られた緑のエクレールが全体的にどことなく大根を彷彿とさせるのはきっと気のせいだ。
「こらこら、ユーリちゃんお行儀悪いよ?」
 ソファに腰掛ける百々架の膝の上に乗ったままクッキーを食べるユーリに、百々架はちょこっと注意する。
 でも膝から下ろす気はない。
 ユーリもだが、百々架もユーリを気に入っているようだ。
 アナスも少し遅れてこの屋敷を訪れているのだが、屋敷のメイドに事件の詳細を聞く為に別行動。
「貴方は御自分の理想を演じて下さるお方でないとお慕いできませんか?」
 百々架の膝の上で足をぱたぱたさせているユーリに、マルカは優しく問いかける。
 問われたユーリはちょっとだけ考える。
 臆病病にかかってしまったかのように思えるクーレハイト。
 けれど彼を嫌いかと問われれば、答えはNO。
「本当に心からクーレハイト様をお慕い申し上げておられるのなら、ご自分の思いだけを押し付けてはいけませんわね」
 マルカの言葉に素直に頷くことはできずとも、ギルドで言われた雲母の言葉と共に何かがユーリの心に残ったのは確かだろう。
 三人でソファに腰掛け、ユーリと戯れているとユーリの父親が大変お待たせいたしましたなと執事と共に部屋に入ってくる。
 銀髪ではなく明らかに白髪な彼は、12歳のユーリの父親にしては随分とご年配。
「初めまして。わたくしはマルカ・アルフォレスタと申します。この度はご息女の同行許可を頂きに参りました」
 ソファーから立ち、マルカの育ちの良さが伺われる言葉遣いと格式ある礼に、ユーリの父親も深礼を返す。
 だがマルカと百々架の提案にはなかなか頷かない。
 それもそのはず。
 ユーリは男ばかりの子供達の中で、もう諦めかけた頃にやっと生まれた女の子で、本当は一人で外出すらさせたくない程らしい。
 それもこれも可愛い娘を万が一にも危険に晒したくない為で、なのにアヤカシ退治に同行するなど言語道断。
 どうしたって渋面になる紳士に、百々架はにっこりと笑顔を崩さない。
「お父様。いくら愛しいと言えどこのままずーっと箱入り娘状態を続けて行くと‥‥」
 一生、彼女を一切の危険から遠ざけることなど土台無理な話なのだ。
 何一つ怖いものを知らず、向こう見ずに我侭に。
 そんな娘に育ってしまうかもしれない。
 百々架の笑顔の威圧感に押されつつ、そしてマルカの「決して危険な目にはあわせませんから」という誠意ある言葉、そして愛する愛娘の願いで彼は折れた。


●アヤカシ退治はさくさくと
「‥‥なんだか、少し親近感を覚えるのはなぜだろ〜か?」
 ジレディアと共にクーレハイトの情報を集め、裏山に集合したラシュディアはそんな呟きを漏らす。
 この裏山はそれほど大きくもなく、問題のアヤカシも雲母の事前調査によれば剣狼がたったの4匹。
 正直、雲母一人で偵察がてら即座に殲滅出来たのだが、クーレハイトにアヤカシ退治をさせれなくなるのでそのまま放置。
 相手の数と場所が判っているので、自然、山登りもピクニック風味。
 緊張感などはなく、足取りも軽やかに雑談交えて和気藹々。
「クーレハイトさんとラシュたんはロリコン仲間だもんね♪」
 近親感沸いてとーぜんだよねと頷く蒼井に、ラシュディアは真っ赤になって反論。
「って、疑惑を持たれてるって事に、だよ?! 俺はロリコンじゃないからなっ!」
 全力否定するものの、たぶん蒼井の耳には届いてない。
 そしてユーリの愛しのクーレハイトは、ロリコン疑惑については微笑むだけで特に否定も肯定もせず。
「さっすが魔術師さん、だね! カッコイイなぁ‥‥」
 落ち着いた大人の男性・クーレハイトに蒼井はべた褒め。
 ユーリはクーレハイトがアヤカシ退治にきてくれたのがよほど嬉しいのか、蒼井に駆け寄ってダーリンの良さについて喋りだす。
「アヤカシをどうしても退治しなければいけませんか」
 ずっと聞きたかったことなのか。
 ジレディアが惚気るユーリに尋ねる。
「あなたとその人がどういう時を過ごしてきたのか、私にはわかりません。でも‥‥こうして傍にいてくれるならそれ以上なにを望む事があるんですか?」
 クーレハイトがアヤカシ退治に参加することになったのは、情報収集を終えて、これならば確実にアヤカシ退治に連れて行っても大丈夫だろうという判断の元、ラシュディアとジレディアがクーレハイトの元を尋ねたからだ。
 そしてその時にはアナスと百々架、マルカも同席。
 ユーリを危険に晒す気などは欠片もないクーレハイトは、彼女が来ると聞いて即座にアヤカシ退治を承諾したのだ。
「‥‥だって。ダーリンかっこいいんだもん」
 雲母とアヤカシの形状について話しているクーレハイトをチラッと見て、感情のままに不貞腐れるユーリ。
 何をしていてもユーリにとって格好の良いクーレハイトは、アヤカシを退治したときが一番格好良かったのだと。
 だから、ダーリンのそんな姿が見たいのだと。
「子供ですね‥‥」
 ユーリに聞かせるわけでなく、独り言を呟くジレディア。
 その言葉は自分の胸に突き刺さってしまったようだ。
 今でこそ元婚約者―― ラシュディアと共に暮らして和解しているものの、側にいられなかった二年間は‥‥。
 軽く頭を振って、ジレディアは蒼井と仲良くじゃれあってるように見えるラシュディアから目を逸らす。
「個人的な意見ですが、シュヴァイツさんは嗜好が残念な部分以外は臆病ではなく、単にお優しい方なんじゃないかと思います」
 クーレハイトの目の前で、きぱっとユーリに言い切るアナス。
 アナスの集めたクーレハイト情報によれば、依頼はもちろんの事、それ以外にも町中の人のお手伝いをいつもしているようなのだ。
 常に笑顔を絶やさない柔らかいその雰囲気からも優しい人であることに間違いはないのだろうが、嗜好が残念って、ねぇ‥‥?
 けれど言われたユーリも聞こえているであろうクーレハイトもぜんぜん怒らない。
「そろそろ剣狼の縄張りだよ」
 煙管を軽く上下させ、雲母が皆に知らせる。
 それと同時に街道横の木々が蠢いた。
「情報通りですわね。剣狼四匹。退治させて頂きます!」
 ユーリの護衛をクーレハイトに任せ、前衛にでるマルカ。
 四匹の剣狼は開拓者達を見、その実力差にも気づかぬまま威嚇してくる。
(之ぐらいなら一人でも確かに余裕だなぁ‥‥退屈といえば退屈だが)
 無謀にも雲母に突っ込んできた剣狼の腹に銃弾を軽々と撃ちこみふっとばし、余裕で次の弾を装填する。
 本当にサクサクと倒せる敵なのだ。
 だがクーレハイトに止めを刺させる為、アナスもあえて急所は狙わず、ベイル『翼竜鱗』でユーリとシュバイツを守る障壁を作り出し、剣狼の温い牙を防ぎながらシールドノックで弱らせてゆく。
「ジレディーに近づくな!」
 蒼井を見ていて一瞬動きの遅れたジレディアを狙った剣狼に、ラシュディアのクナイが突き刺さる。
「‥‥ありがとう」
 聞こえるか聞こえないか、本当に小さく無表情に呟いて、ジレディアはサンダーで剣狼に止めをさす。
 本当は、もっとちゃんとお礼を言いたいに違いないのに。
 冷静に見えるジレディアに、怪我はないかと尋ねながら、ラシュディアはその背に彼女を庇う。
「んー‥‥お師さんなら上手い事言えるんだろうけどなぁ‥‥」
 共鳴の力場を奏でて、蒼井は仲間の防御と抵抗を高める。
 そして開拓者達が弱らせた剣狼に、クーレハイトの作り出した灰色の球体が生じ、瞬時に剣狼は灰と化した。
 

●ハッピーエンドはらぶらぶで♪
 クーレハイトがアヤカシを倒したことでユーリは超ご機嫌。
 ダーリン、手作りなのよなどと言いながら、コイン模様のクッキーを押し付けている。
(‥‥ああいう風に感情のままに振る舞えたなら‥‥何か変わったのでしょうか‥‥)
 大好きだという感情を隠しもせず、クーレハイトに笑うユーリの振る舞いに、ジレディアは眩しげに目を細める。
「ジレディー、何か眩しい? ‥‥うおっと!」
 ちょこっと心配気に顔を覗き込んできたラシュディアを、ジレディアは真っ赤になって突き飛ばす。
「ごめんなさい、ついっ! ‥‥そうです。転ばないように、手をつないであげます」
 慌てて突き飛ばしたラシュディアにジレディアはそっぽを向いたまま手を伸ばす。
 一瞬きょとっとしたラシュディアは、すぐに微笑んで彼女の手をとる。
 クーレハイトがユーリにしているように。
 耳まで真っ赤になって、でもクールさを装うとしているジレディアは、とても愛らしかった。  
「わたくし、クーレハイトさんにお聞きしたいことがありますの。それほどのお力がありながら、なぜアヤカシ退治をあまりお受けしませんの?」
 マルカの問いに、みな、振り向く。
 そう、クーレハイトが剣狼に放ったスキル。
 あれはかなり上位のもので、中級アヤカシにも十分通じる威力なのだ。
 皆で集めたクーレハイトの情報と照らし合わせても、そして今回のアヤカシ退治でも、彼には臆病なところなど見受けられず、実力もある。
 それ故、何故アヤカシ退治を引き受けないかという疑問が残るのだ。
 そして微笑みながらクーレハイトが答える。
 ギルドでのアヤカシ退治は人気で、いつも街中依頼が長く多く残っているのだと。
 アヤカシも、町の人のお手伝いも、どちらも困っている人がいる事に違いはなく、クーレハイトにはどちらの依頼も大切なのだと。
「助ける心。守る心。戦う心。どれも貴賤はない‥‥うん、ようやく分かって来たよ。お師さん」
 クーレハイトの言葉に、蒼井はうんうんと頷く。
 ユーリも、ダーリンは優しいんだからといいつつ、そんなダーリンもやっぱり好きだわと幸せ一杯に微笑んだ。