タイトル:愛の形、憎しみの匂い3マスター:

シナリオ形態: シリーズ
難易度: 不明
参加人数: 4 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/05/28 04:28

●オープニング本文


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 青い空が何処までも続き、雲もまばらな快晴。そんな空の下、女性が大きな荷物を背負い歩き続けている。マリア・ケミカーである


「マリアに会うのも久しぶりね。しかも、記憶の手掛りが見つかったみたいだし、私も協力してあげなくちゃね!」

 気合の入った独り言を言いながら、右手に持った地図を確認しては先に進む。ピクニック日和だが、目指す場所はピクニックで行く様な場所ではない。命を奪い合う戦場だ。


ザワッ‥‥

 ふいにマリア・ケミカーの上を、大きな何かの影が通り過ぎる。気を緩めて居た為なのか、それとも大きな何かが慎重であったのか‥‥。それが何であるかに気がつく前に、思い知らされる事になる。


ガガンっ!

「っ! きゃぁ!」

 何かの襲撃に、マリアは弾き飛ばされてしまう。辛うじて受身を取り、即座に立ち上がるが、左肩から血が流れる。


「久しぶりだ。マリア・ケミカー、元妻よ」

「ロビン!」
(口調が滑らかになってる‥‥以前と雰囲気も違う!)

 以前斬りおとされた手は、手首から先が金属光沢を放つ以外は元の手の形を取り戻している。しかし、その指の一本には血がついていた。明らかに普通の義手ではなさそうだ。


「罠を張って待つだけかと思っていたわ。まさか、こんな奇襲もしてくるなんてね」

「なぁに、準備が整っただけですよ。私の手に入れたこの体には、特別な力も何もありませんでしたからね。だが、武器も兵も手段も手に入れた」

「武器‥‥は、その手の義手ね。しかも、ご丁寧に両手を義手にしたのね」
(喋りは滑らかだけど、口調が安定してないわね。キャラの模索中?)

 ロビンが笛の様な物を吹く。しかし、音は聞こえなかった。


「こいつは、特注の虫笛と言った所だ。数キロ先まで音が届くが、普通の人間には聞こえない。あくまで、私の兵にだけ聞こえる音にしてある」

ドドドドドドッ

 地響きと共に、多くの虫型キメラが集まってくる。


「どうだ? お前に指摘された、間違った虫の知識‥‥それは逆に、こんな馬鹿げたキメラの、馬鹿げた強さのキメラを作る為には大いに役に立ったよ」

 ロビンの兵として現れた虫たちは、それぞれが既存の虫とは違っていた。見た目はムカデの様ではあるものの、牙ではなく角が生えていたりと‥‥。


「外見と実際も違うし、他にも色々違いは多そうね」
(間違った知識でも、使い方次第なのね。なんだか、尊敬すらしちゃうわね。でも、これは危険過ぎる)

「ここでお前一人倒すのは容易だ。と思っていたが、どうやらお前も既に人間ではなさそうですね」

「そうね、私も人間やめてみたわ。ロビン、あなたを倒す為に!」

 荷物を投げ捨て、銃を構える。本来なら両手で構える‥‥だが、怪我をした左手で構える事は出来なかった。それほどに傷がひどい様だ。

パパパパパン!

 右腕だけでも、見事な早撃ちで狙った獲物を打ち抜いていく。だが、狙った物の中にロビンは入っていなかった。


ぶわっ!

 マリアが狙ったのは、周囲の木々であった。その衝撃などで、風下のロビン達へと木の葉が降り注ぐ。


「ここは一旦退却っと」

 怪我をした左肩を押さえながら、あえて元来た道へと戻っていく。この道の先に逃げれば身を隠す場所も多いのだが、そこはマリア・16の記憶の手掛りがあるという場所に近づく事になる。それでは、迷惑をかける恐れが高い。


「マリアよ! まだこの声が聞こえるならば聞け! 私はここで待っている。せいぜい大勢の仲間を引き連れてやってくるがいい!」

(追ってこないの!? あんな所で待たれたら、邪魔なだけじゃない!)

 しかし、怪我をしていなくとも一人では無理である。それが現実であった。十分に離れた事を確認し、傷の手当てをしながら、マリア・16へと連絡を入れる。自分が向かっていた事、そこに現れたロビンの事、居座っているロビンの事など、詳しく説明していくと、意外な返事が返ってくる。


『私も私で、他の傭兵に協力してもらってる。その傭兵の人に頼んで、マリアの助けになってもらうわ。それなら、前みたいに罠を張る時間も潰せるし‥‥』

「大丈夫なの? そんな事して‥‥」

『マリアとロビンの二人を利用させてもらうわ。そっちで、大規模な戦闘でもして頂戴。たぶんだけど、その戦闘が始まれば、敵のアジトにも‥‥』

 マリア・ケミカーとマリア・16によって、作戦が練られていく。

●参加者一覧

終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
トゥリム(gc6022
13歳・♀・JG
レスティー(gc7987
21歳・♀・CA
ヴァナシェ(gc8002
21歳・♀・DF

●リプレイ本文

 羽音や地を這いずる様な音が絶える事なく続き、木々のざわめきと混ざりあう。まるで、都会の雑踏を想起させる‥‥異様で不気味な雰囲気を纏って居る事を除けばだが。


ブブブブブ

ロビン・ケミカーの眼前を虫が飛び回り、ぐるぐると何周かすると飛び去っていく。


「思いのほか、待たせるんだな」

 やや、疲れた声色でロビンがため息交じりでつぶやく。マリアが戻ってくると確信していたとは言え、これほどに時間がかかるのは予想外だったのだ。


「始めるか‥‥」


●それは「奇」

 山道を早足で進む一団。マリア・ケミカーとトゥリム(gc6022)とレスティー(gc7987)の三人である。マリアの怪我は、トゥリムが出発前に治療はしたものの完全ではない。


「‥‥くっ!」

 一瞬、痛みで表情が歪ませるマリア。だが、なおもその駆ける速さは衰えない。


「貴女の気持ちは解ります。ですが、ここは私達を信じて下さいませんか?」

 マリアの背後から、レスティーがその無理を柔らかく制止する。それも仕方がない‥‥すでにマリアの目は周りを見ていない。まっすぐに前を見据え、見えているのは過去の遺物‥‥それはロビン・ケミカーという名を持つ、中身は別の存在。


「わざわざケミカーさんに顔を見せにくるなんて‥‥意図は何だろう」

 トゥリムの疑問、それはマリアも同じである。なぜ、事ある毎に? そして、いつも揺さ振ってくる。心を、そして道を。


「ロビンは、悪質な構ってちゃん‥‥?」

 トゥリムが、そう漏らす。‥‥だが、完全に否定は出来ない。マリアを倒そうと思えば、倒せた‥‥。そして、今もまた不必要と思える戦闘を仕掛けてくる。


「キメラが来ますわ」

 レスティーの警告が三人の気を引き締めさせる。


「‥‥あははは、考えるの止めましょう。このキメラの群を見たら理解なんて無理な気がしてきたわ」

 マリアが乾いた笑いで、銃をホルスターから抜いて構える。


「盾‥‥いえ、なんでもないです」

 以前に盾の使い方を教えたトゥリムが、マリアが銃だけを構える事に不満を漏らす。


「大丈夫よ、せ・ん・せっ。それより‥‥」

 マリアの笑いの原因。既存の虫のそれとは微妙に違った姿をしている、虫キメラの姿である。現れたタイプは主に、羽虫タイプ。
 以前から居た「ウスバカゲロウ」。しかし、幼虫であった「アリジゴク」の姿を残し、その顔にあたる部分には大きな牙が見える。
 最も多く居るのは「ハチ」である。それも、サイズは至って普通。外見は普通のハチであるにも関らず、一番前を陣取っている。何か能力があって当然だろう‥‥


「まず、ロビンのお友達からの自己紹介と言った感じね。」

 その目的も、その外見も、その力も、敵の全てが奇妙な戦いが始る。奇妙な関係の二人を取り巻く戦いが‥‥


●マリアからマリアへ

 マリア・16から、マリア・ケミカーへの戦力の提供、という形で参戦する者もいる。終夜・無月(ga3084)とヴァナシェ(gc8002)の二人である。戦力的にはかなり大きな戦力である。二人にロビン部隊への奇襲を依頼し、マリア・16も準備に入る。


(これで、大きな戦闘になれば‥‥こちらにとっての陽動にもなるわ。一石二鳥かしらね。利用しちゃった事は後で謝っておかないと‥‥)

 静かにそして迅く、終夜とヴァナシェは山道を駆け下りていく。マリア・16の部隊に気が付かれては、全てが台無しである。まずは、出来る限り敵の中央に入り込み、あくまでマリア・ケミカーの別働隊と思わせる必要があるからだ。幸いにも、ロビンは背後からの奇襲に配慮しておらず、虫キメラ兵の姿はまったく無かった。


「見えた。ロビンだ」

 終夜が遠目にロビンの姿を視認する。距離的には十分である、が‥‥


ふわぁっ‥‥

 急に見えない何かが顔に触れた感じがする。目を凝らすと、陽の光に照らされて光る糸の様な物が漂っており、それが顔に触れたのだ。


「蜘蛛の糸?」

 ヴァナシェが顔に付着した糸を確認する。確かに蜘蛛の糸であり、それが何を意味するかをすぐに身を以って知る事となる。


キィィィィィ!

 樹上に居た子猫程の蜘蛛キメラが、奇声を上げている。


「しまった! 警戒用の罠か!」

 蜘蛛の奇声で、一斉に敵の視線が二人へと向けられる。それが終夜の判断が正解であると告げている。
 ロビンもまた奇襲に驚きは隠せず、即座に周囲の虫キメラに自分を守らせる。


「どういう事だ、何故背後から‥‥。しかも、マリアより先に来るとは」

 ロビンの姿が、瞬く間に虫キメラの壁により見えなくなる。ここまで近づいた意味がなくなってしまう。終夜が一気に行動に移る。その気配を察し、ヴァナシェが終夜から距離を取る。


ズガァァァァン!

 終夜の周囲が抉り取られる。大技とも言える十字撃である。その跡には、多くのキメラの死骸が原形を留めることなく散らばっていた。ただ一箇所を除いて。


「まったく、一瞬で私の兵達がやられるとは」

 真っ黒な塊がそこにはあった。十字撃の攻撃に耐えるだけの堅さがあったのだろうか? そこには、ロビンを守る様に塊となった虫キメラの『壁』が存在し、ロビンを完全に守りきっていたのだ。しかし、一瞬でキメラが集まったと言うのだろうか?


「こんな攻撃を何度もされては、目的を果たす前に撤退を強いられてしまうじゃないか。君達はこいつの相手でもしてるがいい。せいぜい、慎重に戦う事ですよ」

 ロビンの足元から、黒い何かと白い何かが一斉に這い出してくる。それはとても小さく、一見すると『アリ』の様であった。勿論、ただの『アリ』であるわけは無い。


「あれは‥‥」

 ヴァナシェがFFの確認の為に、傍にあった小石を投げつける。投げつけた小石を、不思議な力が弾き飛ばす。


「やはりキメラだな!」
「そうだな‥‥。しかも、普通のアリよりは硬さもかなりあるようだな」

 ヴァナシェが確信し、終夜もまた弾かれた小石から、その防御力の高さを予測する。そして、黒い波と白い波がヴァナシェと終夜を飲み込まんばかりに、じわりじわりと押し寄せてくる。


●再会の激戦


「何ですの? このハチキメラは‥‥」

 レスティーは、ハチキメラの動きに翻弄されていた。非殺傷を心がけていた彼女にとって、ハチキメラの行動は予測の範囲を超えていた。
 ―――玉砕攻撃。それがハチキメラの行動であった。普通のハチと変わらぬサイズでの突進攻撃。しかも、その針には強力な毒。そして‥‥刺したハチはそのまま息絶える。まさに「ハチの一刺し」。


「‥‥ロビン‥‥」

 マリアが呆れ顔でうな垂れる。


「‥‥大丈夫?」

 飛び掛ってくるハチをエルガードで防ぎつつ、トゥリムがマリアを心配している。


「え? あ、ううん。違うの‥‥実は‥‥」

 マリアが言うにはこのハチキメラの行動も、ロビンの生前の間違った知識による物らしいのだ。そもそも、ハチ全体から見れば刺す種類は少なく、さらに刺して死ぬ種類となると、ミツバチくらいである。しかし、ロビンはハチとは全てが毒を持って、刺すと死ぬと思っていたらしい。それを見事にキメラとして作り上げてしまったあたり、妻としては恥ずかしいやら腹立たしいやら‥‥
 だが、ロビンの間違った知識から作られたこのキメラ。相当にやっかいな物になっていた。それは、その数である。刺して死んでしまうのだから、きっとその数はとんでもない数‥‥などというイメージからか、量産しやすく「数」に特化したキメラとなっており、しかもその毒に関しても、ハチ毒特有の様々な毒が混ざった毒液というが厄介であった。


「普通の戦闘方法じゃダメだわ‥‥一旦退きましょう」

 マリアが意を決して撤退を決断する。


(私のわがままで、これ以上みんなを危険に巻き込むわけには‥‥)

 マリアがそう思っている最中。


「あちらから誰か来ますわ!」

 レスティーが指差す方向から、人影がこちらにやってくる。―――ロビン・ケミカーである。


「どうだね? 私のハチ達は。さて、マリア‥‥」

 ロビンがマリアを睨みつけると、ハチ達はマリアへの攻撃を止め、代わりにレスティーやトゥリムへの攻撃の激しさが増す。その激しさに、前に進む事はおろか、その場に留まる事すら困難な状態であった。


―――――――――


 黒いアリと白いアリに囲まれた終夜とヴァナシェ。最初こそは警戒をしていたが‥‥所詮はFFがあっても「アリはアリ」。覚醒など必要なく、普通に踏み潰す事ができたのである。しかも、噛み付かれたとしても、「痛い」で済む程度であった。それでも、脅威は残っていた。


カサッ、カサササ‥‥

 落ち葉や草の上をあるく音が、周囲の至る所から迫ってきている事を知らせる。


「くっ!」

「ちぃっ!」

 終夜とヴァナシェの体に痛みが走る。いつ、どこから侵入してきたのか、服の中にアリキメラが入り込んでいる。二人は急いでそれを振り払う。


「いつの間に‥‥もし、体中に纏わり付かれでもしたら、お終いだな」

 終夜は近寄るアリを打ち払いながら、じりじりと後退していく。ヴァナシェの方はといえば、不殺を信条としているあまり、アリを打ち払う事を躊躇し、既にかなりの距離を後退していた。


シュゥッ!

 空気の漏れる様な音、それと共にヴァナシェに対して糸が絡みつく。幸い咄嗟の判断で、自由を奪われるような事まではなかったが、もし命中していれば‥‥一斉にアリの餌食となっていただろう。


「また蜘蛛か!」

 藪の奥から、一匹の巨大蜘蛛がヴァナシェを狙っている。四方八方からのアリによる数の攻撃、そして動きを止めるための蜘蛛による糸攻撃。


「蜘蛛を先に倒そうにも、アリの群の中に突っ込むのは危険過ぎるか。それでも、アリをどうにか出来る方法もなし。打つ手なしか」

 冷静に状況を判断し、これ以上ロビンを追いかける事も戦う事も難しいと終夜は結論を出す。


「敵に背を向けるのは悔しいが、敵の戦力の調査目的で言えば、それなりに成果はあったので、良しとするか」

 ヴァナシェも渋々納得し、終夜と共に撤退を始める。アリキメラの移動速度は極めて遅く、追ってこられる心配はない。蜘蛛キメラに関しても、アリキメラが居ない場所なら雑魚であり、撤退は容易であった。


●真意、そして


「勝負あったな。お前の仲間はすでに戦線から離脱しつつある。今もっとも戦闘の中心に居るのは、お前だけになった」

 ロビンがマリアに対し、饒舌に勝利宣言をする。


「ふぅ‥‥確かに、これじゃアナタを倒すのはダメそうね。だけど、そこまで欲張りでもないのよね〜」

 得意げな顔するロビンを前に、マリアの表情は笑っている。しかし、もはや後はない。


「わざわざ、私に自慢のキメラを紹介する為に来たわけじゃないわよね。私を殺そうって事なら、とっくにやってるでしょうし‥‥。目的は?」

 話をしながらも、周囲の敵を探っている。今居る敵キメラは、まだ戦闘は行なっておらず、戦闘力は未知数である。ただ、ロビンとの思い出の中にヒントは多く、彼の間違った虫知識と照らし合わせては、キメラの能力を推理していく。


「決着をつけに来た、最初はそのつもりだったのよ。だがな、こうも簡単に終わりが見えると思わなくてな。‥‥正直、このまま止めを刺してしまうのは、犠牲を払ったわりにはつまらなさ過ぎる」

 ロビンの「犠牲」とは、両手の事、キメラの事であろう。両手を見つめ、どこか切ない顔を見せる。


「その様な事、させませんわ!」
「逃げる‥‥」

 レスティー、トゥリムの二人が、傷だらけになりながら飛び出してくる。あのハチの群を強行突破してきたのだ。それに気を取られ、ロビンが一瞬マリアから視線を逸らす。


「はぁっ!」

 その一瞬の隙を突き、マリアが銃を抜いてロビンへと攻撃を仕掛ける。だが、狙ったのは最初の一発だけ。あとの銃弾は、周囲の「あるキメラ」に命中する。


ボンッ!

 鈍い破裂音と共に、キメラが爆発する。


(やっぱり! あのキメラは自爆するアリを大きくした奴だったのね! ‥‥本当に「爆発」を起こすわけじゃないはずなんだけど‥‥)

 このキメラの爆発により、周囲は大混乱となりレスティーとトゥリムに抱えられるようにマリアは助け出される事になる。


「逃げたか‥‥まぁいい。まだ時間はある、はずだ」

 ロビンは混乱する虫達を笛で鎮めると、森の奥へと消えていった。


―――――山の麓

 通信によって、終夜とヴァナシェの無事、そして、マリア、トゥリム、レスティーの無事は互いに確認できた。そして、黒いアリと白いアリのキメラ、ハチのキメラなどの情報がマリアへと報告される。マリア自身も、戦闘中に見かけた虫達の事を思い出しては、スケッチにまとめていく。


「みんな、ありがとう。ハチにさされた人は、しっかり病院に行ってね。私はこれから、この虫達の事調べてみるわ。あのキメラ達は癖がありすぎるものね。普通に戦っていては、勝ち目なんてなさそうだから」

 その後、ロビンの姿もキメラの姿も確認はされず、消息不明となってしまった。そしてマリアもまた、病院での治療後、消息不明となった。
 数週間後、ULTに差出人「マリア・ケミカー」と書かれた報告書の様な物が届いていた。その中には、キメラに関する情報や、予測される能力などが纏められていた。しかし、ロビンの両手の義手の能力や、その目的などは「不明」のままであった。