タイトル:大いなる作業・・・5マスター:優すけ

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/08/03 09:46

●オープニング本文


 全てを溶かす事の出来る液体‥‥一般的に考えられているのは『硫酸』や『王水』、であろう。
 しかし、それはあくまで『溶かす』だけを目的にした場合である。
 彼女が先日手に入れた宝石を『溶解』し、適切な『反応』・『効果』を引き出す為には‥‥


「ふ〜ん‥‥こうして見ると、この宝石って結構綺麗ね。光にかざすと何だか不思議な色が見えるわ」
「ふふ、そうでしょう〜? 私はこの宝石を、お空から降ってきた星さんに例えまして『コメット』と名付けようかと〜♪」
「‥‥また安直な名前をつけちゃって‥‥」
 先日、苦心して手に入れた宝石の原石をようやく加工し終えたリアナは、早速マリーにお披露目をしている。
 キラキラと美しく虹色に光るこの『コメット』‥‥しかし、彼女の研究の為にはこれさえも溶かしてしまう必要があるのだった。
「何だか勿体無いわね〜。どうせ溶かすんなら少しくらい傷付いていても良いんじゃないの?」
「そうはいきませんわ。一つ一つの素材がしっかりしているからこそ、集まった時の結果が‥‥」
「いや、だから溶かすんだから一緒じゃない‥‥」
 とにかく彼女には彼女なりのポリシー、というかプライドがあるのかもしれない。
 マリーは苦笑いしつつも宝石を棚に戻し、昼休憩を終わらせて自身の仕事場へ戻るのだった‥‥



‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥


「そういえば、これを溶かすための溶剤って‥‥いわゆる『王水』とか?」
「いえいえ〜、もっと特別な液体ですわよ〜? 似ている物といえば‥‥『水銀』のもっと濃ゆ〜い感じでしょうか〜」
 仕事帰りの酒場で、お互いゆっくりとワインを飲みながらカウンター上に置いた宝石を眺めている二人。
 ほんのり頬が染まったリアナがチーズをゆっくりと咀嚼しながら飲み込むと、マリーの方を向いて話を続ける。
「何回か登ったあの火山なんですけど、実は麓の隠れた場所に鍾乳洞があるそうなんですわ。その奥深くに、静かに湧き出る不思議な銀色の液体があるとか‥‥」
「うぅ、またあの山‥‥ま、まあ今度は登る必要は無さそうね‥‥」
 うんざりした様子のマリーが生ハムを頬張りながら、とろんとした目で彼女を見つめている。
 そんな彼女達を見て、さっきまでグラスを磨いていたマスターがのっしのっしと近寄ってきた。
「おう、なかなか面白そうな話をしているじゃないか。あんたら、もしかしてその洞窟に行くのか?」
「全く‥‥立ち聞きってのは趣味が悪いわよ?」
「ガッハッハ!! ここに立ってると嫌でも色んな話が舞い込むもんよ!!」
 騒がしい店内にも負けないくらいに豪快な声で笑うマスターだが、マリーもそれを分かっていて苦笑いしていた。
 そんな二人を見ながら、リアナは追加の料理を頼みながら少しでも何か情報が無いか聞き出してみる。
「そういえば〜、マスターはその洞窟を知っているのですか〜?」
「まあな。知る人ぞ知るって穴場スポットだからな‥‥よし、良い事を教えてやろう」
「良い事?」
 にかっと笑ったマスターがカルパッチョを持ってきながら、そっと小声で二人に話す。
「実はな、その洞窟の奥には‥‥それはそれは綺麗な鍾乳洞があるんだよ。しかも朝の時間帯だけに差し込む光があってな、一度見たらそりゃ〜もう幻想的な光景に目を奪われる事間違い無しよ」
「あらあら〜、それはロマンチックですわね〜。 ぜひ一度見てみたいですわ〜♪」
「そうね、特に山登りの危険も無いし、今回は楽に進めそう‥‥」
「‥‥あ、ちなみに変な動く石像がいるらしいから気をつけて行きなよ?」
「やっぱりそういう場所なのね〜!!」
 ぼそっと付け加えられた一言に、思わず声を上げるマリーだったが‥‥この時点で行く事は確定してしまっているこの状況。
 果たして、彼女達は無事に帰って来られるのだろうか‥‥?

●参加者一覧

佐倉・咲江(gb1946
15歳・♀・DG
常木 明(gc6409
21歳・♀・JG
エリク・バルフォア(gc6648
18歳・♂・ER
宇加美 煉(gc6845
28歳・♀・HD
パステルナーク(gc7549
17歳・♀・SN
アクア・J・アルビス(gc7588
25歳・♀・ER

●リプレイ本文

●集まった能力者達‥‥
 ようやくたどり着いた噂の洞窟‥‥中からは少しひんやりとした風が漂ってくる。
「ま、いつも通り出来る範囲で‥‥というか、相変わらずリアナさんって感じの場所だね〜」
「あらあら〜、それは一体どういう意味でしょうか〜?」
 いつも通りのジャケットを着たまま呟く常木 明(gc6409)に、夏用の風通しが良いマントを羽織ったリアナがひょっこりと首を傾げている。
 出来れば安全な場所で大人しく‥‥という思いも虚しく、今日もしっかりと彼女の依頼に参加する常木。
「いや、別にどうと言う事がある訳じゃないけど‥‥とりあえず、無事に終われたらいいね」
「はい〜。少し危ないかもしれませんけど〜、頑張って行きましょう〜♪」
「‥‥はぁ‥‥ホント、無事に終わって欲しいよ‥‥」
 相変わらずクールな言動の彼女だが、そこも彼女の魅力の一つであろう。
 そんな彼女の傍では‥‥
「がぅ、温泉の為に頑張っていく‥‥」
「うふふ、終わったら一緒に身体を洗いっこしましょうね〜♪」
「‥‥頑張る。今日の私は百人力‥‥がぅ」
 リアナの隣で何やら気合が入っている雰囲気の佐倉・咲江(gb1946)。
 学園規定の制服を着た状態で参加している彼女だが、こう見えてかなりの温泉好き。
「温泉でまったり‥‥リラックス‥‥そしてポロリ‥‥」
「あら〜? 何か不穏な単語が含まれていたような〜‥‥?」
「‥‥気にしない。大体決まっている確定事項‥‥」
「〜〜〜?」
 そして確実に依頼後のハプニングを予想している佐倉を見て、相変わらずのぽわぽわ顔で首を傾げているリアナであった‥‥



「う〜ん、石像も気になるですけどー‥‥その液体とやらも気になるですー♪」
「そうですねぇ〜。でも、私はやっぱり終わった後の温泉の方でしょうかぁ〜」
 の〜んびりした空気で満載のアクア・J・アルビス(gc7588)に対し、やはり先ほどの佐倉と同じく温泉がメイン目的の宇加美 煉(gc6845)。
 さっきまで洞窟の中を覗いていた二人だが、会話の内容はまったく緊張感が無い。
「温泉ですかー。やっぱり青空の下で湯気の立ち込める空気が最高ですよねー♪」
「全くですよぉ。こう、のんびりした中で漂う空気というのがもぅ‥‥ふふ♪」
 二人揃って満面の笑みで会話をしている彼女達だが、この二人が揃って温泉に入る光景を想像してしまうと‥‥夜も眠れない状態になるのは間違いない。
 なんせ‥‥一方は『巨乳メロン豊作状態』に対し、もう片方は『爆乳スイカ豊作状態』なのだから!!(感涙)
「‥‥おやー? 何だか変な空気が入り込んできたようなー‥‥」
「そうですねぇ。何と言いますか、物凄く邪な空気と言いますかぁ〜‥‥」
 何やら揃って首を傾げている二人だが‥‥きっと気のせいだとばかりに会話を再開するアクアと宇加美。
 果たして、無事に温泉へ入ることが出来るのか‥‥それは神のみぞ知る。合掌。



「マリーさん、お久しぶり!! 元気してた?」
「ええ、相変わらずあの子に振り回される毎日だわ♪ ‥‥ゴメン、泣いて良い?」
「え、ええと‥‥とにかく今回も頑張ろうね!?」
 久々に参加してくれた巨乳美少女・パステルナーク(gc7549)だが‥‥どうやらマリーの顔を見て今までの苦労を感じ取ったようである。
 そう、今までにどれだけの苦労があった事か‥‥まあそのほとんどがリアナ関係であるのは間違いないのだが。
「まあまあ、終わったら温泉で一緒にゆっくりしよ〜ね?」
「そ、そうね‥‥何だか考え出すとキリが無いし。‥‥ところでエリク? そんな場所で何してるの?」
「‥‥いや、何でも無い。別に『相変わらず男は僕一人か‥‥』なんて思ってないぞ」
 あくまでごく普通に周囲の警戒をしていたエリク・バルフォア(gc6648)だったのだが、どうやらマリーには気付かれてしまったらしい。
「ま、まあそんな気にしないで、ね?」
「全く問題無い。面子に関しては‥‥最近慣れつつある」
「おやおや〜? 元気が無いぞエリクさん〜!! もっとバシッと行こ〜!!」
「わ、分かった分かった!! 分かったから背中を叩くのは止めてくれ!!」
 相変わらず元気いっぱいのパステルナークが『バシバシ!!』とエリクの背中を叩いて気合を注入する。
 こうして依頼を達成する為に(注:半分以上は温泉目的だが)、一同は中へ入っていった‥‥



●洞窟内で‥‥
 ポツン、ポツン‥‥と遠くで水の落ちる音がする。
 天然の洞窟らしく中は真っ暗で、先の見通しを助けるのは皆の持っているライトのみ‥‥そして、勿論それを目掛けてやってくるキメラもたくさんいる。
「んもー、皆さんしつこいですよー!?」
「コウモリさんは出てこなくて良い‥‥がぅ〜!!」
 明かりを持つ関係上、一度に全員が戦いに参加出来ない。よって消耗したメンバーから順番に戦いを交代していく形になった。
 アクアが持っている『天狗の団扇』でバサバサとコウモリを追い払っている横では、相変わらずのネコミミギター少女・佐倉が演奏を開催している。
「さ〜て、そろそろあちき達も復帰しますか‥‥エリクさん、準備は良い?」
「言われるまでも無いさ。やるからにはキチッとやる‥‥!!」
 先ほどまで休んでいた常木とエリクが戦いに復帰し、今度は代わりに宇加美とパステルナークが照明係に下がる。
 流石に暗い中で戦っているせいか、肌の所々に赤い傷がついてしまっていた。
「うぅ〜、避けるのは苦手なのですよねぇ‥‥手当て御願い出来ますかぁ?」
「分かりました〜。では少し失礼しますね〜」
「おや〜、マリーさんってそんな趣味があったのかな〜♪」
「ば、バカ何言ってるのよ!! あくまで怪我の手当ての為なんだから!!」
 リアナがいそいそと救急セットを持ち出して宇加美の手当てをしている横では、マリーがパステルナークの上着を真っ赤になりながら脱がせている。
 手当てを受けつつも皆の為に明かりを照らし、そして二人の護衛もする‥‥これはなかなか苦労のいる戦闘であった。



 そして歩き始めて1時間。最深部らしき広間に到着した能力者達は、目の前に『ズ〜ン!!』と立っている巨大な石像を発見した。
「これはこれは‥‥また面倒そうな相手だね‥‥」
「でも戦うしかないんですよねぇ?」
「ほらほら暗い顔しないの!! もうすぐ目的地なんだから思い切って行こう!!」
 かな〜り面倒そうな顔をしている常木と宇加美を見て、相変わらずの陽気さでパステルナークが声を上げる。
 総じてこういう危険な場面では気合が重要になってくる。そういう意味においては、彼女は見事なムードメーカーとなっている事だろう。
「がぅ、これを倒せばゴールはすぐ。そういうわけでさっさと倒す‥‥!!」
「ああ。例え身体が頑丈でも、頭や腕の付け根は弱いはずだ‥‥!!」
 じっとしていても始まらないとばかりに、颯爽と飛び出して先制攻撃を仕掛ける佐倉とエリク。
 直接叩こうとすると硬い岩の身体も、超機械で響き渡る知覚攻撃には弱いようだ。

     『グォォォォォォ〜〜〜〜〜!!!!』

「あらあらー、そんなに人を邪魔してはいけませんよー?」
 ドッカンドッカンと音を立てて行動を開始した石像に対し、アクアが後方から弱体を仕掛ける。
 彼女のサポートによって弱くなった部分を、持っている小さな鳥篭を震わせて狙う宇加美。
「ふぅ〜、ここの広さならAU−KVも問題ありませんねぇ〜♪」
「‥‥未だに謎なんだけど、どうやったらあの『スイカ』がAU−KVに収まるの?」
「‥‥僕に聞かないでくれ」
 マリーが『じと〜っ』と宇加美の戦闘を見ながら呟いている横で、エリクが必死になって妄想を振り払っている。
 きっとあの中では、押し込められつつも『もにゅん♪』と存在を主張している果実が‥‥(以下略
「ほらほら〜!! 二人に怪我なんてさせないよっ!!」
「がぅ‥‥まだコウモリが来る‥‥」
 パステルナークが二丁拳銃でコウモリを撃ち落している中、佐倉も一時コウモリ落としに回る事になっていた。
 流石にリアナやマリーも自身で身を守る為に、持っているだけの爆弾や薬品を投げつけている。
「お願いです〜、当たってくださいな〜」
「こんの〜!! さっさとどっか行きなさ〜い!!」
「あっちもこっちも大変ですー‥‥あぅー」
 さっきまで前線で戦っていたアクアが今度はパタパタとこっちへ戻って来て二人の援護。
 とにかく6人で戦うには若干大変な状況であった‥‥しかし、ようやく均衡が崩れ始める。
「一撃が強くても当たらなければどうということは‥‥がぅ?」
「動きが鈍くなっている‥‥もうすぐだ!!」
 佐倉が敵の振り下ろしをかわした時に感じた違和感、それは敵の動きが変わった証拠であった。
 そこへすかさずエリクが皆に号令をかけ、パステルナークと常木がトドメの攻撃を加える!!
「いっくぞ〜!! ボクの銃撃を受けてみて!!」
「この祭りもじき終る‥‥今が、散り時さ」
 二丁拳銃での攻撃に、物陰からの強襲。さしもの石像キメラもついに崩れ落ちたのであった‥‥


‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥


 そして洞窟内で採取も終えた皆は、最後の目的地に到達していた。
 予想以上に移動と戦闘、休憩に時間が掛かったせいか、既に時間は早朝に差しかかろうとしている。
 もう明かりも必要ないだろうと皆がランプやライトを消すと‥‥


 それは、まさしく神秘の光景であった。
 どこから差し込んでくるのか、周囲全てがまるでクリスタルのように輝き始める。
 人間が作ろうと努力しても決して作れない天然の美術品‥‥それは、今彼女達の目の前に広がっていた。


「あらあら〜、本当に綺麗な光景ですわね〜♪」
「マスターの言う事は大体合ってるんだけど‥‥これは確かに綺麗だわ」
「がぅ、すごく綺麗‥‥本当に丁度良い時間だった‥‥」
「ふふ、こういうのを見れるのもなかなか良い経験だよ」
「ふむ‥‥悪くない。こういうのは一生の思い出になるな」
「はい〜。狭い所を頑張って抜けてきた甲斐がありましたねぇ」
「ボクも何だか胸がドキドキしてくるよ‥‥不思議だね‥‥」
「綺麗ですー。カメラを持ってき忘れたのが残念です‥‥」


 そして暗くなるまでの30分、皆は心からその光景を胸に焼き付けたのであった‥‥





●相変わらずの温泉‥‥?
「が、がぅ〜‥‥ま、前は洗わなくて良いよ‥‥」
「あらあら〜、何を言ってるんですか〜? ちゃ〜んと隅々まで洗いませんと汚れは落ちませんわ♪」
 湯煙の中、お互いの背中や身体を流し合っている佐倉とリアナ‥‥勿論ここは『さらさの湯』。
 ようやく戻って来た能力者達が心と身体を休める事が出来る、最大の憩いの場所なのだ!!(断言)
「だ、だから自分で洗える部分は自分で‥‥!?」
「あら〜、今ぴくって反応しましたわね〜? 本当に全身が敏感なんですから‥‥ふふ♪」
 既に温泉で少し温まっていた彼女だったが、リアナが身体を洗おうとするのを見つけて寄って来て‥‥この状況。
 たっぷりと泡立てたボディーソープを手にのせて、細く華奢な佐倉の身体に『直接』こすり付けていき‥‥
「そういえば知っていますか〜? 女の子が身体を洗う時は〜、こ〜やって手で洗うのが一番お肌に優しいんですよ〜?」
「そ、それは友達にも聞いたけど‥‥がぅ!? そ、そういう触り方は‥‥違うと思う‥‥」
「うふふ‥‥せっかくですし〜、『色々と』勉強させて貰いますわ〜♪」
「ふぅ‥‥はぁ‥‥こ、これだと‥‥どっちが、洗いに来たのか‥‥ぅん!?」
 荒い息を漏らしながら段々と目がとろんと垂れてくる佐倉‥‥まだまだ『身体洗い』は始まったばかりである。



「ふぅ〜‥‥ホント、疲れたね‥‥でも、もうすぐか‥‥」
 湯の中でもその存在を強調させている『美巨乳』を浮かべながら、ゆったりと冷酒を飲んでいる常木。
 幸い何かを起こすような人物は参加していない為か、今日ものんびりと出来そうであった。
「労働はこのときのために‥‥といった感じですよねぇ。あ、私にもいただけますかぁ?」
「ふふ、勿論だとも。お互い大変だったしね‥‥おっとと」
 ゆっくりと傍に寄って来た宇加美が自分のお猪口にもお酒を注いでもらう。
 とにかく今日のさらさの湯は『果実豊作日和』であった‥‥そして、そんな豊作の日があれば、それを『収穫』しようと企む人物もいて‥‥
「やっぱり、温泉いいですー♪ それとー、何だかここの周辺がー‥‥えーい♪」
「ぁ‥‥そ、そんなにもたれ掛かられると疲れますよぉ‥‥」
 自身より大きな果実を襲う、それは何時の世にも絶える事の無いハンターの宿命。
 アクアが宇加美の『爆乳メロン』を堪能すべく、その全身に『もにゅもにゅ♪』っと身体ごと抱きつくのはごく自然な成り行きであろう(ぇ
「むぅー、やっぱり興味深いですー‥‥何故こういう柔らかさが‥‥」
「ん‥‥だ、だからあまりしがみ付かれますと‥‥余計疲れますぅ‥‥」
「‥‥全て世は事もなし、と‥‥」
「つ、常木さんも見てないで助けてくださぁ〜い!! ‥‥ぁ♪」
 目の前の惨状すら酒の肴にしてしまう脅威の女性・常木。
 そんな中で、ますます自身の研究を深めていくアクアであった‥‥合掌。

‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥

「‥‥ふぅ、今日もトラブルメーカーはいない‥‥はず」
 相変わらず一人静かに男湯でリラックスをしているエリク。
 最近こうやって依頼後は一人で入ることが多くなっている彼だが‥‥その時、急に更衣室の戸が開かれた。
「‥‥む? 確か今日も貸切だから、入ってくる人はいない筈だが‥‥」
 ひょっこりとエリクが首を覗かせて戸の方を見やると、湯煙に隠れて歩いてくる人陰が二つ。
 どことなく似たような体型に、青く長い髪。そして片方が片方の背中を押しながら‥‥
「‥‥!? マ、マリーとパステルナークか!?」
「当ったり〜!! 最近いっつも一人なんでしょ〜? どうせだからマリーさんと一緒に慰安訪問〜♪」
「わ、私は止めようとしたのよ!? そ、そんないくらバスタオルを巻いていても何が起こるか‥‥」
 『にっこ〜♪』と満面の笑みで男湯に入ってきたのは、何とマリーとパステルナークであった。
 対照的な小麦色の肌と白色の肌、そしてタオルの上からも見事に強調している『ツイン果実』‥‥男なら一度は夢見るシチュエーションである畜生(ぁ
「ちょ、ちょっと待て!! 僕は別にそんな寂しくなど‥‥!!」
「うふふ、思いっきり顔を赤くしちゃって〜♪ 折角だからマリーさんに背中を流して貰っちゃったら〜?」
「そ、そんな恥ずかしい事出来る訳無いでしょ!? 大体今こうしているだけで‥‥!!」
「は〜いはい。でも、結構乗り気だったでしょ?」
「〜〜〜〜!!??」
「‥‥た、頼むから‥‥勘弁してくれ‥‥」
 こうしてお互い真っ赤になりながら背中を流し合っている二人を、男湯でのんびりと笑いながら眺めているパステルナークであった‥‥合掌。