タイトル:どんな事を言われるか‥マスター:優すけ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/02/13 22:48

●オープニング本文


「さ〜て、今日の晩御飯は何にしようかしら。昨日はパスタだったから、今日は‥‥」
 今は休日の午後。とことこと街中を歩いているマリーが今晩の夕食を考えていると、不意に近くの公園から賑やかな声が聞こえてきた。


「わ〜いわ〜い♪」
「そこまでだよ〜、悪い奴め〜♪」
「くっそ〜、ついに追い詰められたか〜♪」


「‥‥ふふ、何だか微笑ましい光景ね。最近はゲームばかりで、外で遊ぶ子が減ってきたって聞いてたけど‥‥」
 クスリと微笑んだマリーが、少し足を止めてその様子を見ていると、どうやら次の展開に進んでいるようだった。
 集まっている子供は4人で、男の子と女の子が二人ずつ。どうやら滑り台の上に立っている女の子が主人公らしい。そして‥‥


「愛と正義の『ぷりてぃ〜まり〜』、ここに推参〜♪」


          『ドガン!!!!』

 その声を聞いた瞬間に、思いっきりふら付いて近くの壁に頭をぶつけるマリー。なんと彼女達は『プリティーマリーごっこ』をしていたのだ。よくよく見ると、何だかステッキらしき物を振り回し、敵役の子供は鞭のような物を持って戦っている。
「‥‥い、今は帰ろうかしら‥‥うん、それが一番ね‥‥」
 思いっきり頭が痛くなったマリー(注:勿論壁に頭をぶつけたせい‥?)は、そのままよろよろと帰宅の途へとついたのであった‥‥




「あらあら♪ それは随分有名になりましたわね〜♪」
「人事だと思って‥‥24の私が魔法少女なんてやってるって親にばれたら、もうどんな事を言われるか‥‥」
 がくりと項垂れるマリーを見ながら、クスクスと紅茶を飲んでいるリアナ。今は店の休み時間なので、のんびりと二人でティータイムを楽しみながらさっきの話をしていたのだった。
「そういえばマリーのご両親は少し厳しい人でしたわね〜」
「あんたも何回か会った事があるでしょ? あれはもう昔ながらの頑固オヤジと教育ママそのものなんだから‥‥」
「でも〜、確かまた依頼があったと聞きましたけど? 今度の舞台は‥‥バレンタイン関係でしたわよね?」
「はぁ‥‥ホント、今度はどんな感じになるのかしら‥‥」
 本日何回目かのため息を吐きながらお茶請けのクッキーをつまむマリー。その顔はどこまでも憂鬱な雰囲気なのであった‥‥

●参加者一覧

終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
ゼロ・ゴースト(gb8265
18歳・♂・SN
エリク・バルフォア(gc6648
18歳・♂・ER
住吉(gc6879
15歳・♀・ER
ユキメ・フローズン(gc6915
19歳・♀・FC
エルレーン(gc8086
17歳・♀・EL

●リプレイ本文

●序章
「はい、ど〜ぞなの♪ 無料でお配りしているバレンタインチョコなの〜♪」
「うふふ‥‥遠慮なく受け取りなさい。‥‥私の気持ち、なのだから♪」
 今の時期はバレンタイン。一割のリア充を九割の漢達が呪いをかけるこの時期‥‥そんな中、悪の女幹部・妖艶サキュバスことユキメ・フローズン(gc6915)と、その下僕・エルレーン(gc8086)が街中でチョコを配っている姿が見えた。
 勿論彼女達に企みが無い筈が無い。その行動には重大な『仕込み』が込められていたのだった!!
「結構配りましたね〜。次の箱を開けますか〜?」
「そうね‥‥ふふ、戦力は多いに越した事はないもの、ね」
 怪しまれないように術を使って変装をしている彼女達。エルレーンはスカートにブラウスという、ごく普通の女の子ファッションをしており、ユキメも美人キャンペーンガールとして、片手に籠を持って周囲の男勢に手渡しで配っている。
 そして、二人が配ったチョコを喜び勇んで食べた男達の様子が変化していく‥‥全身がチョコ色に染まっていき、完全に自我を無くしてしまったのだ!! 暴れ始める亡者達。そして、その矛先は‥‥

『リア充死ね〜〜!!』
『リア充爆発してしまえ〜〜!!』
『アベック皆殺し作戦開始じゃ〜〜!!』
『嫉妬仮面〜〜見・参!!』

 まるで意思を持ったかの如く、幸せなカップルを目指して進軍していく非モテ怪人達。最早彼らを止める術は無いのか‥‥と、その時周囲に響き渡る澄んだ声が!!

「また性懲りも無くあんた達が原因なのね!? いい加減に諦めなさい!!」
「な、なんなの〜!? この声は!?」
「ふふふ、やっと現れたのね‥‥プリティーマリー♪」
 慌てて辺りを見渡し始めるエルレーンに対して、あくまで余裕のある笑みである一点を見据えるユキメ‥‥その先に立っていた一人の青髪の美少女。彼女こそ世界の平和を守る為にやってきた少女マリー‥‥いや、プリティーマリーなのだ!!
「せっかく幸せにバレンタインを迎える人達を不幸に陥れるだなんて‥‥絶対に許せない!! チェ〜ンジプリティ〜‥‥モジュレーション!!」
 どこからともなく出現した魔法ステッキを一振りすると、途端に彼女の全身が服ごと輝き始める。そして『大人の事情』で輝いたまま服が全て消え去り、新たにリボンで全身が巻かれていく。そして効果音と共に大地に降り立った魔法少女、それが‥‥


「愛と正義の魔法少女・プリティーマリー!! 星に代わって‥‥お仕置きよ!!」



‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥


「はいカット〜!! 休憩の後はお助け精霊達の出番だよ〜!!」
 カチンと音が鳴って第一シーンの撮影が終わる。そう、言うまでも無い事だがこれはあくまで『子供向け特撮』の収録である。‥‥若干支持年層が高い気がするが。
「ふぅ‥‥相変わらずこれは恥ずかしいわね‥‥」
「あらあら〜♪ でも毎回迫真の演技で、見ていてと〜っても楽しいですわ♪」
 満面の笑みのリアナがタオルを持って近寄ってくると、またもやガクッと肩を落とすマリー。いつもならこれは『彼』の役目なのだが‥‥
「すまない、それは向こうだ‥‥ああ違う、ここはこうしてだな‥‥」
 今回は裏方が一人の為、あちこちの担当を一手に引き受けてしまっているエリク・バルフォア(gc6648)。一応出番がまだのメンバーは力仕事ぐらいなら手伝えるのだが、今はちょうど出番待ちで全員が出払ってしまっている。
「うふふ‥‥心配ですか♪」
「ま、まあね‥‥って、これ何?」
「ふふ、持って行ってあげて下さいな♪」
 そっとマリーの手の中に握らせた飴。どうやら彼の所へ行く口実を作ってくれたようだ。
「ま、まあそう言うなら‥‥行って来ようかしら‥‥ええ」
 そう呟きながら彼の所へ近づくマリー。どうやら丁度指示が終わったところらしく、ふぅっと息を吐いていた。
「え、ええと‥‥大丈夫? これ、あの子が渡してくれた飴なんだけど」
「ああ‥‥すまない、今日はなかなか大変でな。面倒みれなくてすまない」
「そ、そんな気にしなくて構わないわよ? あなたも大変なのは分かってるんだし‥‥ね」
 コロンと口の中で飴を転がしながら自然に笑いかけるエリクに、顔を少し赤くして横を向いてしまう彼女‥‥最近の彼の笑顔はかなり変わってきたようだ。勿論それにマリーが関わっているのは間違いないだろう。
「そ、それじゃあ次の準備もあるし、行ってくるわね!?」
「ああ、気をつけてな。怪我にだけは気をつけてくれ」
 ぱたぱたと走っていく彼女の後ろ姿に向かって声をかけるエリク。さっきまでの疲れはこの数分の間にどこかへ消えてしまったようだ。
「‥‥さて、やるか」
 そして、撮影が再開される‥‥




●お助け精霊、そして第二の魔法少女‥‥!?
 大きく名乗りを上げたマリーを見て、こちらも負けじと一瞬で全身の服装が変わるユキメとエルレーン。流石に派手な演出は無いが、現れた服装はどちらも露出が多目のドレス・ボンテージ姿であった。
「うふふ‥‥でもこれだけの数を相手に、どこまで戦えるのかしら?」
「ふふ、ここは私にお任せを。これしきの敵、私と怪人達で十分です!!」
 妖艶な微笑みをかけるユキメの前に、一歩前に進み出るエルレーンと怪人達。対するマリーは一人。このままでは多勢に無勢である。
「さ〜て、どうしようかしら‥‥」

『‥‥困っているようだな。俺が助けてやらんでもない』
『え、ええとその‥‥僕に出来る事があれば‥‥お手伝いします‥‥』

「今の声は‥‥まさか‥‥!!」
 ふと頭に響いてくる二つの不思議な声。この感覚には覚えがあった‥‥かつて契約した、二つの精霊。そう、今こそ呼び出す時が来たのだ!!
「あらあら、またお手伝いさんを出すつもりなのかしら? またどこかへ飛んでいったりするんじゃないの?」
「ふふ、今度の精霊は一味違うわよ!! ‥‥天に二つの二極星!! 今こそ降りて、私を助けなさ〜い!!」
 クスリと微笑むユキメに対し、マリーは大きくステッキを振り上げる。そして大きな稲光と共に周囲が煙で包まれ、現れた二つの影。それは、大きな一匹の狼と一人の男の子【ゼロ・ゴースト(gb8265)】であった。今の声の主はどうやら彼らのようである。
『さて、雑魚達は俺達が片付けよう。ゼロ、出来るな?」
『は、はい‥‥出来るだけ頑張ります‥‥』
『良い返事だ。‥‥では、行くぞ!!』
 グォォォと大きな声を上げた狼の体が光り輝き、その光が収縮した後に立っていた銀髪金眼の女性(終夜・無月(ga3084)。横に立っていたゼロも、さっきまで全くの非武装だったのが、片手に銃・片手に40センチほどの刃渡りの短剣が握り締められている。
「あらあら、少しは出来そうじゃないの‥‥やっておしまい!!」
「はい!! 皆〜!! 行くなの〜〜!!」
『『『ウォ〜〜〜〜!!』』』
 大きな雄たけびと共に向かってくる怪人達‥‥しかし、今回の精霊達は一味違う。終夜の放つ武器は様々な効果を持っており、一振り毎に全く違う力を見せていた。
「唸れ!! 炎舞!! 凍瀧!!」
『ギャ〜〜〜〜!!』
 華麗に舞う二刀流の前に、怪人達がばっさばっさとやられていく。そしてゼロも負けていない。確実に銃で相手の弱点を撃ち抜き、接近を許した怪人には短剣を振り払う。
「すみません‥‥でも、前に出るからいけないんです‥‥!!」
『ば、バカな〜〜〜!?』
 こうして怪人達がドンドン数を減らしていく中、マリーはエルレーンと数匹の怪人達と向き合っていた。
「さあ、観念なさい!!」
「そう言われて観念する相手はいないの!! いっくよ〜〜!!」
 一気に迫ってくるエルレーンの魔剣をかわし、ステッキを振るうマリー‥‥その隙に迫ってくる怪人!! しかし勿論彼女も気付いている。上手くかわして怪人同士を同士討ちさせ、その際に飛び散るチョコを被りながらもステッキに力を込める!!
「行くわよ〜!! 一撃必中!! プリティーバスター!!」
「きゃ〜〜なの〜〜!!」
 ステッキの先から出た光の波動に、あえなく吹き飛ばされるエルレーン。同時に飛ばされた怪人達も一緒に、光の中に消えていく。
「ま、まさか、この私がやられるなんて‥‥ガクリ」
 まさに王道の言葉を残して消えていく彼女。残るはユキメと幾らかの怪人のみである。勿論この勢いを抑えるつもりはない。
「残りはあんた達だけね!! 光と共に消え‥‥え、ちょっと!?」
 一瞬で距離を詰めようとしたマリーだが、その先に立ち塞がった一人のチョコ怪人。勢いの付いた身体は止まらないまま全身でぶつかってしまう‥‥!!
『ギャウ〜〜〜〜!!』
「あ、あぅ‥‥身体が、動かない‥‥!?」
 怪人はその勢いで見事に霧散したのだが、その体を構成していた粘性チョコを全身に浴びてしまったマリーは身動きが取れなくなってしまっていた。そんな彼女に悠然と歩いてくるユキメ‥‥
「あらあら、わざわざ私の為に自身をデコレーションするだなんて‥‥何て可愛い子♪」
「だ、誰がそんな‥‥ひゃう!?」
 何とか腕を伸ばそうとしたものの、それごと鞭で絡め取られてしまう。そして‥‥彼女の悪癖が現れる。

「ふふ‥‥あなたのチョコ、とっても美味しいわ‥‥♪」
「ば、バカ‥‥ど、どこを舐めてるのよ‥‥ぅん!?」
「んも〜‥‥そんなに動かれると、垂れてきちゃうで、しょ♪」
「あ、あぅ‥‥も、もう舐めないで‥‥それ以上は‥‥もう‥‥!!」
「あらあら、何て甘いのかしら♪ それじゃ、今度はメインディッシュを‥‥♪」

 あえて動きを封じられていない頬や首部分を中心に『ゆっくりと』『ねちっこく』舐め取っていくユキメに、段々と息が荒くなっていくマリー‥‥しかし、その時周囲に奇妙な風が吹き渡る。
「‥‥な、何なのこの感じは‥‥!?」
 動けないマリーが顔だけをビルの屋上を見上げた先に立っていた人影。それは‥‥なんと見た事の無い魔法少女だった!!

‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥

「はいカット〜!! 10分の休憩〜!!」
「ようやく出番ですね〜。ふふふ‥‥腕がなります♪」
「え、ええと‥‥お手柔らかにね? ‥‥ユキメさんみたいにならないように」
 クスクスと笑っている住吉(gc6879)の顔を見て、思わず顔を引きつらせてしまうマリー。彼女は今回の肝である役柄だけに、慎重に出す場面を吟味していたようだった。‥‥ちなみにユキメは正座させられている。
「え、ええとその‥‥本当〜に申し訳なく思ってるのだけど‥‥」
「全く何回目よその言葉‥‥いくらノってしまったからって、子供向け番組なのよ?」
「私の役柄も魔法少女‥‥ここはマジカル☆ヨッシーとでも名付けましょうか♪」
 説教を続けるマリーを尻目に、クスクスと微笑んでいる住吉。果たして‥‥?




●恐怖と破壊の魔法少女・マジカルヨッシー!!
「あ、あなたは一体‥‥?」
 驚きの顔で見上げるマリー。その姿はまさに自分と同じ様な魔法少女‥‥しかし、自分のような明るい青を基調としたフリル付き服装ではなく、漆黒のゴシック風衣装と言った方が近い服装である。
「ふふふ‥‥悲しい、悲しいですね‥‥私達魔法少女同士が出会ってしまうだなんて‥‥」
「あなたが誰かは知らないけど、魔法少女ってことは‥‥私の敵ね♪ いきなさい、可愛い下僕達!!」
『ウォ〜〜〜〜!!』
 一体どこから現れたのか、謎の魔法少女の頭上から落下してくるチョコ怪人達。しかし彼女は全く慌てる事無く、手にした大鎌を一閃。ただその一撃だけで全ての怪人達が消え去ってしまった。
「悪党は一人寂しく10円チョコを齧っていればいいのです♪」
「な、何て強さなの‥‥!? あなたは誰!?」
 バサッとマントを翻すと、一気に屋上から飛び降りてくる少女。そちらにユキメが気を取られていた隙に、一気にチョコの呪縛から抜け出したマリーだったが‥‥まだ身体の動きは鈍いまま。
「そうですね〜‥‥では、あえてこう名乗らせて貰いましょう。恐怖と破壊の魔法少女・マジカルヨッシー!!」
「ふぅ‥‥全く無粋な魔法少女もいたものね。‥‥でも、あなたも可愛いわ。食べちゃいたい♪」
 ペロリと赤い唇を一舐めすると、瞬間的に振り下ろされる鞭。しかしマジカルヨッシーは難なくそれを避けると、手の大鎌を大地に振り下ろす。すると、一気に大地が割れ目を起こしユキメを襲う!!
「死にますよ〜‥‥私の姿を見た人は皆死んでしまいますよ〜♪」
「ふぅ、少し分が悪そうかしら‥‥ここは退散させてもらうわ。‥‥でも、その前に♪」
 またもや目にも止まらない動きで地割れをかわすと、その足でマリーに接近・そして首に薔薇水晶をあしらったチョーカーをつける。
「こ、このチョーカーは何なの!?」
「ふふ、私からのプレゼントよ♪ それじゃ、またね?」
「ま、待ちなさい!!」
 マリーの制止など全く聞かないまま、その場から姿を消すユキメ。そして残った二人の魔法少女‥‥先に仕掛けてきたのはマジカルヨッシーだった。
「では悲しい事ですけど‥‥あなたも覚悟して下さいね♪」
「くぅ!? やっぱり強すぎる!!」
 彼女は大鎌だけでなく小型のガトリングまで備えていた。何とかギリギリでかわし続けるものの、反撃のチャンスなど全く見えない。
「うぅ‥‥何とか反撃の糸口を探さないと‥‥こうなったら!!」
「ほらほら御姉様〜♪ かわさないと当たって大怪我しますよ〜♪」
 いつの間にか『御姉様』呼びにされているマリーだが、その動きがピタッと止まった。
「もう追いかけっこはオシマイですか〜? では〜‥‥お休みなさいです♪」
「オネンネするのは‥‥あんたよ!!」
 止まったマリーがステッキを地面に突きつけると、周囲全体に大きな魔方陣が浮かび上がる。そう、これはかつて放ったあの‥‥!!
「星に月に陽に風よ!! 今こそここにソナタとロンドを!!」
「これはマズイですね〜‥‥退散です〜♪」
 一瞬で包み込まれた力を見て、すぐさまその場から消えさるマジカルヨッシー‥‥どうやらマリーの危機は去ったようである。
「‥‥それにしても、あの少女は一体‥‥?」
 突然現れた謎の魔法少女。果たして彼女の目的は!? 次回、こうご期待!!


‥‥‥‥
‥‥‥
‥‥


「ふ〜、無事にクランクアップ出来てよかったですね」
「‥‥果たして、コレが無事と言えるのだろうか‥‥」
 あれから終夜とゼロの帰還シーンも上手く組み込み、どうやら無事に終わったようである。今は打ち上げとして皆で食事を食べているのだが‥‥
「お疲れだったなマリー。身体は大丈夫か?」
「え、ええ‥‥でも、精神的に‥‥ね」
 ガクリと項垂れているマリーの肩を、ポンと叩いて慰めているエリクだが‥‥彼も苦笑いしか無かった。
「とにかく終わった事は仕方ない。次にこの経験を生かせばいい」
「い、生かすとマズイような‥‥」
 軽く冷や汗をかくマリー‥‥この番組が人々に受けいられるのか、それは神のみぞ知る‥‥合掌。