タイトル:温泉でゆっくり 後編マスター:優すけ

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/11/21 21:10

●オープニング本文


「はふぅ〜、いいお湯でしたわね〜♪」
「そ、そうね‥‥相変わらず色々とあった時間だったけど‥‥」
 ほこほこと火照った顔で脱衣所から出てくるリアナとマリー。その表情は対極ながらも、一応はリラックスできたようだった。
「そういえば〜、他の皆さんはどうされたのですか〜?」
「確か一度部屋に戻って、それぞれのスケジュールを確認するらしいわ。まだ時間があれば引き続き来てくれるし、事情があれば抜けるかもしれないし‥‥」
 タオルを肩にかけながらマリーが彼女に言葉を放つ。やはり忙しい能力者達である。引き続きのんびりできるかどうかはスケジュール次第であろう。
「う〜ん、出来れば皆さんと一緒にお食事を楽しみたいのですけど〜‥‥とりあえず私達は大広間へ行きましょうか〜♪」
「そうね。とりあえず準備をしてくれている女将さんにも声をかけなくちゃね」
 こうして、二人は先に大広間へ向かっていた‥‥




「うふふ、ゆっくり出来たようで何よりでございます♪」
「いつもありがとうございます。女将さんのお陰で皆さんに恩返しが出来ました」
 マリーがぺこりと頭を下げた先には、座布団を人数分運んでいる着物姿の女将が微笑んでいた。
 しっとりとした長い黒髪をかんざしで纏め、その着物姿からでさえ伺えるような抜群のスタイルを誇っている美人女将‥‥雨宮 春香が、座布団を下ろしてゆっくりと頭を下げる。
「普段からリアナさん、そして他の皆さんには御世話になっておりますもの。これぐらいはさせて頂きますわ♪」
「そ、そんな‥‥!! 今回だってかなり格安でプランを作って貰ったんだし、そんなに気を使わなくても‥‥」
「あらあら〜♪ 台所からとっても良い匂いがしてきましたわ〜♪」
「あんたはもう少し遠慮しなさい!!」
 ぐいぐいと浴衣の衿を引っ張ってリアナを引き戻すマリーを見て、クスクスとたおやかに微笑む女将。その姿はまるで10代の乙女のようにも見えてしまっている。
「うふふ‥‥では、また後ほどお伺い致しますわ。お食事の時間は午後6時となっておりますので‥‥」
「は、はい。分かりました。‥‥ほらリアナ、一度部屋に戻るわよ!?」
「はいはい〜♪ ではまたお楽しみは後ほど〜♪」
 こうして、着々と宴会の準備は整いつつあった‥‥

●参加者一覧

比良坂 和泉(ga6549
20歳・♂・GD
佐倉・咲江(gb1946
15歳・♀・DG
レイチェル・レッドレイ(gb2739
13歳・♀・DG
ジュナス・フォリッド(gc5583
19歳・♂・SF
蒼 零奈(gc6291
19歳・♀・PN
常木 明(gc6409
21歳・♀・JG
エリク・バルフォア(gc6648
18歳・♂・ER
布施川 逢介(gc7835
22歳・♂・JG

●リプレイ本文

●王様ゲームはハプニング!?
「うぉっしゃ〜〜!! よ〜し、今度の王様はだ〜れだ!?」
「は〜い、また私ですわ〜♪」
「ちょ、ちょっとあんたさっきも変な事言ったでしょ!? 今度は加減しなさいよね!?」
「うぅ〜、リアナさんの命令は過激すぎるんだよ‥‥」
 宴もいよいよ本番となり、皆を巻き込んだ布施川 逢介(gc7835)主導の【王様ゲーム】。もう何回目になたか分からないが今回もどうやら王様はリアナになったようである。それを見てがっくりと肩を落としているのは、お互い結構きわどい雰囲気(注:主に胸部分)を醸し出している浴衣姿のマリーと刃霧零奈(gc6291)。
「さっきの【思いっきり抱きつく】って命令のお陰で、マリーさんにその‥‥あんな事を‥‥」
「い、言わないで!! あくまで遊びなんだから気にしないで、ね!?」
「は〜いはい。それじゃ、次の命令を出してくれるかな?」
 お互い顔を赤くして慌てている二人を見ながらパンパンと手を叩いているのは常木 明(gc6409)。同じく浴衣姿なのだが、彼女もまたどこか着崩れた格好がまた扇情的である。その恩寵を一心に受け止めているのが、隣でのんびりと炊き込みご飯を食べているジュナス・フォリッド(gc5583)だった。
「いや〜、流石上手いな〜‥‥あ、明? 頬にご飯粒が‥‥よし、取れた」
「ん? ありがと。 ‥‥ふふ、何だか今のは少し恥ずかしかったか、な♪」
「な、何言ってるんだよ‥‥これくらい当然さ‥‥」
 頬に付いたご飯粒を取ってパクリ‥‥なんていちゃいちゃ空間を醸し出しているお二人さんだが、そうそう油断出来る人物では無い。さっきも常木の命令【1番が2番にコブラツイスト】によって、比良坂 和泉(ga6549)がリアナによって血の池に沈む羽目になった。
「む、むぅ‥‥も、もう何順目ですか‥‥?」
「あ、起きたわね? 今はまたリアナが王様になったところよ」
「ちょ、ちょっとまたですか!? 何故かあの人が当てると決まって俺が‥‥!!」
「は〜い。では6番の人が2番の人に‥‥ポッキーゲーム〜♪」
「また俺ですし!! しかも2番って誰ですか!?」
「‥‥‥‥僕だ」
 無表情ながらも全身から負のオーラを【これでもか】と出しているエリク・バルフォア(gc6648)を見て、比良坂はふらっと体をよろつかせる。
「〜〜〜!? なんとなんと〜!? 世の女性感激!! 今まさに、美男同士での【ポッキーゲーム】がスタートだ〜〜!!」
「‥‥すまない布施川。黙ってくれないと僕の腕が君を絞め殺してしまいそうだ‥‥」
「お、俺だって‥‥どうしてこういう時に限って意識が無くならないのでしょうか‥‥」
 目の幅涙を流しながら女将が用意してくれたポッキーを両端から齧っていく二人を見て、思わず両手を握り締めて見ているのが‥‥
「ま、まさかこういう場でこういう場面を見られるとはね‥‥」
「あらあら〜? マリーの顔、何だか嬉しそうですわよ〜?」
「ば、バカ!! 何言ってるのよ‥‥そ、そんな訳‥‥」
 しかし、【何かが】災いしているのか、二人の姿のガン見を押さえきれないマリーであった。‥‥ちなみに、結構長さを残して折れてしまったのは‥‥まあ仕方ない事であろう。
「今回は私の番じゃないから〜‥‥はい、サキ? あ〜ん♪」
「が、がぅ‥‥あ、あーん‥‥♪」
 今までにどれほどお代わりしたのか分からないが、レイチェル・レッドレイ(gb2739)と佐倉・咲江(gb1946)の横にはかなりの皿が積み上げられていた。勿論女将が頑張って運んでいるのだが、いくら持って行っても積み上げられる量のほうがはるかに多い。
「うふふ‥‥また前みたいな命令、出ないかな♪」
「がぅぅ〜‥‥あの触り方、ちょっといやらしかった‥‥よ‥‥」
「そうかな〜? ‥‥今晩の方がもっと激しいんだから‥‥ね?」
「が、がぅ‥‥恥ずかしい‥‥」
 大きく浴衣から露出したツインボム‥‥というか、むしろ隠れている面積の方が少ない状態の胸をこれでもかと佐倉の腕に押し付けながら耳元で囁いているレイチェル。‥‥果たして、今夜は【ナニ】が激しいのだろうか?


「おぉ〜!? 今度の王様はジュナスだ〜〜!! さぁ、何をどうさせる〜!?」
「よし、ならさっきの仕返しに‥‥5番が4番にリアナのクスリを飲ませる!!」
「おやおや‥‥仕返しってハッキリ言っちゃったよ、ジュナスくん」
「ちょ、ちょっと流石にそれって危なくない!? ちなみに誰なの!?」
「は〜い、5番は私ですわ〜♪ 4番は‥‥ふふ、刃霧さんですわね♪」
「り、リアナさんが!? しかも私に!? ちょ、ちょっとタンマ‥‥うぐうぐ〜〜!?」
「‥‥刃霧、後で骨は拾ってやる。安心して眠れ」
「後で‥‥後で大事な事が待ってるのに‥‥ガクリ」
「は〜い、サキ〜♪ 落としちゃダメだよ〜? ‥‥あら、サキの浴衣の中に落ちちゃった♪」
「れ、レイチー‥‥ここでは恥ずかしぃ‥‥ひゃぅん!?」

 ‥‥とにかく、宴会は楽しく過ぎていったようである‥‥合掌。



●月明かりの下で‥‥
 宴会も賑やかに終わり、皆は寝るまでそれぞれ別行動を取る事になった。そしてここは、月明かりの照らす二人部屋‥‥常木がのんびりと熱燗を飲んでいる横で、ジュナスがそっと肩を寄せていた。
「ふぅ‥‥ホント、良い月だね〜‥‥」
「ああ。こういうのもいいもんだね‥‥」
 先ほどの喧騒が嘘のように静まり返った空気の中、ゆっくりと寄り添う二人の姿はどう見てもお似合いのカップルに見える。若干緊張気味なのか、ジュナスの口数は普段よりかなり少なくなっているようだった。
「そういえば、何だかんだで長い付き合いになってるんだよな‥‥俺達」
「そうだね〜。初めて会ったのはいつだったかな‥‥」
「今は気にしなくていいんじゃないか? ‥‥ほら」
 軽くカチンと音を立てて、彼が傾けた徳利から常木の持つ杯に酒が注がれていく。その水面に浮かぶ月を見ながら、クスリと微笑む彼女。
「ふふ‥‥今日は良い気分で眠れそうだよ‥‥こんな時間がずっと続けば良いのに‥‥」
「ああ、俺たちで続けて行くんだ。そしていつか‥‥ん? 明?」
「‥‥‥」
「寝ちゃった、か‥‥良い夢が見られるといいね‥‥」
 そっと肩を寄せたまま、いつの間にかジュナスの横で目を閉じていた常木。零れないように杯をテーブルに戻した後、ジュナスは彼女を布団へと運んで行くのだった‥‥



 所変わってここは【さらさの湯】の温泉場。先ほどの宴会の後、何やら色々と考え込んでいる様子のエリクが一人で浴場の戸を開けた。‥‥しかし、そこには既に先客が‥‥
「ふぅ‥‥少し酔ってしまったか。‥‥しかし、やっぱり僕は‥‥」
「え、エリクさん!? どうしてここに‥‥!?」
「もしかしてマリーか? ‥‥全く、神様とやらも悪戯な事をする‥‥」
 まだ仕切りは直っておらず、女浴場と混浴状態になっている大浴場でバスタオルを巻きつけただけのマリーが思わず後ろを振り返っていた。突然の思わぬ来客にその顔は真っ赤になっており、バシャンと大きな音を立てて湯の中に潜り込んでしまう彼女。
「‥‥そんなに慌てなくても良いだろう。僕もこっちで後ろを向いているんだから」
「そ、そうね‥‥ゴメンなさい、少し焦ってしまって‥‥どうしてこんな時間に?」
「それは‥‥いや、少しばかり考え事があってな。マリーはどうしてだ?」
「わ、私はその〜‥‥同じく考え事が‥‥」
 岩を挟んで口ごもる二人‥‥静まり返る空気の中、先に口を開いたのはエリクだった。
「‥‥月が、綺麗だな」
「‥‥ホント、綺麗ね‥‥」
 二人が見え上げる夜空には、とても綺麗な満月が温泉場を照らしていた。その優しい光が、二人の固まった空間を溶かしていくように‥‥
「不思議なものだ‥‥こうしてゆっくり過ごしていると、まるで自分の悩みがちっぽけな物に見えてくる」
「‥‥エリクさんの悩みって‥‥?」
「そうだ、な‥‥いや、また一ヵ月後にでも改めて話すよ。その時まで待てってくれないか」
「そう‥‥それじゃ、楽しみに待ってるわね‥‥ふふ」
 優しい月明かりの下、若い悩める男女はのんびりと笑っていたのだった‥‥



 そして今までのシリアス空気から一変して、ここはピンク色空間‥‥宴会から戻ったレイチェルと佐倉は月明かりの散歩を終えた後、和室で二人仲良く布団の中へ潜り込んでいた。わざわざ二人なのに布団は一つ‥‥となると、最早【やる事】はお決まりであろう。
「うふふ‥‥やっぱり二人で布団だと暖かいね〜♪」
「がぅ‥‥うん、暖かい‥‥」
 しかしまだまだ時間はたっぷりあるのだ、すぐに攻めるのは野暮というものだろう。まずは二人の見た目から観察していこうではないか。
 レイチェルは‥‥ぽ〜いと脱ぎ散らかした浴衣を布団の横に、【完全全裸!!】でお布団の中であった。その豊満な胸を世の視線(?)から隠しているのは、上にかけられた一枚の掛け布団のみ。その中を覗いてみたいというのは、全世界の男性陣が心から望む事であるのは間違いない(断言)。
 そして佐倉は‥‥かなりはだけた状態であるものの、まだしっかりと浴衣を着たまま布団インであった。しかしその状態が問題である。‥‥なんとレイチェルにしっかりと抱きついているのだ!! 勿論彼女は先ほど記述した通りの【全裸】状態。彼女を羨ましいと思うのは全宇宙の男性が思う事だろう(また断言)。
 ‥‥そして時は動き出す。
「ほ〜ら、サキも脱いで脱いで♪」
「が、がぅ!? ど、どうして‥‥脱がすの‥‥」
「もっちろん‥‥これからする【コト】には、邪魔でしょ?」
「こ、コトって‥‥ひゃう!? そ、そこは‥‥舐めたりする場所じゃ‥‥」
「うふふ‥‥今日はずっと離さないんだから、ね‥‥。 全身でサキを愛してあ・げ・る♪」
 ゆっくりと佐倉から取り去った浴衣を布団の外へ放り投げ、生まれたままの姿で抱き合う美少女二人‥‥これから【ナニ】が起こるのか、それは神すら計り知れないことであろう。合掌。



「う、う〜ん‥‥ホント楽しかったな〜♪ ま、リアナさんの暴走はいつもの事だけどね」
 ここは自販機もある【さらさの湯】のロビー。ついさっきまで大部屋でリアナや比良坂と仲良く談笑していたのだが‥‥何やら決心した雰囲気の彼の気持ちを感じ取ったのか、気を利かして出てきたのであった。
「それにしてもカップルになった人が増えてきたね〜‥‥ま、あたしも人の事は言えない‥‥のかな?」
 どうやら少し悩み事が出来ているらしく、若干落ち込み気味の彼女。勿論皆の前では表に出していなかったが、内心では色々と複雑な想いが交差していたのであった。
「ふぅ‥‥あ、そういえばさっきから布施川さんがいなかったような‥‥どこ行ったんだ、ろ‥‥」
「女将さん!! いや春香さん!! さらさの湯の未来を俺と共に育みませんか!!」
「うふふ‥‥どうやら少しお酒を多めに過ごされたようですね。向こうにお部屋を用意してありますから、もうお休みなさいませ♪」
「うぉ〜〜!! ならば、せめて肩を揉ませていただけませんか!? その疲れたあなたを少しでも癒して差し上げたいのです!!」
「‥‥何してるの?」
 何やら受付で事務仕事をしていた女将・雨宮春香を、何とかゲット(?)しようと全力でアピールを続けている布施川を見て、じと〜っとした目で見ている刃霧。
「い、いやこれは別に何て言うかだな!! そのうなじを堪能したいとか香りを間近で感じたいとかそういう疚しい思いは全く無く‥‥!!」
「は〜いはい。いつまでも女将さんを困らせちゃダメだよ。‥‥お邪魔虫同士、ここで話でもする?」
「おぉ!? 勿論オールオッケー!! さささ、こっちへこっちへ‥‥」
「あらお客様? 宜しければお部屋を用意しますが‥‥」
 そのままソファーに座る二人を見て思わず立ち上がる春香だったが、ひらひらと手を振って笑う刃霧。
「大丈夫大丈夫。後で毛布でも借りれたらそれでいいから♪」
「いえいえ、そういう訳にも参りません。後でこちらの部屋を空けておきますので‥‥」
「よっしゃ〜〜!! ではそこで俺たち三人でめくるめく愛の営みを‥‥ぎゃん!!」
「ど〜してそういう事言うかな〜。第一、わたしはもう専売済みだよ?」
「なん‥‥だと‥‥!?」
「ふふふ‥‥本当に面白い方々ですわね‥‥」
 思いっきり刃霧に拳で殴られている布施川を見て、またもや大人の笑みでクスクスと微笑んでいる女将であった‥‥



「うふふ、二人だけになってしまいましたわね〜♪」
「そ、そうです、ね‥‥二人だけ、です‥‥」
 さっきまで三人で話をしていたリアナと比良坂だったが、何かを思い立ったのかにこやかに出て行った刃霧。ドアを開ける直前に比良坂へしていったウィンクが何を意味しているのか‥‥思い辺りがありすぎる彼の緊張は、最早マックスになっていた。
「え、ええとその‥‥あ、今回は誘って下さってありがとうございました‥‥」
「いえいえ〜。普段からいつも御世話になっていますもの。 これぐらいは当然ですわ♪」
 にこやかに満面の笑みで答える彼女の顔を見て、ますます体を強張らせてしまう比良坂。そんな彼を見て、リアナが何の気なしに声をかける。
「あらあら〜、何だかお顔の色が優れませんわね〜? 何か思い悩む事でもありましたか〜?」
「い、いやその〜‥‥何と言いますか‥‥」
「‥‥?」
 顔が赤くなったり青くなったりと忙しい彼だったが、ついに決心したのか思いっきり正座をしながらリアナに向き合う。そして‥‥ついに比良坂一世一代の時が訪れた。


「‥‥リアナさん。俺‥‥リアナさんの事が‥‥好きです」
「‥‥‥‥‥え?」
「一人の女性として、大切にしたい‥‥俺と、お付き合いしていただけませんか?」
「‥‥‥‥‥‥‥」
 まるで永遠に思えるかのような、それでいて時間にしてほんの僅かな一瞬。たどたどしいながらもはっきりとした彼の告白に、彼女の答えは‥‥
「‥‥リアナ、さん?」
「‥‥私の胸の音、聞こえますか? こんなにドキドキしています‥‥きっと、とても嬉しいのでしょうね‥‥」
「‥‥はい‥‥これが、リアナさんの【答え】ですね‥‥」
 そっと胸に抱きしめられた彼の耳には、確かに普段とは違う鼓動が感じ取れた。普段から抱きしめられてるのとは違う、もっと深く優しい気持ち‥‥最早、その気持ちに言葉は必要無かった。
「‥‥感じてください。私の想いを‥‥」
「‥‥リアナさん‥‥」




    そして、ここに新たな絆が生まれたのだった‥‥