●リプレイ本文
●暗闇の中で‥‥(一階)
普段は明るく綺麗な受付‥‥しかし、非常灯だけで照らされた今のここは非常にひっそりと、そしてどこか不気味に佇んでいた。
「ふむ‥‥こうして見ると、なかなかの出来栄えだな」
「そ〜ですね〜。あ‥‥そういえば、以前祭り会場でこんな事が‥‥」
「ま、毎日暑いしね〜。こういう趣向で涼をとるってのも風流じゃないですか、うん」
ゆっくりと周囲を見渡しているエリク・バルフォア(
gc6648)の後から、クスクスと自身の怪談を語っている住吉(
gc6879)が歩いている。
口調は飄々としているものの、内心ドキドキものの新条 拓那(
ga1294)は、その後からゆっくりと歩いていた。
「そ、それにしてもどんな仕掛けがまってるのかな〜? ま、まあ全然怖くは無いんだけどな!!」
「そうだな‥‥だが、仕掛けを予想するだけ無駄だ。きっとその斜め上が来るに決まっている」
「ふふふ‥‥さ〜て、どんな仕掛けが待ってるのでしょうか‥‥」
くじ引きで決まったA班がそのままロビーへ進んでいくと‥‥どこからか、水の音がする。
何も見えない‥‥しかし、何かがいそうな気配。
ふと立ち止まったエリクは、すぐ傍のカウンターからの気配を敏感に感じ取った。
「‥‥何だ?」
「どうかしましたか〜‥‥?」
「いや‥‥今そこで気配が‥‥」
「にゃ、にゃ〜!! た、食〜べちゃうぞ〜!?」
「ふふふ‥‥俺達の姿を見て、生きて帰った者はいませんよ〜‥‥」
不意に飛び出た影が二つ、三人の前を立ち塞がった。
暗闇の中、その姿は不気味な雰囲気を醸し出して‥‥
「‥‥刃霧。自分が怖がっていては相手を驚かせられないぞ?」
「だ、だってだって〜〜!! こうしなくちゃいけないんだから仕方ないも〜ん!!」
「ちょ、ちょっと零奈!? 自分から正体ばらしてどうするの!?」
‥‥全く醸し出せなかった【猫娘】刃霧零奈(
gc6291)と、血糊でオバケっぽく変装したものの彼女を庇うあまり素の状態を晒してしまった白峰 琉(
gc4999)。
「う〜ん、タイミングは悪く無かったんですけどね〜。刃霧様がもう少し恐々とした気配を見せてくれれば‥‥」
「ちょ、そこで追い討ちをかけるかな普通!? しかもそんな冷静に分析されると‥‥」
「う〜ん‥‥こんな可愛いオバケなら全く大丈夫かな〜?」
「だ、だからオバケが可愛かったらダメでしょ!?」
「え、え〜と‥‥これって、どうなんでしょうかね?」
「ふむ‥‥まあ脅かし役としてはまだまだだな」
最早完全に普段のノリに戻ってしまった皆。しかし、そうそう普通に終わらないのがこの企画‥‥
「あらあら、ちょうど【あの場所】皆さんが集まりましたわ‥‥♪」
「ええ。ではそろそろこのスイッチを‥‥暗くて少し見えにくいですね‥‥」
「あら〜、大丈夫ですか〜? 良ければこっちから‥‥」
「あ、あのリアナさん!? そ、そこはスイッチじゃ‥‥」
「う〜ん、何でしょう〜? 何だか柔らかくて暖かくて‥‥」
「ちょ、ちょっとちょっと〜〜!!【ポチポチポチ!!】」
‥‥この声がリアナと比良坂 和泉(
ga6549)である事は言うまでも無いだろう。
どこからともなく【ガタン!!】と音がしたかと思うと、まだ準備中だったマッサージ室から悲鳴が聞こえる。
「〜〜〜〜!!??」
「だ、だから苦しいよ零奈‥‥そんなに胸を押し付けない、で‥‥」
「だからオバケが悲鳴で怖がるな‥‥ん? お前の後ろにもう一つ人影が‥‥」
「い、イヤ〜〜〜〜!!」
「う、うぅ‥‥も、もうダメ‥‥」
その豊満な胸(注:若干はだけた着物バージョン)にぎゅむぎゅむと白峰の顔を押し付けて怖がっている刃霧を置いておき、エリク達はそのマッサージ屋へと進んでいった。そしてドアを開けると‥‥
「ちょっとちょっと〜!? まだ誰も来ていないのにどうしてここのトラップが発動してるのよ〜!!」
‥‥何やらマッサージ台の上で貼り付けになっているマリーの姿があった。
準備も何も無しに引っ掛かったせいか、その子悪魔衣装はかなり着崩れを起こしており、しかし四肢を捕らえられたその状態は扇情的な【何か】を醸し出していた。
「え、え〜と〜‥‥これは一体どういう事なのかな〜?」
「ふふふ‥‥これはまさしくマリー様が私を誘っている、という事ですね〜♪」
「住吉‥‥明らかにハプニングとしか言いようが無いのだが」
「え、エリクさん達!? お願いだからこっち見ないで〜〜!!」
皆がそれぞれの反応を見せていると、そこへ更なる仕掛けが発動する。
天井から音がしたかと思うと、【ネチャ〜〜〜!!】っとした液体が急に室内に降り注ぎ、皆の動きを徹底的に束縛してしまったのだ。
「あひょう!? ぜ、全然怖くなんかないからな〜〜!?」
「‥‥まあ人体に害は無さそうだな。だが、男である僕達までかかるのは納得いかな‥‥」
「クスクス‥‥御姉様〜♪ 何だか粘ついて御姉様の肌から手が離れません〜♪」
「ちょ、ちょっと住吉さん!? 今明らかに自分から引っ付いたでしょ!?」
「そ〜んな心外ですよ〜♪ ‥‥では今からその束縛を解放してあげますから、ね♪」
「だ、だからそんな所まで触らなくても‥‥ひゃうん!!」
「‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥そんな表情で、大丈夫かい?」
「‥‥大丈夫だ。問題無い」
こうして、マリーが無事に(?)解放されるまでドタバタ劇は続いたのであった‥‥合掌。
●暗闇の中で‥‥(二階)
二階の大食堂‥‥ここにはくじ引きで決まったB班・柳凪 蓮夢(
gb8883)と八尾師 命(
gb9785)のペアが進んでいた。
「わたしの ゆうしゃとしての ちがさわぐ!!」
「ええと‥‥八尾師さん? 少し様子が変なんだけど‥‥」
「ええっと〜、少しでも明るい雰囲気にしようと思いまして〜」
「‥‥ふふっ」
「あ〜、今笑いましたね〜? 笑いましたでしょ〜?」
何だかカップルに見えなくも無い光景ではあるが、とにかくその食堂へ入ると‥‥急に目の前から転がってくる物体が一つ。
「裏飯屋〜〜〜ふにゃん!?」
「ひゃう!?」
「な、何です一体!?」
それは、頭にモヒカンを付けて小悪魔風の衣装を着こんだ美少女(?)ラティシア(
gc7635)であった。手に持ったコンニャクと巨大注射器、そして転がってきた方向‥‥
「‥‥恐らく、私達を驚かせようと活き込んだのは良いが誤って転んだ‥‥どいう所かな?」
「そ、そ〜ですね〜。何と言いますか‥‥ドジッ娘?」
緊張感の欠片も無い会話だがそれも仕方が無い。
せっかく【色々と】準備して待っていたラティシアだが、暗闇の中で足元が見えないまま勢いで飛び出した結果が‥‥
「てへ〜♪ またまたやっちゃいました〜♪」
「‥‥いえ、まあ【驚かせる】という趣旨は抜群でしたよ?」
「は、はい〜。確かに【驚かせる】という意味では‥‥」
「わ〜いわ〜い♪ それじゃ〜次、行ってみよ〜〜♪」
確実に褒めてはいなかったのだが、無邪気な少女には通じなかったらしい。その勢いのまま壁の方へ走っていくと、カーテンに隠れた紐をぐいっと引っ張る。
「あらあら〜、合図が来ましたわよ〜?」
「は、はい‥‥それじゃあ今度は俺がしますんで、リアナさんはそこでじっと‥‥」
「それでは〜、どれにしましょうか〜‥‥はい、これにしましょ〜♪」
「聞いてませんね!? 絶対聞いてませんよね!? ですからそんなに近づくときっとまた‥‥」
「あら〜、少し狭くて手が届きにくいですわ〜‥‥」
「だ、だから胸!! 胸が顔に当たって‥‥うぅ、逃げられない‥‥」
「あら〜、知りませんでした〜? 最後のボス敵からは逃げられないのですわよ〜?【ポチポチ】」
「それってマジボケですか!? あ、そのスイッチは‥‥」
「ヴぉぉぉぉ、ぁぁぁあああ、‥‥かゆ‥‥うま」
「〜〜〜〜!?」
不意に背後からかけられたうめき声に、完全に硬直する八尾師。恐る恐る振り向くと‥‥まるで本当の墓場から這い出て来たかのようなゾンビ・美黒・骸(
gc7794)が、のっそりと立っていた。本当は通り過ぎてから出る予定だったのだが、【何故か】合図が出たので干し肉を放り出して出て来たのであった。
「ぁぁぁあああ〜〜〜!! ウヴォァァァァ〜〜〜!!」
「ひ、ひゃう〜〜!!??」
「これはこれは‥‥まるで本物みたいだ。しかし脅かされっぱなしと言うのも‥‥」
「むぅ〜‥‥負けていられませんね〜。こうなれば私ももう一度‥‥ひゃう!?」
のそ、のそ‥‥と八尾師に近づく美黒を見て、こっそり何かを用意し始める柳凪。
それを見てこっそりと動き始めたラティシアだったのだが‥‥またもやすっ転んで手の中の注射器を放り出してしまう。
飛んでいったその先には【明らかに怪しいスイッチ】があり、見事に命中‥‥
【ガタン!!】
どこからともなく音がしたかと思うと、頭の上からまたもや何かが降ってくる。本当はお客だけにかかる予定だったのだが、【偶然】転んでしまったラティシアと【たまたま】早く飛び出してしまった美黒も被ってしまう(ついでに何故かコーラの香り)。
「あらあら〜、何だか暗くて良く分かりませんけど〜‥‥何でしょうか〜」
「何だろうね‥‥ドロッとした‥‥白濁液?」
そう、これは【白濁ローション】である。先の【ネチャネチャ粘液】と違う点は、べとつかず・滑りやすいのが特徴なのだ!!(ぇ
「な、なんですかこれ〜? ぬめぬめして、ドロッと‥‥ふにゃん!?」
「これはわざとでは無いですよ八尾師さん〜? また【たまたま】転んでしまって‥‥」
「で、ですのでそれは分かっていますが〜‥‥ぁん♪」
非常灯だけが照らす食堂内で、艶かしいショーが繰り広げられていた。
ドロドロ白濁液を頭から被った八尾師とラティシアが、くんずほぐれつで絡み合って火照った吐息を漏らす。ラティシアのぬめった手が八尾師の浴衣を弄り、所々に触れるたび甘い声が漏れ‥‥
「‥‥ところで、美黒はいつまでこうしていればいいのだ? 今柳凪にかけられたコーラを早く落としたいのだが」
「さ、さあね‥‥とりあえず、効果が切れるのを待つしかないんじゃないかな?」
結局、このローション効果が切れるまで小一時間かかったという‥‥合掌。
●温泉にてゆっくり‥‥?
「う〜ん‥‥それにしても今回はどうなんだろうね〜」
「さあな‥‥何だかお化け屋敷というより、変わった18禁屋敷にしか思えなかったが」
湯の中でのんびりと浸かっている新条がエリクに話しかけている。あれから一応館内を全て見回ったのだが‥‥とりあえず全ての罠は作動した。
「でもまあ仕方ないですよ。なんせ【あの人】の依頼なんですし‥‥」
「‥‥比良坂? 今回は裏方だったのに、やけに疲れているな」
「あ、でも見てください!! 今回は一度も鼻血を出しませんでしたよ!?」
「‥‥その時点で何かがおかしいと気付け」
何やらやり遂げた感を出している比良坂を見て深くため息をつくエリク。そんな彼らの所へ柳凪が近づく。
「どうやら無事に乗り切れそうかな、ここの店は」
「う〜ん‥‥【ある意味】繁盛しそうだけど、逆に通報とかされて潰れちゃったりして」
苦笑いする新条だが、エリクの顔は笑っていない。
「とにかく、僕達にやれる事は全てやった。後は運を任せるしかないだろう」
「う〜ん、むしろ【ヤっちゃうだけヤっちゃった】という方が正しいような‥‥」
「新条‥‥あの光景は忘れろ。いいな?」
「‥‥エリクさん、何だか少し怖いですよ?」
白峰が冷や汗をかきながらエリクの様子を見ていたのだが‥‥とにかく男湯は平和であった‥‥
「ふふ‥‥結構恐ろしかったですが、面白かったですね〜」
「うん。美黒も楽しかったぞ。ところで、あそこで呆けているのは‥‥」
のほほんと身体を洗っている八尾師と美黒の向こうでは、またもや気の抜けた炭酸ジュースの雰囲気を醸し出しているマリーと刃霧の姿があった。
「うぅ‥‥やっぱり私ってこういう定めに合うのよね‥‥」
「もー蜘蛛もオバケも絶対ヤダぁ‥‥二度と受けない出会わないよぉ‥‥」
ぶつぶつと呟いている二人だが、そんな彼女達を遠目に何やら話をしている三人の女達。
「それで〜、これは何に使う物なのですか〜?」
「私も興味あります〜♪ 何だかトロトロしてます〜♪」
「うふふ‥‥リアナ様にラティシア様、これは男の人と仲良くなる為のとっておきアイテムで‥‥」
【どこからか】持ってきたのか、リアナが作った白濁ローションのビンを見てクスクス微笑んでいる住吉。それを手の中でくちゃくちゃと玩んでいるラティシアだったが‥‥ふとした瞬間に、手のひらから少し足元へ垂れてしまう。そしてそれに気付かない彼女が湯船へ向かって歩きだしたその時‥‥
【ドッカ〜〜〜〜〜ン!!!!】
最早お約束となった壁倒し。このお約束の前では紙切れ同然の耐久力でしかない仕切り板が倒れた先には、またもや素晴らしい光景が広がっていた。
まず美黒と八尾師。ゾンビ役をしていた時は気付かなかったが、その小麦色の肌に白い髪は美黒によく似合っている。警戒心を全く感じさせないまま手を動かしている八尾師の肌も、まるで陶磁器のように艶やかで思わず頬擦りしたくなるような裸身をさらけ出していた。長い黒髪にしっとりとした肌‥‥これぞ和風美人である。
刃霧とマリーは、最早言うまでも無い【ツインメロン】【ナイスアップル】。今日もたわわに実っており、ツンとした先端からはぽたぽたと水滴が落ちている。珍しくぼ〜っとしたまま空を見ていた彼女達だが、そのお陰で無防備な果実をそのままに拝見する事が可能だ。ふにゃっと潰れた、むっちりお尻も見逃せないポイントであろう。とにかく僅かに動くだけでぷるぷると揺れる胸。これに尽きる。
そして事故(?)の主犯格である三人組・リアナと住吉とラティシア。手に持っていた白濁液は全て漏れ出しており、彼女達の髪といい口元といい太ももといい、身体中に浴びせられていた。追いかけていたのかラティシアを捕まえているリアナの胸は、後から住吉によって鷲づかみにされて完全に形を変えている。しかし掴みきれない量が両手の中から溢れて【ハミ乳】状態なのも良い所だ。そんな彼女達が赤く火照った顔を白濁塗れで喘いでいるのだから、男なら燃えるのは仕方ない(ぇ
「またですか!? またこれなんですか!?(ぶしゃ〜〜〜〜!!)」
「ふむ‥‥いい加減ワンパターンと言うのも問題があると思うが‥‥とにかく脱出だ」
「いや、それどころじゃ無いと思うんですけど〜‥‥」
「あ〜、これっていつもある事なのかな?」
「え、ええ‥‥少なくとも零奈をこの形で見るのは多いです‥‥」
ちなみに、お化け屋敷企画は見事に成功。むしろ下手な冬場より儲かったのは秘密である‥‥