●リプレイ本文
●森へ向かう途中‥‥
「リアナさん、もう少し警戒心とか持ちましょうよ‥‥」
「あら〜、でも雰囲気はとっても【紳士】でしたけど〜?」
「そ、そうなのかな‥‥聞いた話ではかなり【アレ】な感じなんだけど‥‥」
頭にハンチング帽を被りジャケットを羽織った比良坂 和泉(
ga6549)と、最早彼女の代名詞となった【ツインメロン】を惜しげもなく強調した忍び姿の刃霧零奈(
gc6291)がのんびりと会話しながら歩いている。普段から【色々な意味で】活躍している彼らだが‥‥果たして今回はいかに?
「あ、ところで今回は何だか動きがぎこちなくない?」
「わ、分かりますか‥‥? 何だか今回は女性率が‥‥」
「それにしても暑いですわね〜。少し胸辺りが蒸れてきて‥‥」
「‥‥‥‥(必死に我慢中)」
「らんらんらん〜♪ 今度はお笑い笑いだけけけぇ〜♪」
「‥‥ミティシア。いつも思うのだが、毎回歌っているきみの歌は一体‥‥」
今日も元気一杯に腕を振りながら歩いているお気楽少女ミティシア(
gc7179)の横では、若干クールな顔を引きつらせて苦笑いしているエリク・バルフォア(
gc6648)の姿があった。この無邪気な笑い顔の奥に隠された天性の災厄引き込み能力‥‥それを知っているエリクは、今回の依頼に参加した時点で既に色々と悟っているようだった。
「それにしてもさっきマリーから聞いたのだが、今回の依頼人は【色々と】危ない人物のようだ」
「へ〜、そうなの〜? でもでも〜、あたし達はワンコロを倒してキノコを取れば万事オッケーだもんね〜?」
「‥‥まあ、ある意味そうだな」
「さて‥‥俺にも効くんだろうか、この薬は」
「え、ええ‥‥多分効くと思うわ。‥‥副作用は怖いけど」
「‥‥毎度ご苦労様です」
今回がリアナの依頼初参加となるカララク(
gb1394)の質問に、少し苦笑いしながらマリーが答えている。後半部分に込められた思いは、数々の経験を積んできた彼女ならではの思いやりであろう。そしてそれを敏感に感じ取ったのか、憐憫と同情が混じった眼差しでぼそりと呟く常木 明(
gc6409)。頑丈な服でも隠し切れない【ツインスイカ】を持つ彼女もまた、その被害者であったのだから‥‥
「ま、とりあえずラクさんも今回の仕事で何かが分かると思うよ。‥‥ホント、色々あるから」
「‥‥明? 何だか雰囲気が‥‥」
「え、ええと‥‥私は全く悪くないはずなんだけど、とりあえずゴメンなさい‥‥」
「うふふ〜、色々なキノコがあるといいですね〜」
「キノコ、ね‥‥嫌な事を思い出すわ‥‥」
ほんわかと微笑みながら歩いているマイペース魔女っ子・八尾師 命(
gb9785)の隣では、こちらも依頼初参加となる巫女女性・ユキメ・フローズン(
gc6915)がぽつりと呟いていた。過去に何かがあったのか、その表情は固く‥‥そして若干赤い。そんな彼女の悩みを知ってか知らずか、のほほんと八尾師が話しかける。
「そんなに気にしなくても大丈夫ですよ〜? 何も変なキノコばかりじゃないですし〜。‥‥まあ私は他のキノコも見てみたいですけど」
「‥‥お願いだから、取ったキノコは全部見せて頂戴ね‥‥?」
●森の中で‥‥
ようやくたどり着いた森の中、リアナがう〜んとのびをしてカゴを背負いなおしている。目的は確かに【オオワライシイタケ】の採取なのだが、せっかく能力者達が護衛についているのだからと他も見て回る気が満々のようである。
「こうして見ると普通の女性に見えるのだが‥‥そんなに危険人物なのだろうか?」
「‥‥ああ。色々な意味で危険だな。僕も危ういところで回避しているが‥‥いつか何かが起こりそうで怖い」
「まあエリクさんなら大丈夫だよ。‥‥というか、いつも私が恥ずかしい目にあってるんだけどね‥‥」
前方でキメラの気配を探っていたカララクが不思議そうに隣のエリクと刃霧に話しかける。近くの幹に印を付けていたエリクと刃霧は、ひとまずその手を休めて振り向いた。
「何と言うか‥‥別に彼女が積極的に動くわけじゃないんだが、周囲が何故か巻き込まれるというか‥‥」
「そうそう。私たちはあくまで普通に行動しているんだけど、ホント偶然に偶然が重なるって感じだね」
「ふむ、そういうものか‥‥まあ今のところは何も起こっていないようだが」
チラッとリアナの様子を見たカララクだが、特に気にする事も無く周囲の索敵を再開した。
「え〜と、これは【オオワライシイタケ】で‥‥こっちは【モウロウキノコ】、そしてこれは〜‥‥」
「そ、そのキノコは‥‥!?」
少し離れた場所でリアナに教わりながらカゴにキノコ類を放り込んでいた八尾師だが、その内の一本を放り込んだ瞬間にユキメの目が大きく開かれる。
「や、八尾師様!! そのキノコは駄目だわ!!」
「あら〜? もう放り込んじゃいましたけど〜‥‥見てみますか〜?」
「も、もちろんよ!! そのキノコだけは‥‥」
さっきから冷静に周囲を警戒していたユキメだったが、この瞬間だけは雰囲気が一変していた。何やらさっき言っていた【過去】に原因があるらしいが‥‥がさごそとカゴを探るもなかなか見つからない。
「あ、あのキノコは‥‥ある意味【一番】危ないキノコ‥‥と、あったわ!!」
「あらあら〜、でも中がぐちゃぐちゃになってしまいましたわね〜」
のほほんと呟く彼女のかごの中は、【様々なキノコ】が入り乱れてしまっていた。まあオオワライシイタケは別のカゴに入れてあったので無事だったのだが‥‥またこれを巡って別のお話があるだろう(ぁ
「うにゅ〜!! このこのぉ〜!! ちょこまかと動かないでよ〜!!」
「ここは俺が引き付けます!! その隙に狙ってください!!」
意外とオオカミキメラに遭遇する確率は高かったのだが、幸いにも確実に一匹ずつ仕留めていっているおかげで増援を呼ばれて大変、という自体には陥っていなかった。そして今も比良坂が自分に意識を逸らせた瞬間を狙って、ミティシアがトドメの一撃を撃ち込んで無事に終わらせている。
「全く‥‥結構あちこちに現れるものですね」
「そ〜だね〜。今はまだおね〜さんたちに被害は出ていないけど、あんまり時間をかけるのも‥‥」
「あ、こっちは終わった? 向こうもラクさん達と協力して無事に終わったよ」
ガサガサと草むらから姿を現したのは、片手に刀を下げた常木である。どうやら隠れて一匹がリアナ達の方へ接近していたのを、護衛組が退治したようだった。このようにこっそり接近してくるタイプがリアナら一般人にとって一番厄介なのだが‥‥流石は能力者。
「お疲れ様です。‥‥あ、そういえば材料の方は無事に集まったのでしょうか?」
「う〜ん、そうみたいだね。早速試験薬を作ってるみたいだけど‥‥」
「とりあえず皆のところへ戻ろ〜♪ 集まったんならもうここには用も無いしね〜♪」
お〜っとミティシアが手を振り上げたその瞬間‥‥急に近くの茂みから音が聞こえて、鋭い牙をむき出しにしてキメラが飛び出してきた。
「ふぅ‥‥どうやらもう少しゆっくりは出来ないみたいだね」
「さぁ、早く片付けて皆さんの場所へ戻りましょう!!」
「にひひ〜、終わったらいつものところへGO〜!!」
●さらさの湯での攻防‥‥(前編)
「それにしても‥‥ホント、リアナさんは大きいよね〜?」
「あら〜? そうでしょうか? あくまで【普通】ですわよ?」
バシャバシャと湯を掻き分けながら、刃霧が自身のメロンを【見事に】揺らしながら歩いてくる。彼女のたわわに実ったメロンをぼんやり見ていたリアナだったが、ふと思い出したようにポンと手を打った。
「あ、ところで例の件なんですけど‥‥」
「ああ、アレね。それじゃあ一度聞いてみよっか」
いそいそと湯から立ち上がったリアナと刃霧を見ながら、じとっとマリーが声をかける。。
「あんたら‥‥一体何をするつもりなの?」
「いえいえ〜、ちょっとした【実験】ですわ♪」
「そうそう。やっぱり知らない事は探求しなくちゃ、ね?」
ね〜っとばかりにお互い微笑んで歩き出す彼女達。嫌な予感を感じたマリーも、思わず立ち上がってしまった‥‥
「ふ〜、やっぱり温泉は生き返るわね‥‥」
「そうだね‥‥まあ、あくまでまだ【依頼は】終わっていないんだけど」
湯の淵に腰掛けながらユキメがのんびり微笑んでいると、同調するように頷いた常木がぼそっと呟く。巫女服に隠されていて目立ちにくかったユキメの身体だが、その体型はまさに【豊満】と言っても過言では無い。175センチという少し高めの身長が生み出した【絶妙な】バランスに彩られた果実の先端からは、今もぽたぽたと水滴を両膝の上に落としている。
「‥‥? それは一体どういう‥‥」
「ふふふ〜、ユキメさんに常木さんですわ〜♪」
「丁度いいところにいたわね〜。少し聞いてもいいかな〜?」
ふと気になったユキメが聞き返そうと呟いた瞬間、少し離れた湯から二人分の声が届いた。ひょいと目を向けると、リアナと刃霧・そして後からマリーが近づいてくるのが見える。
「どうかしたの‥‥?」
「ええと〜‥‥ふふ、やっぱり普通ですわよね♪」
「う〜ん、でも私達と一緒ぐらいってだけだし‥‥比べるには‥‥」
ひょこっと首を傾げたユキメだが、二人の視線が己の胸に注がれている事に気付くと、顔を真っ赤にして思わず腕で隠してしまった(注:とはいえ隠しきれる質量では無く、両腕からしっかり【ハミ乳】状態)。
「ど、どこを見てるの!? 常木様も何か言ってあげて!!」
「別に良いんじゃないかな〜‥‥ダルイし」
の〜んびりと上を見上げている常木は、全く隠そうともせず息を抜いている。その呼吸に合わせて揺れるスイカを見ながら、二人はうんうんと頷いたように次の場所へ歩いていった‥‥
「いつもながら生き返りますね〜。‥‥また今回も何か起きそうな気もしますが〜」
「にひひ‥‥そういうときの秘密アイテム【えすかりぼるぐ】〜♪」
ほんわかとタオルで汗を拭っていた八尾師だが、ミティシアの出した【ブツ】を見て少し冷や汗をかく。やけに刺々しいクギをびっしりと生やしたバット、通称クギバットである。
「そ、それは流石に危ないのでは〜?」
「ぜ〜んぜん♪ しゅけべな男にはこれでも足りないくら‥‥」
「あの〜、少し良いでしょうか〜?」
にこにこと語っているミティシアの後から、ひょっこりとリアナが声をかけた。後からは刃霧とマリーが歩いてくる。
「あれあれ〜? 三人でどうしたの〜?」
「えとね、二人にも聞きたいんだけ、ど‥‥」
ここで刃霧の言葉がぴたっと止まる。同性としてお互いの身体を見比べようと思ったのだが‥‥まだまだ発展途上国である彼女達に聞くのは流石に気が引けたのかもしれない。しかしそんな空気など全く感じていないリアナは、あっさりと言い放った。
「私達の胸って、あくまで【普通】ですわよね〜?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
絶句する八尾師とミティシア。それはそうだろう、どこにGを超えるような女性が普通な世界があるだろうか。しかも聞いてきた集団が揃って【メロン軍団】とあれば‥‥
「‥‥ミティシア様。今なら何をしても許されるかと思うのですけど‥‥」
「‥‥そ〜だね〜。一緒にやっちゃおっか〜?」
「あ、あらあら〜? 急に目が怖くなったのですけど‥‥」
‥‥その後、女湯に悲鳴が上がる事になる。
●さらさの湯での攻防‥‥(後編)
「‥‥何やら隣が騒がしいな。何かあったのか?」
「気にするな。いつもはこっちで起こるような出来事が向こう側で起こっているだけだ」
「そ、そうですね‥‥【いつものハプニング】、ですし‥‥」
男湯では、それはそれは平和な空気が生まれていた。三人とも自分から騒ぎを起こすようなメンバーではなく(巻き込まれる事はあっても)、のんびりと湯に浸かっていた。
「ときに比良坂、輸血パックの準備はしてるのか?」
「ど、どうしてそんな不吉な事を言うんですか!? それだとまるで毎回俺が鼻血を出して‥‥いますね‥‥」
「輸血パック‥‥? 鼻血‥‥?」
そんな和やか(?)な空気の中、ガラガラと男湯の扉が開く。入ってきたのは依頼人の紳士であった‥‥その手には何やら大きめのバスタオルがある。
「やあやあ君たち。ゆっくり楽しんでいるかね?」
「は、はい。それはもちろんですけど‥‥」
「‥‥その手に持っている物はなんだ」
カララクがじとっと見つめたバスタオルは、何やら不自然に大きい。
「ハハハ、君たちは何も心配する必要は無いよ。そのままゆっくりしていたまえ」
「「‥‥‥‥」」
じろっと様子を眺めていたエリク達だが、そのまま身体を洗い出した様子を見て視線を元に戻す。そんな一見まともに見える光景だったのだが‥‥
「ほうほう‥‥ふむふむ‥‥」
やけに長い時間をかけて水の音が聞こえるのを不自然に感じた三人は、ゆっくりと紳士の場所へ歩いていった。その紳士が熱心にいじっていたのは‥‥小型の防水無線機のような代物であった。
「‥‥さて、そこで何をやっている?」
「ハハハ、別にニュースを聞いていただけだよ。君達も聴いてみるかい?」
「は、はあ‥‥では‥‥」
比良坂が訝しげにイヤホンを耳に当てると‥‥
【い、いやん‥‥そんなに触らないで下さいな‥‥】
【うにゅにゅ〜〜!! これが諸悪の根源なの〜〜!!】
【ちょ、ちょっとそれはやり過ぎよ!? ミティシアさんも落ち着いて‥‥】
【‥‥ユキメさんも、ですね〜‥‥吸収しなくては〜‥‥」
【や、八尾師様‥‥? 何だか目が据わって‥‥ぅん!?】
「‥‥‥‥(ぶしゃ〜〜〜〜!!)」
「おやおや、ニュースを聞いて鼻血を出すとは君も変わった男だね」
「‥‥明らかにニュースの反応ではないだろう。それは壊させてもらう」
血の海に沈んだ比良坂を見て、ごく冷静に機械を投げ落とすエリク。あっという間にその機械は瓦礫と化した。
「全く、道具を大事にしない人はバチが当たると思うがね?」
砕けた機械を見て、やれやれと紳士は首を振りながらその場を後にした‥‥と、その瞬間、
「‥‥まて!! その機械から変な反応が!!」
思わずカララクが声を上げたその瞬間、砕けた機械が一瞬にして爆発を起こす。洗い場の壁に密着していたその爆風は、またもやお約束の如く‥‥壁を破壊した。そして広がったのは‥‥
強引に刃霧の上へのしかかって両手をわきわきさせているミティシア。
マリーが後ずさっている前には一糸纏わぬ姿でにこにこと【暗い笑み】を浮かべている八尾師。
我関せずと一人でのんびり浸かっている常木。
少し離れた床では、荒い息を吐いてぐったりしているリアナとユキメ‥‥
「う、うぅ‥‥一体何が‥‥ガク‥‥(ボタボタボタ)」
「‥‥すまない(脱兎の如く逃げる)」
「とりあえずこっちを気にしている女性陣はいないようだが‥‥まずはあの男を始末しなくては‥‥」
「それじゃ、次会うときまで‥‥アデュー」