タイトル:フェイスオブワールドマスター:夕陽 紅

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/02/19 17:46

●オープニング本文


 ――いや、俺はね。思うんですよ。世の中、判らないことが多すぎるって。
 バグアだの、人類だの、戦争だの。そういうのって結局、俺達は当事者だけど。で、ありながら、だからこそ部外者である。なんて、ややこいことを言ってみるわけだけど。

 要するに、俺達に足りないのは客観性なのだ。当事者であるからこそ、逆に。俺達は主観でしかモノを見れないわけでして、そいつは一つ間違うと非常に危険なことになる、ってのは歴史が証明していることだ。魔女狩りの当事者に、俺はなりたくない。
 それなら、だ。俺達は、そいつを解きほぐす必要がある。ならば、どうすればいい。

「と、言うわけでーっ!」

 どうすればい。無い知恵絞って考えました、いろいろと!!

「まーずは、数字だと思うんス、よッ!」

 そんなわけで、思ったら即実行! が俺の良いとこ!
 まずは、ええ。自分の猛る思いをぶつけましたとも。切実に。

「まずね、能力者! この響き、実に良い、グーですね!! 能力者!! そのヒロイックな存在が珍しいものではなくなった昨今、だからこそその存在に人々はいろんな幻想を抱いてるわけッスね!!」

 ぐっ、と拳を握り。震えわななくそれを胸の前に押さえつけるかのようにかざし、しかしねぇこれ多分、暑苦しいという感じは全くないんでしょう。まぁ、それだけワタクシの喋りには、何というか、重みがないんでしょうねぇ。思いつく限りの美辞麗句を思いついたままに浮かべてる、というイメージ。ええ、まぁ、ある意味間違ってないッスよ?

「だからこそ、人々は知りたいはずッス! 真実の姿を! 彼らの本当の姿を!!」

「‥‥つまり?」
 
 ふーっと煙を一吐き、俺硬直。
 ううっ。ショック。このおっさん全然堪えてません。せっかく俺が精魂込めてこしらえた脚本‥‥もとい、誰の心にも熱く響くであろうハート&ソウルをぶつけているというのに!
 それなのに、このヒゲダンディプロデューサー氏ってば。前途ある若者がこーんなに必至に訴えかけているというのに眉一つ動かさず煙草すぱすぱしてるだけなんですもの。でもこっちも負けませんよ。よし喰らえっ!

「つまり、ドキュメンタリー!!」

 だしっ! と机を叩く様に両手を突きまして、体を乗り出しまして。プロデューサーの鼻先3cm。思わず顔を顰める目の前のヒゲ面は気にも留めずにぶちまけます!!

「あ、ここでさっきの『まずは数字』にかかってくるんですけれどもね? 大丈夫ちゃんと伏線は回収致しますとも! つまり、この近くて遠い存在、傭兵サン」

 と、ここで間を置いて椅子に座り直します。私は冷静ですというアピールッス。どうでしょ。中々に策士じゃありません? ワタシ。

「彼らの活動を通し、彼らの目を通し、彼らの心を通して見た世界ってのは、僕達一般人からしたら及びもつかないくらい広いでしょう。それを是非、見て貰いたい。でもね、悲しいことにこれ、おざなりに戦いの風景なんて放送しても、それこそ‥‥」

 見慣れたものでしょう。皆様方には、そして俺にとっても。悲しいことにね。

「‥‥だから、ね。まずは視聴者に興味を持っていただかなくちゃなりません。戦いではなく、能力者。それも傭兵。軍人とは違う彼等が、一体どんな風に考えて、どういう風に生きて、どういう風に戦っているのか」

 彼らの姿をその目に。

 静かな声で締めくくったワタクシを、ヒゲ紳士殿は随分長いこと見つめてました。いやん、恋の始まり? ナンテネ。真面目な表情を崩さずじっと見ていると、不意に視線を落としました。つられて俺も落としました。彼は煙草を灰皿でもみ消しただけです。なーんだ、と思って顔を上げた俺、目の前ると、突きつけられた我が渾身の企画書。おヒゲの素敵なダンディハンサム様は、視線を逸らさずに深みのあるバリトンで言いました。

「‥‥コーナー、枠やるよ。やり切る気があんなら、やってみろ」

 俺、ちょっと沈黙。その後、両手ぱーん! 叩いてひゃっほう! これから忙しくなるぞーっ!!

「宜しくお願いしゃぁっす!!」

●参加者一覧

佐竹 優理(ga4607
31歳・♂・GD
秘色(ga8202
28歳・♀・AA
斑鳩・八雲(ga8672
19歳・♂・AA
リヒト・ロメリア(gb3852
13歳・♀・CA
ダンテ・トスターナ(gc4409
18歳・♂・GP
Nico(gc4739
42歳・♂・JG

●リプレイ本文

●冷や弁も美味しいでしょ?

 メーデー、メーデー、いきなりお茶がぬるいと言われました。どうも、ユーリ・ハネカワです!
 ええと、ですね。やはり皆さん傭兵さん、人間味たっぷりな方々。こりゃ折角だから、楽屋裏も一応収録しとこうかな、て。そんな感じです。あ、撮影はしてませんよ。あくまで俺の思い出し書き。そんな感じで、しばしお付き合いください。

「もうちょっと温かい方が、僕は好みでしたね」
 本番を控えた出演者楽屋。皆さんに喉を潤して頂こうと出したインスタントのお茶に対してそう飄々と仰るのは、斑鳩・八雲(ga8672)サン。ええ、ワタクシの手落ちでございますね。誠に申し訳ございませんでしたーっ!
 ちなみに皆さん、既に衣装も軽いお化粧も済ませて準備はばっちぐーてなもんです。思い思いにくつろいでらっしゃいます。例えばこんな感じに。
「あぁ、弁当出ないの? 私、弁当食べに来た様なモンなんだけども」
 さらに飛んでくる佐竹 優理(ga4607)サンのお声‥‥あぁもう自由だなぁこの人達! こういうリラックスが傭兵として日がな怖い思いをするのに大事な秘訣なんデスかね? 君もユーリなんだねぇふんふん、だなんてお気遣いは嬉しいのですが。やっぱりどっか天然系‥‥。
 ともあれ、えぇ、勿論お出し致しますよ? 準備してあったお弁当を取り出そうとしたところで、ずどんという重低音。俺のお尻が少し浮きました。
「――とりあえず皆の衆、仕事の前の腹ごなしでもせぬかえ?」
 音のした方を見ると、最近売り出し中らしい美人アイドルこと秘色(ga8202)サンが重箱をテーブルの上に置いていました。どうやら中身はお弁当のよう。あら、美味しそう。これならこっちのおべんとは必要ないでしょうか。そそっと何食わぬ顔で後ろに隠します。お夕飯代わりに持ち帰って頂いてもいーでしょう。
「えーと、それでは、皆さんコンニチワ! 私、今回の企画と司会進行を勤めさせていただきます! 笑顔がチャームポイントのユーリ・ハネカワと申します、よろしくお願いしますっ!!」
 にかっとスマイル! 人間、第一印象が肝心ですもんね。それから、皆さんに本日の進行に関する確認です。さすが皆さん、飲み込みが早くていらっしゃいますね。打ち合わせはすぐ済みました。
「OKOK、大体判った。精々俺は、立派な傭兵として喋らせて貰うぜ」
  一通り台本に目を通してから、ソファに盛大に足を崩して座るNico(gc4739)サン、にっと笑ってそう仰いました。ちょっと物言いにアレっと思いましたが、うん。思い過ごしッスよね。きっと。ちょっとした照れというか、気障な言い回しとかそんな感じなのでしょう。きっと。
「うっはぁ! テレビとか出るの初めてッスから、楽しみッス!」
「おー、マジデスカ! そうそうそんな感じ、緊張しすぎないで楽しんじゃってつかぁさい!」
 いぇーいぱちんハイタッチ! ピシガシグッグッ。ダンテ・トスターナ(gc4409)サンはどうやら不肖このワタクシめに親近感を覚えてくださっているご様子。笑顔がとってもフレンドリー。
「‥‥わかった。ボク、がんばるよ」
 こくっと頷いてくだすったのは、リヒト・ロメリア(gb3852)さん。ついさっきまで、ものめずらしいのか子犬さんのようにきょろきょろと楽屋を見渡していた彼女ですが、俺が番組の説明をしているその最中にこうぽつっと呟いてくれました。
 公共の電波に乗って意思が発信されるならば、それは例え彼女個人の意思だとしても、『傭兵』が語ったものだと世界は看做すのだと。勿論、だからといって伝えたい意思は誤魔化さない。しかし同時に、誤解の無いように伝えなきゃいけない、と。
 ええ、勿論ですとも。その為に、ぼかぁこの企画を立ち上げたんですからね。なんちって。
 さて、もうすぐ本番です。傭兵のミナサン、お花摘みはお済みになりましたか? ピンマイクのご用意は? スタジオの真ん中で愛を叫ぶ心の準備はOKかな?

 それでは、参りまっしょぉ!!


●Face of this World

『コンバンハ、ユーリ・ハネカワです!』

 語頭にアクセントが入る独特のイントネーションの挨拶と共に茶髪の青年が朗らかに挨拶した。司会の青年は大仰な身振り手振りで番組の進行をして行き、一息吐くと傭兵達にぱちっと目配せをした。これから喋っていただきますヨ、いいですか? 無言の合図に傭兵達、ある者は緊張しある者は自然体に肩の力を抜き、どこからか鼻を鳴らすような笑いが聞こえたような気もしたが、準備は整った、その様子だ。頃合いだろう。
「それでは、本日お話を聞かせて頂く皆様をご紹介いたします。こちらの方々!!」
 ユーリが手で指し示す先には、傭兵達。司会の彼は、さて自分の出番はあらかた終わりだとばかりにずずっと下がる。ここからの主役は、この世界が生んだこの世界にしか存在しない能力者という名の存在。
 言い換えればこの世界そのものでもある彼らは、果たして何を想い、何を成すのだろうか。スタジオは、好奇と興味のない交ぜになった瞳で彼らを見つめるのだった。

●meaning of war

「ボクには敵を討てる力があったから」
 カメラを向けられたリヒトはそう語る。自分にはない色々なもの、例えば血を流さずに戦を回避する術であったり、人の心を安らがせる術であったり、そういうもので人を救うことは出来ないが、それでも、と。
「それでは、敵を倒すために能力者になった、と?」
「ちょっと‥‥違う、かな」
 少し首を傾げて、リヒトは訥々と言葉を繋げた。
「ボクは、弱者の為の剣盾」
「ボクが少しでも沢山敵を倒せば、それだけ多くの人が助かる」
 今はまだ、ただの夢物語だけど。
「平和な世界。誰もが手を取り合って笑える世界」
 それをその目で見たいのだと。
「だからボクは、戦ってます」
 柔らかいが変わらない無表情は、しかしだからこそ、その言葉の真摯さを表すかのようだった。
「ナルホドね! 戦う美少女の素敵な未来絵図、ありがとうでしたっ!」

 一旦カットでテロップが入り、次の演者が語りだす。
 ダンテ青年、楽屋のテンションはどうやら若干作っていたようだ。緊張で少し固くなっている。
「最初は特に何も考えてなかったッス」
 赤い髪の青年は、頭に手をやって少し照れたように語る。
「ただみんな、なんか理由を持って戦っていたから、俺も正義とかそういうことの為にって、最初はしてたッスね」
「でも、『正義』っていう概念は人それぞれ違うもので、バグアにもバグアなりのそれがあんのかと考えたら‥‥」
 わけわかんなくなって。
「ふむふむ。最初はってことは、今は違うんですね? 宜しければ、一つお聞かせ頂けると嬉しいな」
「‥‥それはっスね」
「空が」
 ある時見た空がすごく綺麗だったから。
「あれを汚したくないから、だから。あの綺麗な空を守りたいから戦う。って空のせいにしたッス」
 最初は固くなっていた彼は、言葉とは裏腹に最後は何か、吹っ切れた笑顔すら浮かべていた。ユーリ・ハネカワも少し吃驚、でもすぐに、良かったじゃないッスか、ねぇ? というような笑みを浮かべた。
「ナルホドね。空を想う青年の心、サイコーにクールでしたっ!」
 最初のコーナーはこの2人の発言を特にクローズアップした構成として編集されることだろう。いかにも若者らしい2人の発言だが、しかし実体験を伴った重みも同時にある。実にキャッチーである。ユーリはぐっと拳を握った。

●What is the 『BAGUA』
 このテーマは、結論から言うと、制作側の全く想像していない結果になった。
 戦争をしているのだと言う、その当事者にしては感情を露にする者がいなかったからだ。あくまで冷静に、理性を持って。前線の兵士ではこうはいかないと言うのに、これが傭兵か。能力者か。特に象徴的だったのは、優理と八雲の会話である。
「敵として出会いたくなかったね」
 優理は言う。彼はどうやらバグアを、人間に近いものと考えているらしい。
「人間に近い存在というか、絶対悪とは思えないんだよ」
「そうですか? ‥‥僕は、そこまで彼らと理解し合うことに対して熱心では、ないですね」
 八雲の取る立場は、即ち意思疎通の完全な無興味、不干渉である。技術や生態にちょっとした興味はあるようだが。
「強化人間もそうですね。僕にとっては‥‥そう、共感や同情に値する相手ではないです」
 融和を望む優理とそも敵に興味がない八雲の2人の姿は、決然とバグアに立ち向かうという姿を想像していたテレビクルー達を騒然とさせるに十分だった。
 ともあれ、なるほど、と持ち前の切り替えで冷静になったユーリ・ハネカワは頷く。
「けっこう、傭兵の皆さんはドライにしろウェットにしろ、バグアが憎いという方はいらっしゃらんのですね‥‥これはちょっと、新発見です」
 緋色、ダンテ、リヒト、Nicoはバグアを倒すべき敵であると言ったものの、そこには其方が憎いという意思ではなく、此方を護りたいという意思を――うち一名は、やや不穏な光を目に隠してはいたものの――見ることが出来た。
 あ、余談ですけど! 実はもう一名ほど不穏な光を目に‥‥っていうか、不穏なんだよあんたその格好!!
「秘色さん何スかそれ!」
「鼻眼鏡じゃ」
 おいおい! しれっと真顔でかけてるもんで今まで気付かなかったッスよ!
 恐るべし美人アイドル‥‥茶目っ気とか知らねッスよ‥‥まぁ、こほん、話を元に戻しましょう。
「ナルホドね。使命の徒、という感じッスねぇ‥‥ほむふむ。皆さんだからそんなにお強いのかな? 強さの一端、見せていただきましたっ」

●What is the war
 このテーマに関しては皆一様に、戦いを受け入れたような発言、諦めとも違う、それをそういうものであるとありのままに受け入れる心が見て取れた。その中でも、とある部分で際立った2人の言葉が目立った構成が本番組では為されたが、この部分の編集に関しては、ちょっとユーリ・ハネカワの意図とは違う結果であったことを最初に語っておきたい。
 テレビに悲劇は必要なのだ。ユーリ自身はそう思ってはいないが、少なからずそう思う人間もいる、ということだ。
「わしの夫と子は、バグアの襲撃から逃げて参った車に撥ねられ死んだ」
 秘色が静かに言う。瞳に深い哀しみを湛えて微笑むその姿は、それ故に何か一つの芸術のようでもあった。
「それは‥‥犯人とかは」
「一般人じゃ、恨むに恨めぬ」
 苦笑する秘色。被害者が時に加害者となる‥‥戦争とは然様な哀しいものじゃな、とひとつ頷く。
「‥‥こんなもん、早く終わらせたいッスねぇ」
「うむ、早う終わらせたいものじゃよ」
「其の為に、尽力は惜しまぬ」
 何かを振り切るように首を上げて艶やかに微笑む。悲劇を背負って尚立つ一人の女性が、そこに居た。
「なるほど、ね。 美人アイドルのカッコいい一面、しっかり見させて頂きましたっ!」

 場面は転換し、いよいよ最後の一人となる。
 Nicoは日本語が苦手らしく、翻訳の後テロップが画面下に出るということで解決した。以下は、ユーリが意訳したイメージである。とはいっても、正規の翻訳家よりはより原意を汲み取れた筈である。
「エミタってやつは、1000人に1人しか適応しねェ」
 その瞬間から、自分の周りにいる999人の代表だ。この意味がわかるか。と彼は言う。
「その時、俺の周りにいる999人と俺は、すっぱり切り離されちまう」
 恋人、友人、家族、自分の今まで築いてきたコミュニティがすっぱりゼロになってしまう。と彼は言う。
 一度孤独になるのだ、と彼は言う。
「想像に難くねェだろ?」
 少し唇を曲げた苦笑。野性味のあってどこかライオンのような姿の彼がそれをすると、一種の凄みが生まれる。
「‥‥戦うしかねェよな。好むと、好まざると、だ」
 だがな。
「死ぬかもしれねェなんて、言ってらんねェンだよ」
 そのコミュニティが、自分にとっては喪ってしまった何かでも、彼らは確かに生きている。ならば、この力はそれを護るために神が与えてくれたものだと、そう彼は言う。

「俺ァこの力で、守り抜く義務がある‥‥そう思ってるよ」
 照れた笑いなんてしながら、へたくそな日本語でカンペを見ながらニホンノミナサーンなんて必死に言っちゃって。
 何か、どうもね。嘘くさいんですよね。表情というか、笑いを堪えてるように見えちゃって。
 ま、いいですけど。今日語ったこの話のどっかに、でも、彼っていう人間の一端は隠れていたんじゃないかな、とか思います。勘ですけどね。嗤けてきますね?
「ナルホドね。 選ばれた人間の孤独ですか。カッコいいお話ありがとうでしたっ!」

●今だけエピローグ
「さて、この番組もそろそろ終わりに近付いていますが、どうでしたっ?」
「うぁー、実は最初は緊張してたッス!」
「うん。実は、ボクも」
「わしは全く」
「私も、それほど緊張してなかったですね」
「はは、あなたは肩が抜けたのかってくらいだらんだらんだったじゃないですか」
「緊張するほどの大事ってもんでもねぇしな」
 全員が思い思いに思いの丈を話す。うん、よきかなよきかな。
 やっぱり、ねぇ。相手のことを知るには、まず話してみなくちゃでしょ? 日本のミナサン、如何だったでしょうか。
 ちなみに、テレビ局側としては、というか僕と致しましては、今回の依頼は大成功でゴザイマシタ。当初の狙い通り傭兵の等身大のインタビューは若者を中心にいろんな人が見てくれまして、やはり率直な意見であるからなのか、とても好反響。もしかしたら、また俺にもお声がかかるかも、なんてことらしいです。やったね!
「少なくともね、血の通った人間だってことはよーーくわかったでしょう?」
「でしょうね。私達のみならず、バグアについても、語る機会があったのは幸いでしたし」
「ふむ。力を得ても変わっておらぬと申したいところじゃったが、やはり変わったのじゃろうな。己もそうじゃが、周りものう」
「ま、こんな碌でなしの僕でもね。この戦いの終わりくらいは見届けたいと思いますしねぇ」
「あんまり楽しくない、いやーなイベントッスけどね」
「うん、進んで身を投げ入れたいものでは、ないよね」
「ニホンノミナチ‥‥ミナ、サン? 能力者ヲ、応援シテアゲテクダサイネー」
「はいはい、お話は尽きないようですが、今日はここまでで御座います!」
 手をぱんぱん。そ、今日はひとまずカーテンコール。傭兵のターンはここで一旦終わりでござんす。

「皆さん、お名残惜しいですが本日はここまでっ! 出演はULTから来てくださって傭兵の皆さんでした。それでは、ご機嫌よーっ!!」