タイトル:【MN】突撃の破城竜!マスター:夕陽 紅

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/08/31 22:50

●オープニング本文


※ このオープニングは架空の物になります。このシナリオはCtSの世界観に影響を与えません

 バグアがこの地球を去ってから、一体どれだけの月日が経ったのだろうか。
 辛うじてこの地に文明の灯火を残しつつ、しかし人類は、明らかな衰退を目の当たりにしていた。その激しい戦火は、外敵と共に己の身すら焼いたのだ。生活水準は機械文明の黎明期にまで後退し、数多くの秘境が生まれ、居住可能な場所は大きく制限された。
 しかし、希望はまだ潰えていない。
 バグアの残していった遺産であるキメラは、長い戦いの中で世界中に散り散りに広がった。
 そして、彼らキメラは、終戦の際のバグア本星爆発の際に発生した未知のエネルギー波の影響により、2つの能力を得る。
 1つは生殖能力。そしてもう1つは、極端な殺人傾向の解消――つまり、キメラは自然に溶け込んだのだ。
 圧倒的な生命は人間達を圧倒し、畏怖させた。
 そして同時に、その圧倒的な生命素材を、人間は有効に活用する術を覚えた。
 生活の内にキメラの身体を余すことなく利用し、挙句はそのフォースフィールドまでも死後に固定させる。そうした素材を手に入れる為に、人類はとあるひとつの存在に再び頼ることとなった。
 能力者。
 かつて異星人と戦った能力者たちは、この衰退し、ある一面では再び繁栄を始めたこの世界に生き残っていた。
 彼らは倒したキメラの皮を剥ぎ、甲殻を纏い、爪や牙を剣に加工した。そして一般人からの依頼を請け負い、さらに強力なキメラを人類の繁栄の為に狩ることを生業とし始めたのだ。

 それから数年。
 彼らは傭兵、もしくはキメラハンターと呼ばれている。

「ULTギルドへようこそ。 現在受注して頂ける依頼は、こちらになっております」
 受付嬢たるオペレータが右手を差し出して、掲示板を示す。衰退した文明に電化製品は僅かな例外を残してほぼ存在しない。この掲示板も、各々の依頼者が手書きで作った依頼書がピンでずらっと留めてあるのみである。
 キメラハンターたる貴方は、背中に背負った大剣を、肩にかけたボウガンを、様々な武器を手に取って思案する。
 次なる標的はどのキメラか、依頼書を眺めて思案する。やがて、一枚の依頼書を手に取った。そこにはこう書かれていた。
 
 依頼人:旅商人風の男
『流通路に破城竜が居ついちまって、商売にならねぇんだ!
 あの突進を食らって、おいらの馬車にでっかい風穴が開いちまったんだよ!
 役人じゃあ、相手してくれないし‥‥
 もう、あんただけが頼りなんだよ。よろしくたのむぜ!』

「倒すべきキメラは、破城竜ゴルデュロス。突進力で有名なキメラよ。‥‥この依頼を受注するの?」
 あなたはひとつ頷くと、依頼書を掲示板がら剥がした。それを求人掲示板に貼り直すと、同行する仲間を募る。ほどなくして、数人の仲間がそこに集った。
「では、依頼の達成をお祈りしています」
 オペレータが礼をすると、小さく手を振る。
 命の危険もあるだろう。しかしそこにキメラがいる限り、傭兵の戦いは終わらない。

●参加者一覧

榊 刑部(ga7524
20歳・♂・AA
巳乃木 沙耶(gb6323
20歳・♀・DF
アル・ブレイク(gb8255
15歳・♀・FC
八尾師 命(gb9785
18歳・♀・ER
シクル・ハーツ(gc1986
19歳・♀・PN
宇加美 煉(gc6845
28歳・♀・HD

●リプレイ本文


 渓流。
 それは、豊かな自然とそれに裏打ちされた生態系の宝庫である。旧時代には観光名所であったそこも、今ではその豊かな自然に惹かれたキメラによる独自の生態系が築き上げられ、それによる恩恵と弊害の両方を近隣の人類に与えていた。
「破城竜狩りとは、久々の大物で腕が鳴ります。旨い酒で祝杯を挙げる為にも討伐を成功させたいものですね」
 榊 刑部(ga7524)が肩のバンドを調整しながら言う。彼の装備は背に負った長弓と腰に差した刀。木々を見上げて、陽射しに少し目を細めた。
「でも、情報が確かなら苦戦は免れませんね〜‥‥」
 八尾師 命(gb9785)がふぅ、と苦難を思って溜息を吐く。彼女の武器はパララホイッスルという名の大型の笛。その名の由来であるパララ虫の麻痺毒を仕込むことが出来る。全身は白を基調とし、長く伸びた耳のようなフードに全身を包む柔らかい毛皮、極地に生息する氷兎獣という異名を持つキメラの素材で作り上げた支援特化の逸品だ。
「さて、どこにいるのでしょうねぇ。まずは見つけないと‥‥」
 宇加美 煉(gc6845)が着込んだ鎧をがちゃりと鳴らしながら辺りを見渡す。彼女の装備は大戦時に使用されていた遺物を、現代の技術で丁寧に修繕し磨き直し、キメラの素材を利用したものだ。地形の起伏が激しいことから着用したままで歩いている。
「よしよし、これがあれば逃げても安心‥‥あっ、これも役に立つかな?」
 一方で、探索よりもその辺りの茂みを漁ることに注力する者達もいる。鼻歌を歌いながらしゃがんでいるアル・ブレイク(gb8255)らがそうだが、そのことに対して文句を言うものは居ない。何故なら、これもまた、キメラ狩猟に関わる大事な作業だからだ。草むらを捜すと、多様な植物がある。その中から慎重に強い独特の色と匂いを放つ実とはじける実を選定すると、ふぅっと編み笠を押し上げて汗を拭った。
「あ、蜂の巣蜂の巣!」
 シクル・ハーツ(gc1986)はたたっと木陰に走り寄る。彼女の鎧は白銀を基調に青い色が差されたもの。その硬質な断面や白色の甲殻から、鉱石と雪山のキメラを元の素材にしているとわかる。さらに同質の素材で作られたランスを背中に背負い、重装備ながらも要所は軽く動きやすいよう作られている。
「‥‥‥‥そろそろ焼けた頃ですかね」
 巳乃木 沙耶(gb6323)がそう言って肉焼き器から引き上げたのは、こんがりと焼けた草食キメラの肉だ。上手に焼けました! と誰かがはやし立てた。彼女は旧時代においてビジネススーツと称されていた服装を防具としている。一見するとただの洋服であるが、キメラの素材をふんだんに使用し強靭さと動きやすさを兼ね備えていた。同じく担ぐ小銃も、一見旧時代における銃のようではある。が、画一化された工業製品の生産が困難なこの時代においてよく使用される、火薬と弦の張力の両方を活用したボウガンだ。彼女は焼いた肉を皆に振舞った。

 一行は探索を続ける。荒れた野を抜け、小型の肉食獣の跋扈する川の流れを乗り越え、木々が生い茂る一帯に辿り着く。
 そこに起きていた異変を、鋭い勘を持つ傭兵達にはすぐに理解した。空気が、重い。強大な存在が何憚ることなく撒き散らす強烈な、プレッシャーとでも言うべき何かがそこに満ちていたのだ。
 そこに居たのは、巨大な猪型のキメラ。一般人どころか駆け出しの傭兵ですら蹴散らすような白く巨大な身体を持つそれですら、そのプレッシャーの主ではない。
 巨大な龍が居た。太い前肢は原始的な翼でもあり、後ろ足も良く発達している。身体からすれば小さな頭とそれに比して異様に太い首を持つ龍が、臥せっている。危険に気付き突進して外敵を排除しようとする猪を、風のブレスが阻んだ。そこにらせん状に身体を捻りながら突進する巨大な龍。猪の突進を遥かに上回るその音速の突進は、猪を蹴散らし木々すら薙ぎ倒し、君臨する。
 ふと、龍が首を巡らせた。その視線の先に居るのは、身構える傭兵達である。がちがち、と歯を鳴らすと矮小な存在達に向けて、己の存在を誇示するような咆哮をその喉から撒き散らす。
「■■■■■――!!!」
 破城竜の、臨戦の合図だった。


 真っ先に走り寄ったのは、命だった。スプーンをそのまま大きくしたような形状の笛を駆け寄り様にゴルデュロスの頭にがぎん、がぎん、と叩き付ける。そのまま転がって離脱すると笛を持ち替え、柄の辺りから伸びる管を咥えた。
「演奏開始ですよ〜。皆様頑張ってくださいね〜」
 言うなり、思い切り吹き鳴らす。パララ虫の羽が打ち震えて甲高い音を発し、その澄んだ音が仲間達の潜在能力を引き出した。
「これが、ゴルデュロスか。あの角‥‥あれだけのものがあれば、いい槍が作れそうだな」
 言いながら、そのまま流れるようにシクルが突撃する。叩かれて怯んだことにより僅か下がった破城竜の頭に、抜きつけ様にランスを2発、叩き込むと軽やかなステップで足元に潜り込み、突く。
「弓で彼奴が落とせるとは思いませんが‥‥」
 言いながら、刑部が弓をたたみ懸けるように後方から撃ち放った。翼に傷を負いながら、尻尾をなぎ払うように一回転する破城竜。近接の間合いにいた面々が転がって回避すると、その頭にぐちゃり、と桃色の煙が舞った。
「よっし、これでゴルデュロスが逃げても大丈夫だね♪」
 アルがぐっと拳を握る。彼女が撃ったのは、独特の色と臭気を放つ木の実を弾丸に詰めたものだ。これにより、一定時間は逃走されてもその所在を掴むことが出来る。その間に、大きな木の切り株に上ってボウガンを構えるのは、沙耶だ。たたたん、という軽快な反動と共に螺旋状に回転する尖った弾丸が龍の身体を次々と貫く。巨大な体躯を誇る破城竜は、その大きさが災いし幾つもの風穴を開けられた。その間動きを観察していた煉は、やにわ近づくと槍を突き込む。電撃を放つ槍が尻尾をざしゅざしゅと切り刻み、嫌がるように尻尾を振り回すのを盾で受け流す。
「尻尾を切ってミニチェアピンシャー見たくなるが良いのです」
 不敵に笑う。それに対し、帰ってきた反応は苛烈極まりなかった。
 ぐるる、と少しの溜めの後に、破城竜が大きく吼える。びりびりと空気が震える。あまりの轟音に、周囲に居た数人が耳を塞いだ。
 ひゅん、と空を裂くのは、原始的な豪腕だ。1度、2度、と振り下ろす。刑部と命は辛うじて避けるも、そのまま跳び退りながらのブレス――直進する竜巻が沙耶ごと高台をべきべきと軋ませ、切り株はその威力に耐えかねて崩壊した。素早く体勢を立て直した刑部は低空を羽ばたいて此方を睨むゴルデュロスの翼に矢を立て続けに打ち込む。痛みに唸って着地する竜を休ませまいとするかのように、シクルが足元に潜り頭に2突き。執拗な傭兵達の攻撃に、しゅっと跳び退ると、再び轟音の咆哮。だが、先程までとは様子が違う。ばっと背中や腕の甲が開いて禍々しく形を変え、口からは熱い吐息を漏らす。激昂したのが、一目で判った。
「皆さん、投げますよ!」
 しかし、その暴力を容易に発揮させるわけにはいかない。沙耶が叫ぶと、懐から出した玉を投げつける。死の直前に激しく発光する虫を閉じ込めた玉が閃光を放ち、目をくらませる。その隙に麻痺毒を仕込んだ弾丸を撃ち込んだ。目を一時的に潰されふらふらと尻尾を振り回す、その抵抗をかいくぐって頭に打撃をがんがん、と命が叩き込む。笛を振り回して持ち替え様に殴り、笛を吹き鳴らした。傭兵達の傷が癒される。未だ目の眩む竜の尻尾を、執拗に煉が槍で突き刺し、なぎ払う。ボウガンに持ち換えると、先程採取した素材で作り上げた拡散弾を叩き込んだ。狙いは上方。背中に命中した弾丸が爆散し、広範囲にダメージを与える。ここでようやく視力の回復したゴルデュロスは、再び腕を振り下ろし、そしてバックブレス。そこから地に下り、身体を低く沈め――弾丸のように、自らの身体を打ち出した。木々を薙ぎ倒し、正面に居た煉とシクルを跳ね飛ばす。初見の突撃故にだが、盾の防御すら間に合わない攻撃。更に、追撃をかけようとしていた他の面々もその風圧に押され距離を取らざるを得なかった。
 ブレスからの2択の、僅かな溜めの後の大威力の攻撃。まさに、破城槌を連想させるに相応しい突撃だ。薙ぎ飛ばされた2人は早々に退避し回復を行うが、今の一撃で体力の半分近くが削り取られた。
「でも、段々動きは見えてきた!」
 アルは素早く足を動かす。振り向いた破城竜の右後方に転がり込むと、剣を素早く切り付ける。振り下ろし切り上げ、殴りつけてからまたも回避。足元でちょこちょこするその動きに苛立ちと共に気を取られた竜に、ぱすん、と1発の弾丸が打ち込まれた。途端に身体を痙攣させ、びくびくと立ち止まる。
「――どうですか、麻痺弾の味は」
 その正体は神経毒。沙耶が命と共に間断なく打ち込んだそれにより動きを止めた竜を全員で攻撃している間に、彼女は更に地面に掘削ツールを打ち込む。連動して網目状のものがばさりと広がった。ぶんぶん、と頭を振ると、麻痺毒から立ち直った破城竜が次に目をつけたのは、槍を持つ少女。ブレスを吐く暇すら惜しみ、必殺の一撃ではなくとも恐るべきスピードの突進を敢行する。壁を背にした彼女は、一見追い詰められたように見えた。
「その角が命取りだ‥‥!!」
 その時、少女シクルが行ったのはまさに体術の妙技だ。くるり、と突進する竜に背を向けると、すれ違い様に思い切り地面を蹴った。がづん!! と厭な音がする。太く強靭なゴルデュロスの角が、岩盤に突き刺さった音だ。突然の回避に追いつかず、その自慢の角により身動きが取れないゴルデュロスを、さらに飛び退った体勢から間髪入れず突く、突く、薙ぐ。
「ダメ押しですよぉ」
 更に尻尾を、煉が突いて斬って払う。ばつん、と伸びきったゴムが切れるような音が渓流に鳴り響いた。竜の尾が切り飛ばされ、地に落ちたのだ。
「■■■■――!!!」
 咆える。怒りながらのその咆哮には、この小さき存在達に対する僅かな恐怖が見て取れた。ぶん、と頭を振って角を抜くと、向き直る。更に、駆け寄った命がガリガリと頭をぶん殴る。角にわずかにひびが入る。これでもかと言わんばかりの一押しで笛を吹き鳴らすと、ハンター達に秘められた腕力が開放された。このままやられてたまるかと、怒るゴルデュロスは3方向にブレスを放つ。フィールドに残るそれに、横っ飛びをすることで3択を迫り、突撃を行う破城竜。がぉん!! と空間ごと削り取るような突進を、しかし。
「ここで‥‥!」
「そろそろ、本気で行くよ!」
 刑部とアルが左右に跳んで回避する。動きを読んだ上での回避に、更に駆け寄ると、振り返るゴルデュロスの左右の翼に、それぞれの弓を、ボウガンを、叩き込んでから剣で切り刻む。爪が砕けた。痛みに咆哮する破城竜。腕を右に左に振り回しながら前進したところで、ふっとその身体が下に沈んだ。先程沙耶が仕掛けた落とし穴が、ここに来て威力を発揮したのだ。
「そろそろ弱ってきましたね〜」
「では、畳み掛けましょう」
 沙耶が角に弾丸を撃ち込む。気にしないとばかりにもがく竜が、時間差で爆発した徹甲榴弾の衝撃に頭を揺らす。ぐったりと頭を下げたゴルデュロスの角に、命が笛を振り下ろす。バギン、バギン、と振り回し、上から渾身の振り下ろし。甲高い音と共に、角が根元から折れ飛んだ。落とし穴からもがいて脱出すると、ゴルデュロスは振り向いて逃走を計る。足を引きずり、弱っているのが一目で判った。
「逃がさない、トドメだ!」
 ぐっと身体を落とす。ランスを構えたシクルの全力疾走。揺るがない城砦の如き突進がゴルデュロスの足元を抜け――
「っりゃあ!!」
 がしゅん!! と鈍い音が森中に響いた。全力疾走の勢いをフィニッシュの突きの威力に変えた、一点突破の一撃が破城竜の顎下を貫き、脳髄に達したのだ。大きく咆哮を上げながら地面に崩れ落ちる飛竜。びくりびくりと痙攣すると、その巨体は二度と動かなくなった。

 戦果
 破城竜の上鱗
 破城竜の上甲殻
 破城竜の胸膜
 破城竜の天砕角

 依頼達成!!


「温泉、温泉〜♪」
 アル・ブレイクが頭に手ぬぐいをのっけて鼻歌を歌っている。
 依頼を果たした傭兵達が来たのは、拠点として利用するとある村だ。そこは温泉を主とした観光が盛んであり、衰退したとはいえ人類の旺盛な生命力が感じられた。
「しかし、なぜ渓流にゴルデュロスが‥‥」
 不思議に思ったのは、沙耶だ。メンバーの中で一番キメラを良く観察していた彼女だから気付いたことだが、本来あれは渓流に住み着くようなキメラではなかった。何かが起きているのか、という不安が隠せない。
「さて。それより、竜っておいしいのですかねぇ?」
 煉は温泉に浸かりながら、肉のことなど考えているようだ。が、肉食獣の肉はわりと筋張っているし臭いしで食べづらいだろう。
「さて、何か素敵な素材はありましたか〜?」
 ほややん、と湯気に茹だされながら、命は戦果を聞く。極寒使用の装備を常から着ているせいか、汗をかくのは慣れたものらしい。気持ちよさそうだ。
「うんっ! 見て、あそこ、あの角があれば、良い槍が出来そうだよ」
 シクルは終始上機嫌だった。槍使いの彼女は、幸運なことに破城竜の素材の中で最も入手するのが難しい上質な角を手に入れたのだ。おそらく丁寧に槍として仕上げれば、高い切れ味と防御力を持ち、龍に対しことさら威力を持つ槍へと生まれ変わるだろう。
「いや、しかし、良き戦いでした。またの機会があれば、共に戦いましょう」
 刑部が盃を掲げる。他の面々も、刑部の奢りで買った飲み物を掲げると、一斉に乾杯の声を上げた。

 人類は衰退した。
 しかし、衰退しながらも、キメラと共存共栄の関係を築くことによって、人類は未だ強く生きている。
 或いはこれこそが、機械文明の中で人々が失った自然との共繁、なのかもしれない。
 それが正しいかどうかは後の歴史が判断するだろう。
 ハンター達は日々を駆け抜けるのみだ。
 ただ懸命に、ただ一途に。自然と渡り合う、人類の具現者達。彼らは今日もどこかで、キメラと戦っている。