タイトル:カーンプル攻防戦マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 6 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/05/28 10:06

●オープニング本文


 インド北部、イラーハーバード、UPC軍前線基地――。
 若き指揮官のヴィデル・ラドル中佐は、司令室にあってモニターを見つめていた。ついと視線をテレビに向ければ、団結式で演説する大ダルダの姿が流れていた。
「広報部はこればかり流してますね」
 黒髪の女性が言った。UPC東アジア日本軍から派遣されてきた副官の有里千歳大尉は、ラドル中佐にレポートを手渡した。
 中佐は肩をすくめてレポートを受け取った。
「それは仕方ない。これはバグアを相手にするUPC軍にとっては有り難い。悪辣なバグアの魔の手を絶ち切り、団結式は成功した。これは戦わずして得られた大勝利とも言える」
「そう簡単では」
「有里大尉、我々は軍人だ。そう気を張っていないで、目に見える大勝利を祝いたまえ。紅茶にハルワーでも食べながら」
「郷土料理には挑戦してみたんですが」
「駄目だった?」
「いいえ、いえ、はい」
「それは残念だ。兵站部に言って醤油と味噌を調達してもらおう。とにかくだ、レポートだな――」
 ラドル中佐は手元の報告書に目を通し始めた。
「カーンプルの主要戦力はワーム30機余り。最新の報告か?」
「そうです。周辺のキメラは除いていますが、そちらは地上部隊で対応出来るかと」
「アレン・キングスレーのカスタムティターンか‥‥このバグア人はここ最近目につくな」
「先日のグナ攻防戦の報告はお読みになりましたか?」
「読んだよ。ラトラム、それからグナでも成功したか。どう思う大尉」
「今は何とも。デリーへの道のりは遠いですから。戦略と呼べるものはありません。あるとすれば、バグアも我が軍も、負けない戦いをすること、でしょうか」
「負けない戦いなら、敵は強敵だがね」
 ラドル中佐がレポートを畳んで差し出すと、有里大尉は問い返すように中佐を見やりながらそれを受け取った。
「ご命令を頂き次第、カーンプルへの攻撃を開始します。全部門、すでに待機しています」
 ラドル中佐は吐息して、モニターの地図を見つめた。そして頷いた。
「作戦を許可する」
 中佐の言葉に有里大尉は敬礼すると、卓上の電話の受話器を持ち上げた。
「中佐の命令が下りました。カーンプル攻撃作戦開始――」

 カーンプル、バグア軍司令部――。
 茶色の髪をした長身の男は、カジュアルな服装で、だが鷹のような目で三次元ディスプレイを見つめていた。アレン・キングスレーである。
「キングスレー様、通信が入っております。ドレアドル(gz0391)司令官からです」
「繋いでくれ」
 モニターにドレアドルの姿が映る。
「司令官、お久しぶりですな」
「キングスレー、お前を地上に下ろしたのは遊ばせるためではないぞ」
「失敗続きなのは認めます。ですが、予測の範囲でしょう。噂になってますよ。私だって知ってる。地球人のことはすでに上層部も――」
 キングスレーの言葉に、ドレアドルは手を上げた。
「とにかく、地球人どもに好き勝手させるな。これ以上な」
 ドレアドルは唸るように言って、通信を切った。
「嵐が起こりそうだな」
 キングスレーがそう言うと、若い男の強化人間がやってきた。名をアーガ・ドーナと言った。先の戦闘でスパイとして潜入していたところを発見されUPC軍の基地から脱出していた。
「キングスレー司令官、イラーハーバードのUPC軍に動きが」
「そのようだな」
「迎撃準備は出来ています」
「我々も行こう」
「ドレアドル司令官は何と?」
「嵐を前に慌てふためいておいでだ」
 キングスレーはそう言うと、思案顔で歩き出した。

●参加者一覧

ソード(ga6675
20歳・♂・JG
美空(gb1906
13歳・♀・HD
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
日野 竜彦(gb6596
18歳・♂・HD
館山 西土朗(gb8573
34歳・♂・CA

●リプレイ本文

 出撃前――。
 ブリーフィングルームに集まる傭兵たちとインド軍の軍属傭兵たちが集まっていた。
「‥‥目標は北西に約200キロ、カーンプルのバグア軍基地だ。最新の情報によれば、タロス30機始め、カスタムティターンが配備されているようだ。対空施設は無い。ワームの抵抗を排除し、カーンプルを制圧するのが今回の任務だ。何か質問は?」
 インド軍の隊長を務める軍曹は、一同を見渡した。
 ソード(ga6675)が手を上げると、隊長は頷いた。
「俺は空から回りましょう。まあ最初から陸に回っても良いのですが、フレイアのレギオンバスターは空でこそ威力を発揮しますからね」
「あんたのことは知ってる。フレイアの勇名はUPCに響き渡ってるからね」
「お世辞は良いのですが、空で大丈夫ですか?」
「ああ構わんとも。そうすると‥‥空と陸からチームを分けた方がいいのかな」
 続いて、美空(gb1906)が手を上げた。
「実るほどに頭たれるバグアかな。インドの大地を食い荒らし、肥え太ったバグアの収穫の時来たれりなのであります」
 怪しげな慣用句をひねくりまわしながらも鮫のような笑みを浮かべた美空はインドのバグアを殲滅すべくひた走る。
「なんだそりゃ?」
「バグアの芽を摘み取る時期は来たのでありますよ」
「そいつは分かったが。詩なのか?」
 軍曹の唸るような言葉に、美空は肩をすくめる。
「前回と同じ作戦と思わせて裏の裏をかくのであります」
「聞こう」
「まず提案なのですが、UPC軍のKV部隊には、大砲系の武器を装備してもらい、重砲支援を実行してもらいたいのあります」
「実際には何を使用する?」
「M181重榴弾砲、220ミリ6連装ロケットランチャーとか」
 軍曹は思案顔で顎をつまむと、部下の伍長に問うた。
「榴弾砲はあったかな?」
「そうですね。あったと思います。220ミリ6連装ロケットランチャーは大丈夫です」
「だそうだ」
 美空は「ではお願いするのであります」と言って続ける。
「さっき地上と陸と言われましたが、美空は陸から回るつもりなのですよ。美空から提案したいのは――地上部隊が先行でバグア地上軍に攻撃開始。先のグナ攻防戦同様、地上軍の鼻先に煙幕を展開し、煙幕越しに散発的に射撃を行いつつ、支援砲撃部隊と傭兵攻撃部隊に分離。傭兵攻撃部隊は敵地上軍側面に時間を外して回り込むのであります。すぐには突撃せず、敵も前回の教訓から美空達が側面から回り込んでくると読んで向きを変えて待ち構えているでしょうから、そこへ煙幕範囲の向こう側を狙って支援砲撃実施。敵の算が乱れたところに時間差で突撃、制圧するのであります」
「悪くない策だと思うが。そうなると、本格的に地上からも攻撃を行うことになるな」
「そのつもりでありますよ」
 続いて孫六 兼元(gb5331)が手を上げる。
「デリーまでの、長い旅路は始まったばかり。まずはこの一戦を、確実にモノにする!! 東京も解放に向け、皆が頑張っておる。ワシ等も負けずに頑張ろう!!」
「まあ、東京の話は噂程度に聞いているが、それで?」
「ワシも陸戦担当に回ろうかと思う。加えて言うなら、軍には次に言うKVに参加してもらいたい。雷電五機、ディアブロ十機、フェニックス一機」
「半数を地上に持って行くのか」
「うむ! ワシらは攻撃する側である以上は、敵に選択肢を与えることは無い! 地上からの攻撃には、バグアも必ず対応してくるだろう。せざるを得ないだろう!」
「では何か、要請があるのかな」
「うむ! 雷電には、レリークトシールドとグレネードの装備をお願いしたい! 武器は支援射撃に向いた物を装備し、盾で防衛線を張ると共に陸戦班の火力支援をお願いしたい! グレネードは、基地破壊の際に使用して貰う! そして、フェニックスとディアブロはネームドやエース以外の敵機を抑えて貰いたい!!」
「なるほど‥‥では、強敵は引き受けてくれると言うわけか? これは感謝の言葉だがね」
「ガッハッハ! どうせならば、軍にはカバーしきれないところを補う方がお互いにとって良いだろう! これだけの規模となると、ワシらだけでもどうにか出来るわけではないからな!」
 孫六の言葉に、軍曹は頷き、軍傭兵たちは苦笑する。
「逆にボクは、空に行くからね」
 ソーニャ(gb5824)の言葉に、軍曹は「続けて」と促す。
「ワームって空陸自在、制空権を取られると地上部隊も好きに展開されるからね。空はこっちで押さえるよ。逆に制空権取れたら、シュテルン部隊から降りてもらって敵の背後を突くよ。まぁ、敵も分かっているだろうけど、その分空に敵をひきつけるよ」
「分かった、では空には残りのKVを持って行ってくれ。別れる以上はどちらも重要になって来るが、空には俺のシラヌイが上がろう」
「よろしく。ボクはデーターリンクにより地上部隊に戦況、砲撃の着弾測定などのデータを送るよ。軍ロビンには、I−01を装備して欲しいんだけど」
「いけるか?」
 軍曹の問いに、ロビン隊の傭兵たちは頷いた。
「ボクはロビン部隊に随伴するよ。エルシアンがレギオンバスターの初撃で突入攻撃を行うから、後続機の波状攻撃で仕留めてほしい。先頭は任せて」
「了解した。ロビン隊、エルシアンに続け」
「はっ!」
 日野 竜彦(gb6596)は手を上げると、意見を述べた。
「竜彦」
「基地の写真を確認しておきたい。施設を破壊する場合、どこが効率的かを検討すべきだろう」
「ああ。それはこっちを見てくれ」
 軍曹はテーブルのファイルを配布した。
「カーンプルの空撮画像だ。中心の大型ドームが敵の中枢だろう。その周辺に、北東部に南東部、北西部に南西部に中型のドームがある。まずはこれらを叩く。ドームを叩いたら、市内の各方面に分かれて各施設を撃破、カーンプルの基地能力を破壊する。無論それには、全機でカーンプルの制圧に当たりたい」
「これらのドームに敵の増援が出てきそうな気配はないのか」
 竜彦の問いに、軍曹は頷いた。
「こちらが偵察で確認している範囲ではな。もちろん我々の現状の技術で出来ることは行っているよ。衛星が使えれば赤外線スキャンも可能なんだがそこまでは望めない」
「なるほど」
 竜彦は言って吐息した。傭兵と軍の意識の差異の確認と調整をしておきたかった。
「全てが有人のティターンとタロスの集団、誰も落ちないようにしたい‥‥そういえば、自分は大規模で必ず一度は大破してたな」
 それから作戦を提案する。
「俺は空へ回るつもりだが、まず、基地破壊用にシュテルンへのフレア弾搭載を提案したい。それから、状況によっては敵を足止めし、シュテルンや手の空いた陸戦班で基地制圧を行うことも想定しておいた方がいいだろう」
「まあ、それはそうだろうが、なるべくワームの影響は完全に排除しておきたいところだな」
「ああ、可能な範囲で構わない。それから、陸戦組との連携を取る為にも足場が悪そうな河川付近で戦闘にならないように気をつけた方がいいだろう」
「了解した。伍長、後で攻撃ポイントの確認をしておこう」
「了解しました」
「さて‥‥そっちはもうないか」
 軍曹は館山 西土朗(gb8573)を見やる。
 館山は「機槌捌きを見せてやるから安心しな!」と豪快に笑った。
「俺からは全体に対しては特にないぜ。兼元と美空の作戦で良いだろう。市街地、河川は避け耕地より攻め入るくらいかな」
 館山は思案顔で腕組みすると、吐息した。
「軍KVには射撃支援を任せ傭兵KVで突撃。優先目標としては、傭兵が指揮官機、軍KVが指揮官機以外。軍KVの射撃支援により傭兵の突撃を容易にすると同時に傭兵の指揮官機狙いで敵注意を引き結果軍KVの戦闘補助とする狙い‥‥ってところだな」
「了解した。では他にはないか」
「はい、概ねラスホプ組の案でもいけるでしょう。あとは個別の動きは、戦場に着いてから敵との運次第でもありますが」
 伍長の言葉に、軍曹は頷いた。
 そこへ電話が掛かって来ると、軍曹は受話器を持ち上げた。
「はい――はい、了解しました。ではこれより出撃します」
 軍曹は受話器を置くと、一同を見渡す。
「作戦の実行命令が出た。行くぞ――」

 ――美空達は前進していた。
「敵地上部隊を確認。包囲01、距離1000」
「いよいよだな! みんな頼むぜ! しくじるなよ!」
 館山は、少し後ろから全体を俯瞰しながら前進していた。
 美空はM−122煙幕装置の発射ボタンに手を置く。
「煙幕を発射するのであります。後は作戦通りによろしくお願いするのであります」
「了解した!」
「距離400――」
「煙幕発射」
 美空は煙幕装置を発射した。
「全機ブースト加速――!」
「行くぞ!」
 バグア軍の指揮官はアーガ・ドーナだった。
「傭兵ども! グナではやってくれたな! お前たちの邪魔が無ければジドは死んでいた!」
「その声‥‥アーガ・ドーナか!」
「孫六兼元! ここで会ったのは丁度いい! 先日の借りを返してやろう!」
「ガッハッハ! それはこちらの台詞だ!」
 バグア軍は美空の予測に反して、煙幕を突き破って加速してきた。
「行け! 煙幕などに惑わされるな! 全機全速前進! 傭兵どもを叩きつぶせ!」
「支援攻撃解してくれ! 白兵戦用意!」
「榴弾砲発射! 食らえ!」
 ドウン! ドウン! ドウン! ドウン! ドウン! とM−181大型榴弾砲がタロスの集団に炸裂する。
「ぐああああ――! 畜生! プロトン砲で応戦!」
 閃光がほとばしり、プロトン砲が傭兵たちを直撃する。
「突入!」
「行くでありますよ!」
 美空はブーストに超限界稼働を起動して加速すると、先陣切って突撃してくるアーガのタロスハイスペックを焔刃「鳳」で切り裂いた。
「貴様に用は無い!」
「こちらにはあるのでありますよ」
 真ルシファーズフィストを振るって撃ち込む美空。
 アーガは機刀で受け止めると、至近距離からプロトン砲を叩き込んだ。爆発する阿修羅・聖堂騎士団。
「やってくれるのでありますね」
 レーザーガンで打ち合いつつ、美空はスライドしながらアーガの側面に回り込む。
 激突するタロスと傭兵たち。
「ガッハッハ! アーガ! どうやってUPCに潜り込んだ!」
 孫六は圧練装甲を展開し間合いを詰める。
「ある日バグアが俺に接触してきた。人間を越えた力が欲しくないとかとな。能力者に匹敵する力が欲しくないかとな。だから、俺は自分の意思で力を求めて強化人間になった!」
「きみは馬鹿だ!」
「バグアは俺に人間を越えた力を与えてくれた。そのためなら、俺は喜んで自分の身を差し出したさ! UPCをスパイすることなど、俺には大した問題じゃないんでね!」
「何と言う奴だ‥‥」
 孫六は機槍「天雷」を構えると加速した。
 足元を横薙ぎに払うが、アーガは受け止めて孫六機を吹き飛ばした。スリップしつつ反転して、孫六は再度加速した。アーガの刀をかわしながら至近距離に入る。
「ツインブーストB!」
 デアボリングコレダーを繰り出した。懐に入り込み体を密着させ、左手に装備したDコレダーを敵の右脇腹に打込む!
「KV柔法・入身!」
 スパークがアーガのタロスの腹部で炸裂した。
「ぐお! 何だ!」
「これで止めであります!」
 美空は側面から切り掛かった。焔刃がアーガ機を貫通する。
「く‥‥この野郎! 俺が死ぬか!」
 アーガはプロトン砲を放ちつつ後退して、タロスを盾に隠れた。
 館山はタロスと白兵戦のただ中にあった。
「さすがにやるね敵さんも。強化人間相手は簡単じゃないぜ‥‥と!」
 機槌を振るう際に盾の背面ブースタを利用する。
 機槌を振るう際にブースタ吹かし威力、スピードを上昇させる。またブースタのONとOFFをランダムに行いスイングスピードに緩急付ける。そして機槌を振るう最中にブースタを吹かし軌道変化。
「お前らに恨みはねえがこれでも食らいやがれえ‥‥!」
 機槌を叩き込み、タロスの胴体を粉砕した。
「奴を囲んで叩きつぶせ!」
 強化人間たちは怒号を発して館山に殺到する。
「おおっと!」
 館山は味方を巻き込まないよう注意し、脚部ローラーと盾背面ブースタ利用し回転しながら機槌を振り回し、スライドして後退する。
「大将は苦戦しているようだな! 勝ち目はないぜバグア野郎!」
 館山はスラスターライフルを撃ち込みつつ距離を保つ。
「さて‥‥空の連中は、と――」

「兵装1、3、4、5発射準備完了。PRM『アインス』Aモード起動。マルチロックオン開始、ブースト作動」
 ソードがコンソールを操作して行くと、ピピピピピピピピ! と敵機がロックされて行く。
「ロックオン、全て完了!」
 ソードはミサイルの発射ボタンに手を置いた。
「『レギオンバスター』、――――発射ッ!!」
 必殺技『レギオンバスター』――ブースターとPRMを起動。錬力100全てを状況に合わせた能力に使用しミサイル2100発を発射するフレイアの空戦必殺技である。
 圧倒的なミサイル群がタロスに殺到する。
「レギオンバスター! 弾幕を張れ!」
「ふ、不可能です!」
 強化人間の絶望的な声が回線に響いた。直後、命中したミサイルが炸裂して、閃光と紅蓮の炎が飛び散った。
「駒鳥隊みんな行くよ! ボクについてきて」
「了解エルシアン!」
 ソーニャはロビン隊と加速するとバレルロールで加速しながらAAEMを放った。命中! 撃墜!
 ソーニャはバレルロールで螺旋を描きがら敵をかわし攻撃。プラズマリボルバーのトリガーを引く。
「大規模戦で鯨狩りに行くときより大変そうだなこれは」
 竜彦は言って、アフターバーナーを吹かせた。
「さて、最初から全力でやらせてもらおうか!!」
 プロトン砲をかいくぐり、アレン・キングスレーのカスタムティターンに接近する。ライフルとミサイルでティターンを追いこむ。攻撃を当てるのではなく友軍が攻撃を当てやすい位置へ誘導する事を優先する。
「ソード! ソーニャ!」
「楔を打ち込む、行くよ」
 ソーニャのこの言葉をキーワードとしてロビン隊がI01を一斉発射。
「I−01ミサイル発射!」
「FOX2、発射!」
 500発のミサイルが放出され、ティターンに襲い掛かる。
「突きぬけろエルシアン!」
 ソーニャは裂帛の気合とともに加速すると、アリス、Mブースター、通常ブースター起動、ラージフレア散布、スクリュー軌道で突っ込み、ミサイル郡にまぎれる。G放電とAAEMを撃ち込みブラズマリボルバーを連射して離脱した。
 さらに、ソードのエニセイの八連射がティターンを捉える。
「ダメージは許容範囲だが、拙いな‥‥」
 キングスレーは地上の部下達が壊走して行くのを確認して、舌打ちした。
「全機後退しろ。カーンプルは捨てる。北部で戦力を回復させる」
 キングスレーはそう言うと、バグア軍は戦場から離脱して行く。

 その後傭兵たちはカーンプル基地に侵入、基地を制圧し、その機能を破壊した。ひとまずカーンプル周辺はバグアの完全な占領地域から競合地域へ回復する。