タイトル:【AA】地中海艦隊護衛マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2010/05/14 19:06

●オープニング本文


 アフリカ侵攻作戦が開始された。アフリカ内陸のバグア基地の内側で、その強化人間はモニターを見つめていた。強化人間の男の名をレッドと言った。レッドはモニターに映るミカエルの巨体を見つめていた。ジブラルタル海峡に掛かる長大なそれは、イベリア半島とアフリカ大陸をつなぐ橋であった。莫大なUPC軍がその「橋」を渡ってアフリカへ乗り込んで来る。
「愚かな‥‥この地で手に入れるものなどない‥‥この熱砂の大陸に攻め込んできて、何を手に入れようと言うのだUPC軍よ。もはやこの大陸は、二度と人類の手に渡ることはない‥‥」
 レッドは冷酷な瞳でミカエルを見据えると、周囲の部下達に目を向けた。
「よいか、我らはエジプトより撃って出て、地中海の制空権を確保せよとの命令が出ている。奴らの退路を断ち、アフリカに引きずり込み、絶望の中に叩き落としてやるのだ」
 強化人間たちは、誰もが残酷な笑みを浮かべていた。
「このアフリカへやってくるとは、UPCも正気の沙汰じゃありません」
「全く、この広大なバグアの大陸に、何を求めてやって来たのか。アフリカを取り戻すつもりでしょうか、本気で」
 レッドはにいっと笑うと、拳を持ち上げた。
「UPCの敗北は必至だ。ここで奴らを徹底的に叩いて、二度と立ち直れないように大きなダメージを与えてくれる。行くぞ!」
「おお!」
 そして、強化人間たちはワームに搭乗すると、エジプト方面から出撃し、地中海のUPC艦隊目がけて攻撃を開始した。

 ――地中海上に展開するUPC艦隊は、アフリカへ向かう友軍を後方で支える重要な役割を持つ。地中海を制圧されれば、いかにあの巨大なミカエルとて、安全とは言い難い。そして、イタリア方面軍が危険にさらされるであろう。
「敵ワーム、エジプト方面から接近しつつあります」
 レーダーを確認して、報告官は艦橋の上級士官に告げる。
「やはり来たか。そろそろ彼らの出番だな。待機中のナイトフォーゲルに連絡だ」
「はっ」
 電子機器を操作する報告官は、上空の傭兵たちと連絡を取った。
「こちらイーグルネスト、上空のデルタワン応答せよ」
 やや間があって、傭兵の一人が答える。
「こちらデルタワンです。何か」
「敵です。エジプト方面から飛来する敵ワームを迎撃して下さい」
「ようやく出番ですか‥‥了解しました。いよいよですね」
「よろしくお願いします。発令コードは220(ふたふたまる)」
「220了解。東方の敵機を迎撃に向かいます」
 そして傭兵たちは操縦桿を傾けた。ナイトフォーゲルは旋回して、地中海東方へと向かう。
 地中海上空で、アークエンジェルの幕が上がる。

●参加者一覧

フィオ・フィリアネス(ga0124
15歳・♀・GP
霞澄 セラフィエル(ga0495
17歳・♀・JG
ケイ・リヒャルト(ga0598
20歳・♀・JG
ファファル(ga0729
21歳・♀・SN
三島玲奈(ga3848
17歳・♀・SN
水円・一(gb0495
25歳・♂・EP
リア・フローレンス(gb4312
16歳・♂・PN
弧磁魔(gb5248
15歳・♂・ST
禍神 滅(gb9271
17歳・♂・GD
D・D(gc0959
24歳・♀・JG

●リプレイ本文

 艦隊から離れ、地中海上空を東に向かう傭兵たち、タロスの迎撃に向かう。
「地中海は二年ぶり‥‥あの時は艦隊の援護を貰いました‥‥今回はあたしが艦隊を守ります! 前回、翼を並べて戦った霞澄さんとご一緒なのも心強いですね」
 フィオ・フィリアネス(ga0124)はそう言うと、艦隊と連絡を取った。
「これより迎撃に向かいます。フィオ機より艦隊へ、航行陣形を確認したい」
「こちらデルタワン。艦隊陣形は方陣です。他に何か」
「防御力の薄い艦を中央に、周囲を防空力のある艦で固める‥‥ですよね?」
「その通りです」
「UPC海軍の操艦技術、信じてますよ♪ あ、それから、可能なら駆逐艦を陣形の外に配置し、海中の攻撃にも警戒を進言します」
「水中用KVが警戒に当たっていますのでそちらは空に集中して下さい」
「了解しました」
 霞澄 セラフィエル(ga0495)もまた、この地に戻ってくるのは久しい。アンジェリカの操縦桿を握りながら、昔を思い出す。
「久しぶりに欧州の空に戻ってきました。この空を守ること、それが私の償い‥‥いえ‥‥『想い』です」
 それから艦隊と連絡を取る。
「セラフィエルより艦隊へ。要望を聞いて頂けますか」
「デルタワンです、何か」
「艦隊の展開範囲に対してこちらの数があまり多くないので、展開範囲を狭めて頂けないでしょうか」
 すると、やや間があって、
「艦隊副司令官のマックだ。守り切れないと思うか」
「そうですね。出来るならば、展開範囲を小さくしてもらえればと思います」
「そうか‥‥分かった。現場の判断を尊重しよう。艦隊の展開範囲を押さえておく」
「よろしくお願いします」
 黒蝶の異名を持つケイ・リヒャルト(ga0598)。どこか儚い瞳で空を見ていた。
 アフリカ‥‥バグア領真っ只中に突っ込もうなんて粋な計らいね。やってやるわよ、徹底的に‥‥ね!
「さぁ、坊や達‥‥お遊びの時間よ?」
「夜蝶、お姉さまになるのはもう少し後ですよ♪」
 フィオの言葉に、ケイは「ふふ‥‥」と妖しく笑う。
「何だかわくわくしてくるじゃない? これもあたしの性ってやつなのよ」
「‥‥さて、敵の出方はどうなのか」
 ファファル(ga0729)は、言ってレーダーに目を落とす。スカイブルーの瞳は、どこか憂いを帯びていた。
「アフリカ侵攻の第一段階は、早くも厳しい状況に入っているようだが、あのアニヒレータに、チュニジアの防御施設、何とかして敵陣をこじ開けないとな」
「さーて、いよいよ始まりました大規模作戦。第一ステージは上陸作戦だけど、厄介な敵さんの出現に揺れるUPC軍に傭兵たち。アフリカへ乗り込むこの作戦が、これからの希望につながりますように祈ります。戦場レポートの三島より」
 三島玲奈(ga3848)は受けを狙ったが、うまくいかなかった。返って来たのは真面目な回答である。
「本当に。この作戦がこれからの希望になると良いんですけどね」
「アフリカは見渡す限りのバグアの土地でしょう。果たして、そこへ人類の足跡を記すことが出来るのでしょうか」
「大規模作戦に支障が出るのもまずいので。敵の強さを知ると言うのもあるが‥‥。こっちが甘いのか向こうが甘いのか」
 水円・一(gb0495)は、ディスタンを進めながら呟いた。今回は敵地へ逆襲を掛けるシナリオである。これまでになかったことだ。ピエトロ中将はこの10年で逆襲のシナリオは目処がついたと言う。守勢の人が強気に出たことは、UPC軍の間では何かと話題となった。が、ひとたび作戦が始まれば、着々と予定通りにアフリカへの攻略を進めるだけだ。予定通りにいくことはないであろうが‥‥。
「フィオ、前衛に着く。サポートを頼むぞ」
「了解です」
 水円はフィオとロッテを組む。
 リア・フローレンス(gb4312)は女性のような名前だが、元気溌剌の青年だ。
「霞澄さん、よろしくお願いしますね。足手まといにならないように頑張りますっ。敵はタロスってことだけど」
「よろしくフローレンスさん。何とかタロスの足を止めましょう。艦隊を守ることが勝利に繋がるなら、私達は任務に尽力するだけです」
「あ〜、お菓子食べた〜い‥‥。よ〜し、バグア共を溶けたチョコみたいにしてやりましょう!」
 甘党傭兵の弧磁魔(gb5248)は、とにもかくにも甘いものしか考えられなくなっていた。ワームの撃墜も溶けたチョコ扱いである。
 バージョンアップされたロングボウを操る禍神 滅(gb9271)。機体の火器管制システム、ディスプレイの明暗度、無線のチェックを行う。特に無線のチェックは友軍機及び艦隊と綿密に行い、齟齬が生じないようにしておく。敵情に関しては艦隊から逐次報告を受けるようにし、無線は受信にしておく。
「さあ、行こうか火龍よ、戦場(いくさば)へ」
 次々と流れ込んでくる艦隊からの情報を確認して、禍神は操縦桿を握る手に力が入る。
 D・D(gc0959)は改めて、決められた作戦を確認する。
「各機、最終確認だよ。前衛はフィオ、水円、リア、霞澄。後衛はケイ、弧磁魔、禍神、三島、ファファル、私。艦隊と敵最前線の空戦相対距離を差し当たり、迎撃地点から保つこと。艦隊への接近は許さず、その突破阻止を目標とする。前衛は打って出る事で敵の前進阻止。後衛はラインより余裕を持ち展開すること。各機の防衛ゾーンを持ち脅かす敵を最優先に攻撃。前衛不足時に前進し、打って出る事も考慮する、担当者判断による」
「了解しましたD・D」
「ラジャー。ゾーンディフェンスがどこまで機能するか分からないけど、後は臨機応変に対応して行こう」
 そうして、やがてレーダーにジャミングが入ってくる。
「敵ワーム接近。全機、エンゲージに備えよ」
「攻撃を開始する、各機、しくじるな」
 傭兵たちは前進すると、敵タロスの集団の前面に展開する。

 タロスを束ねる強化人間のレッドは、接近してくるナイトフォーゲルを確認して、にやりと笑った。
「くく‥‥出てきたか傭兵。各機、しくじるなよ! 一気に突破して、艦隊を突く! ナイトフォーゲルは撃墜して血祭りに上げてやれ!」
「おお!」
 タロスの編隊は加速すると、流星のように傭兵たちに向かって突進して行く。

「‥‥タロスを確認。全機攻撃開始」
 ファファルはジャミング装置を起動させると、ミサイルのボタンに手を置いた。
「ミサイル発射」
 放たれたミサイルがタロスへ向かう。
 反撃のプロトン砲が飛び交う。
 傭兵たちは戦列を組みながらプロトン砲の応射をかわしつつ、ミサイルを放出する。
「まずは猟犬がお出迎え!」
 フィオもミサイルを連打する。
 命中するミサイルが火球となって炸裂する。
「続いて猟犬がお出迎え!」
 フィオは更にミサイルを放出。距離のあるうちに仕留めておきたい。
「今まで散って行った人たちのためにも、私は負けるわけには行きません!」
 セラフィエルはエンハンサー起動でAAEMミサイルを連射。炸裂するエネルギーがタロスを包み込む。
「怯むな! 反撃しろ!」
 レッドの声が轟く。
「こちらも、通すわけにはいかないのです!」
 セラフィエルは更にG放電を撃ち込み、タロスを撃破する。
「行くわよ。射程内の敵機を攻撃するわ。攻撃は最大の防御ってね。オーバーブースト起動! これでも‥‥食らえ!」
 リヒャルトはK02ミサイルを放出。圧倒的なミサイル群がタロスを直撃する。
「おお あれがタロスか 初めて見た。でも感動はここまでさ、さぁ 仕事の時間だ」
 禍神はコンソールをばばばっと操作して行く。
 複合式ミサイル誘導システム及び誘導弾新型照準投射装置を起動。
 最初にK−02小型ホーミングミサイルを発射。リヒャルトと合わせて、500発のミサイルがロングボウから放出される。
 次に二段噴射式ミサイル「ストレイ・キャッツ」を発射、畳み掛けてホーミングミサイルJN−06を発射。
 ロングボウの真骨頂、ミサイル兵装がタロスを直撃、足を止める。
「中々やるじゃないか、でも抜かせないよ。守るのはメイドの務めだからね」
「エジプトから来るバグアどもはこのリニア砲で風穴あけまっせ、ライフル砲で蜂の巣だ、ええ風通しでんなぁ、ホルス神の元へ逝きなはれ」
 前衛機の後ろからスライドして、D2ライフルを叩き込む三島。敵軍の側面にライフルをばら撒き、進軍を阻害する。
「これがタロスか。攻撃を蓄積させれば」
 水円はフィオとロッテを組みながら、ミサイルを撃ち込んだ。連弾でタロスを貫く。
「ぐおおおお‥‥!」
「その隙、逃さん。フィオ、畳み掛ける!」
「はい。地獄の番犬が牙を剥くよ!」
 フィオと水円はありったけのミサイルを撃ち込んだ。
 爆発四散するタロス。
「何――!? ちいっ! ミサイルごときに! 全機、戦列を整えろ! 正面からプロトン砲で制圧する。斉射三連の後に突撃!」
「アレがタロスかぁ‥‥生体部品も組み込んでるって事は、被弾した時の損傷度合いによっては細胞が壊死したりとかしないのかな?
 いくら再生するからって、手に持った武器や装甲までは再生しないんでしょ? ‥‥なら、徹底的に剥いであげるよ」
 フローレンスは「そうはいかない」とミサイルを連射する。
 弧磁魔も戦列を整えるタロスに向かってミサイルを放出する。
「来ましたね。そう簡単には抜かせません。ぬりかべ並みの鉄壁を見せて差し上げます」
 ロックオン――。
「よし、奥義『ミサイルバンバン』!!」
 ホーミングミサイルを叩き込んだ。
「ダリア機ゴースト‥‥迎撃に回る。援護を頼むよ」
「援護はお任せ」
 三島が支援銃撃を行い、D・Dを援護する。
 巨体スピリットゴーストが悠然と前に出ると、ミサイルを放出する。次々と放たれるミサイルがタロスを直撃する。
 ――と、次の瞬間、タロスの戦列からプロトン砲の一斉射撃が傭兵たちを襲う。直撃を受けて炎上する各機。爆発と閃光が機体を包み込む。
「各機、ロッテを維持しつつ、戦列を立て直せ。敵が突進してくるぞ」
 ファファルは言いつつ、レーダーに目を落としていた。
 傭兵たちはロッテを維持しつつ、反撃に備える。
「行くぞ! 傭兵どもに邪魔はさせん! 一気に突破するぞ! 空中格闘モードで仕留めろ!」
 レッドは怒鳴りつけると、自身の銀色のタロスを前進させる。
 タロスは加速してくると、空中で飛行形態から人型形態に変形すると、ライフルやバルカンをばら撒いた。
 接近されて逆襲を許す傭兵たち。
「怯むな、ブースターで大きく機動を取って遊撃的に反撃するんだ。ドッグファイトに移行する」
 三島が最初にそう言って、ブーストで加速、タロスの側面を突いてライフルやリニア砲を叩き込んだ。
「全機散開。ドッグファイトに移行するわよ」
 リヒャルトは言うと、禍神とともに旋回する。
「行くぞフィオ、敵の足を止める」
 水円はフィオとともに加速して、ライフルを叩き込んだ。
 タロスも加速して慣性飛行でアクロバットに飛びながらプロトン砲を撃ち込んで来る。
 ファファルは三島の後に続くと、レーザーで牽制しながら三島の砲撃を助ける。
「ここで落とせるか‥‥」
 ファファルは照準先のタロスを見据えながら、トリガーを引く。レーザーがタロスを焼いた。
「KVごときに‥‥タロスが遅れを取るものか!」
 レッドは戦況を見やりつつ、部下の苦戦を受け入れることが出来なかった。
「ならば、俺が一人でも戦局を変えてやる!」
 レッドは銀色のタロスで一気に艦隊への突破を図る。プロトン砲を連射しながら突撃する。
「そうはさせんぞ」
 D・Dのゴーストが回り込んで側面から銀色のタロスに四連カノン砲を叩き込んだ。
「ありったけのカノン砲をくれてやる」
 火を吹くゴーストのカノン砲が、銀色のタロスの装甲を吹き飛ばす。
「ぐお! やってくれるわ!」
 レッドは態勢を立て直して、D・Dのゴーストにプロトン砲を連打した。直撃を受けて爆発炎上するゴースト。
「はっはっはっ、マシンガンの届く範囲なら――『奥義マシンガンガン!!』」
 そう言って銀色のタロスに突貫したのは弧磁魔のシラヌイ。マシンガンを連射しながら、ブーストにバレルロールで突撃した。
 フィオに水円のロッテは、タロス二機と互角に打ち合う。
 飛び交うナイトフォーゲルとタロスは打ち合い、互いに消耗して行く。
「場数なら‥‥あたしだって負けてない!」
 霞澄はエンハンサー起動で圧倒的な88レーザーを叩き込む。レーザーが貫通して瞬く間にタロスを撃墜する。
「これ以上は進ませません」
 リヒャルトは、禍神とともにタロスを追い、どうにかタロスに深手を負わせるが、自機も傷つく。タロスはしぶとい。旧式のHWとは全てにおいて比較の対象外である。
「やってくれる。まだまだタロスは厄介だねえ」
「これがタロスなんですね‥‥強い‥‥」
 禍神もタロスに食らいついていたが、反撃を受けてロングボウはダメージを受ける。
「あの銀色のタロスがリーダーなのかな?」
 フローレンスは弧磁魔とドッグファイトを演じる銀色の機体を見つめる。
「少し切りに行くよ」
 フローレンスはブースターで加速すると、ウイングで切り掛かって突貫した。
 超音速で突撃するイビルアイズが、レッドの銀色のタロスを直撃、背中を切り裂いた。爆発と閃光が炸裂する。
「ちい! 雑魚は足止めしろ!」
 銀のタロスは旋回して、フローレンスにプロトン砲を叩き込む。
 リヒャルトは、タロスを後退させると、銀のタロスに目を止める。
「特別なタロスが居ればきっとそれが親機。出来れば集中攻撃を狙っていきたい所ね‥‥。全弾注ぎ込んでも構わない」
 リヒャルトはジャミングの中で、仲間たちを募る。
「手が空いてる奴はいるかい? 力を貸して欲しい。あの銀のタロスを撃ち落としてやろう」
 それに答えたのは霞澄。
「私でよければ力になりましょう。タロスは撃退しましたからね」
 霞澄はここまで二機のタロスを撃墜していた。
「よし、じゃ、行くよ!」
 リヒャルト、禍神、霞澄が銀のタロスを反包囲する。
「皆、聴こえる? 出来ればアイツにカウント後、一斉射撃するわよ! ――1、2、3ミサイル発射!」
 リヒャルトはブースト+OブーストA使用で残りのK02を放出。禍神と霞澄も残りのミサイルを放出した。
 間髪入れずに最後のロケラン、AAMを発射するリヒャルト。
「これで‥‥どうッ?!」
 銀のタロスもアクロバットにかわしたが、避け切れずに多数のミサイルの直撃を受ける。
「ぬおおおおおお‥‥!」
 装甲が吹き飛び、炎と放電に包まれる銀のタロス。
「畜生! ここまでか!」
 銀のタロスのパイロットは罵りを上げると、最大加速で逃走、戦域から離脱する。
 残るタロスも、慌てふためいて、次々と逃走するのだった。
「タロスとの戦闘の事は自慢できるよな。佐賀帝國の人達に」
 禍神は言って、去りゆく敵機を見送る。
「ははは〜。ミックスジュースが美味しい〜♪」
 弧磁魔はコクピットの中で勝利のミックスジュースを掲げるのだった。