タイトル:【ODNK】福岡南の砂塵マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 2 人
リプレイ完成日時:
2010/03/27 00:00

●オープニング本文


 北九州、福岡南部、筑後市――。
 哨戒中の旋龍のパイロットは、地上の様子に目を落としていた。キメラの散発的な攻撃により、市街地は荒廃していた。
「‥‥ここもそろそろ厳しくなってきたか」
 パイロットのUPC正規兵は、眼下の町並みに目を落とし、呟いた。慢性的な戦闘状態にある福岡の競合地域は、少なからず荒廃している。人がまともに住める状態ではない。
 と、パイロットは北に見える影に眉をひそめた。高度を上げる。
「あれは‥‥」
 兵士はそのワームを実際に見るのは初めてだった。昨年に投入されたバグア軍の新型機タロスである。そして通常のゴーレム。それに‥‥あの赤い機体は‥‥。
 兵士は操縦桿を傾けると、回線を開いた。
「こちら哨戒中のデルタワン。後方の地上部隊へ。市の北からバグア機の侵入を確認した。新型ゴーレムのタロスと、通常のゴーレム、それからファームライドらしき姿がある。すぐに本部へ連絡してくれ」
「(ピーガガ‥‥)了解デルタワン‥‥本部に連絡する」
「このまま後退して警戒に当たる」
 兵士は操縦桿を傾けると、機体を南へ退避させた。

 ‥‥タロス5機と、ゴーレム10機、ファームライドは戦闘隊形を取りながら歩行形態で進んで来る。バグア軍は後退していく旋龍を確認していた。
「キーラーより各機へ! どうやらUPC軍の哨戒に引っ掛かったようだ! ナイトフォーゲルが出てくるぞ! さーて、陸戦はタロスの本領発揮だ! KVには何もさせん! そうでしょうダム・ダル(gz0119)司令!」
「さてな、やれるだけやってみるんだな。お前はまだ昇格して日が浅い。過信は命取りになる。敵の実力を的確に測り、生き残ることが出来れば、ヨリシロになるのも夢ではないだろう」
 ダム・ダルの言葉にキーラーはコクピットで牙を剥いた。
「そうですか! 司令! では、俺の実力を確認するいい機会ですね! 陸戦こそ俺のタロスの本領です!」
 キーラーはそう言うと大笑した。

●参加者一覧

三島玲奈(ga3848
17歳・♀・SN
ナティス・レーヴェル(ga8800
24歳・♀・DF
狭間 久志(ga9021
31歳・♂・PN
瑞姫・イェーガー(ga9347
23歳・♀・AA
紅月・焔(gb1386
27歳・♂・ER
須磨井 礼二(gb2034
25歳・♂・HD
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ゼンラー(gb8572
27歳・♂・ER
エイラ・リトヴァク(gb9458
16歳・♀・ER
ラッド(gc1118
22歳・♂・SF

●リプレイ本文

 ‥‥ファームライドのコクピットに、ダム・ダル(gz0119)はいて、モニターに映し出されているグレイグ・キーラーの機体を見つめていた。
「‥‥相も変わらず人間に人間をぶつけることになるわけだが、どのような連鎖反応を見せてくれるのか。UPCへの生贄にはもったいない素材だが‥‥」
 ダム・ダルは外界との通信を切っている。この呟きを聞く者は誰もいない。
 そして春日基地との回線を開く。
「高橋」
「はい」
 同じく強化人間の側近高橋麗奈が答える。
「キーラーの機体を自爆させる用意は出来ているだろうな」
「準備は出来ていますが‥‥」
 高橋は、同僚の不運を悟って回線の向こうで沈黙する。
「では、後はどのタイミングで生贄を差しだすか、だが‥‥」
 と、ダム・ダルはレーダーに目を落とした。20機の反応が南から接近してくる。ナイトフォーゲルだ。
「来たか」
 ダム・ダルは回線を開く。
「キーラー、傭兵たちが姿を現したようだ」
「はい、司令! お任せ下さい! 陸戦なら奴らの機体など、鉄クズにしてやります!」
「威勢の良いことだ。勢いと言うのは嫌いではないが、傭兵たちを侮ると命取りになるぞ」
「何を言いますか! この俺の強化タロスに、奴らが勝てるものですか!」
 そう言うと、キーラーは傭兵たちとの回線を開く。
「UPC軍よ! 聞こえるか! この俺、グレイグ・キーラー、先の戦いでお前たちに後れを取ったが、この陸戦で貴様らを粉砕してくれるわ――!」

「うるさい奴だな」
 三島玲奈(ga3848)は言って、雷電を進める。
「キーラーとか言ったか、お前から伝えてくれ。ダム・ダルにとっとと辞世の句を読んでくれと」
 すると、ダム・ダルが割って入った。
「俺に何を読めと言うのだ」
「‥‥辞世の句‥‥て、何でお前に説明しないといけないんだ! 自分で調べろ!」
「こいつが相手にするキーラーなのね。よろしくキーラーさん」
 ナティス・レーヴェル(ga8800)は結構真面目に言ったが、キーラーの闘争心に火を付ける。
「敵に向かってよろしくとは、いい度胸だ! 貴様らは八つ裂きの運命だ!」
「余り洗練された相手じゃなさそうだな、キーラーってのは」
 狭間 久志(ga9021)は言って、眉をひそめる。
「久志君、きちんと私をエスコートしてね。キーラーってのは厄介そうだけど」
「任せてくれよナティス。僕の運命の女神に傷一つつけやしないさ」
 ナティスはくすくすと笑って、まんざらでもないように「頼むわよ」と言って操縦桿を握りしめた。
 あぁ‥‥、たまんないあいつらをぶっ潰せると思うとさぁー。――破壊衝動に打ち震えゆがんだ笑みを浮かべる柿原ミズキ(ga9347)。
「駄目だ‥‥それじゃ、一人で暴走しても勝てやしない‥‥一人で戦ってる訳じゃないんだ」
 怒りと狂気を必死に押さえ込み冷静さを取り戻す。
「イスルくん‥‥、手伝ってくれて有り難うボク頑張るからさ」
「頑張って下さいミズキん」
「うっし、まだまだ、この機体でも出来るってトコ見せつけよう‥‥。S−01もR−01もさ」
 と友軍を励ます。
「お熱いカップルがいるようだが」
 軍属たちは久志らを揶揄して口笛を吹き鳴らした。
「仲間がタロスを相手している間に、俺たちとゴーレムを叩いて欲しいッス」
 紅月・焔(gb1386)は、軍属たちと打ち合わせを済ませていた。手元のマップに目を落とす。有人機の恐ろしさは十分身にしみている。それが10機だ。
「俺がちょっとだけ前に出て、弾幕で相手を突きますんで、突出して来たのを皆さんが一斉射撃で仕留めて下せぇな」
「ゴーレムを止める旨は了解したよ。ゴーレムも影が薄くなった気がするけど、実際強いんだよなあ」
 軍属たちはそう言ってぼやいた。
「スマイル、スマイラー、スマイレージ♪ 今年に入ってから初の陸戦ですね☆」
 エブリデイスマイレージ、須磨井 礼二(gb2034)は、満面の笑みを浮かべていた。いついかなる時も笑顔の精神を忘れない日本人の精神に影響された。
「ガッハッハ! キーラー! 今回もまた、ピンチになったらダム・ダルに助けを請うて逃げるのだろう? 見え透いた奴だ、ガッハッハ!」
 孫六 兼元(gb5331)は愛機のミカガミのコクピットを軽く叩いた。
「陸戦ならば、ワシらの力を思う存分発揮できるな!」
「今回は逃げん! 先の戦でやられた分、倍にして返してくれるわ! ダム司令の助力を仰ぐまでもないわ! タロス相手に陸戦で勝てると思うなよ!」
「ガッハッハ! いい度胸だキーラー、向かってくる奴は嫌いではないぞ!」
「ふむ‥‥ダム・ダルが何をたくらんでいるか、といったところだが‥‥」
 怪僧ゼンラー(gb8572)は首をかしげる。
「と言って、拙僧には、関係ないねぃ。まずは敵の進撃をくじく、のみだよぅ。軍人も、皆救って、ねぃ」
 今はまだヘルヘブンをゆっくりと進めるゼンラー。
「‥‥しかし、偉い人達は何をしているのだろうか。振り回されてばっかりなようだが」
 ここまでの成り行きに今ひとつ納得のいかないゼンラー。
 ストライクフェアリーとしては本領発揮出来るってのに震えるなんてな‥‥。エイラ・リトヴァク(gb9458)微かに震える手を操縦桿から離して、吐息した。彼女が操るのはヘルヘブン250。
 だが、この作戦成功させてやるぜ。それがこの力なんだからよ。強敵相手に震える腕を押さえ自分を奮い立たせる。
「相手に不足はねぇ、行こうぜ、ヘルヘイム」
 愛機に声を掛け前に進む。
 冷静になれ、例えどんな相手だろうと隙はある。それに、慢心は、有るはず。そこを突けば勝機はあるはずだ。
 ラッド(gc1118)は何と初陣のストライクフェアリー。機体は初期配備のディアブロ。初陣の恐怖が彼を包み込み、感情を激しく揺さぶる。
「まず一機、まず一機です」
「まあそう焦るなよルーキー」
 ともにゴーレムを迎撃することになる軍属傭兵の一人がラッドに声を掛ける。
「武功なんてものは、俺たち傭兵にとっちゃ飾りみたいなものだ。何にも増してこの仕事で必要なのは、生き残ることだ。死んで墓標になっても、誰も喜びやしないからな」
 ラッドはその言葉を受けて考え込んだ。思考の淵に沈んで黙り込んでしまった。
「‥‥‥‥」
「どうしたルーキー? 何か悪いこと言ったか」
「いえ、考えさせられる言葉です」
 そうしているうちに、市街地を北へ進む傭兵たちは、戦闘隊形を組んで前進する。
「敵機を確認、ゴーレムだな」
「タロスの姿も一機確認した。対ゴーレム隊は前に」
「タロス隊、警戒せよ」
「ガッハッハ! エースに向かうきみたちは、差し当たり敵の前衛突破に注力しよう! キーラーの赤いタロスを見つけ次第接敵に入るぞ!」
 バグア軍も前に出てくる。
「行くぞ者ども! 我に続け! ダム司令に我らの意気を見せるのだ!」
 キーラーの声が轟く。キーラーとは全く考えが無いのか、相当の自信家なのか、傭兵たちも疑うほどの無茶ぶりである。
 建物の影から、ワームが姿を見せて、プロトン砲を応射してくる。怪光線がナイトフォーゲルの傍らを突き抜けて、大地を焼き尽くす。
「行くぞ」
 傭兵たちは操縦桿を傾けた。

「ひゃっほ! ゴーレム乗りには悪いけど、厳しくいかせてもらうよ!」
 ミズキは待ち伏せしていた建物の影から飛び出すと、ゴーレムにレッグドリルを撃ち込んだ。ドリルが貫通する。
 反撃の一刀が来る。ズバアアアア! とミズキの機体が切り裂かれるが、ミズキも二刀を振り上げて叩きつけた。
 ドゴオオオオオ! とゴーレムの装甲が吹き飛ぶ。
「何の!」
「余力で支援攻撃」
 ゴーレムは態勢を立て直すが、友軍のS−01が銃撃を叩きつける。
「行きますぜ、よろしくっす」
 焔はツングースカの砲撃を開始しながら、建物の影から影へ移動する。
 凄まじい銃撃がゴーレムを襲う。が、反撃のプロトン砲が来る。建物は吹っ飛び、ホムライデン怪も直撃を受ける。
「っとと‥‥!」
 焔は機体を加速させると、ファランクスの射程にゴーレムを捕える。ゴーレムのプロトン砲を盾で受け止めると至近からやり過ごし、ファランクスの自動銃撃を待つ。
「1200発の弾幕は結構うざいと思うのだが、どうだろう」
 次の瞬間、アテナイとソウルから1200発を越える銃弾が吐き出された。
「ぬおおおおお!?」
 強化人間は圧倒的な銃撃を受けて舌打ちする。
 ツングースカを叩き込みながら、後退する焔。
 前に出てくるゴーレムに軍属傭兵たちが銃撃を浴びせかける。
「良し‥‥! これが僕の初陣だっ!」
 ラッドは建物の影から、前に出てくるゴーレムをライフルで狙い撃った。
 ドウ! ドウ! ドウ! ドウ! とゴーレムを直撃するラッドの銃撃が、敵機を傾かせる。
「行け行け行けえ!」
 ラッドはやや興奮気味にトリガーを引いた。
 が、次の瞬間、ラッドの視界を閃光が襲った。プロトン砲が直撃したのだ。光が視界で爆発して、ラッドはバランスを崩した。
「うわ――!?」
 ズキュウウウウウン! とさらなる衝撃がラッドのディアブロを襲う。
 一瞬意識が飛んだが、ラッドは必死の思いで機体を起こした。
「これが実戦か‥‥」
 一兵士が感じる恐怖を、今ラッドは身を以って体験していた。五感に轟く光の爆発や銃声がラッドの感情を揺さぶる。
 ラッドは束の間呆然となったが、呼吸を整えると操縦桿を傾けた。

 ゴーレムを引きつけている間に、タロスに向かう七人の傭兵たちは敵機と激突する。
 ブウン! ブウン! ブウン! と唸りを上げて加速するヘルヘブン750は高速二輪モードで突撃する。ゼンラーはスラスターライフルを撃ち込みながらタロスと接敵する。
「さーて、エースじゃないタロスの方々はこちらだよう」
 ブウウウウウウウン! と前輪を持ち上げつつ、ライフルを撃ち込む。巧みな操縦桿さばきで、タロスのプロトン砲を受け止める。巨大バイクと化した750は荒廃した市街地をなんのその、安定感抜群のオフロード走行で駆け抜ける。
 ディフェンダーで切り掛かり、グングニルを撃ち込む。
 反撃のタロスの刀を跳ね返し、スピンターンとドリフトでタロスの側面に回り込む。
「何だこのKVは――?」
 強化人間も奇妙な動きを見せるゼンラーのヘルヘブンに舌打ちする。
「喰らえ、ガトリングナックル」
 エイラのヘルヘブン250も高速二輪モードで加速すると、ナックルを撃ち込んだ。
「バイクで戦闘とは‥‥ふざけおって!」
 強化人間はガトリングガンを構えると、エイラを狙って弾丸をばら撒いた。
 逃げるエイラ。ドリフト走行で流れるようにタロスの銃撃をかわす。
「頼むぜヘルヘイム――!」
 スロットルを吹かせると、エイラは突進。次の瞬間、プロトン砲が炸裂して、視界が光に包まれる。
 ズキュウウウウウン! と機体が爆発して凄まじい衝撃が来る。
「お前らに、あたしらの痛みなんざぁ、わかんねぇよなぁ」
 機体から伝わる激痛に耐え怒鳴りつけ、ハルバードを振りかぶる。
「ちい! しっかりしろヘルヘイム!」
 加速したエイラはチャージで突進してハルバードを撃ち込んだ。
「こっちもしっかりサポートするよ」
 三島は雷電を駆り、リニア砲を撃ち込みながら、ゼンラーを主にサポートする。ライフルを撃ち込み、リニア砲を撃ち込み、銃撃リロード兵器をありったけ叩き込む。
「ゼンラーさん、カバーするよ」
「了解なんだねい」
 ゼンラーは答えつつ、ヘルヘブンをタロスの周囲で滑り込ませるように動きながら攻撃して行く。二刀を叩き込み、タロスを追い詰めて行く。
 三島は周辺に目を配りながら、戦況を確認する。ゴーレムとは味方が乱戦になっており、タロスはこちらへ向かってきている。傭兵たちが班分けしていたので、その予定通りになっている。

 ひときわ目立つ赤いタロスは、前に出てくると、孫六とナティス、久志と礼二はキーラーと相対する。
「ガッハッハ! キーラー! これがお前との見納めかと思うと、我ながら感傷的になってしまうな!」
 孫六は言って、ミカガミを加速させる。
「最初にこれを見よ! KV抜刀、極めの型・甕神!!」
 接近仕様マニューバと機体内蔵雪村の合わせ技。雪村の輝きがミカガミから放出され、赤いタロスを凄絶に切り裂いた。
「何だと!」
 キーラーは驚愕する。エース仕様のタロスの装甲を貫通する雪村の破壊力に驚愕する。
「ガッハッハ!」
「貴様あ!」
 怒り狂ったキーラーはレーザーブレードを抜くと、ミカガミに切りつけた。――ズバアアアアアアア! とミカガミも切り裂かれて大爆発を起こす。
「ガッハッハ! そうこなくては!」
 ナティスはライフルを構えると、支援攻撃を開始する。
「行って久志君。後ろは任せて」
「ナティス‥‥頼む」
 久志はハヤブサを加速させると、超威力のレーザーブレード試作雪村を抜いた。
「孫六さん! 雪村で行きますよ!」
「ガッハッハ! 久志君、やってみるか!」
 礼二とナティスは、二人が前進するのに合わせて、ライフルをキーラーのタロスに叩き込んだ。
 ドウ! ドウ! ドウ! ドウ! ドウ! と赤いタロスが銃撃を跳ね返しながら突進してくる。
「その程度の銃撃で俺が倒れるか! 正面から粉砕してくれるわ! まぐれ当たりは二度はない!」
「ガッハッハ! その身に刻みつけろ!」
「行くぞキーラーとやら!」
 ミカガミの雪村からレーザーが放出される。そして、久志の雪村もレーザーブレードの形を成した。
 ――激突。そして赤いタロスを雪村の光が切り裂いた。
 孫六のミカガミはキーラーの反撃を受けて大爆発を起こす。久志のハヤブサは一気に駆け抜けた。
「ぬおおおおお‥‥! これほどの威力をKVが!」
 キーラーは歯噛みしながら再生能力で損傷した生体部分を回復する。
 ズザザザザザ――! とミカガミとハヤブサは赤いタロスと距離を保ち、次の攻撃に備える。
 ナティスと礼二が弾幕を張り、キーラーのタロスを止める。
「大丈夫ですか孫六さん!」
「何のこれしき。まだまだよ!」
 キーラーは後退しながら、プロトン砲の連射に切り替える。
「ちい! なぜだ! エース仕様のタロスが押される! ダム司令! 支援を頼みます! さすがに俺でもこれを一度に相手は無理です!」
 ダム・ダルは――。
「‥‥キーラー、戦いはまだ続く、今回はどうやらここまでだ。全軍撤収する。損傷した機体は春日基地で回復させる」
 ファームライドが変形して浮かび上がると、ゴーレムもタロスも後退する。
「畜生! このまま引き下がれるか! 俺の赤いタロスは‥‥必ず貴様らを倒す!」
 キーラーは飛び上がると、そのまま飛行モードで撤退する。
「ナティス援護を頼む! 逃がすか!」
 久志と礼二は飛び立ってキーラーを追ったが、他のタロスに牽制されて阻止された。
 地上ではゴーレムが全速後退で逃走する。
 結果、敵機を撃墜することは出来なかったが、筑後市の防衛戦は死守された。