タイトル:【西安】西安の残照マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2009/11/09 13:51

●オープニング本文


 中国、重慶、UPC司令部――。
「衛星からの反射砲だと‥‥」
 士官たちが呻くような声を漏らしていた。
 カメル共和国から発射された衛星反射砲グレプカは、遼東半島のUPC軍の一端を一撃のもとに粉砕した。一部の士官たちが「天の火」と形容したその一撃は、中国戦線にも絶大な影響を与える。
 重慶のUPC本部は、待機中の西安攻略部隊に解散を命じる。
「残念だが、敵の攻撃兵器は我々の常識を超えている。衛星によって超長距離プロトン砲の軌道を変えるなど‥‥敵がその気になれば重慶を一撃のもとに粉砕することも可能だろう。待機中の戦力は周辺の基地に避難させるしかあるまい。西安の攻略も一時棚上げとする」
「何とも無念な話ではありませんか。後一歩、二歩と言うところまで西安の敵を追い詰めておきながら、ここで撤退するしか無いとは」
 下士官達の無念を指揮官達は察したが、これは重慶の本部が決めたことだ。
「西安攻略は白紙とする。待機中の傭兵たちに伝えたまえ。各員定められた基地へ移動するようにと」
 こうして西安攻略部隊は解体されようとしていた。

 そんな折、入れ違いに重慶に入ってきたのが、西安方面からのバグア軍の南進である。北部の周辺基地の軍勢を集めながら、バグア軍の一部が南下し、重慶に圧力を掛けるように展開し始めたのである。レーダーには空にもヘルメットワームの姿を捉えているが、大規模な動きは無い。恐らく先の大規模戦における打撃から立ち直っていないのだろう。回復していたGDABの補給が脅かされるには至っていないが、時が経てば、バグアも増援を送り込んでくるかも知れない。例えば瀋陽で著しい敗退を喫すれば‥‥。
 士官たちは卓上の地図に目を落としていた。バグア軍は対KVキメラを中心に総勢200近い戦力が重慶の北東200キロの高原に進撃してきていた。戦線は50キロに及び、キメラは大よそ五キロ間隔で10個の集団に分かれていた。一つの集団にキメラ20と見たことの無い人型ワーム――外見は鎧をまとった生体ワーム――が数機付いている模様である。
「厄介だな。西安への攻撃部隊を再編するわけにもいかん。前回のような大規模な反撃作戦は不可能だぞ」
「グレプカさえ無ければ‥‥」
「いずれにしても、敵がこちらへ圧力を掛けてくるのを無視は出来ん。解体途中の部隊から戦力を引き抜いて、最低限の備えには当たらないと‥‥」
 もともと北部のバグア軍とは慢性的な交戦状態にある。瀋陽の動きが活発になったこと、UPC軍の大規模作戦に合わせての軍事行動であろう。中国内陸部のUPC軍を牽制する狙いがあるのかも知れない。
 何れにしても、中国軍としてはこの動きを無視するわけにもいかなかった。傭兵たちには接近するバグア軍の脅威に対するように命令が下ったのである。グレプカの脅威の下、必死の抵抗作戦であった‥‥。

●参加者一覧

終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
レールズ(ga5293
22歳・♂・AA
ゲシュペンスト(ga5579
27歳・♂・PN
榊 刑部(ga7524
20歳・♂・AA
神撫(gb0167
27歳・♂・AA
白皇院・聖(gb2044
22歳・♀・ER
依神 隼瀬(gb2747
20歳・♀・HG
ハイン・ヴィーグリーズ(gb3522
23歳・♂・SN
堺・清四郎(gb3564
24歳・♂・AA
フォスター・ロレット(gb5305
22歳・♂・EP

●リプレイ本文

 ピッ、ピッ、ピッ‥‥と、フォスター・ロレット(gb5305)の斉天大聖のレーダーに光点が三つ浮かび上がる。特殊電子波長装置βがワームから発せられるジャミング電波を探知したのだ。
「敵の位置を探知、北へ20キロ」
 フォスターの声が無線を通じて流れる。
 傭兵たちは十機編成であったが、正面から敵に向かっているのはフォスター含め四人。レールズ(ga5293)のシュテルンに、依神隼瀬(gb2747)のロビン、神撫(gb0167)のウーフーである。
 他の六人は二手に分かれ、隠密潜行していた。
 四機のナイトフォーゲルは、レールズと依神機を前に、神撫とフォスターが後衛に付いていた。四機とも歩行形態に変形しており、ナイトフォーゲルの駆動音が無人の高原地帯に蜃気楼のようにさざめいていた。周辺の岩陰や森には仲間達が潜んでいるだろう。
「恐らく敵の新型機でしょう。その周辺にキメラがいると思われます」
「視界は良好。一帯に敵影無し‥‥」
 フォスターの言葉を聞きながら、神撫は銃器を持ち上げ、機体をぐるりと回して全周を確認する。コクピットから見えるのは中国の広大な自然風景だ。
 レールズは前方を見やりながらレーザー砲を持ち上げつつ、コクピットの中で吐息する。故国をこれ以上蹂躙されて、黙っているわけにはいかない‥‥。幼少期を中国で過ごしたレールズにとって、この国の現状は特に思うところがあった。アジア統括バグア、ジャッキー・ウォンの政策によって、国内は親バグアと人類勢力のモザイク模様と化していた。表立って戦闘に影響を及ぼすことは無いが、この国では隣人が親バグアであることも珍しいことではない。
「タロス‥‥だっけ? 新型がいるのかあ‥‥どんな性能なんだろう? ま、とにかく全力で頑張ろう!」
 依神は言って、コクピットから前方の景色に目を凝らす。
 現在の中国の首都重慶に圧力を掛けてきたバグア軍、西安方面の敵勢力の行け行け振りが目に浮かぶようである。衛星反射砲グレプカの一撃は、それほどまでに強大であった。誰かが言ったように、強大なハードウェアもそれを使う者次第であった。瀋陽のシェイク・カーン(gz0269)は熟れた果実が落ちるのを待つように、UPC軍の瓦解を待っていると言う。
「グレプカ‥‥バグアの兵器は尋常じゃないけれど‥‥きっと仲間達が何とかしてくれる。これまでにも‥‥必死の戦闘を耐え抜いて来たんだから‥‥」
 依神のブロンドアイが一瞬愁いを帯びる。傭兵たちはこれまでに幾度も辛酸を舐めてきた。戦いの中で、挫けそうになることもあった、それもまた事実であろう。

 白皇院・聖(gb2044)のリッジウェイが、地殻変動計を地面から引き抜いた。
「敵が近いようですね」
 聖はフォスターと連絡を取った。
「こちらC班。聖です。フォスターさん、敵との距離を間近で計測しました。400メートル北西方向に敵の集団が迫っているようです」
 すると、フォスターから通信が来た。
「聖さん、俺の方でも探知しています。敵はゆっくりとした動きではありますが、こちらへ接近しています」
「では、私たちは、奇襲攻撃の位置に付きますね」
「よろしく頼みます。俺たちは予定通り、正面から攻撃を開始します。各チーム、敵との距離が迫っています。間もなくB班は攻撃態勢に入るかと思われます。各チーム、予定通り奇襲作戦をお願いします」
「了解」×6
 それから、ゲシュペンスト(ga5579)はリッジウェイのコクピットで吐息した。
「タロスか‥‥一度やりあった事はあるが厄介な相手だな。ハイン、聖、間もなく俺たちの出番だぜ」
 ハイン・ヴィーグリーズ(gb3522)はバイパーのコクピットの中で、森の中から敵の予定進路である平原を見つめている。
「対タロスには、凄腕の方たちが揃っていますから、何とか倒せるといいですね」
「全く」
 ハインの言葉にゲシュペンストは無線の向こうで肩をすくめる。
 傭兵たちの作戦は以下の通りだ。
 第一段階。対タロスのA班、正面攻撃のB班、対キメラのC班の三班に別れ、A班とC班は進軍してくる敵を挟み込む位置に潜伏。B班が敵の正面から攻撃するなどして注意を惹く。
 第二段階。B班の攻撃で誘導されたか足の止まった敵を伏せていたA・C班が奇襲。三方向からの同時攻撃を展開する。A班はそのままタロスを抑え込みB・C班はキメラを優先的に倒して敵の数を殺ぐ。
 第三段階。キメラの掃討後、タロスを包囲殲滅、である。
「後は巧く行くことを祈るのみ‥‥っと」
 ゲシュペンストはガトリングを構えてコクピットの中で呼吸を整える。
 ‥‥ほどなくして、木々の向こうに、敵の集団が出現する。キメラ20体の集団と、それを統率する新型ゴーレム「タロス」の集団である。

「‥‥見えてきましたね。敵集団」
 終夜・無月(ga3084)はミカガミのコクピットで、岩陰から敵の位置を確認する。
「情報どおりですね。キメラ約20に、新型ゴーレムですか。俺たちの目的はタロスです。出来れば逃がさぬように、データも収集したいところですが‥‥」
 堺・清四郎(gb3564)は渋い表情を作っていた。若さに似合わぬ侍戦士と言ったところか。こちらもまたミカガミ。
「グレプカには一敗食わされたが、負け戦こそ戦の華よ!」
 清四郎は操縦桿を固く握りしめる指先をゆっくりと引き離した。鉢巻を結び直して気合いを入れ直す。
「グレプガのせいで撤退か。バグアもやすやすとは撤退させてくれんようだな。新型まで出してくるとは‥‥だが我々も簡単に負けはせん! 追い詰められた人類の力を見せてやる!」
 榊刑部(ga7524)は思案顔で呟く。戦いには思うところがある。いまだ自身修練の身でもあった。榊宗家の誇りと自らの実力不足を共に常に感じており、その為早く一人前になるべくかなり背伸びしているのだ。表には出さないだけの自制心は備えていたが、戦いでは僅かな気の油断が失敗に直結することもあろう。
「敵新型ですか。相手にとって不足はありませんね。微力ながら全力を尽くさせていただきましょう」
 榊は敵集団を見つめながらマシンガンとレーザーを構える。余談ではあるが、こちらもミカガミ。
 と、清四郎が世間話でもするような口調で言った。
「ミカガミ乗りが3人集まるとは珍しいな。ここでミカガミ乗りの強さを見せ付けて、銀河へ改良の催促にでもしてやるか」
 銀河重工の社員が聞けば苦笑したことであろう。
「ともあれ、まずは何より勝つことだが」
「榊さん、清四郎さん、間もなく攻撃が始まるようです‥‥俺たちも攻撃の用意を‥‥」
 無月が戦場の様子を伺いながら手を上げて合図を送る。

 ‥‥高原に出現したのは巨大なキメラの集団であった。人型、獣型、形容し難い怪物まで様々だが、KV並みの大きさで、隊形も無関係にばらばらに展開している。レールズ、依神、フォスター、神撫のKVを見ると怒りの雄叫びを上げ、口や腕などからプロトン砲を放ってきた。
「偵察カメラに敵影映りました、皆さん気を付けてください」
 フォスターの声とともに、眩いばかりのプロトン砲の閃光が駆け抜け、四人は回避行動を取った。空を切り裂く怪光線は、背後の地面に命中すると炸裂して土煙を巻き上げた。
「俺達は既に一度首都を失ったんだ‥‥二度目は絶対にありえない!」
 レールズはプロトン砲をかいくぐって前進すると、グレネードランチャーを放出した。北京を奪われ、今また重慶に迫るバグア軍を、ここで何としても粉砕する。
「砕け散れキメラども!」
 レールズはレーザー砲に持ち替えると、前進する。
 グレネードが着弾して、凄まじい大爆発を起こす。キメラ数体が粉々に砕け散った。
 悲鳴を上げて後退するキメラたち。
 中心にいたタロスは直撃の余波を受けたようだが、さして動揺する気配は見せない。キメラたちを武器で殴りつけると、獣使いさながらにキメラたちを前に押し出す。
「奴らを食い破れ! お前達の餌はあそこだ! 行け!」
 タロスに騎乗している強化人間はキメラの尻尾を叩きながら罵った。
「さて、餌は餌らしく‥‥ね。電子戦機はうまいぞぉ〜」
 神撫はレーザーとライフルを打ち込みながら後退していく。
「私は一旦下がりますので! 援護を頼みます」
 フォスターは戦況の把握に専念するとともに、長距離バルカンでの牽制に切り替える。
 依神はレーザーガトリングと、高分子レーザーを打ち込みながら敵を引き付けていく。
「さあて、キメラにはさっさとご退場願いましょうかね」
 依神はプロトン砲をかわしながら、レーザーを叩き込む。
 キメラたちは獰猛な雄叫びを上げ、傭兵たちのおびき出しに釣られつつ、プロトン砲をでたらめに撃ってくる。倍するキメラの数。これがワームなら脅威であったかも知れないが、キメラの狙いは全くのでたらめで、正確性に乏しい。あちこちで爆発が起こって傭兵たちも気が抜けないが、注意していれば回避するのはさして難しいことでもなかった。逆に張り付かれて接近戦に持ち込まれた方が厄介かも知れない。
「弾幕を形成して奴らを近づけないようにしましょう。確実に銃撃で各個に撃破していくのです」
 シュテルンを操るレールズの呼びかけに、依神と神撫、フォスターは「了解」と答える。
 キメラたちはばらばらに散開して前進してくるが、傭兵たちに各個撃破されて、次々と活動を停止していく。
「もうちょっと‥‥もうちょっと引き付けましょう」
 神撫は後退しながら、タイミングを測っていた。
「この馬鹿どもめ! さっさと突撃しろ!」
 そこで、タロスに騎乗している強化人間たちが、プロトン砲でキメラの尻尾に火をつける。威嚇射撃を連発した。
 キメラたちは鳴き声を上げると、傭兵たちに向かって加速してくる。
「今です。A班・C班頼みます!」
 神撫は言って待機している二つの班に攻撃開始の合図を送る。
 ハイン、ゲシュペンスト、白皇院が東方から、無月、清四郎、榊らミカガミ三機が西方から飛び出してきた。一気に装輪走行最大加速で間合いを詰める。
「行くぜ必殺! ゲシュペンストガトリング!」
 ゲシュペンストはこの側面からの奇襲攻撃でガトリングをキメラに叩きつける。弾丸が嵐のように炸裂して、キメラを粉々に打ち砕いた。
「キメラに構っているほど時間は無いんでね‥‥一気に潰させてもらうぞ!」
 ゲシュペンストのリッジウェイは腕を持ち上げて狙いを定めると、左から右に向かってキメラの群れを掃射していく。激烈な銃撃――リロード。リッジウェイのガトリングが咆哮し、次々とキメラを打ち砕いていく。
「みなの邪魔はさせませんよ」
 聖はD2ライフルで遠距離狙撃。ドウ! ドウ! ドウ! と弾丸を集中的に浴びせかけ、キメラを破壊していく。――リロード。
 聖のブロンドアイが閃き、目標のキメラを捕らえる。
「逃がしはしません。あなた達には、ここで朽ちてもらいます。重慶を落とされるわけにはいかないのです」
 聖はトリガーを引くと、獰猛な雄叫びを上げるキメラは肉片となって飛び散った。
 ハインは側面からキメラの集団に急襲すると、スラスターライフルを連射する。何十発もの弾丸がキメラの側面から叩きつけられる。キメラたちの怒号と叫びが交錯する中、ライフルは容赦なく火を吹き、無慈悲なまでにバグアによって生み出されたこの生体兵器を叩き潰していく。
「‥‥行くぞ‥‥タロス‥‥新型機よ‥‥」
 無月は操縦桿を傾けると、タロスに全速加速する。重機関砲を打ち込みながら突撃する。
「行きますよ新型機、実力を見せてもらいます‥‥!」
 榊もタロスに突撃、加速する。レーザー砲を連射しながら全速で駆け抜ける。
「突貫! 対シェイド用といわれたミカガミの雪村の輝き! とくと目に焼きつけよ!」
 清四郎もまた全速で走る。
 フォスター、レールズ、依神、神撫、ハイン、ゲシュペンスト、白皇院は一気にキメラを叩くべく激しい銃撃を叩きつける。
「ぬう‥‥! 伏兵か‥‥小賢しい真似をする奴らがいる」
 タロスの強化人間たちは攻撃態勢に入る。武器を持ち上げ、三機のミカガミに対する。
「さてと、では撮影開始。がっつりやっちゃってください」
 神撫はカメラのスイッチを入れると、タロスに照準を合わせる。
「さてとどんな弱点を見せてくれるかな?」
「タロスがきます!みんな気を付けて!」
 フォスターの警告が回線に流れる。
 タロスの突貫攻撃を無月は回避し、機槍ロンゴミニアトで上部の飛行能力の要たるユニットと思しき箇所を破壊した。タロスはさしたる影響も無いかのように、空中を滑るように襲い掛かってくる。
「ならば‥‥」
 無月はタロスの装甲を貫通する一撃を叩き込んだ。装甲の内部で爆発が起こってタロスは揺らぐ。
 反撃を打ち返して、練剣でタロスの腕を切り飛ばした。見る間に傷口は再生されたが、腕が生えてくることはなかった。
「おのれい‥‥!」
 強化人間のタロスはプロトン砲を放って後退する。
 無月は機関砲を連射してタロスの装甲を破壊すると、ポッドを開いてミサイルを放出する。ミサイルが全弾命中してタロスを爆炎で包み込む。
「これは‥‥」
 無月は目を見張った。タロスの傷が見る間に塞がっていく。が、今度は完全とは言い難い。
 榊はレーザーでタロスの装甲を弱体化させてから、ブレイドで打ち砕き、露出した生身部分に機銃を叩きつける。
 と、タロスの機動力が急激に上昇し、榊の攻撃をことごとく回避して反撃の一刀を打ち込んでくる。
「速い――!」
 ドゴオオオオ‥‥榊は揺れるコクピットで吐息すると、とっておきの機体内臓「雪村」を放出する。放出されたエネルギーがタロスを貫通する。
 ライフルを舞うように回避するタロスに突貫、張り付いた清四郎は機体内臓「雪村」を叩きつける。煌々と輝く雪村の光がタロスを貫通する。
 激しいスパークがほとばしって、タロスは傾いた。

 それからフォスター、レールズ、依神、神撫、ハイン、ゲシュペンスト、白皇院はキメラを掃討していく。
 清四郎と榊、無月はタロスと互角以上の戦いを見せ、追い詰めていく。
「中国の反撃はこれからなんです。この程度で負けてられませんよ」
 キメラを撃破したレールズはタロスに迫ってレーザー砲を叩き込む。
「究極! ゲシュペンストキィィィィック!!!!」
 ゲシュペンストのレッグドリルがタロスを打ちのめせば、タロスはがくりと崩れ落ちる。
 集中攻撃を浴びたタロスは、慣性飛行で逃走、だが舞い上がったところを追撃を受けて撃墜される。
「まだだ、他の援護をしなければ‥‥」
「もう一戦いけるか‥‥?」
 戦いを終えて後も、傭兵たちはUPC軍の援護に回り、バグア軍の撃滅に奔走する。数で勝るバグア軍の攻勢は激烈であった。UPC軍は半数が行動不能になる激戦であったが、バグア軍を撤退に追い込んだのであった。