タイトル:地球軌道上の境界線2マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/08/07 05:16

●オープニング本文


 地球軌道上、某所――。
 一隻のバグア戦闘艦の周囲に、ワームが集結していた。
 アレン・キングスレー(gz0472)の戦闘艦である。
「キングスレー様、間もなく本星に帰還できますね。このままもう二度と、本星に帰ることが出来ないのかと思っていました」
 生き残ったバグア人達は本星への帰還に望みをつなぐ。ここにいる者たちは、地球から退却を選んだ者たちだ。外れくじは残る本星艦隊に任せておけばいい。
 キングスレーは、本星からの通信を受けた。
「‥‥こちらキングスレー」
 すると、機械的な声が答える。
「キングスレー、本星への帰還を許そう。もはや、地球に固執することは無い。本星の中でも意見がほぼ一致しているようだ」
「そうですか。ブライトン様が反対されていると聞きましたが‥‥」
「その件は良い。ひとまず、お前たちは帰還せよ。私の裁断で許す。大幹部たちには事後で報告しておこう」
「ありがとうございます。我々も安心して帰還できます」
「これ以上の戦死者は望ましくないだろう。地球は危険に過ぎる」
 そう言って、通信は切れた。
 キングスレーは安堵の息をついて、部隊に命令を下そうとした。
 その時である。副官のクワイスが歩み寄ってきた。
「アレン。UPC軍が、ジョワユーズです」
「しつこい奴らだ」
 キングスレーはうなるように吐息した。
「反転迎撃! 我々はジョワユーズを叩いて本星への帰還へ着く! 総員総力戦用意――!」

 ジョワユーズ艦内――。
 艦長のジャック・モントロン中佐は、目前のバグア戦闘艦を見つめていた。
「敵艦との回線を開け」
 モントロン中佐は、ULTから出向しているフローラ・ワイズマン(gz0213)に言った。フローラは言われた通りバグア艦との回線をつないだ。
「聞こえています」
「よし――。キングスレー! 今度は我々が猟犬だ! お前たちを地球軌道から駆逐するために、俺は諦めんぞ! 本星に逃げ帰るつもりのようだが、そうはいかん! お前にどれだけの苦杯をなめさせられてきたか‥‥こっちは忘れん! お前をみすみす逃がしてやるほど、俺は寛大な心持ちにはなれんのでな!」
 すると、メインモニターにキングスレーの顔が映った。
「ジョワユーズ、その台詞はそっくり返してやる。お前たちは敬意を払うに値する敵だが、今ここで捕まるわけにはいかん。邪魔をするなら、ここでその艦を沈める」
「逃げる気が無いなら、戦ってみろキングスレー。今度こそ終わりにしてやる。バグア人の誇りを見届けてやろう」
「モントロン中佐だったな。惜しい人材だ。ヨリシロにしてやりたいところだが。どうやらそうもいかんらしいな。お互い譲れぬ道か」
 キングスレーはそこまで言って、通信を切った。
「中佐、バグア艦反転してきます」
 副官の桜の言葉に、モントロン中佐は頷いた。
「よし。それでは、仕事に取り掛かろう。みな、始めるぞ!」
 中佐の言葉で、傭兵たちは動きだした――。
 地球軌道上の境界線で、両軍は激突する。

●参加者一覧

櫻小路・なでしこ(ga3607
18歳・♀・SN
宗太郎=シルエイト(ga4261
22歳・♂・AA
美空(gb1906
13歳・♀・HD
堺・清四郎(gb3564
24歳・♂・AA
アーク・ウイング(gb4432
10歳・♀・ER
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
夢守 ルキア(gb9436
15歳・♀・SF

●リプレイ本文

 慌ただしさを増すジョワユーズ艦内で、傭兵たちはいた。櫻小路・なでしこ(ga3607)が言った。
「今回もバグア軍の残存部隊の追撃戦よ。気を引き締めて行きましょう」
 なでしこはいつものように確認する。
「分担と編成だけど――。ティターンブラックスターに孫六さんと堺さん。本星型HWに美空(gb1906)さんが序盤は遊撃、それから宗太郎さんに、リヴァティー×4。バグア戦闘艦にジョワユーズにアーちゃんさんが管制、ソーニャ(gb5824)さんが艦防衛に当たり、ラスヴィエート×8。強化タロスとタロスにわたくしとリヴァティー×12で。カスタムHWと中型HWに夢守さんが途中からアレン方面へ、それからハヤテ×12。宇宙キメラ対応に残るリヴァティー×8、ハヤテ×2、ラスヴィエート×6。OK?」
「了解したなでしこ」
「全体の方針だけど。初手に多弾兵装での一斉攻撃。ジョワユーズも援護射撃をお願いするわ。散開で各担当を各個撃破。最後に戦闘艦への集中攻撃と全兵装での一斉砲撃を行う」
「奴らを逃がしはしない。KV隊、よろしく頼むぞ!」
「行くわよ!」
 傭兵たちは駆けだした。

「ここが正念場、ってか? 因縁もあるだろう‥‥まぁ、道はしっかり開けてやらぁ。宗太郎! ストライダー・ゼロ、出るぜ!」
 宗太郎=シルエイト(ga4261)は言って、ジョワユーズから飛び出した。
「美空はお前たちを逃がさないであります」
 散々に地球上を荒らしまわったキングスレー一党をこのままむざむざ帰還させてしまったら盗人に追銭も甚だしい。たとえ敗走一色だとしても。だからどんなにキングスレー一人が凄腕であろうとも指揮官として無能であることをバグア高官にもお見せしようと逃げる敵性勢力をすりつぶす気満点である。
「ここを逃したら本土決戦か‥‥」
 堺・清四郎(gb3564)は吐息して加速した。
 中東、インド、オーストラリア、ヘパイストス‥‥。いい加減長く戦い続けたな。ゆえにここで逃すわけにはいかん! ジュワユーズはやらせはせんぞ!
「ジョワユーズと一緒の依頼も約1カ月ぶりだね。何だかんだで休息していたから、がんばるぞ」
 と気合を入れているのはアーク・ウイング(gb4432)だった。
「戦力を纏めて、更なる撤退か。だが、反転してワシ等を迎撃するとは、討ち死に覚悟か?ヤケになったか?」
 孫六 兼元(gb5331)は言って首を振った。
「いや違うな! 奴はこの期に及んで尚、最善の策を模索しとる筈だ! キングスレーはそんな男だからな! ――さぁワシ等の出番だ! 減らせる戦力は徹底的に減らす! 先ずはタロスをツブすぞ!」
「ロビン――エルシアン出るよ!」
 ソーニャもバレルロールで前進した。
「アルゴシステム起動、蓮華の結界輪起動。ハヤテ12機、ヨロシクね。半数は近接、半数は遠距離攻撃お願い。8:4+私に分けて、HWを挟み打ちで行くよ。危険だと思ったら、直ぐにブーストやスキルを使って」
 夢守 ルキア(gb9436)は言うと、コンソールを操作していく。
「全機、距離400でミサイル攻撃開始。最適位置を誘導します」
 アーちゃんはピュアホワイトのロータスクイーンで全体の管制を行う。周囲に浮かぶ電子データが目まぐるしく変化し、アーちゃんの感覚に触れて来る。
「有人機も多数だからね。各機、命中を合わせて下さいね」
「了解アーちゃん」
「距離400、攻撃開始――」
「FOX1、FOX2ミサイル発射!」
「GP7ミサイルポッド発射、行くわよ!」
 なでしこもミサイルを放出した。
 清四郎も先頭に立って、突撃し出会い頭にK02をタロスやキメラにお見舞いする。
「遠慮せず受け取れ!」
「こっちも行くよ。GP02Sミサイルポッド、発射!」
 ソーニャは言って、ジョワユーズの前に立ちミサイルを叩き込んだ。
 アーちゃんは電子データに映る命中までの軌跡を見ていた。
「ジョワユーズ、G5弾頭お願いします。G光線ブラスター砲の援護射撃と」
「了解アーちゃん。G5弾頭、G光線ブラスター砲発射!」
「ミサイル群、敵に到達します。各機、命中後に攻撃開始。最適路をナビゲートします」
 アーちゃんはコンソールを操作して、夢守と連携して、各機に指示を出していく。
 夢守はアルゴシステムでアーちゃんをサポートする。
「敵ワーム、反撃来るよ。戦闘隊形で接近してくる。みんな、迎撃ヨロシク」
 ミサイル群が直撃し、閃光が爆散する。
 バグア達も前進加速すると、プロトン砲で反撃して来る。
 孫六は飛行形態で急襲し、敵陣の中をウィングエッジで掻き回し、混乱に乗じ人型に変形。機刀を主体に攻撃。
「キングスレーが出て来る前に、少しでも多くの敵機を撃墜せねば! お前達を、赤い月には帰させん! その身に付いた宿業、ワシが引き受けてやる! 故に、お前達は輪廻の道を、畜生道からやり直せ!」
 清四郎は、そのままミサイルで混乱している隙に直進し、戦闘艦狙うと見せかけて指揮官機の本星型HWにM12で一撃を加えた後にタロスを狙う。
「一番槍をもらう‥‥と見せかける!」
 タロスを狙う際、最高速を出しながら攻撃を叩きつけて離脱する一撃離脱戦法をする。
「このやり方も久しぶりだ!」
 なでしこ達は強化タロスおよびタロスの撃破に移行。
「目標は強化タロスおよびタロス、全機全損! 参ります」と。
「まずタロスはリヴァティー8機に抑えをお任せするわ! その間に強化タロスの殲滅を行うわよ。リヴァティー4機、牽制、援護を任せるから、敵2機を各個撃破で行くわよ!」
 レーザーガン「フィロソフィー」 を連射していく。なでしこは強化タロスと撃ち合う。反撃のプロトン砲が来る。
「やる‥‥わね!」
 だが、ブーストで旋回、一気に間合いを詰めると、練剣「ビームクレイモア」で強化タロスを一刀両断した。爆散する敵機。
「おのれ!」
 もう一機と激しく撃ち合うなでしこ。リヴァティーと連携し、こちらにも止めを差した。
「なでしこ――」
「いいわ。タロスはリヴァティー3機編成4組に分け、1機ずつ確実に落としていきましょう。叩き、わたくしは並行して援護および討ち漏らしの掃討をします」
「了解した!」
 アーちゃんは、有人機が多さを見て、過去の経験も活用して、少数の敵を味方の包囲下に引きずり込むようにして、友軍をナビゲートする。味方に攻撃や一時後退の合図を出していく。
「宗太郎、行くぜ! 美空、後で会おう!」
「了解なのであります」
 宗太郎は加速すると、ジョワユーズに群がって来るキメラ群を叩いて行く。
「リヴァティー2機! よろしく頼むぜ! 俺がメインアタッカーで行く! 二機で脇を固めてくれ!」
「了解した宗太郎――」
「まずはこいつらをぶっ潰す!」
 初手はキメラの集団に向けてPDレーザー掃射する。間髪入れずに突貫、接近戦をメインに爪とライフルで殲滅していく。
「捉えた! フィーニクス・レイ、オーバードライブ!!」
 閃光が宇宙空間を貫き、キメラは消滅した。加速した宗太郎はキメラを破壊していく。
 美空はリヴァティーと加速すると、キメラ群に突進する。飛行形態からブースト+ウィングエッジで鎧袖一触で切り裂いたところに、僚機リヴァティーと連携して仕留めていく。
「美空はシスターズの思いを受け継ぎ、ここに立つのであります」
 次々とウィングエッジで切り裂いていく。リヴァティーが銃撃で支援する。
 それから、中盤に差し掛かり、人型形態で脚爪からの蹴りでタロスの武装を蹴り壊した後にレーザーガトリングで蜂の巣にする。
「美空!」
 宗太郎は合流すると、アーちゃんからデータを受け取り、本星HW方を指差した。
「了解なのであります」
 二人は加速した。
 宗太郎は積極的に接近戦を仕掛ける。
「行くぜ管制機!」
 美空機と息合わせ、挟撃意識した位置取り。
「戦える管制機か。元LM01乗りとしちゃあ、他人の気がしねぇな。これも縁だ‥‥楽しく踊ろうや!」
「何ですか地球人? また私の邪魔をする気ですか」
 クワイスは冷静に対応する。
「俺だけじゃないってことだ! バグア人! ここで終わらせてやる!」
 宗太郎はリヴァティーにブレス・ノウを付与した射撃援護要請、敵回避スペースを潰し、ランスチャージで強化FFを誘発する。
 クワイスはアクロバットに回避するが、宗太郎から機槍「ロンゴミニアト」の直撃も受ける。
「食らえ!」
 強化FFを発動させたところで、銃を乱射し畳み掛け、敵のEN消費を加速させる。
「むう‥‥しぶといっ」
 クワイスは反撃のプロトン砲を撃ち込んで来る。
 だが、宗太郎は残像回避で死角に回り込み零距離PDレーザーを叩き込んだ。
「美空! こいつで、チェックメイトだ‥…!」
「何?」
「‥‥俺が詰め手‥‥そんな簡単じゃあねぇさ」
 美空にとっては花も嵐も踏み越えての本星型退治。宗太郎との両翼からの挟撃で打ち払う。
 曳航型ミサイルを本体から極限まで離してミサイル発射。回避する方向を読んで、慣性のままにフォース・アセンション+真ルシファーズフィストを本星型に叩き込む。
「チャーシューメェェェン」
 そのままゴルフボールのように弾き飛ばして戦闘艦にぶち込み、キングスレーの呼び鈴とする。
 吹っ飛んだ本星HWは、粉々になって爆散し、バグア戦闘艦に激突した。クワイスは機体もろとも塵と化した。
 ルキアは、HWに対してウィングエッジと十二式高性能長距離バルカンで攻撃する。
「行くよみんな。彼らを逃がしはしない」
 白金蜃気楼も使い、目を奪う。そこへホーミングミサイルをぶちまける。ハヤテと連携し、味方の攻撃を回避した瞬間を狙い、回避行動の隙を狙う。
 ルキアは同時にコンソールを叩き、アルゴシステムでデータリンクを行っていく。
「傭兵! ここで我々は沈むわけにはいかん!」
 バグア達は決死の抵抗を試みるが、ルキア達は連携でこれらを封殺した。
 そうして、いよいよ戦場にアレン・キングスレー(gz0472)のカスタムティターンが出現する。
「そうか、クワイスが死んだか‥‥」
 ルキアはR703短距離リニア砲を構えつつ、孫六たちが艦隊の攻撃を受けないように管制システムで部分管制を行う。
「兼元君、清四郎君、アレン君がお出ましのようだね」
「キングスレー、何処に行く心算だ? あの赤い月へなら、ワシ等も一緒に連れて行ってくれんか? あの星には返さんとイカン、因果・因縁が山の様に有るからな! 利息も込みで、ワシ等が返しに行くところなのだよ!」
 孫六は、機刀と練機爪を主体に、FビートダウンとFアセンションを同時使用し、ひたすら前に出て、キングスレーに圧力を与え続ける。
「それは‥‥お互い様だ!」
 キングスレーは、神度剣の片腕を切り飛ばした。
「むう! 以前聞いた話だと、ワシの首にも賞金が掛かっとるそうだな? そして、赤い星では総力を以て迎え撃つと、お前は言ったな。『上等』だ!! ソレくらい派手な歓迎が無ければ、張り合いが無かろう! 我が身のソレは、鍛え抜かれた刀の如く、歪みも曇りも無い! 何より、敵が強大で有れば、より一層その鋭さを増して行くのだ!」
 清四郎は、ティターンが出てきたところで近接武装以外をパージして、マニューバを全開にして近接戦闘を挑む。大ぶりしたと見せかけてマニューバの一基をぶつけて隙を作るなど奇策などを使い相手を翻弄する。
「貴様との因縁‥‥いい加減決着をつけさせてもらうぞ! 本星に逃げ帰る前に俺や孫六との関係を精算してもらおうか!? アレン・キングスレエエエッェェ!!」
 キングスレーは、狐ヶ崎の腕も切り飛ばした。
「であれば、ここで終わりにしてやろう。死ね――!」
 ソーニャはジョワユーズでキメラを迎撃しながらチャンネルを開いた。
「アレン、艦にはどれだけのバグアがいるの。退却できたらどうするの。バグアは全て侵略者だと君の副官は言ったね。結局、また戦いに戻って来るのかな。なら、今、数を減らしておくのは当然だね。だけど、彼らが地球を諦め、去るなら、それは全滅させるよりバグアの戦力を削ぐ事になるね。なればこそ継戦派のバグアが黙っていないだろうけど。バクアにとって人は魅力的なヨリシロなのかな。でも実は、甘く魅力的な、そして身を滅ぼす毒じゃないの。ナラシンハもプロトスクエアもずいぶん人間ぽく死んでいったよ。地球を諦めるのもありじゃないかなぁ。彼らが地球を去るなら継戦派のバグアや人から守って戦うのも面白そうだ。別な形での共存を夢想しないでもないけど。バグアを憎み、感情のまま殺し合うことが愛情深く善良な正しい地球人の在り方である気もするけどね。実益を合理的、理性的に判断するならそういうのもありじゃないかな。ボクが憎めないのは愛情が足りないのかもね。君はボクを憎むかい。愛せなくても、好きでいられるんだよ。こんな事言ってると軍法会議ものだって? 大丈夫だよ。ボクは命令には忠実なんだ。オーダーは守る。猟犬だからね。絶対、飼い主の手なんて噛まないよ」
「大した猟犬だ。我々は帰る。人は危険に過ぎる。ソーニャ、お前との会話もこれが最後だ」
「ならば、生に意味はあるのだろうか? 死に意味がないのなら」
 ルキアは言った。
「Via.旅路と言えば、何のために旅をするんだろうね、ヒトもきみ達も」
 私はただのポーン。だからこそ、生き延びる事が出来た。彼を仕留めるのは、私ではない。ハヤテに動いて貰うか、味方に動いて貰うコトになるだろうね。
 ルキアはR703短距離リニア砲を叩き込んだ。
「終わりだ! 孫六! 清四郎!」
 キングスレーが加速する。
「「これで‥‥終わりではないキングスレー!」」
 ぼろぼろになった孫六と堺は、だが牙を研ぎ、スキル全開で刀を抜いた。
 衝撃が、ティターンを切り裂く。漆黒のカスタムティターンは、真っ二つに折れた。
「な、何だと‥‥!」
 キングスレーは衝撃を受けた。彼の機体は折れ砕け、今や閃光に包まれようとしていた。
「見事‥‥だな孫六、清四郎。最後に勝つのはお前たちだったか。征くがいい、敵の屍を越えて、征くがいい‥‥」
 カスタムティターンは、キングスレーとともに、爆発四散し、消滅した。
「まだ終わってないよ!」
 アーちゃんが全員に言った。
 バグア戦闘艦が突進してくる。
 傭兵たちは帰還して補給を受けると、迎撃した。
 アーちゃんはジョワユーズがバグア戦闘艦に攻撃を仕掛けるためのルートの割り出しを行う。条件としてはいつもどおり、敵の迎撃が薄く、移動距離が短いこと。
「ジョワユーズ、攻撃開始して下さい」
 だが、ぼろぼろになったバグア人達は戦闘艦と機械融合し、ジョワユーズに突進して来た。
「全艦砲撃! 撃て!」
 激しい砲撃戦の末、だがバグア艦は崩壊消滅する。
 しかし、ジョワユーズも激しく損傷し、艦長以下、総員が退避した。
 間もなく、ジョワユーズは閃光を放って爆発し、みなが見守る中、最後を迎えたのだった。