タイトル:衛星ヘパイストスマスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/04/23 20:38

●オープニング本文


 封鎖衛星「アテナ」の陥落、そして続く「ヘラ」へのUPCの突進、人類の月面への進出‥‥。眼下の蒼い星を見やるヨリシロは、純粋に前線指揮官として危機を覚えていた。彼の名はドゼイ・モス。戦闘服をまとい、人型異星人の肉体をヨリシロとする男性型のバグアである。ドゼイが預かるのは、封鎖衛星ヘパイストスである。彼は長らく地球の状況を見守って来たブライトンの部下で穏健派のバグア人である。基本的な立場は穏健派。ただ、ヘパイストスを預かる以上、現在の状況を楽観することはできなかった。
「ドゼイ」
 呼び掛けたのは、地球から上がって来たアレン・キングスレー(gz0472)。
「どうも、心穏やかじゃない顔をしているな」
「皮肉のつもりかキングスレー」
 ドゼイは冷ややかに答える。彼は少なくとも強硬派のキングスレーを友人として招き入れるつもりはなかった。
「まあ、そんなところだ」
 キングスレーは、言って口許を緩めた。ドゼイはうなるように口を開いた。
「ウォンはどうしている」
「どうもこうもないがね。俺はもうウォンの指揮下に入っているわけじゃない」
「‥‥‥‥」
 ドゼイは、カンパネラ方面への攻撃を考えていた。待つのは性に合わなかった。そして、適任者を選抜した。ウォンの直接の指揮下から離れたキングスレーは、地球人を知り尽くしており、恐らく数少ないヨリシロの一人であった。
「カンパネラ方面へ攻撃を掛ける。お前を呼んだのはそのためだ」
 ドゼイの言葉に、キングスレーは肩をすくめる。
「なるほどな。だがそいつは‥‥まあいいだろう。俺たちの旅路は終わったわけじゃない」
 キングスレーは言葉を飲み込み、誤魔化した。ドゼイはそれに気づいたようだ。
「ブライトン様が退かれてしまった以上、今は俺達も出来ることをする」
「前線指揮官は苦労が絶えんね」
 キングスレーは言って、手を軽く振ると自身のカスタムティターンに向かって歩き出した。

 宇宙要塞カンパネラ――。
 ULTオペレーターの綾河美里(gz0458)は、監視ステーションがもたらした情報を直ちに本部に連絡する。封鎖衛星ヘパイストスに動きあり。UPC宇宙軍はアジア宇宙軍のジョワユーズを旗艦とする部隊を以って迎撃、敵の殲滅の任に当たるよう命令を下したのだった。
「忙しくなって来やがったな」
 艦長のジャック・モントロン中佐は、副官の桜舞子にうなるように言った。舞子はモニターの美里に言った。
「美里、傭兵たちの手配よろしくね」
「みんなもうすぐそっちに行くと思う。気を付けてねアキラさん! みんなをよろしく!」
 KV隊の隊長アキラは、肩をすくめた。
「そろそろ仲間も百戦錬磨が増えてきたかね。どうです艦長」
「尤も、百戦錬磨は敵の方だろうがな」
「や、そいつは参ったな」
「死ぬなよ若造」
「若造って言われてるうちに死にたくはないですねえ」
「あんた、調子に乗ってると危ないんだから」
「副官殿にご心配頂けるとは光栄です!」
 と、そこで美里は言った。
「みんなの力で、ヘパイストスをぎゃふんと言わせてやりましょう!」
「おー!」と艦橋で拍手が起こる。
 間もなく、ジョワユーズは出撃しようとしていた。

●参加者一覧

櫻小路・なでしこ(ga3607
18歳・♀・SN
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
堺・清四郎(gb3564
24歳・♂・AA
アーク・ウイング(gb4432
10歳・♀・ER
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
夢守 ルキア(gb9436
15歳・♀・SF
神棟星嵐(gc1022
22歳・♂・HD

●リプレイ本文

 ジョワユーズ艦内――。
 櫻小路・なでしこ(ga3607)はテレビ会議で繋がったKV隊の仲間たちに言った。
「今回の目的は大型封鎖衛星ヘパイストスの攻撃部隊の迎撃ですわね。ここへ来て敵も動き出しましたわね」
「ヘパイストスの情報が入ってる。指揮官はドゼイ・モスっていうバグア人らしい。異星人だそうだぜ」
 KV隊のアキラが言った。
「まず編成ですが、タロスと宇宙キメラ対応に、わたくしとリヴァティー×8、ラスヴィエート×4、ハヤテ×6の皆様。指揮はアキラ様にお任せしますわね。それから、ティターンと強化タロス対応に神棟様とソーニャ(gb5824)様、それからハヤテ×6。ビッグフィッシュには堺様と孫六様、管制補助に夢守様、そしてリヴァティー×4。敵の旗艦である改造型メガビッグフィッシュにはジョワユーズのG兵器で対抗ですわね。ジョワユーズ護衛にはアーちゃん様が管制、ラスヴィエート×8について頂きますわ。UNKNOWN(ga4276)には任意で動かれるようですので、適時穴を埋めて頂きたく存じます」
「ふーん‥‥まあそんなところかねえ。やはりこちらは手堅く編成していかないと難しいからね」
 なでしこは肩をすくめた。
「作戦ですが、接近する敵に先制の一斉攻撃。この後、各担当に分かれて迎撃に移行します。ジョワユーズからの援護攻撃は艦長判断にお任せ致しますね。ジョワユーズがメガBFを射程に捉えた時点で総攻撃に出ます。あと、迎撃後、余力次第でヘパイストス方面へ威力偵察を行うのも考えてみてはいかがでしょうか」
「そうだな。まあ偵察は戦闘の結果次第かね」
「‥‥うむ。そうだね。俺もその流れで動くとしようかね」
 UNKNOWN(ga4276)は言った。
「接近する敵に先制の一斉攻撃を仕掛け、一斉射撃後、各担当に分かれて迎撃。ジョワユーズは対『改造メガビッグフィッシュ』に備えつつ、援護砲撃。ジョワユーズがメガBFを射程に捉えた時点で総攻撃に出る。攻撃部隊迎撃後、余力次第でパイストス方面へ威力偵察を実施、だね」
「キングスレー‥‥お前も宇宙に来ていたか‥‥」
 堺・清四郎(gb3564)は言って、うなった。
「オーストラリアに残って残存兵力を指揮すると思っていたが宇宙に上がるとはな。ここで会えるかわからんが‥‥今はただ目の前の敵を斬るのみだ!」
「何だかんだで、約1カ月ぶりの依頼参加だね。しっかり休んだからには、ばっちり仕事をこなさないとね」
 と気合を入れているアーク・ウイング(gb4432)。
「前回の戦いで、まさかキングスレーが現れるとは‥‥。全くもってビックリだ! ならば今回も、奴は現れるに違いない!」
 孫六 兼元(gb5331)は牙を剥いた。
「今回の戦いは、BFを早期に無力化する事が最大の鍵だろう! それにしてもメガビッグフィッシュとは、何処かのバーガー屋のメニューにでも有りそうだ! 白身魚のフライを4枚と、更に各層にチーズとタルタルソースを挟み込んだフィッシュバーガーとかな!」
 孫六は「ガッハッハ!」と笑った。
「などと言っていたら夢守氏がバーガー屋に行きたいとの事なので、作戦が成功したらワシの奢りで皆でバーガー屋へでも行こうかな!」
「よーし、ボクももりもり食べちゃうよ〜」
 ソーニャ(gb5824)は言って、にこやかに笑った。
「わーい! 兼元君の奢りだよ! これは頑張んなくちゃね!☆」
 夢守 ルキア(gb9436)も満面の笑顔ではしゃぐ。
「‥‥それにしても、大型封鎖衛星でカンパネラを狙って来るとは、敵も余裕がないと見えますね。ここで彼らを倒し、人類の意地をお見せしませんと」
 神棟星嵐(gc1022)は言って、思案顔。
 そこで、艦内放送が響きわたる。
「間もなく敵との会敵宙域に進入します。KV隊、発進に備えて下さい」
 傭兵たちはドックから宇宙に出ると、繋留されているKVに乗り込む――。

「敵機接近してきます。宇宙キメラ、無人タロス多数――」
 アーちゃんは言って、レーダーを操作する。ロータスクイーンで仲間を支援する。
「後方にビッグフィッシュ、メガビッグフィッシュも待機しているようだね。ビッグフィッシュは無人、メガビッグフィッシュにはバグア人が乗っているみたいだね。有人タロス以外に‥‥ティターンを発見。アレン・キングスレー? これキングスレーだよ〜っ、あいつやっぱり出てきたね!」
 それから、アーちゃんはジョワユーズの側面に付いてバグア軍の動きを探る。
「全機ミサイル攻撃用意だね。敵の先端をやっつけるよ」
「各機、行くわよ! アーちゃんの誘導でFOX2ミサイル発射!」
 なでしこは言って、照準を定める。
「FOX2ミサイル発射!」
「撃て!」
 全機ミサイル攻撃を行う。ミサイル群がバグア軍に命中する。閃光が炸裂する。
「G光線ブラスター砲発射!」
 ジョワユーズから主砲がほとばしる。
「キメラをよろしく! 補給には気を付けて! 行くわよ!」
 なでしこは加速した。レーザーガンの閃光がタロスを貫通する。無人タロスはアクロバットに動いてくるが、なでしこの天津白姫の前に砕け散っていく。なでしこは障害物の中を移動しつつ、レーザーガンで無人タロスを撃ち落としていく。
「そう簡単にカンパネラへ行かせると思うかしらね。ドゼイ・モス――牽制のつもりかしら。やらせはしないわ!」
 なでしこは、凛々しいお姉様になって感情を表に、バグアに立ち向かう。
「ふむ、まあこんなものかね」
 UNKNOWNは加速して、敵中に飛び込み、次々と出現するキメラを撃破していく。圧倒的なK111「UNKNOWN」は宇宙でも健在、その火力で敵を押し返していく。
「戦いとは、一人ではない。バグアは一人かね。聞こえるかね敵の指揮官。メガビッグフィッシュとやらに乗りこんでいるようだが、この戦力でカンパネラへ行かせるとは、モスとやらは情報不足かね」
 すると、バグア指揮官が答えた。
「私はザ=ナ。バグア指揮官だ。お前たちこそ、宇宙に出て来たばかりのヒヨコで、何が出来る? バグアの本質が優秀なヨリシロの確保にあることを忘れたか」
「それは、エアマーニェの言葉でよく分かったよ。尤も、私の好奇心も満たされないがね。バグアが人間らしさに翻弄されるのは、私から見れば滑稽な気もするがね」
「バグア人にとってヨリシロの確保は重要だが、ただ地球人を殺さないのは、その一点に尽きるのだ」
「お前たちと言葉を共有するつもりはないがね」
 UNKNOWNは言って、タロスを破壊した。
 ――神棟はソーニャとハヤテらと宇宙キメラを貫き、加速。後続のティターン――キングスレーと有人の強化型タロスが出てくるところで、迎撃に向かう。
「行きますよ!」
 敵との距離が縮まったところでブースト、A・ファング、B・ノウを起動し残りのGP−9とアルコバレーノを全弾叩き込む。
 爆発と閃光が強化タロスを包み込む。神棟は人型に変形、姿勢制御で接近しつつDC−66マシンガンで牽制しつつライチャスを叩き込む。
 ソーニャはオープンチャンネルで呼び掛けた。
「うふふ‥‥アレン、直接やりあうなんて久しぶりだね。どう? なかなか面白事になってきたじゃないか。強硬派の君と穏健派のドゼイ、今日は実験派はいないのかな。いい具合に混沌だ」
「俺にとってもしびれる展開だよソーニャ。宇宙へ戻るのは久しい」
「君の思いは運命に届きそうかい。理想に現実が追いつく筈もない。願いは儚く。だからボクは何も望まない。ただ見守るだけ。それなのに、時の流れに感情がぐるぐる回る。ボクは嬉しいのか、悲しいのか。ボクはボク、ただそれだけなのに。それさえもわからなくなりそうだよ。喜びも悲しみも疲れるだけ。ボクの言葉は誰にも届かない。ボクにさえ。何も感じないない方が楽だよ。人は何故憎むのか。それはとても楽だから。何故破壊を望むのか。それが甘美だからだよ。誰でもいい。ボクに見せろ。すべてを変え、破壊する力――。ごめんアキラさん。大丈夫、ただの言葉遊びだよ。ちょっとヤツ当たりしたかっただけ」
「ああ、気にしちゃいないよソーニャ〜。俺でよければ話は聞くぜ。また戦闘終了後にな」
 アキラは笑った。
「ボクが殺してきた命に誓って狂う事など許されない。うん、ちょっと甘えたくなっただけ。優しくして欲しかっただけ。(ブレナー博士が逝って、ちょっと心が弱くなっただけ)ボクも可愛いところあるでしょ」
「ま、憎さ余って可愛さ百倍とか言うしな」
「アレン、久しぶりの逢瀬。楽しもうか。お互いに現実はままならないね。それでもみんなの思いの行き着く先、見届けようじゃないか。行けるとこまで。黒のティターン、似合ってるね」
「楽しませてもらおうかソーニャ傭兵、宇宙でこそ我が本領。人の思いの力、見せてもらおう――」
「行くよ! エルシアン、フルブースト!」
 ソーニャは強化タロスを撃破していく。キングスレーと撃ち合い、ふっと笑みを浮かべる。
「アレン――!」
 神棟はソーニャの背後をカバーするように銃撃を行い、タロスの浸入を阻む。
 キングスレーは巧みに撃ち合う。神棟はマシンガンで牽制しながらティターンを中心に簡易ブーストで回りつつ近付き、A・ファングを起動してライチャスを叩き込む。
「宇宙に擬態するような黒いティターン。‥‥アレン・キングスレーですか。直接剣を交えるのはコーター以来になりますし、少しは腕を挙げた事を見てもらいましょうか!」
 一撃、二撃と弾く。
「神棟星嵐か。腕を上げたな」
「この戦場では、貴公の死に場所にはふさわしくありませんか?」
「言ってくれるじゃないか」
 ルキアはアルゴシステム、蓮華の結界輪起動。各機とデータリンクを開始する。
「リヴァティー4機を借りたい。BFを中心に展開し、早期の撲滅と同時に、戦況の変化を促す。行くヨ」
 自身は歩行形態で進入する。
「リヴァティー三機は戦闘機形態で、抑えに入って。私達は、後ろから追従する。みんな、後ろから支援するね」
「こちらアーちゃんです。ビッグフィッシュへの道はこちらからも送りますっ」
 アーちゃんも言って、管制を開始する。
「大物狙いだ‥‥いただく!」
 清四郎はK02を全弾発射し、それを目くらましにして突撃。一気に敵中を突破しビッグフィッシュに肉薄する。
「敵中! 突破ぁ!!」
 キメラを粉砕して、加速する。ビッグフィッシュに肉薄。ベズワルを押し付けて装甲を剥し、そこにマシンガンを突っ込んで零距離で内部を撃ち抜く。
「外は厚いな、だが中の装甲はどうだ?」
 清四郎は、流れるように横へ移動しながらビッグフィッシュを撃ち貫いていく。BFは大爆発を起こして、閃光とともに消失する。
「キメラはこれ以上出させん!」
 できるのならば2隻と狙いたいが、初撃だから通用することだと思うの無理はせず合流を目指す。
「無茶と無謀の区別はあるつもりなのでな」
 孫六もキメラを破壊しつつ、BFに接近する。
「夢守氏! ナビゲートをよろしく!」
「了解兼元君。データリンクで支援するヨ――」
「ウム! 受け取った! 行くぞ!」
 孫六はルキアの管制と情報共有し、BFに取り付く最適な針路を選定。キメラを破壊、飛行形態で一気に接近し、人型で甲板に強行着陸する。
「これでも食らえ! フィッシュバーガーにしてくれる!」
 レミエルを撃ち込み、更に機剣で装甲を切り開き、内部に直接銃弾を送り込む――。
「艦は自分に艦砲は撃てんのだよ!」
 続いて轟沈するビッグフィッシュ。
 二隻を無力化したところで、ドレスA・Bを発動する孫六。
 補給を受け、ソーニャと神棟と切り合うキングスレーに接近する。
「キングスレー!」
 孫六は回線を開いた。
「以前、『自分は宇宙へ上がる事は無い』と言っておったのに、こんな所で会えるとはな! どういう風の吹き回しだ?! いや、此処は素直に見える事が出来て嬉しいと言っておこうか!」
「前言は撤回しよう孫六。状況と言うものは変わるものでな」
 一撃、二撃と弾くキングスレー。
「ここは地球人の領域だ、出て行けやぁ!」
 清四郎も加速する。
「キングスレー! できれば地上で決着をつけたかったぞ!」
「ふふふ‥‥清四郎。お互い簡単にはいかないようだ。残念ながら、結末は宇宙へ持ち越しだ」
「ならば我が剣閃‥‥受けてみよ!」
 牽制射撃をしつつ、一気に近づいてベズワルで斬りつける。マニューバAを使用、スラスターユニットをフルに使い、ありとあらゆる角度から斬りつける。
「剣虎の魂を受け継ぎし狐ヶ崎を見せてやる!」
 キングスレーは巧みな剣さばきで弾いて行く。
 そこでルキアが回線を開く。
「そう言えば、アレン君。名前に意味はあるだろうか――? 単純に、浮かんだダケだよ。私の機体は、デュスノミア。不和の女神、ヒトがナマエを付けるってコトは、それは個であるコト。きみは、個だろうか?」
「夢守ルキア、バグア人は異星人の知識を収奪、蓄積することで生きてきた生命体だが、それは我々の行動原理であって、個人が存在しないわけではない。むしろ、ヨリシロの名前を身にまとうことで、初めて個人として認識もされるわけで、その意味では、我々にとって個人と言うものは重要な概念なのだ」

 ――ジョワユーズは加速する。
「ジョワユーズ、先手打ったら、G5弾頭で敵の出鼻をくじけないかな?」
 ルキアは通信回線を開く。傭兵たちは、メガビッグフィッシュへ接近する。
「KV隊! G5弾頭撃つぞ!」
 ルキアらはジョワユーズから最高速度で開け、身近なデブリへ姿を隠す。G5弾頭の爆発からデブリなどを盾に動いたり、出来るだけ被弾を避ける。
 ルキアは黄金龍の鍵爪でデブリを蹴り接近、バルカンを叩き込み、機拳で周辺のキメラを掃討する。
「攻撃は苛烈に、スキルを駆使して徹底的に攻撃を」
 そうして――。
「ジョワユーズ、Gブラスターの充填はどう?」
「間もなく撃つ。KV隊、離れろ」
「了解」
 ルキアは、白金蜃気楼で離脱を支援する。
 メガBFは最後に吶喊してきたが、ジョワユーズのブラスター砲で破壊された。

 静寂を取り戻していく宇宙空間。

(アポロンのトキは、Gブラスターの後も敵が多かったケド)
 ルキアは、アーちゃんとともにヘパイストス方面を観測する。
「ルキアさん、見えますか? ヘパイストス」
「ウン。こっちも厄介そうダネ」
 ヘパイストス周辺に展開する戦力は小型衛星や戦闘艦始め、強力な防衛戦力だった。
「むむ〜、これは‥‥また頑張らないとっ」
 アーちゃんは拳を握りしめた。

 ――戦闘終結後。
「ガッハッハ! では約束通りバーガーを奢るとしよう! みな好きなものを注文してくれ! ガッハッハ!」
 カンパネラのハンバーガーショップにて、傭兵たちの姿があった。
「ワシも苦労を労い英気を養うと言う事で、シッカリ食べるとしよう! バーガー10個は軽いぞ!!」
「じゃ、私もフィッシュバーガー五個!」
 ルキアの笑顔が弾けた戦後だった。