タイトル:【QA】ソラのドラママスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/01/30 20:20

●オープニング本文


 宇宙ステーション102号――。
「カンパネラに定時連絡。ステーション近郊に異常無し」
 フィッツジェラルド伍長は部下の兵士たちに言うと、窓の外を眺めた。暗黒の宇宙がどこまでも広がっている。遥か眼下には青い地球が深淵の闇に浮かび上がっている。
「伍長、間もなく帰れますね。何事も無くてやれやれですよ」
「そうか? 宇宙キメラを見たり、バグア人がコンタクトを取ってくるのを楽しみにしていたんだがな」
「よくそんなことがしらふで言えますね。さすが伍長、尊敬しますよ。なあみんな――!」
 兵士たちが笑うのに、伍長はうなるように答えた。
「そんなことを言って、本当にバグア人が来た時にパニックになるんじゃないぞ」
 ははは‥‥。兵士達は今日中には迎えの船が来ると知っていたので、もうそんなことは無いだろうと思っていた。
 その時である――オペレータが通信を受信した。
「こちら宇宙ステーション102号です。どうぞ」
「‥‥‥‥」
 しばしの沈黙。オペレータは呼び掛ける。
「こちらステーション102号、どうぞ」
「私はバグア軍第183攻撃機動隊所属隊長ザン・バレル。諸君と少し話がしたい」
 その声に。ステーション102号の船内は凍りついた――。

 宇宙要塞カンパネラ――。
 ULTオペレーターの綾河美里(gz0458)は、ステーション102号に接触して来たバグア人の声を生で聞いていた。102号はすぐさまカンパネラとの回線を開いたのだ。
「君たちの中に能力者はいるかね」
「そんなことを聞いてどうするつもりだ」
「私は能力者と言うものに会ってみたい。お互いに話し合えば、エミタを操る者として、我々も能力者から学ぶことが多いと考える」
「ここに能力者はいない」
「それならば、すぐに能力者を呼べ。今から一時間以内にそこへ行く。私の要求が入れられない時は、諸君らはこの宇宙で生命活動の最後を迎えるだろう」
 バレルは言って、通信を切った。
「カンパネラ! 今のを聞いていたか! 急いで応援を送ってくれ! レーダーにタロスとキメラの集団が映っている! ゆっくりとこちらへ向かっているようだ!」
 美里は呼吸を整えると、口を開いた。
「落ち着いて下さい。すぐに傭兵を向かわせます。情報を転送して下さい」
「カンパネラ、隊長のフィッツジェラルド伍長だ。情報を転送する。宜しく頼むぞ」
「待っていて下さい! スクランブルを掛けます!」
 それから、美里は待機中の傭兵たちにスクランブルをかける。
 ――傭兵たちはすぐさまモニターの向こうに集結した。
「何だって美里? また変なバグアがコンタクトを取って来たって?」
「一大事ですよ! 一時間以内に防御態勢を整えないと、102号は破壊されてしまいます!」
 画面にずずいっと接近する美里に、傭兵たちは後ずさった。
「分かったからお前さんの顔より敵の情報を出してくれ――」
 そうして、傭兵たちはステーション102号へ急行するべく、高速輸送艦に乗りこんでいく。宇宙(ソラ)の一角でドラマが始まる。

●参加者一覧

ドクター・ウェスト(ga0241
40歳・♂・ER
櫻小路・なでしこ(ga3607
18歳・♀・SN
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
砕牙 九郎(ga7366
21歳・♂・AA
大神 直人(gb1865
18歳・♂・DG
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD
クローカ・ルイシコフ(gc7747
16歳・♂・ER

●リプレイ本文

「ヤツラが生物ならば、目的は優秀な個体となることだろう〜。裏で画策しているのがコノ我輩でもありありと見えるよ〜」
 ドクター・ウェスト(ga0241)は言って、コクピットの中にいた。
 ザン・バレルとの話し合いには憎悪をあらわにしたまま周囲を警戒し、すぐに攻撃できるように人型で臨戦態勢をとっている。
「我輩は君たちをカケラも信じていないからね〜」
 まだ離れているバグア軍から通信が返って来る。
「それは心外だな人間」
「くくく‥‥バレル、さっさとステーションの人間を始末しておけばよかったのよ」
「ニルフィス、つまらんことを言うな」
 ドクターは、吐き捨てるようにモニターを睨みつける。今のドクターに歯止めはない。バグア人への憎悪が爆発しそうになるのを、理性で押さえつける。
 櫻小路・なでしこ(ga3607)は、軍傭兵たちと通信回線を開く。
「アキラ中隊長様、わたくしたちの基本編成は、近接戦に孫六様とウェスト様。狙撃手に大神様とUNKNOWN(ga4276)様。射撃戦ドッグファイトにタロス担当にソーニャ(gb5824)とクローカ様、キメラ担当に砕牙様にわたくしとなりますわ」
「了解なでしこ。こっちの動きを確認しておくと‥‥A班に俺とリヴァティー、ハヤテ。B班にカトリーナとラスヴィエート、スフィーダだったな」
「はい。以上の二組に分かれ、宇宙キメラの撃退を中心に状況に応じてタロスへの牽制などの支援攻撃をしていただきます。対キメラ等では一体に対し二機以上で対処して頂ければと思いますわ」
「了解した。任せてもらおう」
「うむ――宇宙人には是非訊いてみたい事があるのだよ」
 UNKNOWNは言って、思案顔でコンソールを見つめる。
「宇宙人はさすがに未知の宝庫だからね」
 UNKNOWNの知的好奇心が頭をもたげる。この男の神改造KVを以ってすれば、恐ら戦闘そのものには十分過ぎる性能であろうが。
「宇宙戦か‥‥あんまり慣れてねぇけどやるしかねぇか!」
 砕牙 九郎(ga7366)は言って、拳と手のひらを叩きつけた。
「なでしこ、気をつけろよ。バグアの奴がただお話したいだけで出向いてくるとは思えねえ」
「そうね九郎様。いずれにしても、バグアは信用できないから、相手が話し合いを行うつもりであっても、その間にこちらの態勢を整えることができるわ」
「そんなとこだろうな〜」
 大神 直人(gb1865)は、ピュアホワイトのロータスクイーンを起動させていた。戦闘前から可能な限り索敵し敵と戦闘区域内の障害物のデータを集めてUPC、傭兵の各機のコンソールに表示できるように送信する。レーダーには、接近している敵集団の姿が確認されている。
 大神、初めての機体で初めての支援機さらに初めての宇宙戦でそれなりにKV戦や修羅場をくぐってきたが久しぶりに緊張している。
「ここまで初めて尽くしだとさすがの俺でも緊張しますよ」
「まあ、気楽に、だよ。大神。宇宙と言っても、エミタAIで補助されるからね。やることはいつもと変わらない、よ」
 UNKNOWNの言葉に、大神は吐息する。
「まあ、確かに操縦面に不安はないのでしょうが、俺自身に蓄積されるものが何もないですからね」
「今回のバグア、大軍で銃を突きつけておきながら、『話しがしたい』も無いだろうに。こう言う奴は大抵、良からぬ計略を企んどるから気を付けねば! まぁ話がしたいのなら相手はしてやるさ! ワシの流儀でな! 武人なら、刃を交えて語るものだ!」
 孫六 兼元(gb5331)はそこで、ふと通信をアキラに向けた。
「そう言えばアキラ氏と会うのも久しいな! 以前会ったのは北九州か‥‥。再会が宇宙で、しかも中隊長になっていたとは驚きだ! 随分と成長したものだ! ガッハッハッハ!」
「久しぶりですね孫六さん。ダム・ダル(gz0119)を倒した一連の戦いは報告書を読ませてもらいましたよ」
「ガッハッハ! もう古い話だな!」
「俺も、あれから各地を転戦して、この宇宙に志願したんですよ」
 アキラの口調は落ち着いていて、以前会った時とは印象が違った。
「バグアとの“交渉”とはただ交戦のみ。大体、兵士が戦場で何を寝ぼけているのか。本音を言えば早く戦いたくて堪らないよ」
 クローカ・ルイシコフ(gc7747)は言った。
「だが相手のくれたチャンスには付き合い有効利用しようじゃないの。戦争を舐めた報いを存分に味わえばいい。さあ、望み通り地球人の闘いを見せてあげよう」
 それからバグア軍がいよいよ眼前に出現し、傭兵たちは各自戦闘隊形を取る。なでしこが代表して前進する。
「アキラさんお久しぶり。こんな所で再会できるとは奇遇ですね」
 ソーニャはその様子を見やりながら言うと、アキラは「こんにちは。久しぶりだね」と返してきた。
「ボクが大人しくしてるのは不思議? 相手がバグアなら尻尾を振って寄って行くと思った? ボクにも好みはあるよ。あのザンとか言うのは好みじゃない。あれは自信家の自己満足タイプ。一人で完結してる。ボクが心引かれるのはどうしようもなく欠けた心を抱えているタイプ。においでわかるんだ。そういったタイプは進み求め続けなるしかないんだよ。ボクが殺した者と僕を殺す者。再会するその先の世界までね。ボクを求めてくれるのもそういう壊れたタイプだろうね」
「相変わらずだなあソーニャは。危なっかしいって言うか、守りたくなるっていうか、遠くを見ているんだな」
「あ、ちょっと優しくされるとコロっといくタイプだって思ったでしょう。ボクは図星を指されるのは嫌いだよ。思っても口にしないでね」
 ソーニャの言葉にアキラは少し笑った。
「ともかく、好みから言うと、まだあの本星型の方が可能性あるね。ニルフィス? あの壊れ方がひとりよがりの自己完結型じゃなければって話だけど。任務とか仕事とか理想のためっていうタイプには見えないしね。試してみますか――」
 ソーニャは言った。
「一方的な殺戮を求めるのは自己快楽追求型、殺し合いを求めるのは自らの死か、他者か、満たされない何かを求めてるからだね。どちらが正しいかって言う話じゃないよ。ボクの好みの話。ごく稀に別のパターンもあったね。手段を得るために目的を選ばないタイプ。一番タチが悪いかも」
「まあどっちにしても、戦う相手としちゃ、頭のいい奴とはやり合いたくないね。楽に勝ちたいからな」
 そこで、両軍が向き合い、ティターンが前進して来た。
「つまんない茶番‥‥。戦争しに来たんじゃないのかなぁ」
 クローカは言いつつ、デブリの密集地帯に紛れ込む。
「ようやく会えたな能力者たち。私はバグア軍の指揮官ザン・バレル」
「櫻小路・なでしこよ」
「お前が代表者か」
「そうよ。まずは話を聞きましょう」
「――今、バグアの中でエミタへの脅威を覚える風潮が現れている。バグアの上層部はその件に関して迷走していると言う噂だ」
「噂とは?」
「私も幹部たちの動向は知らん」
 そんなやり取りをしつつ、なでしこはコンタクトの意図を尋ねる。
「能力者から学ぶことも多いと言うことですが、コンタクトの目的は何?」
「それは、能力者が私の知る限り、ブライトン様を退けた唯一の種族だからだ。あの時の思いの力。その源を知りたい。愛、友情、希望、それらは一体どこから湧いてくるものなのか。ユダを退けたその事実。私は驚愕に値すると考える」
 なでしこはバレルの言葉にはあいまいな返答をして時間を稼いだ。一つには、バレルを実際信用していなかったということもある。
「今回の行動には明確に抗議させて頂くわ。あなたにとって人間が好奇心の対象でしか無い、つまりはヨリシロ候補としか見なしていないのなら、わたくしは遺憾に思いますわ」
 それから、
「後ろ手に武器を隠し持って近付き、笑顔で握手を求めてくる様な相手は信用できませんし」
 と厳しく指摘する。
「バレル、さっさとやっちゃいましょうよ。最初からあなたの思惑はばればれじゃないの」
「ふん、まあ仕方ない。牙を剥くモルモットにはしつけが必要だな」
 バレルは言うと、全軍に攻撃命令を出す。
「みなさん。以上ですわ。戦闘開始、アキラ隊長。お願いします」
 傭兵たちも攻撃を開始する。

 ドクターは障害物の影から解き放たれたように加速する。
「ソンナことだと思ったね〜。喰らえ、バ〜ニシング、ナッコォー!」
 必殺のバニシングナックルが炸裂。ロケットパンチがティターンを直撃。
「ぐお!」
 ティターンは傾いた。
 孫六も一気に加速する。スフィーダの必殺メテオ・ブーストで突撃し、槍を叩き込む。
「ザンとか言ったか?! 武人なら刃を交えて語るのが本道と言うのが、ワシの流儀でな! さぁ語り合おうか!」
「おのれ‥‥! 猿どもが!」
 バレルは言うと、後退しつつプロトン砲で応戦。
「では行きましょうかUNKNOWNさん‥‥ESM、ヴィジョンアイ起動。戦闘を開始しまする」
 大神は言うと、管制を開始。
「キメラ群、両翼から接近。中央にタロス。ソーニャさん、クローカさん、九郎さん、なでしこさん宜しくお願いします」
「了解――」
「行くよ、大神」
 UNKNOWNも超改造のK111で加速する。
 大神と組み、スナイパーライフルでアクロバットに飛ぶ本星型HWを捉える。ニルフィスのHWは銃撃を受け止める。赤いフォースフィールドがほのかに輝き、凄絶な銃撃を受け止めた。
「あーはっはっは! 少しはやるじゃないの! これを使わせるなんてね!」
 ニルフィスは加速すると、プロトン砲を叩き込みつつ、UNKNOWNに体当たりして来た。
 UNKNOWNはこれ幸いと本星HWを掴んで投げる。
「ところでだがね、まあ、私は13次元などだと思うのだよ」
 UNKNOWNは量子力学から素粒子物理学や紐理論の話等、物理学的な専門会話を行いつつ、本星HWと打ち合う。
「地球側が知る範囲では11次元なのだが。エミタや君達の様な存在もあるのだから、ね」
「UNKNOWNさん‥‥話好きだなあ」
 大神は、呆れたように支援する。
「多元宇宙か、人間。いずれにしても、私たちには理論など不要なのだ。私たちが時空を飛び越えることが出来るのは、私たちがそこに関わっているから。お前たちにとっては超科学でも、我々にとっては自然現象に過ぎないのだ。私たちは難解な技術体系を構築しているわけではない。バグア人なら生まれながらにフォースフィールドを持っているように」
 ニルフィスは言って、「ふふ‥‥」と笑う。
「なるほど、ね。自然現象、かね」
 UNKNOWNは言って、本星HWを更に撃つ。遂に銃撃が貫通する。
「ちい‥‥さすがに被害が馬鹿にならん」
 ニルフィスは一気に加速すると、後退する。
 なでしこと九郎はミサイルポッドを全弾撃ち込むと、キメラを破壊。
「行きますわよ九郎様!」
「おう!」
 なでしこは間合いを取りつつ、レーザーとアサルトライフルでキメラを破壊していく。
「よしこっちも行くぜ!」
 九郎はデブリを蹴って、三角飛びして近づいてくるキメラの背中側に回る。キメラは怪光線を吐き出して、九郎らに反撃して来る。九郎は姿勢制御で回避しつつ、高分子レーザーでキメラを潰していく。
 数で群れて来るキメラの攻勢をデブリを盾にやり過ごし、九郎は飛び出すとレーザーでキメラを削り、接近して来るものをマシンガンで粉砕する。
「この肉塊野郎が! なでしこ!」
「ええ!」
 九郎はナイフで切り裂き、キメラを蹴って後退する。
 なでしこは加速すると、キメラを薙ぎ払う。
「それじゃあボクもいくわよ」
 ソーニャのリヴァティーが駆ける。
 タロスと向き合い、デブリを挟んで撃ち合う。長距離バルカンを叩き込む。凄絶な銃撃がタロスを吹き飛ばす。無人タロスは無機的な機動で前進して来ると、プロトン砲で反撃。バレルロールで回避しつつ、ソーニャはバルカンでタロスを破壊した。
 クローカもデブリの間隙から加速。
「行くぞバグアども! 戦いを舐め切った報いを受けろ! 食らえ短距離リニア砲!」
 クローカはタロスにリニア砲を叩き込む。
「でやあああああ!」
 そのまま激突、シャベルで追撃。
 無人タロスは剣で弾くと、反撃の一撃を打ち込んで来る。
 クローカはヒット&アウェイを心がけ、攻撃ごとに一度退く。後退しつつ、姿勢制御で態勢を整え、機関砲で牽制する。
「それなら! これでもどうだ!」
 ミサイルポッドを叩き込む。直撃を受けたタロスは爆発四散する。
「そうだよ、戦争はこうでなくちゃ。もっと殺したり殺されたりしようよ!」
 キメラ、タロスを撃破していく傭兵たち。
「九郎様、キメラは軍に任せて、タロスへ向かいましょう」
「オッケー、了解した!」
 なでしこと九郎は、タロスの撃退の応援に向かう。
 人型に変形すると、なでしこは援護射撃で牽制、ライフルにレーザーを叩き込む。
「ソーニャ! クローカ! 来てやったぜ!」
 九郎は言って、仲間たちとタロスへ火力を集中する。
「やあ九郎君、遅かったねえ」
「へっ、ちょっと手間取ったがな! ボーイ!」
「ボーイと呼ばれる間は死にたくないなあ」
 クローカは言って、眼前のタロスをリニア砲で破壊する。

「ガッハッハ! ドクター! 行けるかね!」
「兼元君、そろそろ勝負だね〜」
 バレルと撃ち合う二人は加速。ドクターは孫六を援護しながら前進、ドリルライフルを叩き込む。ドウ! とドリルがティターンを貫通する。
「カネモト君、今だ!」
「ぬう――!」
 バレルは後退する。孫六は突進、激突――!
「バレル! お前のごときバグアに勝利はない! ビル・ストリングがいい例だ!」
「やかましい猿め!」
「猿猿やかましいんだよ! その猿が、お前を倒す!」
 突進して来たのは九郎。ティターンに激突すると、ナイフで装甲を切り裂く。
「おのれ!」
「ガッハッハ! てい!」
 孫六は、槍を繰り出すと、ティターンを貫いた。
「な、何‥‥! 馬鹿な‥‥!」
 ティターンは閃光を放って、バレルの悲鳴を残して爆発四散した。
「ガッハッハ! どうにか片付いたな! ウム! わしはいったん補給に戻らせてもらおう!」
 孫六は離脱する。

「各機、制圧したところから随時補給に映って下さい。掃討戦に移ります」
 大神は言って、コンソールを操作する。
「ニルフィスとやら、これ以上は戦えまい。おとなしく撃墜されたまえ」
 UNKNOWNは言って、本星HWを牽制する。
「そいつを頂くぜ!」
 クローカは突進して来ると、ニルフィスに至近距離からリニア砲を叩き込み、さらにシャベルを打ち込んだ。
「くく‥‥バグアは宇宙の頂点に立つ生命体よ‥‥あなたたちはそのことを知るでしょう‥‥」
 ニルフィスは言い残して、本星HWとともに吹き飛んだ。

 ‥‥戦後。
 UNKNOWNは帰りに造花の花束を届けておく。
「景観が華やぐので退屈せんだろう」
 そして大気圏突入で帰還。離脱も帰還も気楽な散歩風味であった。