タイトル:【QA】ステーション101マスター:安原太一

シナリオ形態: ショート
難易度: 難しい
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/01/16 19:10

●オープニング本文


 宇宙ステーション101号――。
 ここ最近、UPCは輸送艦を定点観測所へと改築し、宇宙ステーションとしてカンパネラからそれほど遠くない場所に相次いで設置していた。この101号も新たに監視ポイントに到着したところだった。
 無重力空間のステーション内を、兵士達が行き交う。宇宙食を食べながら、兵士達はのんびりと宇宙空間に目を向けていた。はるか下方には青い地球が見える。
「俺たちが戦ってきた場所か‥‥ここから見ると何だか複雑な気分だな」
「感傷に浸ってる余裕はないぜ。地球は今、エアマーニェの降伏勧告を受けて大パニックだからな。地上のバグアどもがあちこちで息を吹き返しているって話だ」
「あの赤い星の住人次第か‥‥またストレスが溜まりそうだな」
 兵士達は胸の奥に違和感を覚えながら、ステーションの時間の中にいた。

 宇宙要塞カンパネラ――。
 ULTオペレーターの綾河美里(gz0458)は、昼休みにスポーツジムにいて、ランニングマシンの上にいた。走り始めて十五分程度が警戒していた。
「やっぱり‥‥! 宇宙にいたら‥‥! ストレスがたまるでしょう‥‥! その解消法には‥‥! やっぱり‥‥! 運動が一番だと思うんです‥‥! 私‥‥! 体動かすの好きなんです‥‥! こうやって体を動かしているだけで‥‥! お互いに共通認識が出来そうでしょう‥‥! 別に‥‥! 特別な出会いを期待しているわけじゃないんです‥‥!」
 汗を流しながら美里は、隣を時速30キロの特別仕様マシンで走る男性能力者に話し掛けていた。
「少し休んだ方がいいんじゃないの?」
 男性能力者は余裕の声で言った。
「ええ‥‥! はい‥‥! ちょっと‥‥! 休んだ方がいいですかね‥‥! 息が上がっちゃって‥‥!」
 と、その時だった。腰のポケベルが鳴り始めた。美里は男性能力者に笑みを向けながら、ポケベルのメッセージを確認する。
「あら‥‥! やだ‥‥! すいません‥‥! 緊急事態みたいです‥‥! 急いで戻らないと‥‥きゃあ――!」
 次の瞬間、美里は見事にすっ転んで額を打ちつけた‥‥。

 ‥‥それから十分後、制服姿の美里が司令センターにいた。手早くシャワーを浴びて車をすっ飛ばしてきたのだ。
「遅れてすいません。宇宙キメラの大軍が観測されたって本当ですか」
 美里の言葉に、チーフが応じる。
「ステーション101号からの連絡よ。大型のキメラが多数確認されたそうなの。中にティターンが一機確認されてるわ。カンパネラに向かってる。――あなたその頭どうしたの?」
「な、何でもありません! すぐに仕事に入ります――!」
 美里はデスクに着くと、発艦態勢にある高速輸送艦と回線をつなぐ。
「こちらイーグル。御承知かと思いますが、ステーション101号より連絡がありました。詳細は今から送ります! すぐに準備を整えますのでお願いします――!」
「美里、おでこどうしたんだ?」
 モニター越しの傭兵が不思議そうに言う。
「な、何でもないですから――! ええっと、敵の中にはティターンが一機、大型宇宙キメラ約50体、戦闘区域は障害空域マップです――!」

 バグア軍――。
 ステーション101号近郊をカンパネラ方面へ向かうバグア軍の集団は、ティターンに搭乗する異星人ヨリシロ、ビグ・ド・ボルグが率いる大型宇宙キメラで構成されていた。キメラはKV並みの巨大さで、二足歩行のグロテスクな怪獣らしき姿をしていた。
「小賢しい奴らがいるものだ‥‥監視ステーションをちまちまと打ち上げてきおって。いっそカンパネラの一部でも破壊してやれば連中もそれどころではあるまい」
 ボルグはまだ人類の戦力を良く分かっていなかった。すでに正式に宇宙軍が配備されたカンパネラを50体のキメラで攻略することは不可能である。ただ、ボルグの戦力は無視できるものでもなかった。
 カンパネラは冷静に迎撃の指示を傭兵たちに出すのだった。

●参加者一覧

流 星之丞(ga1928
17歳・♂・GP
櫻小路・なでしこ(ga3607
18歳・♀・SN
狭霧 雷(ga6900
27歳・♂・BM
安原 雅人(gb4267
25歳・♂・FC
アーク・ウイング(gb4432
10歳・♀・ER
ハミル・ジャウザール(gb4773
22歳・♂・HG
孫六 兼元(gb5331
38歳・♂・AA
ソーニャ(gb5824
13歳・♀・HD

●リプレイ本文

「ステーション101号近辺から、カンパネラに向かうバグアの戦力を、スフィーダを操って撃退します! やっと届いた宇宙への足掛かりと、その目をバグア達の好きにさせるわけにはいきませんから。この勇気の証である、黄色いマフラーに賭けて」
 流 星之丞(ga1928)は言って、モニターの綾河美里(gz0458)を見やる。
「おや、怪我をされているようですが、大丈夫ですか?」
 美里はおでこのたんこぶを慌てて隠す。
「い、いえ‥‥! これは何でもありませんから! え、えーと、あの‥‥星之丞さんて、黄色いマフラーの人のファンなんですか?」
「何の話をしているんですか?」
「いえ‥‥! 何でもありません! 忘れて下さい!」
 閑話休題――。
 櫻小路・なでしこ(ga3607)は、隊長のリースに歩み寄る。
「リース様、行動は二機一組を最小の行動単位とし、敵を各個撃破で確実に叩いていきましょう。対ティターンは「二機一組」×2で対応するのがよろしいかと存じます。傭兵が前、UPC軍にはやや後方に位置の二段構えに。初手にはミサイルなどの長射程の武装による先手の一斉砲火を実施。傭兵組で防御を削りつつ撹乱、撃退をする一方で、UPC軍は後方に抜ける敵を仕留めていく様にして頂きます。UPC軍はティターンとの交戦開始でキメラ殲滅の主力に移行して頂ければと」
 リースは話を聞いて、思案顔。
「それじゃあ私たちはサポートに回りましょうかね。まあキメラはKVの足なら逃がすことは無いと思うわ」
「宜しくお願い致しますね」
「なでしこさんは礼儀正しいですね。体から気品が溢れてますよ」
 狭霧 雷(ga6900)は言って、感心したように頷く。ムードメーカーのなでしこ、雰囲気だけで場の空気を和ませてしまう。
「それにしても、この数で攻めてくるんですから、よほど自信があるのでしょう。油断はできませんね」
「敵の名前が識別できました。ビグ・ド・ボルグ――だそうです」
 美里は言って、モニターに敵の識別反応を映し出す。
「ボルグ‥‥ですか。異星人の名前はおかしなものばかりですね。本当に映画から取って来たみたいですね」
「まあな‥‥そんな俺たちもありえねー存在なんだけどな」
 安原 雅人(gb4267)は言って、肩をすくめる。彼の機体は幻龍。
「まあ戦闘中の情報サポートはこっちで一括する。みんなは目の前に敵に集中してくれ」
 それから安原は、リースに提案する。
「俺からもお願いだ。作戦初期段階では傭兵を前衛に配置し、軍には後詰をしてもらうことを提案するぜ。何しろキメラの数が半端ない。向こうから来てくれるなら有り難いんだがね、無視してカンパネラへ行かれたら止めようがない。五十体ものキメラ」
 それから美里に声を向ける。
「ところで綾河君、ステーションの監視機能は機能してるのか? それならこっちも連動する」
「ええ、大丈夫だと思いますよ。カンパネラからも同調しておきましょうか?」
「そいつは助かるな。宜しく頼む」
「宇宙戦もこれで2戦目だね。そういえば、前の戦いで感じたことだけど、宇宙のバグアは地上の奴らと比べて、どこかしぶとさが欠けているような気がするかな。まあ、油断はできないけど」
 と呟いているのはアーク・ウイング(gb4432)。通称アーちゃん、みんなの妹だ。
「人類の宇宙への足掛かり‥‥。監視ステーションの設置を邪魔はさせん! 破壊など尚の事、不可能だと想い知らせてくれる!」
 孫六 兼元(gb5331)は言って、牙を剥く。
「敵の数が多い、終始飛行形態で戦闘し、高機動戦闘を心掛けるぞ! ウィングエッジを主体に戦い、ライフルは接近時の牽制に使用だな! アーちゃん氏と組になって行動だ! 宜しく頼むぞ! ウム! 射撃支援はお任せだ! ワシがウィングエッジで近接戦を仕掛ける算段だ!」
 それから孫六はうで組みして、モニターの情報を見やる。
「先ずは敵の親玉が出てくる前に、キメラを出来るだけ多く倒してゆこう! 兎に角、この量は厄介だ! ワームが居ないのが幸いだが、倒し易し攻め難しだな! ウム! こうなると、地道に近いキメラを片っ端から潰して行くしかないかな! 敵のヨリシロが現れたらば、ワシ等のチームが相手をしてやる! チョット前まで、ヨリシロと言えばレアな存在だったのだが、最近は次々と良く出てくるな! バグアも尻に火が点いたのかな? ガッハッハ!」
 ヨリシロ――孫六やアークがそう感じるのも無理はないだろう。地球でヨリシロと言えばエース級が揃っている。
「確かに、今は大したことないけど‥‥そのうちとんでもない連中が出て来るのかな」
 アークは言って、うなった。
「宇宙は‥‥ちょっとだけやり方‥‥判ってきた‥‥かな‥‥? 頑張って‥‥もうちょっと慣れましょう‥‥」
 ハミル・ジャウザール(gb4773)は言葉を探しながら言って、なでしこに言葉を掛けた。
「なでしこさん‥‥宜しくお願いしますね‥‥まだまだ‥‥慣れないところがありますけど‥‥僕も‥‥微力を‥‥最善を尽くします‥‥から」
 なでしこは、にっこり笑って、ハミルにお辞儀した。
「こちらこそ、お願いしますねハミル様。まだ、みんな宇宙では出始めたばかりですからね。お互いに頑張りましょう」
「僕も‥‥宇宙は‥‥まだこれからだと思いますが‥‥何て言うんですかね‥‥ただちょっと‥‥操縦が凄いことにはなってますよね‥‥エミタが無かったら‥‥こんな凄い相対速度で戦闘とか‥‥無理ですよね‥‥」
「これもエミタのおかげですよね」
「キメラの数が多い? 数で突破されると面倒ね。エルシアンで出るよ。アーセナル ナイチンゲールMk−4Dロビン。駆逐型の称号が伊達じゃないって見せてあげる」
 ソーニャ(gb5824)は言って、パイロットスーツに身を包んだグローブを握りしめる。ふとモニターの美里を見やる。
「ねぇ美里さん、宇宙が怖い? ボクは止まることが怖いよ。その時、ボクが無くなる気がして一番怖い。死んでも誰かの中に残るなら怖くないけど‥‥」
「ソーニャさん‥‥私少しだけ宇宙に馴染んできたみたいです! 最近は悪夢にうなされることも無くなってきましたし、ちょっとは元気が出てきました! ソーニャさんが頑張っている姿を見て、私も励まされました! 皆さんが頑張っているのに、私もへこたれてちゃいけないって。私もソーニャさんや皆さんから勇気をもらいました!」
「美里さんは強いね‥‥ボクとは違うよ」
 ソーニャは幼いころの記憶が無く、気付いたら能力者の研究施設にいたのだ。研究対象として扱われたことが深く心に残っているのだろう。彼女は時折自分というものの存在価値に疑問を抱くことがあった。
「ソーニャさん! あんまり心配かけないで下さいね!」
 美里は画面の向こうでガッツポーズをとって口許を引き締めた。
「それではみなさん参りましょうか。準備が整ったようですね」
 なでしこが言うと、一同無重力の中を移動して機体のもとへ向かう。

 傭兵たちのチーム編成は以下の通り。
 A班:櫻小路・なでしこ、ハミル・ジャウザール
 B班:孫六 兼元、アーク・ウイング
 C班:狭霧 雷、流 星之丞
 D班:安原 雅人、ソーニャ

「では、ミサイル発射いたします」
 なでしこがミサイルポッドの発射態勢を整えると、全機接近するキメラをロックする。
「アーちゃんもG放電装置発射準備完了です」
「こっちもいけますよ。GP9ミサイルポッドマルチロック完了」
 雷の言葉にソーニャが答える。
「ボクもオッケー。こういう時FOX2って言うのかな?」
「各機、データリンク行います。敵キメラは52体。後方にティターン。ロックオン完了。全機、攻撃開始して下さい」
 安原が言うと、傭兵たちはミサイル攻撃を開始する。
「ミサイル発射!」
「ファイア!」
 暗黒の宇宙空間をデブリを抜けてミサイルが行く。――着弾! 爆発が閃光となって炸裂し、キメラは木っ端みじんに砕け散る。
「命中率52%、キメラが突進してきます。第二射用意して下さい」
 安原はコンソールを操りつつ、レーダーに目を落とす。
「了解しました。第二射、発射します」
「ロックオン完了。攻撃開始」
「ファイア――!」
 第二射が放たれミサイルが命中し、また暗黒の空間に閃光がほとばしる。
「敵損傷率23%、来ます。全機ドッグファイトに移行して下さい」
「了解しました。ハミルさん行きましょう。支援します」
「はい‥‥お願いします‥‥!」
 ハミルのハヤテが加速する。慣性を生かして人型に変形すると、簡易ブーストと姿勢制御で態勢を整え、格闘戦を仕掛ける。キメラから怪光線が来るのを回避し、ディフェンダーで切り捨てる。デブリを蹴ってキメラをデブリに追い込む。レーザーを受け止め、そのままシルバーブレットで撃ち抜いた。
 なでしこはレーザーガンとアサルトライフルでハミルを支援する。
「さすがハミルさん、やりますね」
「宜しくお願いします‥‥!」
 ハミルは答えつつ、接近するキメラに備える。
 アークはピュアホワイトでの接近戦。高分子レーザーガンでキメラを撃ち落としていく。
「孫六さん、大丈夫です」
「ガッハッハ! アーちゃん氏! キメラはまず肩慣らしと行こう!」
 孫六はウィングエッジでキメラを切り裂く。
 キメラは抵抗むなしく爆発四散する。
「流星之丞、スフィーダ出ます! 狭霧さん!」
「はい、無理はしないでください。先は長そうですからね」
 雷はライフルとバルカンでキメラを撃ち落としていく。
 星之丞は戦闘機形態で加速すると、アサルトライフルで大型キメラの群を狙う。
「なんて気味の悪い‥‥でも、負けるわけにはいきません」
 そのまま慣性を生かして接近。キメラのレーザーを受け止めつつ、人型形態に変形、ナイトハルバードで近接戦を仕掛ける。
「(スイッチオンで刃を輝かせ)この輝きが、お前達を討ち滅ぼす」
 簡易ブーストと姿勢制御で態勢を整え、ハルバードの連撃。キメラのフォースフィールドを貫通、ずたずたに切り裂く。
 続いて逆噴射しつつ手近なデブリを蹴り、移動に利用してみる。だが実際の移動と加速には簡易ブーストが必要だ。
「障害物も、こうすれば足場になります‥‥駆け抜けろスフィーダ」
 加速して、接近するキメラを切り捨てる。
 そうする間にも、雷は十二式高性能長距離バルカンで星之丞を支援する。
 ソーニャはロビン・エルシアンで突入。常時アリス起動。
 ブーストで加速する。練力が見る間に減って行くが、この宇宙では凄絶なレベルのレーザーガンでキメラらを駆逐していく。
 バレルロールでキメラの怪光線を回避し、高速で戦域を移動する。
「数で、広がって抜けられたら面倒。短時間で出来るだけ数を減らすよ」
 勢い撃ち落としていくが、さすがにあっという間に練力が半分以上なくなる。
「ごめん安原さん、補給に戻るね」
「了解しました。――各機、状況報告です。敵損傷率68%、味方に被害なし。そろそろ補給が危なくなって来るでしょう。各自、交代で輸送艦までいったん練力の補給に戻って下さい。敵はまだ来ます」
「了解しました――」
 傭兵たちは、安原の言葉を受けて、一時後退しつつ補給を行う。
 いったん防衛ラインを下げた傭兵たちは、練力を満タンにして戦闘に臨む。
 ハミルとなでしこは、そのまま軍と共闘しながらキメラの討伐に向かう。
「キメラはお任せ下さい」
「僕も‥‥キメラを叩いていきます‥‥!」
「いくわよみんな、残りを片づける」
 リースは部下達に言って突撃する。
 安原はティターンの動きに注意していた。動き出すティターン。
「ボルグのティターンが来ますね。要警戒です」
「さて親玉の御出座しだ! 一気に接近する! アーちゃん氏、射撃支援は任せたぞ!」
 孫六は加速する。
 アークはヴィジョンアイでの支援を準備しつつ、ボルグとの通信を開く。
「ボルグって言ったね。それだけの戦力でカネンパラを落とせると本気で思っているのかな?」
 とバカにした口調で挑発する。
「何?」
 ボルグの声には苛立ちが含まれていたが、挑発には乗ってこなかった。
 ソーニャもまた通信を開いた。
「こうして宇宙で対峙するとバグアが本当にこの深遠の闇の彼方、気の遠くなりそうな時と空間を旅してやってきたって感じるね。何を思い、何を求めて、何に追われて、何を得て、何を捨て去ってここにいるのか。君とボクとの間にある境界線。それを越える恐怖と歓喜。貴方は誰? そしてボクはなんなのか。さぁ、ボクたちの唯一のコミュニケーション。殺し合いをはじめましょうか。コミュニケーションって事象間の相互作用の過程ってことだよね。なら、これもコミュニケーションと言うのは正しいね。ボクたちもなにか変わっていくのかな」
 ボルグは軽く笑った。
「我々は敵だぞ人間。コミュニケーション、だと? 変わるものなど何もない。我々はお前たちから奪い、お前たちは衰弱していくのだ」
 ボルグは本心では恐怖を感じていたが、それを押さえる。
「行くぞバグア人!」
 孫六は打ち掛かって行く。
 アークの射撃に合わせ、ウイングエッジで斬り掛かる。180度ターンも織り交ぜつつ、纏わり付くような機動を取り相手の動きを拘束する。
 ボルグはアクロバットに加速して、孫六の攻撃を回避する。
「お前の相手はワシだ! 一つ手合わせを願おうか! 武士の一太刀、その身で味わうが良い!」
「ぬう‥‥」
 ソーニャはデブリを盾にしつつレーザー、G放電で応戦する。HIT&AWAY。反撃のプロトン砲を軽やかにかわす。
 雷は、味方の攻撃の隙を補うようにアサルトライフで攻撃。できるだけ一定の距離を保つように心がける。
 星之丞は一撃二撃とボルグと打ち合う。
「メテオ・ブーストオン(奥歯カチッ)‥‥さぁ、これで止めです!」
 凄絶な一撃がティターンを切り裂く。
 雷も突進――。ドリスA・B両方を使用してライチャスによる追撃。
「これが私の切り札です!」
 ティターンは受け止めたが――。
「これで止めだ!」
 孫六が変形してメテオ・ブーストを叩き込む。
 ティターンは真っ二つに、ボルグの悲鳴を残して爆発四散する。
「ティターンを撃破確認。キメラが壊走していきます。あらかた片付いたようですね」
 安原は、レーダーを確認して仲間たちに戦闘の終結を伝える。

 カンパネラ――。
「ソーニャさーん!」
 無重力のドックにやって来たのは美里。ソーニャに抱きつく。
「美里さん?」
「元気に戻って来て良かったですー! 良かったー!」
「美里さん、それを言いに?」
「えへ。来ちゃいました」
 と、なでしこはヘルメットを脱いで言った。
「綾河様、急いでいても身だしなみには注意を致しましょうね。それにケガにも注意して下さいね」
 とニッコリとして言う。
「はぐ‥‥! なでしこさんに言われるとノックダウンです〜」
 慌てる美里の様子に、なでしこはにこやかな笑みを浮かべるのだった。