タイトル:新しい銃の開発プランマスター:八神太陽

シナリオ形態: ショート
難易度: 易しい
参加人数: 15 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2007/10/29 16:42

●オープニング本文


 西暦二千七年十月、アメリカの代表するメガ軍事コーポレーションのドローム社のある研究室に研究資金がおりた。
 名目は「強い銃の開発」。しかし一体何を持って強いというのかで研究所は揉めに揉めた。

「強いといえば攻撃力だ。一発で全てを吹き飛ばすほどの威力のある銃を作ればいい」
 ポールは第一に攻撃力を挙げた。ポール曰く、『二の太刀要らずの精神』だそうだ。
「次の弾丸があると思うから外すんだ。命中率なんてものはただの飾り、本物のスナイパーは気合で何とでもできるんだよ!」
 そんなことを言う一発屋ポールは『重量80、射程3、攻撃100、命中−30、回避−10、装弾数1』の銃の開発を提案した。

「スナイパーの本分は狙撃にあるの。銃の攻撃力なんて命中部位しだいで何とでもなるわ」
 ジェーンは第一に射程を挙げた。ジェーン曰く、『狙撃こそがスナイパーの華』だそうだ。
「実際に戦闘が始まる前に敵の指揮官を倒すの。こちらは無傷で相手は被害甚大、これこそ戦いの理想形じゃない」
 そんなことを言う狙撃手ジェーンは『重量40、射程5−9、攻撃20、命中0、回避0、装弾数2』の銃の開発を提案した。

「攻撃は当たってこそ意味がある。どんなに攻撃力があっても当たらなければ意味がない」
 マイクは第一に命中をあげた。マイク曰く、『当たらない銃は銃じゃない』だそうだ。
「何発も打ち込めば敵はどんな敵でもそのうち沈む。敵に反撃する間も与えず、ただただ撃つべし撃つべしだ」
 そんなことを言う乱射王マイクは『重量40、射程3、攻撃20、命中50、回避0、装弾数30』の銃の開発を提案した。

 困ったのは研究室長ナタリーだった。どの銃もコンセプトに合った銃を提案しているように思えた。しかし実際に開発できるのは予算的には一種類だけ。
 そこで実際に使うであろう能力者に意見を聞こうと言う事になった。

●参加者一覧

水上・未早(ga0049
20歳・♀・JG
チャペル・ローズマリィ(ga0050
16歳・♀・SN
ジーラ(ga0077
16歳・♀・JG
エスター(ga0149
25歳・♀・JG
出雲雷(ga0371
21歳・♂・GP
ライアン・スジル(ga0733
25歳・♂・SN
皇 千糸(ga0843
20歳・♀・JG
鯨井起太(ga0984
23歳・♂・JG
獄門・Y・グナイゼナウ(ga1166
15歳・♀・ST
鷹代 由稀(ga1601
27歳・♀・JG
大山田 敬(ga1759
27歳・♂・SN
新居・やすかず(ga1891
19歳・♂・JG
麓みゆり(ga2049
22歳・♀・FT
ルティア・モース・倉火(ga2411
22歳・♀・SN
クリストフ・ミュンツァ(ga2636
13歳・♂・SN

●リプレイ本文

 研究室長であるナタリーはまず始め麓みゆり(ga2049)の希望でポール、ジェーン、マイクの三人にそれぞれのコンセプトをプレゼンテーション。
 その後に集まってもらった能力者達に、支持する銃別に移動してもらった。
 結果は一目瞭然、ジェーンの圧勝だった。
「一撃必殺の心が分かる奴はおらんのか」
 絶叫するポール。冷ややかな目で水上・未早(ga0049)、チャペル・ローズマリィ(ga0050)、出雲雷(ga0371)、ライアン・スジル(ga0733)の四名はポールを見つめた。
「使えません」
「重すぎ」
「誤射で殺されるなんて真っ平だ」
「銃ではない、砲だ」
 一言のもとで切り捨てる。
 他の能力者達は切り捨てまではしないものの、改善の余地が必要という見解だった。
 ジーラ(ga0077)は精度と装填数の増加、新居・やすかず(ga1891)は命中と射程の向上、鷹代 由稀(ga1601)は威力を半減してでも命中と射程の向上を求めた。
 そしてクリストフ・ミュンツァ(ga2636)は量産化という点で無理だと判断していた。
 悪くばかり言われ落ち込み気味だったポールだったが、一部賛同する能力者もいた。
「個人的に嫌いじゃ無いッス」
「そうだな、考え方は嫌いではない」
「精神には共感するよ」
 エスター(ga0149)、皇 千糸(ga0843)、鯨井起太(ga0984)はポールの考えに共感を示しつつも軽量化、あるいは命中と射程の向上を求めた。
「半年後なら使いこなしてみせるッス」
「前線がいないときには使えるだろう」
「戦士が遠距離攻撃可能となれば話は変わるからね」
 大山田 敬(ga1759)はポールを励ましつつ、完成したら使わせて欲しいと申し出た。
「射程も使い方次第だからな」
「その通りだ、友よ。私は戦いの先まで見ているんだ」
 励まされたことで多少気分を良くしたポール。そこで獄門・Y・グナイゼナウ(ga1166)はポールに特殊弾頭の開発を要請した。
「SES搭載武器にはいろいろと疑問があるんだよ、獄門は。その辺りポール君なら上手く解決できると思うんだ」
 ポールにもSES搭載武器の詳しい機構は分からないという。攻撃力向上の秘密はSESにあるのは間違いないだろうが、そのSESは未来科学研究所が全てやっており、ソースは一切明かされていないという。
「バグアに情報が漏れるのを恐れているんじゃないのか? アイテム強化がもうすぐ可能になるらしいが、そっちの詳細も俺の耳に入ってきていない」
 それを聞いたがジェーン、マイク、ナタリーの顔を見回す。しかし三人とも首を横に振った。 
「とにかく特殊弾頭の件は了解した。検討してみよう」
 徹甲弾などのバリエーションも考えて欲しいとクリストフも意見を挟む。
「装弾しやすい機構でお願いしますね」 
 ポール案に限らず装填のしやすさ、扱いやすさを重要視したルティア・モース・倉火(ga2411)はポールに声をかける。
 ポールの考えた銃、通称バズーカ砲について、ポールは「慣れればすぐ済む」と笑って答えた。しかし慣れるまでが問題だと感じたルティアは一抹の不安を感じていたのだった。
 
 一方、麓はマイク案を支持した。命中と装填数に惹かれてのことだった。
 ただし不満を感じてないわけではなく、弾数を五発落としてでも初速を上げ射程を伸ばしてほしいと希望を出した。
「ただちょっとシミュレーションデータが足りない気もします」
 まだキメラの素性が判明していない部分もあるのだろうが、多少机上の空論という気がしないでも無かった。
「私もまだわずかしか戦ってはいませんが、キメラはそれぞれに特徴があるような気がしました。その特徴に対策する形で開発されてみてはいかがでしょう?」
 麓の意見にはマイクだけではなくポールやジェーンも納得した。
「そうだな、考えてみよう」

 能力者達が一番望んだのはジェーンの案、理由は射程が長いということだった。
「どれも実にエクセレントな銃だが、あえてボクが選ぶとしたら‥‥コレ、だね」
 鯨井の意見では、戦闘経験のあるスナイパーなら大半がジェーン案を選ぶだろうということだった。そして実際にほとんどの能力者がジェーン案を選んだのだった。
 大山田は「こいつを待っていた」とまで評した。
 しかしそんなジェーン案に対しても改良点はあった。
「命中精度か威力の向上が望まれるところですね」
「あとは最低射程だな」
 水上の意見としてはアジャスター機構を加えることで使用者の体格に合わせる、大山田も二脚の使用を可能にすることで命中の向上に対し具体的な方法を考えていた。
 またスコープなどの補助兵装の充実をシーラは求めた。
 攻撃力に関しては新居は30あれば狙撃だけでなく支援にも活かせるだろうと助言をだした。
 射程に関しては現状の最低射程である5を4にできないだろうか、と獄門からの意見も出ている。
 そして多くの能力者達の意見として、三人で力を合わせられないだろうかというものがあった。
「質問! ポールさんの技術で、ジェーンさんの銃の攻撃力をあげることは可能? マイクさんの技術で装弾数を増やすことは可能?」
 チャペルが問うと、ポールもマイクも難しい顔をした。
「重量を上げずに、っていう条件付だろう?」
「‥‥できる?」
 チャペルが改めて問う。すると二人は不適に笑った。
「不可能を可能にすることこそ研究者冥利に尽きるってやつだ」
 チャペルは嬉しさのあまり二人に抱きついたのだった。
「これで良い銃ができそうだな」
 三人による協力を期待していた出雲も満足げな表情を見ていた。
  
 その後、第二案としてマイクの射程向上と重量の軽減が話し合われることとなった。すでに意見を表明している麓の他にもエスター、鷹代がこの意見をだした。
「片手で使えるか、もう少し軽いか、射程が4ならコッチを推したッスけどね」
「そうね。弾数を半分にしてでも、重量の半減、射程の最低1上昇してくれるとありがたいわね」
 重量40となると、他の武器ではグレートソードに匹敵する。気軽に扱うわけにはいかない。また連射という点においてルティアにも意見があった。
「連射と単発の切り替えができるかしら?」
 マイクの考えではつける予定はなかった。理由は連射と単発の切り替えは使用者の腕で切り替えが可能だからだ。
 ただ初速をあげて射程を向上するとなると多少扱いにくくなるという点では事実、そこでマイクは「検討しておく」とだけ返答した。

 帰り際、皇が三人に声をかけた。
「頑張って。あなた方の研究は私達能力者の命、そして人類の命運を左右するものなのだから」
「ですね。新しい銃の開発が上手くいきますように。あっ‥‥ドローム社にテストパイロットが必要な時は、気軽に声をかけて」
「次回は片手用のショットガンが欲しいです」
 皇に続いて麓と水上が応援とともに自分の要望を述べると、ナタリーも能力者達に声を掛けた。
「私達は武器を作ることしかできないわ、実際に戦うのは貴方達。だから自分の今の武器で倒せない敵が出てきたら持ち込んできて頂戴。サンプルがあれば大歓迎よ」
 能力者達は右手を高く上げて、応えたのだった。
「今回は私の勝ちってことね。お二人さん、協力よろしくー」
「‥‥ふん、最低射程を1にしてみせるさ。装弾数は3にはできるはず」
「俺っちも友のために特殊弾頭作るとしますか。鉄でもチタンでも彼女のハートでも打ち抜けるような弾頭をな」
「開発成功したらボーナス申請しておくわね」
 夕日に染まるナタリー研究室の騒がしい一日はこうして終了したのだった。