タイトル:Mythology of Chaos 1マスター:Urodora

シナリオ形態: シリーズ
難易度: 難しい
参加人数: 12 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/05/31 15:30

●オープニング本文


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「死に至る円」

 この世は過去の夢、想い出の残滓に彩られ
 男は銃を取り、女は剣に倒れる
 守るべきものなど、はじめからない
 守る意味を感じない
 崩れ落ちる現実こそ真実だと人は言った

 この星の見る夢は五色の幻想、高揚は詮無きもの
 五色今へ染み入り七色へと進むが
 いずれ未来は一色に塗りつぶされ
 白も黒へと変わるだろう
 無意味な結末こそ混沌の散華だと私は言う

 至るべきは死、至るべきは生?
 吐息は血の匂いを滴らせ芳しく
 うつつは斑に身を滅ぼす
 

【Mythology of Chaos】

 窓を閉じよ。
 榊打て。
 鳴る鐘に耳を傾けるな。
 迷宮の出口は見えず、聞こえず。
 いまだ、たどれない。
 
 
 世界という器の中では、争いが絶えない。
 戦いに意味があるのか? どちらがいったい正義なのか? その問いの答えはいつでも流した血の量によってのみ量られる。
 有史以来、人類が地球の支配者だったなど、真実の石版に記されているわけではない。
 だが人は、我が物顔でこの大地は自らの所有物だと主張する。
 守るという信念、本能は正しいのかもしれない。しかし、戦闘を正当化していること自体、戦いという夢に酔い、悲観と楽観に染まった外套を纏う、武器を所持した猿の自己満足のような気もする。
 いずれにせよ、絶望より希望の方が心地よいもので、苦痛より快楽は喜ばしい。
 勝敗は──そのさい生じる感覚に伴った副産物でしかないのだから。

 アーカムという名の街がある。
 場所は誰も知らない。
 知らないのではない、地図の上でその名が存在しないだけだ。元の名は違う。
 バグアは各地で襲撃侵攻を繰り返しているが、この街は競合地帯にあり、バグアと手を組みし者の地。
 ときおり大空を駆ける影が、地球の危機を住人の心に思い浮かばせる。
 街の支配者であるバロンという男は、バグアに協力しているため治外法権となっている。そして、街にはもう一つ裏の顔があった‥‥‥。
 アーカムの住人の一人、E・エンフィールドと名乗る男は退役軍人だ。
 退役という単語を聞くと、兵役を真面目に果たしたものに称されるもののような気もするが、彼にそれは当てはまらない。
 色々理由はある。そのうち正答にもっとも近いのは、素行悪く上官に対して反抗の結果軍を追われた。そんなところらしい。
 彼は退役後、傭兵になった。古いと懐古するには新しい時代だが、当時はバグアという生命体に対しての認識はまだ無く、人間同士が殺し合いを演じる戦場を闊歩し、黒かった顎髭も白に染まった。
 どうやら、E・エンフィールドは本名ではないようだ。彼が所持している古びた回転式大型リボルボーからつけられた呼び名らしい。
「ナンバー2は駄目さ、ナンバー1の泥臭さがいい」
 それが彼の口癖だ。
「爺さん、出番だって」
 ぼんやりと空を眺めていた彼に、現れた青年は語りかける。
 エンフィールドは銃をしまい、
「久しぶりの戦場だ。怪物退治なぞ。もう、うんざりさ」
 そう答える。
 陽射しを受けて輝く何か、彼の手の甲にあるそれは──淡く輝いていた。 

 アーカムシティの中央にあるルルイエ・タワー。
 元は庁舎と聞くが、その場所こそバロンと自称する男の本拠地である。 
 バロンは歳にして四十ほど、短く刈り込んだ灰色の髪。やや細く吊り上った目は黒。一見ビジネスマン風の出で立ち、臙脂と漆黒のスーツを主に好む。
 その日、バロンの執務室に急な来客があった。
 訪れたのは、奇怪な文様を刺繍した法衣のようを纏った人物である。
「ご機嫌麗しゅう、今日は何の御用で」
 バロンの慇懃な態度は見方によって無礼にも見える。だが、法衣の人物は気にせず話を続ける。
 二人はある事柄について、意見の違いについて異なる見解を得たようだ。
「馬鹿にされるのを余は好まぬ、はっきり申せ」
 バロンの挑発するかのように数度、首を駈る横に振ったあと、
「バベルでいかがでしょうか、浅はかな人の業を語るにこれほど相応しい言葉もありません。手始めに初段の制裁、羊を用意します」
 沈黙が場を覆う。
 法衣の人物は、しばらく何事考えていたが口を開いた。
「皮肉だな。この地も塔であろう。まあ良い、その名を用い、真神たる使徒の鉄槌として使役せよ。汝、須らく混沌を地にもたらし再生の礎と成せ。眷属の勤め、節に果せよ」
「承知しております。Reine。我が君」
 仰々しく一礼するバロンを尻目に、法衣の人物は部屋を後にする。 
 残されたバロンは、自らの従者の一人を執務室に呼ぶ。
「教主自ら訪問とは、いったい何用でございますか」 
「贄の催促だ。彼らは血を欲している。それも尊き青い血をな。能力者、選ばれた人間、生贄として十分。信仰とは、信じるものが現世で行動してこそ意味があるもの、その点は敬意を払わねばならん、とはいえ、こちらが茶番にいちいち付き合う義理もない」
「バグア側から、例の件について打診がありましたが」
「引き伸ばせ。邪神が完成すれば全て丸く収まるのだろう。あの狂信者どもの言葉を借りるならば、だがね」
 バロンはシガーの紫煙をくゆらせ、
「羊を用意しろ、貴族にはかしずく従者も必要。呼べ、招致せよ、整列だ、銃をもって、死をもたらせ、生を越えて無に帰らせろ。さあ、魂をかけたゲームを始めよう」
 言葉を紡ぎ終わった後、灰が静かに舞い落ちた。
 
 
【Mythology of Chaos】
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●行動概要

 ・メインとサブに分かれる。
 ・移動と選択は自由、マップは別記。
 ・攻撃連携スートは距離と武器を意識すると良い。
 ・情報連携スートは因果関係に関連する。


●今回の関連データ

【出現した敵?】

■少年

 諸侯の王。
 クラブ亡き今、ダイヤを切る。
 ダイヤはジュリアス。
 三つの頭を持つというキメラ。
 場所はシティ、ルルイエタワー前広場。

■罪人

 背反の能力者。
 現在確認されている職業はサイエンティストを除き
 全て揃っている。
 数は七。
 識別番号BLN 私設部隊である。認識名は「Babel−Le−Noir」
 武装や装備に特殊なエンブレムを全員施してあるため、判別可能。
 場所はアーカムシティ郊外。
 なお、彼らは専用の機体を所持する。


■女

 アーカム市街地、マッティパッドに出現した女。
 全身を特殊な拘束服をまとい、鎖によって拘束されている。
 こちらの傍らにも少年がいるらしい。
 実態は謎。


●バグア支配値

 60%

●月

 「満月」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

●参加者一覧

リディス(ga0022
28歳・♀・PN
レイラ・ブラウニング(ga0033
23歳・♀・GP
水上・未早(ga0049
20歳・♀・JG
ヴィス・Y・エーン(ga0087
20歳・♀・SN
キーラン・ジェラルディ(ga0477
26歳・♂・SN
橙識(ga1068
17歳・♂・SN
クレア・フィルネロス(ga1769
20歳・♀・FT
真壁健二(ga1786
32歳・♂・GP
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
潮彩 ろまん(ga3425
14歳・♀・GP
緋室 神音(ga3576
18歳・♀・FT
雪村・さつき(ga5400
16歳・♀・GP

●リプレイ本文

●セッティング


■ディメンションムーン
リディス(ga0022
ヴィス・Y・エーン(ga0087



■ジュリアス&少年
レイラ・ブラウニング(ga0033
水上・未早(ga0049
キーラン・ジェラルディ(ga0477
橙識(ga1068
クレア・フィルネロス(ga1769
真壁健二(ga1786
終夜・無月(ga3084
緋室 神音(ga3576


■マッティパッド
潮彩 ろまん(ga3425

■イス
雪村・さつき(ga5400


【メイン】


●ディメンションムーン

 ──満月に気をつけろ。

 それは、シティに向かう途中のことだった。
 ヴィスがふと、気になってリディスに訪ねた。
「リディスちゃん」
 突然名前を呼ばれたリディスが振り返る。
「なんでしょうか?」
 いぶかしげなリディスに対して、ヴィスは何気なく
「お肌の曲がり角っていくつ」
「! あの曲がり角を進むとシティです」
 危険? を察した未早が口を挟んだ。
「お約束ですね。でも、嫌いじゃないですよ、そういうジョーク」
 そう言ったリディスは不敵な笑みを浮かべ、ヴィスもついでに笑う。
 二人の様子を見た未早の顔が引きつる──これから先、どうなるのか不安な隠せない未早であった。

 未早の道案内によって、教団施設とおぼしき場所にやってきた三人だったが
「閉ざされていますね」
 リディスの前には閉じたシャッターがある。どうみてもここから先に進めそうもない。
「未早ちゃん、道、間違ってない」
 ヴィスのちょっと不審を感じられる視線に未早は、
「そんなわけないです。記憶力に自信があります」
 と言いつつも、本当に迷ったのか内心動揺している彼女。
 その前に現れたのは、黒衣を来た集団である。
 
「ビンゴ! だね」
 ヴィスが小声で囁いた。
「だから、私の記憶力は‥‥‥間違ってないんです」
「二人とも、遊びの時間は終わりですよ。囲まれました」
 ぎらついた黄の瞳は無数。リディスたちをみつめている。
「や・り・ま・す・かー殴るのは任せた!」
 ヴィスはそういうなり、リディスの後ろに隠れ銃を構えた。
「それでは、死にたい奴から、前に出ろ。ですね」
 リディスの髪が黒に変って行った。
 
 ──。

 包囲網を切り抜けた三人は、教団の地下組織へと侵入した。
 どうやら、ここはなんらかの儀式行う場所らしい。
 その中で、未早が一つの疑問に気づいた。四つの黒い箱がある。
 そして広間、場所にある紋章の後。それをどこかで見たような気もするのだ。
 だが、彼女の意識に上ったのはそれだけで、ヴィスとリディスに逃げるようにせかされ、なんとか脱出した。

 どうやら警備厳重すぎて、少数で自由行動をするのは難しいようだ。
  

●マッティパッド

 ──午後、お茶会通りにお茶を飲みに行きました。

「潮彩ろまんさんじょー、今日は変態を激写! 本場の縛りはどこ、どこ」
 相変わらず元気なろまんは、ストリートに変態が現れたという情報を聞き、やって来た「ねえ、ろまんちゃん? 僕と同じ高校生だよね、なんでそんなこと知ってるの?」
「今時みんなしってるもん、本場だよ、本場」
 そういう物なのだろうか? 橙識がちょっと困った。本場の縛りというあたりに。
 橙識も興味がないわけでもないだろう、そういうお年頃でもあるのだし。いや、それは本人に失礼かもしれない。
「縛りね、チェーンプレイってやつ? Boy&Girl、チェーンは縛るより打つもの! レッツチェーンアタック」
 レイラは断言した。このお姉さんはそういう趣味嗜好でもあるのだろうか?
 ともかく、三人は噂の女を捜して通りをねりあるく、この組み合わせはちょっと変っている気もするが。
「ほら、みてみて、あれが噂のたいむりーぷだ」
 ろまんが玩具屋を指差した。ちょうど来客中のようだ。
「あれが? 変な情報屋が住んでいるんだよね。あ、ここのお土産はクラッカーだったね。早く買わないと」
「ねえねえ、これほしーカワイイ」
「ええー気持ち悪くない。笑ってるのか崩れてのるよくわかんないよ」
 ろまんと橙識、二人の前には、キモカワグッズで有名なイアイア君バッヂが並べられていた。
 という感じで、半ば、修学旅行気分の二人である。
「たまにはこういうのもいいわね、毎日シリアスじゃ人生ミステークなバッドエンドだし」
 レイラがのんびと日光浴していた時だった。
 三人の前に現れたは、錆びた鎖に拘束されて仮面らしきものをつけた女と、その傍らに佇む利発そうで、美しい少年だった。
「こんにちは、いい天気だね」
 少年は挨拶してきた。そこに悪意らしきものは感じない。
「本場だ!」
「ろまんちゃん、いきなり失礼だよ」
「何か変った子連れの女が居るって聞いたから気紛れで来てみたけど、格好は論外だけど意外とまともねぇ、聞きたい事があるんだけど?」
 レイラが切り出した。
「双円の子、月の子、アリス、この三つの内心当たりはある?」
 少年は何事か考えていたが
「ね、ヒルダ。知ってる、僕は分からないな」
 傍らの縛錠の女をそう呼んだあと、首を振るのだった。

 和やかとはいえなかったが、特に害はなかったようだ。
 今のところ‥‥‥。

●イス
 
 ──歴史の影に?


 さつきはイスにやってきていた。
 彼女は、大人の女というにはやや幼いところもあるが、まあそれなり。対照的に女性を感じさせるのは、リディスも同行している。
 資料館の窓口は陰気な男が受付で、ぼそぼそと本の居場所を指示した。
 その陰気な様子を見た、さつき今日は一日不運だな。そう感じた。
 さつきとリディスの疑問点は、ほぼ重なる。
『双円の子』
「うーん、何のなのかなこれ」
 さつきはどちらかというと、健康的の雰囲気である。本の森の中にいるよりも、陽射しを浴びているほうが似合う、本が似合うのはきっと未早だ。

 さて、時間もないため、調査の結果をまとめた物を抜粋する。

「双円の子」
 
 昔、太陽が怒って隠れた。
 その時に呼び戻すため月が声をかけた。
 戻ってきて欲しければ、太陽は生贄を二人用意しろといった。
 だが、月は優しいためそれが出来ず自分を二つに分けて捧げたという。
 太陽は怒りをおさめた。だが月はいなくなり、夜は暗闇が訪れ、月のあった場所には黒穴が開き魔物が現れて地上を襲った。
 困った民は、月をもう一度作ることにした。そのさい穢れていない少年と少女一組を月の半身として組み合わせ、捧げると月が戻り、夜は光を取り戻した。

 元は、そういう民話のようだ。
 それといったい何の関係があるのかは、二人には分からなかった。


●ルルイエタワー

 ──愚神は毒に塗れ昨日も今日も劇症の病に犯される。すでに時の針は半ばを回り混沌は此処にあり、皇帝は勺杖を持ち深淵望む光彩へ噛みつく鼠達の遠吠えを聞き罰するだろう。戯言のような力を持とうが人形は、所詮は人形。命ある限り鼓動を打ち続け絡まるの糸に倒れ運命の咎前にもがくがいい。

 涙は悲しみに満ちた時に流れるものではない。
 悔しさ、屈辱を胸に感じたときにこそ強く、零れ落ちるもの。

 前に立つのは、巨大な壁といっても良い。
 盾に刻まれた三点はおぞましく、顔に似た三点を身体に埋め込み支点として、阻むフィールドが現れる
「また遊んでくれるんだね」
 本体頭部と思しきダイヤの徴を埋め込んだ小さな鉄兜の上に載った少年は笑みかける、張り付いた無邪気さが返って不気味だった。
 
 壁は巨大だ。そして動かない。
 槍を構えたクレア、両脇には無月、神音が陣取りにじり寄る。
「まずは、これを」
 キーランの合図とともに、走りよる真壁は同時にエネルギーの奔流を解放する。
 打ち込まれたエネルギーは直撃するが?
「ジュリアスは色々堅いよ。もう終わり?」
 その間、踏み、飛んだ無月と神音が無防備にもみえた少年を狙い左右から刀を下ろす、振り下ろされた刃が少年捉えたと思った時。
 ──弾きかえされた。
「綺麗なおねーちゃんたち、こわいなー」
 二人が体勢を立て直す間、橙識と未早は兜、レイラとさつき支点の三つの顔を狙い銃撃を始めた。クレアもまた槍を指し、復讐の撃を打ち込み。
 立った無月と神音も再び攻撃を加える。

《スートコンボ・クィンテット →Superfortress》

 銃刃、撃ぞ爆漸五つの硝煙と射陣。

『焼き払え全てを』

 天地は二つ、塵に変る。
 少年は翔ぶ。ジュリアの兜は吹き飛び、風にダイヤのカード乗った。
 弾けた盾を見下し、彼はただ言った。
「あーあ壊れちゃった。前もいったよね、本気をだしたら終わりって。悪い子だよね」
 瞳の色が変った。
「ふくしゅーかな?」

 この場を選んだのは間違いではない。当然の選択だろう。
 だが、能力者は一つの思い違い、見当違いをしている。
 真の恐怖は、切られるカードにあるのではない。
 道具を使うものこそ──。

 彼が去ったあと、動くものは何もない。

「また、遊んでね、お姉ちゃんたち」

 墓標のように、武器が大地に転がり、突き刺さっている光景の中で、その言葉だけが響いた。


●サブ 


■三日月兎
 ヴィス

「レッドアイ」
 ヴィスが頼んだカクテルは赤い。自分の瞳の色に合わせたのかもしれない。呑むというより舐めるように味わう彼女。
 そこにやって来たのは、
「聞きたいことがあるんですって」
 三日月の主は妖艶な女だった。
「教団について、知りたいなー」
 ヴィスの質問に、主は黙った。あと
「この街で無闇にその名前を口にするのは死を意味するわよ、気をつけなさい。気になるなら館を調べるといい。あたしが言えるのはそれだけ」
 の言葉を残した。


■バベル
 キーラン

 彼の前に出現した黒い機体は、郊外で何者かと戦闘していた。
 キーランの視界に入ったものは、どこかで見たことがあるような形をしていた
「イスカンダル?」
 呟いた彼、確かに形状が似ているような気もするが、多少違うようにも見える、数は複数のような気もするが‥‥‥。
 仮にあれがイスカンダルだったとしても、さすがに相手が悪すぎる。相手になす術もなく倒された。
 だが、バロン側がなぜキメラを退治しているのか?
 疑問だけがキーランの心に残った。



■ミスカトニック
 クレア
 
「依頼は受けたよ、全員分偽造だね」
「よろしくお願いします」
 クレアの依頼を受けたJは
「ただし悪いが、そんなに長くはもたないと思うぞ、この街のセキュリティは規則的に変る。具体的に言うとと次の満月が終わる頃あたりで変化するかな。なぜか月と同期していてね」
 そう答える。
「時間は余り無いということですか、それと許可証ですが、具体的に入れる箇所というのはどの辺になるのでしょうか?」
「ルルイエタワー、プリンスデスフォーもキーカードがあれば行けるはずだよ。教団の中央施設は幹部でなければ無理だ。なにせ俺でも場所さえ分からない。どうしても入りたいのなら方法は二つだろうね、カードがどこあるのかは知らないが」

 Jの言った二つとは。
 教団幹部から場所を聞き奪う。
 セキュリティシステム自体を直接調べる。
 だった。


■アリス
 真壁 

 アリスの家を訪れた彼は、夢について彼女に聞くことにした。
「こんにちは、アリス。今日は、お土産はありません」
 真壁は照れ笑いを浮かべた。
「こんにちは、狸のオジさま」
「タ・タヌキ? ですか」
 狸と言われ真壁は驚いた。体型的には多少そういう感じもしないでもないが、
「お話をしにきたんだよね」
 アリスはそう言うと、真壁に一つの夢の話をした。

 私は一人じゃないの、私は二人いて、でも私は一人なの。
 一人になる大きな怪物が後ろからやってきて、私を食べちゃうの。
 
 真壁は静かに聞いていた。

 
■ダニッチ
 無月

「‥‥‥此処か」
 ふらりと訪れたのは、女。いや、女と見間違うほどの容姿を持つ男。
 天に月は昇るが、自らの名には月が無い、ゆえに無月。
 彼はダニッチを訪れた。
 ダニッチは惨劇の夜があった場所であり、アリスが保護された場所。
 なんらかの関係はあるはず。
 二階。
 一階。
 そして、地下へ、さらに奥へ住む扉と思しきもの。その扉はどうしても開かず。彼は諦めた。
 扉? この館に地下に奥へと続く扉などあっただろうか。
 だが、彼はこの館を訪れるのが初めて、それに疑念をもつことはなかった。

 Link⇔三日月兎

 無月は三日月兎を訪れ、主に館を訪ねた件について質問した。 
「理由、そうね。散歩よ、散歩」
 主が話をそらした時、遠くで鐘が鳴る。
「お開きの時間ね、その答えは今晩一緒にどう。綺麗な人」
「‥‥せっかくのお誘いですが、申し訳ありません‥‥俺には」
「そう、浮気は男の嗜みと古い格言にもあるのにね」
 音が響く、今日のゲーム。終了の合図だ。

■プリンスデスフォー
 ろまん

「でばガメーつかれる、つかれる、激写スクープ!」
 ろまんは、微妙にイロモノ化してきている気するが、きっと本人の希望なのだろう。
 だが、目的はつかまらなかった。
「‥‥‥ニャルたんと遊んで帰ろう」
 こうして、ろまんは研究所をおとずれにゅくにゅくしていった。



■タイムリープ
 神音

「いい月夜ね‥‥」
 たどり着いたタイムリープは閉店の時間だった。
「ごめんなさい、閉店なんです」
 ニット帽を被った気のいい青年が、申し訳なさそうに答える。
「本性を表しなさい。私は情報を聞きに来たのです」
 それを聞くなり青年の帽子‥‥‥略。
「ちぇ、客か、なんだ、なんだ。憩いの一時を邪魔するなんて」
「女と少年について聞きたいの」
 神音が一度睫毛を伏せ、それを上げた時、ラピッドはぼそりと呟いた。 
「あれは世界樹に住んでいる博士と下僕。それだけ、もういいだろ。俺は片付けないとだめなんだよ」

 

【補助】以下についてはメインに加算してあります。

■イス
 リディス

■マッティパッド
 レイラ
 橙識

■ディメンションムーン
 未早

■ジュリアス
 さつき


「Mythology of Chaos 1」 Mission Complete! 評価B
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 ●追加マップ

 ・ルルイエタワー、センター区域。
 ・プリンスデスフォーはカードがあれば侵入できます。

 ●取得情報

 ・四皇子は、少年が切る捨て札。
 ・バロンと教団は一枚岩ではないようだ。
 ・謎の女。Chaoticν ヒルデガルドと接触した。


 ●バグア支配値の変化

 ・75% 

 
 ●Next Scenariword


 「黒い箱」
 「帽子屋」

 END
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