タイトル:凶鳥の囀りマスター:対馬正治

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2007/11/12 18:17

●オープニング本文


 星一つ見えない、どんよりと曇った夜だった。
 黒い油のように凪いだ太平洋の海上を、大型タンカー「祥海丸」は静かに進んでいた。
「何だか、嫌な夜ですね‥‥」
 艦橋に立ち舵を取る航海長が、傍らに立つ船長にボソっといった。
 航海そのものは順調だった。
 東南アジアのブルネイで原油を積み、バグアの占領地域である沖縄・九州を迂回しつつ日本へ戻る。予定通りなら、三日後には東京に代わる現首都でもある大阪港に着くはずだった。
「君ほどのベテランが、妙なことをいうね。ここはバグアも現れない安全海域だよ」
 船長が苦笑しながら答える。
「それに、ほれ‥‥万一の時は、UPCの海軍さんが守ってくれるさ」
 そういって指さした前方には、数百メートルの距離を置いて先行する護衛艦の灯が、闇夜の中にも頼もしく点滅している。
「仰るとおりですが‥‥でも、私は何か悪い予感がするんですよ。それにこの海域だって必ずしも安全とは言い切れません。現に、先日のニュースじゃ東海沖のプラントが、バグアの連中に襲われたとか‥‥」
「困るな。航海長の君がそんな弱気では、他の船員にも――」
 そういいかけた船長が、言葉を切って窓の外に広がる暗闇を凝視した。
「おい。今、何か横切らなかったか?」
「そうですね。鴎‥‥でしょうか?」
「こんな夜中に鴎は飛ばん。それよりも、もっと大きな‥‥」
 船長の言葉が途切れた。いや、彼だけでなく、艦橋内にいた全員が、恐怖のあまりその場で硬直した。
 窓の外に、女がいる。
 上半身裸の、美しい女――だが、そんなことはあり得ないのだ。ここは、オフィスビル並の高さがある大型タンカーの艦橋なのだから。
 女の口が開いた。
 分厚い強化ガラスを素通りするように、美しく、透き通った声が船員たちの魂を魅了する。
 彼らは何かに操られるように、ぞろぞろと艦橋を出て行き――。

 20分ほど後、「祥海丸」の船上から爆音と共に高々と火柱が上がった。

「いったい何が起こった! 事故か!?」
 元日本海上自衛隊、現在ではUPC東アジア艦隊所属の護衛艦「あかつき」のCIC(戦闘情報センター)はパニック状態に陥っていた。
「わ、判りません‥‥いきなりタンカーが爆発して‥‥」
「まさか‥‥バグア軍の襲撃か?」
「レーダー、ソナー共に異常は探知できませんでした。ただ‥‥」
「ただ、何だ!?」
「キメラの中には、鳥や鼠くらいの小さな奴もいると聞いております‥‥その場合、レーダーが探知してもすり抜けてしまう可能性も‥‥」
「――クソっ!」
 護衛艦の艦長は舌打ちした。
 基本的に、レーダーやソナーが探知した物体のうち軍用コンピュータが「脅威」として警告を発するのは、ヘルメットワームの様な大型物体だ。鳥一羽、小魚一匹までいちいち分析していたら、処理速度がいくらあっても追いつかないからである。
 バグアの本格侵攻以前に就役していた「あかつき」に、小型キメラまで識別可能な専用システムは、まだ装備されていなかった。
「とにかく、直ちに司令部に事態を報告。それと生存者の確認及び救助を急げ!」
 しかし、十数万トンに及ぶ原油を満載した「祥海丸」は既に海上を赤々と照らす巨大な劫火の塊と化し、生存者の救助はおろか、数日間は近づくこともままならぬ有様だった。

●参加者一覧

ベールクト(ga0040
20歳・♂・GP
稲葉 徹二(ga0163
17歳・♂・FT
榊 兵衛(ga0388
31歳・♂・PN
クリストフ・ミュンツァ(ga2636
13歳・♂・SN
エリザベス・シモンズ(ga2979
16歳・♀・SN
八重樫 かなめ(ga3045
16歳・♀・GP
青山 凍綺(ga3259
24歳・♀・FT
OZ(ga4015
28歳・♂・JG

●リプレイ本文

●プロローグ
 既に傭兵たちは集合を終えていた。
 今回は海上での任務となるが、現場のタンカーへはいつもの高速移動艇で乗り移るため、作戦前のブリーフィングも移動艇の中で行われることになる。

「‥‥自分の郷里の海で随分と好き勝手にやってくれるものでありますね。凶鳥だかなんだか知らねェが、叩き落としてやりますよ」
 憤然としていうのは、元ゼロ戦パイロットの祖父に育てられた稲葉 徹二(ga0163)。
「空を飛んで歌声と魅了使うのって、ハーピィとセイレーンの合成キメラかよ。つか、ハーピィって俺のエンブレムと同じじゃねぇか?」
 別の理由で腹を立てているのはベールクト(ga0040)。
 ちなみに彼のパーソナルエンブレムは「真紅のハルピュイア」。いくらキメラが人類側の恐怖心を煽るため神話の怪物を象るケースが多いとはいえ、自らのエンブレムと同じ怪物に跳梁されるのは、確かに面白くないだろう。
「榊流古槍術、榊兵衛(ga0388)‥‥よろしく頼む」
 腕組みして静かに座席に座る若き武道家が、言葉少なに挨拶を済ませた。
 それとは対照的に、
「わたくしはイングランドより参りましたエリザベス・オーガスタ・ネヴィル=シモンズと申します。危険な任務となりますが、皆様方にはどうかよろしくお付き合いくださいませ」
 英国貴族の令嬢然とした態度で優雅に自己紹介するエリザベス・シモンズ(ga2979)。さすがに本名は長すぎるので、平素は愛称の「リズ」で通しているが。
「ところで、出発はまだなんですか?」
 青山 凍綺(ga3259)の問いかけに、
「今回の任務のために色々と物資の貸し出しを申請してますからね。もうすぐ、UPCの人が届けにくるそうですよ」
 と、どこか醒めた口調でクリストフ・ミュンツァ(ga2636)が答えた。

 間もなく、物資を運ぶUPCのスタッフと共に、まだ女子大生のような白衣のロシア人女性が乗り込んできた。
「未来科学研究所のサイエンティスト、ナタリア・アルテミエフです。物資の貸与と共に、今回の依頼内容についてご説明するため参りました」
 手にしたノートPCを艇内の卓上で立ち上げ、
「まず今回の敵キメラですが‥‥タンカー連続爆発事故で救助された数少ない船員の証言から、『セイレーン』に飛行能力を加えた亜種かと思われます」
「よかった。ハーピーじゃねぇんだな」
 ちょっと嬉しそうにベールクトがいう。
「キメラとしての戦闘力は中級クラスですが‥‥歌声による催眠の他、闇波動や光波動などの特殊能力も有しているようですから、船上で闘うことになっても充分気をつけてくださいね。それと、申請のあった貸与品ですが‥‥」
 スタッフが運びこんだトランクボックスの中から、パイロットのフルフェイス・ヘルメットを思わせる完全防音・ヘッドセット型の無線機を人数分取り出して配った。
「歌声による催眠はこれで防げると思いますが‥‥実はこれ、諸刃の剣なんですよ。外界の音を遮断するということは、能力者の知覚まである程度制限されてしまうわけですから」
 傭兵たち、特にスナイパーの3名は眉をひそめた。知覚の制約は狙撃の命中率にも大きく影響してくる。といって、ただの耳栓では頭骨を通して催眠音波が伝わってしまう恐れがあるので、今の所他に手段はなさそうだ。
 さらにカモフラージュ用の船員服も、全員のサイズに合わせて配られた。
「共通の装備はこれだけですね。あと、個別申請のあった物資についてですが‥‥投網は誰でしたっけ?」
「はーい、ボク!」
 八重樫 かなめ(ga3045)が元気よく手を挙げる。
「ボーラ1ダースは‥‥ベールクトさんですね」
「おう。これで足とか羽根とかに絡んでくれりゃ、儲けモンだよな」
「覚醒した能力者の体力なら、かなりの距離まで投擲できると思いますが‥‥何しろ相手はキメラですからね。あまり期待しない方がいいと思いますよ。で、暗視装置付きの高性能双眼鏡はベールクトさんにリズさん……と」
「すまねぇな」
「お借りいたしますわ」
「最後は、隠し撮り用の小型ビデオカメラ‥‥」
 ナタリアは小首を傾げ、
「でも、こんなの何に使うんですか?」
「内緒、内緒。‥‥へっへっへ」
 悪戯めいた笑いを浮かべつつ、OZ(ga4015)が受け取る。
「わたくしどもの着替えを盗撮したら、許しませんことよ?」
 リズとかなめ、それに凍綺がちょっと警戒したように横目で睨んだ。
「そんなことしねぇよ。例の女キメラをやっつけたらよぉ、死体で船員を驚かせて、そのシーンをどっきりカメラで‥‥」
 その言葉が終わらないうちに、ナタリアは素早くカメラを取り上げ、申請書類に赤字で「却下」のハンコを押した。
 そして何事もなかったかのように、
「さて、今回使用する囮タンカーですが‥‥民間から払い下げられた十万t級の中古船。ただし内部に改装を加えて大幅にオートメーション化、操船は船体内部に設置した完全防音の操縦室から行うことになります」
 つまり艦橋部分から上は完全な「飾り」ということになる。ちなみに操船を担当するのは全員UPC海軍の将兵たち。また喫水線の高さから見破られないため、原油の代わりに海水を満載するという。
「すると、戦闘時に一般クルーの避難誘導は必要ないのでありますね?」
 この問題には一同も頭を悩ませていただけに、徹二が安堵したようにいった。
 一通りの説明を終えたナタリアは、改めて全員の顔を見渡した。
「中東地域をバグアに占領された現在、東南アジアの資源地帯と極東を結ぶシーレーンは人類に残された重要な補給線です。皆さんのご健闘に期待しますわ」

●船上の凶鳥狩り
「さて、頑張るぞー!」
 タンカーの広大な甲板上で潮風に吹かれつつ、見かけは男と変わらぬ船員服に着替えたかなめは投網の訓練に余念がなかった。
 初めのうちこそ慣れない猟具の使い方に戸惑っていたものの、2、3時間の練習で上空十数メートルの鴎を捕らえるまでに腕を上げていた。
 タンカーの前後には、護衛としてUPC海軍の駆逐艦2隻が随伴している。もっとも通常の軍用レーダーではセイレーンを識別できないので、これはいかにも戦略物資を運んでいるように見せかけるための「演出」に過ぎない。
 戦闘時の分担は、既に打ち合わせで決まっていた。

 船外班:徹二、クリストフ、リズ、OZ
 捕縛班:ベールクト、かなめ
 艦橋班:兵衛、凍綺
 ※セイレーン誘き出しに成功した場合、艦橋班も直ちに甲板へ直行。

 大まかな流れとしては上空に飛来したセイレーンをスナイパーの狙撃、及びグラップラーの投擲攻撃によって甲板に叩き落とし、催眠音波に警戒しつつ全員で集中攻撃。
「問題は、敵がうまく誘き出されてくれるかですね」
 と、クリストフ。
「俺が艦橋で囮になろう。仮に歌声を聞いたところで、日頃鍛えた精神力で跳ね返してみせる」
 冷静な口調で兵衛がいった。
「それでも、誰かが操られることになったら……?」
 同じく艦橋で囮役を務める凍綺が、やや不安げに尋ねる。
「ナイフで刺して、目ぇ覚させるってのはどうだい?」
 OZがニヤリと笑って提案するが、さすがにそれは他の全員から止められた。
「まあ、ド突いて正気に戻るか試して‥‥それが駄目なら、当て身で大人しくなってもらうしかねぇな」
 結局、ベールクトの案が採用となった。

 既に太陽は西に傾き、船上も次第に夕日の赤い色に染め上げられていく。
 傭兵たちは、日没前に各々の配置につくことにした。
「キメラの動きが止まるのは、こちらを操る為に歌を歌っているその間だけだ。この機を逃せば、キメラを補足する事は難しくなる。スナイパーの皆、責任重大だが、よろしく頼む」
 そう言い残して囮役の兵衛と凍綺が艦橋へ上がり、船外班・捕縛班の面々も甲板上の各所に身を潜める。
「ボクが入れるくらいのカーゴはないかな?」
 かなめは周囲を見回したが、適当なカーゴが見つからなかったので、仕方なく船上に積まれたコンテナの陰に身を潜めた。
「本当はロックでも聴きたいところだったんだがな‥‥」
 ベールクトがぼやきつつ、やはりコンテナの陰に隠れる。手にしたボーラは、金属球を2つ紐で結びつけた、古来よりの狩猟武器だ。
 スナイパー3名は、それぞれ隠密潜行で自らの気配を消し、三方から艦橋を取り巻くような形で配置についた。
「‥‥なんだいこれは? ひどいな」
 初めて防音ヘルメットを被ったクリストフが顔をしかめた。
 ナタリアがいった通り、メットを被り外部からの刺激を遮断してしまうと、微妙な風向などが判らず狙撃手としての感覚がまるで鈍ってしまうのだ。鋭覚狙撃を用いて、ようやく通常の命中率を維持できるかどうか。
「こんなことなら、昼間のうちに慣らしておくんだったな‥‥」
 そんなクリストフの耳に、通信機を通して、
『敵が来たら教えろよー。俺が殺るンだからなー!』
 OZの脳天気な声が飛び込んでくる。
 同じ頃、やはりメットを被りアーチェリーボウに矢をつがえたリズは、
「聖ジョージのご加護のあらんことを!」
 胸に十字を切り、手にした双眼鏡を徐々に闇の濃さを増す空へと向けた。

『そろそろ事故の頻発した海域に入る。充分注意されたし』
「了解した。キメラのことは我々に任せてくれ」
 船体内の操縦室からの連絡に、兵衛はそう答えた。
 隣では凍綺が操舵輪を握っているが、これはあくまで演技である。
「何だか退屈ですね。こうして突っ立ってるだけというのも」
「気を抜くなよ。敵はいつ何時――」
 そういいかけた兵衛の言葉が止まった。
 ――いったいいつの間に近づいていたのか?
 すぐ目前の舷窓に、黒髪を長く伸ばした若い女が、不気味な笑いを浮かべて張り付いていたのだ。
 女の口が開き、何かを歌うように動く。
 幸い、特殊ヘルメットによる防音効果は完璧だった。
 兵衛は通信機を通して凍綺に慌てるなと指示し、ついで船外で待機する仲間達にもセイレーンの出現を報せた。
『‥‥?』
 キメラの顔が訝しげに歪んだ。今までの様に船員が催眠にかからないこと。そして何より、見慣れぬヘルメットを被っていることに感づいたのだ。
 危険を察したセイレーンは舷窓から飛び去り、ほんの一瞬の間をおいて着弾したペイント弾が窓ガラスを染め上げた。
「よし、俺たちもいくぞ!」
 キメラ出現の報を操縦室に伝え、兵衛と凍綺は各々の武器を取り甲板へと急いだ。

「くそっ、外したか‥‥目を潰してやりたかったけど」
 スコーピオンを構え、クリストフが忌々しげにつぶやいた。
 敵キメラの飛来に気づかず、しかも初弾を外すなど、スナイパーにとっては最大の屈辱だ。
 この邪魔な防音メットさえなければ――と思うが、敵の催眠音波を遮断するため、こればかりはやむを得ない。
 一方、高性能双眼鏡を装備したベールクトとリズは、目視索敵で相次いでセイレーンの現在位置を仲間に報せた。
 その姿は、上半身は人間の若い女、両腕と下半身は猛禽類と、やはりハーピーによく似た形状だった。
「これでも喰らえーっ!」
 コンテナから飛び出したかなめが、昼間の特訓の成果を見ろとばかりに投網を投げる。
 上空に広がった金属製の網は一瞬キメラを捕らえるかのように見えたが、直前に赤い輝きとともにフォースフィールドで弾き返された。
「あーっ、ズルい!」
 続いてベールクトが力任せにボーラーを投げつけるが、やはりこれもあえなくフィールドに弾かれる。
 常人離れした能力者のパワーによる投擲とはいえ、所詮SES兵器でない原始的な狩猟武器がキメラに効くはずもなかった。
 だが、この攻撃は無駄ではなかった。人類側の武装を「貧弱」と判断したセイレーンは、嘲るような哄笑を上げつつ、再び甲板に向けて急降下してきたのだ。
「今ですわ!」
 すかさずリズ、OZ、クリストフがキメラの翼を狙ってボウガンや銃による十字砲火を浴びせる。徹二もまた、スコーピオンを撃ちまくった。
 セイレーンが甲高い悲鳴を上げ、甲板上に墜落した。
 誰かの攻撃が命中し翼にダメージを負ったのだろう。慌てて舞い上がろうとするが、すぐヨロヨロと墜ちてくる。
「よっしゃ! ‥‥っしゃあぁっ!!! イエェェェイ!!!」
 OZがガッツポーズを取り、仲間達と共に一気に間合いを詰めた。
 だが敵も怪物である。憎悪に満ちた咆吼と共に闇波動を放ち、ひるんだスナイパーたちに鋭いかぎ爪で襲いかかる。
 徹二はスコーピオンを捨て、蛍火による豪破斬撃で迎え撃った。
「‥‥あの国には親父の墓があるんだよ。勝手に近寄るんじゃねぇっ!」
 肩口から袈裟懸けに斬りつけられた怪鳥が、血飛沫を上げて飛び退る。
 スナイパーたちに代わって前衛にでたベールクトとかなめが、たじろぐセイレーンに相次いで躍りかかった。
「山猫の爪を、甘く見て欲しくないんだねっ」
 敵の正中線を狙ってかなめがファングを叩き込む。
 続いて斬りつけたベールクトのファングが、ついにセイレーンの喉笛をかき斬った。
 それを見たスナイパーたちは、今まで狙撃の邪魔だった防音ヘルメットを一斉に脱ぎ捨てた。
 最大の武器である催眠音波を封じられたキメラの頭部を狙い、鋭覚狙撃による銃弾と矢の嵐が殺到する。
 ヒューヒューと声にならぬ悲鳴を上げつつも、なお逃走を図るように飛び跳ねるセイレーン。だがその前に、ちょうど艦橋から駆けつけた兵衛と凍綺が立ち塞がった。
「榊古槍術、榊兵衛、参る!」
 ロングスピアによる豪破斬撃、一閃――。
 槍の穂先に串刺しとなった凶鳥は、2、3度ビクビクと痙攣したが、やがて力尽きたようにその動きを止めた。

 任務完了を船内のUPC士官に伝えると、通信機の向こうから一斉に歓声が上がる。
 間もなく護衛の駆逐艦からも、傭兵達の勝利を称える電文が相次いで届けられた。

<了>