タイトル:バグアと戦う能力者達マスター:冬斗

シナリオ形態: ショート
難易度: やや易
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2008/04/08 19:32

●オープニング本文


 五大湖解放戦はUPCの撤退により、一旦幕を閉じた。
「よくない流れだな‥‥」
 呟くのはULT広報、天爪 竜斗(gz0059)。
 軍のバグアに対する苦戦は人間社会に不安の影を色濃くしていた。
 実際、軍はよくやっていると思う。
 能力者からなる傭兵達はいわずもがな。
 だが、民衆は常に最善の結果でなければ満足しないものだ。

「もしもし、あっ、私です。天爪です。少佐に繋いで戴けますか?」


「特番‥‥ですか?」
 UPC本部、依頼斡旋所。
 天爪が持ってきた依頼は『役者募集』。
「残念ながら時間は深夜枠です。
 しかし、最近の深夜番組は侮れませんからね。かえって自由に作れる分、いいものが出来るかと思いますよ」
「はあ‥‥。それで、条件は?」
「不問です。
 別に役者経験なんてなくてもいい。というか、そんな傭兵は稀でしょう。
 編集はこっちでします。流したいのは傭兵達の生の戦いです」
「生の戦い‥‥って、まさかキメラと戦ってるところを!?」
 必要なのかもしれないが、関係者にとっては迷惑千万な話だ。
 まあ尤もそれを実際にやっているTV番組もないわけではないが。
「まさか。そんな陰惨なものは要りません。
 今必要なものはUPCのイメージアップ。傭兵達には格好良く立ち回って貰いましょう」
 ええと‥‥つまり、わかりにくいが‥‥、
「ヤラセ‥‥ですか?」
「演出です」
 言い切った。

 要するに傭兵達の一日を面白おかしく格好良く希望に満ち溢れるカタチで放送したいとの事。
「リアリティに拘る必要はありません。その辺は割り切ってますから。
 むしろ『傭兵達もこんな番組を作るんだ』くらいの方が好感が持ち易い」

 そう言われると悪くないかもしれない。
 つまりはこういう事だろう。

『目立ちたがり屋募集』

●参加者一覧

緋霧 絢(ga3668
19歳・♀・SN
UNKNOWN(ga4276
35歳・♂・ER
辰巳 空(ga4698
20歳・♂・PN
阿野次 のもじ(ga5480
16歳・♀・PN
古河 甚五郎(ga6412
27歳・♂・BM
銀野 らせん(ga6811
17歳・♀・BM
ルフト・サンドマン(ga7712
38歳・♂・FT
加恋(ga8052
20歳・♀・BM

●リプレイ本文

●本名不詳
 ――傭兵
 それは、無国籍の戦士
 金で魂を買うのか
 魂を擦りきらせ、その代価に金を得たのか
 信条、名誉、金、肉親、友、愛
 それとも‥‥何かを守る為に

 ――傭兵‥‥能力者
 それは悲しき戦士、地球人の盾となり、矛となる



「――さて、今回はそんな傭兵達の素顔に迫ってみようかと思う」
 カメラ目線でマイクを構えるUNKNOWN(ga4276)。
「違う。
 レポーター役の傭兵Aだ」
 はいはい。
 黒のコートに咥え煙草でレポーターとか言われても。
「ああ、それと私を呼ぶ時は苗字で頼む。
 フルネームは無粋だし、名前で呼ばれるほど気安くもないからね」
 そうですか、UNKNOWNさん。いや、傭兵Aか?

●朝の風景
 ――おはよう。
 ここからはナレーションはレポーターである私、傭兵Aが担当させて頂こう。
 繰り返すが私の事は苗字で呼んでくれたまえ。
 ここはUPC女性用兵舎。
 早速だが傭兵達の素顔に迫ろう。
 現在は午前5時。
 傭兵達には9時から撮影と言ってある。
 ――つまり、今彼女らは緊張から解き放たれた無防備な状態――具体的に言うのなら寝姿を晒しているものと思われ――。

 ふむ、ここは個室のようだ。
 家主は――銀野 らせん(ga6811)か。
 逸る視聴者の期待を背に私は扉を開ける。
 鍵? 誰にものを言っているのだね?

 ‥‥むう、見たまえ視聴者諸君。
 ドリルアイドル、銀野らせんの寝姿だ。
 抱き枕までドリルとはなんとも可愛らしいではないかね?
 さて、ではもう少しだけ近寄って――。

 ――その時、けたたましい金属音が鳴り響く。
 私の第六感の警報とどちらが先か。
「全員起床〜〜!!」
 金属音にも負けない黄色い高音が朝の兵舎に響く。
 この声はオタクアイドル傭兵(長い)阿野次 のもじ(ga5480)だな。
 朝からテンションの高いことだ。
「グッッツツツツツドォモーニング☆ お日様でたらもう朝だ!
 今日も一日ガンバッテイコー!
 朝食はオートミール。今日はボーイミーツガール」
 げんなりするような親父ノリだ。
「ふえ? 朝〜?」
 らせんが目覚めた時、その部屋には彼女以外の姿はなかった。

「――危なかった」
 だがお蔭でいいものが撮れた。
 能力者――彼女らもまた、人なのだ。


 こちらは別部屋の加恋(ga8052)。
 彼女は既に起床済み。今は目覚めの太極拳。
 しっかり者だ。彼女にサービスは期待できないか。
「阿野次さん、いつもうるさいね」
 鍋を打ち鳴らすのもじの騒音に太極拳を中断。朝食に切り替える。彼女は自炊だ。
 中華風白粥に舌鼓を打つ加恋。朝食は一日のエネルギーだ。
「朝は、おかゆに限るあるよ♪」

●へいわなひととき
 朝食が終わると、午前の訓練が始まる。
 仕切るのは何故かのもじ。
「ラジオ体操J○J○いちー♪」
 放送コードを入れさせていただく。
「大きくトキをとめてWREEEEYの運動〜♪
 1、2、3、4、5、6、7、無駄ァァァ!!
 ククク‥‥8秒もとめていられたぞ‥‥!
 練力を回復しておこうか‥‥減っている練力があればだが‥‥!」
 傭兵達ドン引き。
 これが彼女らの日常なのだろうか。

 得意のカンフーで傭兵仲間を手玉にとる加恋。
 風に舞う銀髪が美しい。
「このゴミ虫めが! 女一人に勝てんのか! 貴様らは今日からクズ男に改名しろ! 貴様はクズ男A! 貴様はBだ! なにぃ? 27人目? 面倒だ貴様等今からPCIDで名乗れ!!」

 のもじ楽屋オチ自重。
「馬鹿モノ! 頭と語尾にはサーをつけろ! サー、女一人に手玉に取られるPCIDg――」
 放送コードを入れさせていただく。

●闇より深き漆黒の
 ところ変わって、こちらは某所、バクア軍占領地。
 一匹の猛獣キメラが鎮座している。
 ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾。
 ギリシア神話に伝わる伝説の魔獣『キマイラ』そのものだ。
 だが、人に恐怖を与える為に造られたその容貌は穏やかに、猫のように安らいでいる。
 そうたらしめているのはキマイラを撫でる白い仮面の男。
 魔獣の――そしてこの部屋の主。
 バグア軍幹部が一人、『静謐たるルビテガルド』。
「――マスター」
 ルビデガルドを前に膝をつき、主従の関係を示す黒衣の美少女。
 名をアジャタント。
『副官』の意である。本名は不明。
「要人誘拐の作戦、準備が整いました」
 それを耳にしたルビデガルドは嫌悪を空気だけで表わし、
「私自ら出撃ですか‥‥わずらわしい。人類に味方するUPCの傭兵共が‥‥」
 重い腰を上げ、朱のマントをひるがえす。
 身には漆黒の鎧、
 黒と赤、そして白のコントラストはアジャタントと映し鏡のように――いや、アジャタントが彼と同じなのか――。
「アジャタント、案内なさい。
 仕方ありません、楽しくはなさそうですが、遊んであげましょうか――」
「――仰せのままに」
 二つの黒い影が闇に消えた。

 ――と、大丈夫かね、コレ?
 エイプリルフール番組と銘打った方がよかったかな?

●某惨劇
 さらに変わって某国某所。
 某大使館において某高官が某SP達の警護の元、某会議に参加していた。
 ――ん? SPに某は要らなかったかな?
 彼は――そうだね、『副長官』とでも呼ぶ事にしよう。
 何のかって? 無粋な事は言っちゃいけない。
 大人には秘密が多いものだ。
 彼は某重要機密兵器開発会社と某政府との太いパイプを繋いでいる。
 言わば某バグア軍敵対の先鋭だ。
 あ、ここにも某は要らないな。
「この某会議が終わった時、某開発は大きく前進し、某戦局は一転する事でしょう」
 自分で某とか言ってるよ、このおっさん。

 そこに、
 某警備兵達を蹴散らす某漆黒の二人と一匹。

「ななな、何です? 君等は‥‥ひっ! バグア!」
 某をつける余裕もなくなってきた副長官。
「黙りなさい」
 クールに部下とキマイラを従えるルビデガルド。
「今すぐに黙るか、永遠に黙るか、どちらにします?」
 冷酷な笑みを浮かべ、副長官に『慈悲』を与える。
「UPCを早く‥‥あひゃっ!」
 恐るべし、ルビデガルド。
 恐るべし、バグア。
 彼らの前には警備兵など紙でしかない。
 悪魔達の前に人間は屈するしかないのか!?

●同刻
 場所は戻ってUPC女性用兵舎。
 ん? 何故そんなにころころ場所移動できるのか?
 レポーターに野暮はいかんよ。
 午前の訓練を終え、傭兵達は休息の時を。
 ここ、シャワールームでもそれは例外ではなく。
 密閉された空間に湯が床を叩く音だけが響く。
 いや、もう一つ。
 楽しげな少女の声が。

「ふんふふんふふ〜ん♪」
 鼻歌を口ずさむ少女、らせん。
 勿論シャワーなのだから一糸まとわぬ姿である。
 余談だが、風呂場で鼻歌を歌う人間を私は実際には見た事はない。
 あと一人で楽しそうにシャワーを浴びる人間も。
 フィクションのシャワーシーンとは何故ああも楽しげなのだろうか。
 ああいや、これはもちろんフィクションではないぞ、うん。安心したまえ、視聴者諸君。
 なんにせよらせんはシャワー中。
 ドリル状の巻き毛も濡れて白い首筋や背中に張り付いている。
「朝は疲れちゃったな〜、のもじさんも加恋さんも厳しいから‥‥」
 誰に話しかけているのだろう。

 何? もっと前に回れ?
 そんな危険な事―――了解した。

 その時、突如警報が兵舎全体に鳴り響く。
 出動だ。
 視聴者諸君、名残惜しいが今日はここまで。
 続きが観たい方は局に投書してくれたまえ。

●みんながきみらをまっている
 首輪から伸びた鎖でSPらを沈黙させていくアジャタント。
 かかる者、逃げる者、区別なく薙ぎ倒し、喰い殺すキマイラ。
「――さて、
 御安心ください、副長官。貴方はここでは殺しません。後二、三日は生きられます」
『よかったですね』と仮面の内から優しげな声をかけるルビデガルド。
 震える副長官。
「もう駄目なのか‥‥」
 絶望に包まれた、その時、

「はっ! 来てくれましたか、能力者の皆さん!」
 やってきたのは一台のトレーラー。
 派手なBGMをスピーカーからかき鳴らし突入。水とかささとかそんな感じの。
 時間差も空間差もなんのその。
 駆け付けた三人の美少女達。
 いや、年齢は実は怪しいのだがとにかく美少女達。

「そこまでよ! UPC戦隊・ヨウヘイダー見参!!」
 のもじの意味不明な名乗りにも感涙する副長官。
「有難うUPC! 正義の力だUPC! キメラが出たら即☆UPC♪」
「す、凄いやUPC! ピンチの時にはタイムラグなんて気にしない! 頼れる隣人UPC!」
 一緒に握り拳で叫ぶ某重要機密兵器開発会社開発顧問。
 なんか照れがあるようだがね。

「ふっ‥‥愚かな、わざわざ殺されに現れるとは。
 遊んであげなさい。アジャタント。キマイラ」

●戦闘開始!
「なんだかわくわくしてきたあるね〜〜♪」
 先陣を切って飛び出したのは加恋。
 走りながら頭部に装着するのは――兎のヘアバンド?
「超・兎乃拳!」
 キマイラに攻撃する加恋。
 蹴りだったが。

「させません」
 加恋の身体を鎖が拘束する。
 片手で加恋を封じたアジャタントはもう片手から銃を構え――、
「あいや、ピンチ!!」
「危ない!!」
 アジャタントの銃弾を銀の螺旋が弾き返す。
「銀野さん!!」
「銀の螺旋に勇気をこめて! 正義のドリルで悪を突く!
 このドリルの輝きを恐れぬならかかってらっしゃい!!」
 正義のドリルアイドルとカンフー少女。
 だが、敵も一人ではない。
「グルオオオオオ!!!」
 地の底から響くようなおぞましい唸り声を上げ、らせんに飛びかかる魔獣・キマイラ。
「あいやぁっ!!」
 先程の借りを返さんと加恋の蹴りがキマイラの顎を逸らす。

「くっ、こいつら強いあるね‥‥」
 美女と魔獣の連携に押される二人。
 この上、彼女らの背後にはもう一人、白い仮面の親玉がいるのである。
 だが、二人の不安はそこではなく――。

「所詮こんなものですか? UPC」
「もういいでしょう、アジャタント、楽にしてあげなさい」
「グッドニュース。人質さんならこちらですよ、サー」

「なんですと!!?」
 ルビデガルドの背後、副長官の身柄を確保するのもじ。
 けっこうびびってるルビデガルド。

「助かったね! 阿野次さん!」
「ドリルは負けないの!!」
 言葉の意味はよくわからんが反撃開始だ。

●決着
 キマイラの動きがさらに速くなる。
「グルアアアアア!!!」
 それはまさに人には成し得ぬ獣の動き。
 人は獣には勝てず、そして魔獣とは魔を宿した獣の名。
 されど、

「超――」

(魔獣の前脚を素手で受け止め)
 その獣達を屠ってきたのが傭兵という名の能力者。

「――兎乃拳――!!!」

(必殺の膝で牙を折る)
 故に獣を超えた人類の剣(つるぎ)。


「―――ッ!!」
 アジャタントの鎖が空を裂く。
 獣を超えたというのならバグアの身はまさにそれだ。
 そして鞭の如きアジャタントの鎖は音速にすら達している。
 しかし、

「天元突――」
 おっと、諸事情により伏せさせていただこう。

「ドリルクラッシャー!!!」
 銀の螺旋には理屈は通用しない。
 完膚無きまでに。
 螺旋は正義を貫き悪を穿つ。

「――――ッ――!!」
 よろりと、
 崩れ落ちる黒衣の美女。

●エンディング
「お、おのれ! こんな‥‥!!」
 わりと取り乱す『静謐たるルビテガルド』。
「あとはあなただけあるね!!」
 キマイラ以上のスピードでルビデガルドに迫る加恋。

「きゃっ!?」

 その攻撃を一瞬でいなし、宙に放る。
 加恋をも上回る達人級の武術家。
「――甘く見ないで頂きたい。私の実力はアジャタント達より上だ」
 勝ち誇るルビデガルド。
 だが、

「ドリルクラッシャー!!」
「ぐわっ!?」

 そういうセリフを吐いて勝てた者はいないのがお約束というものだ。

「お、おのれ!!」
 ルビデガルドが念じると、らせんの身体が触れず、宙を舞う。いや、弾かれる。
 黒色無音の力。
 ルビデガルドの能力、『静寂なる衝撃波』。
 らせんを引き剥がし距離をとると、彼女に割られた仮面を押さえ、
「‥‥この私の美しい仮面に傷をつけるとは‥‥!
 覚えていたまえ、UPC諸君! 必ずやこの借りは返させて頂きましょう!!」
「逃がさないね!!」
 追う加恋に顔だけ向けると、今度は仮面から真紅の熱線を放つ。
 能力、『沈黙の熱視線』。

「私の力なら貴女方三人をまとめて始末する事も不可能ではありません。
 ですが、アジャタントとキマイラが敗れ、副長官を取り逃がした以上計画は失敗です。
 潔く負けを認め、この場は離脱するとしましょう――!!」
「待つよろし!!」
「よくも――!!」
「おのれルビデガルド、逃げるのか!!」
 最後のセリフはのもじ。

 ――そうして、
 全く潔くない言い訳を捨てゼリフに、
 バグアの幹部は闇へと姿を消した。

「ルビデガルド――恐ろしい敵だったわ。
 けれどこれで終わりとは思えない。
 いずれ第二のアジャタント、第三のキマイラを連れて――」

 そう、またいずれ奴らは現れるかもしれない。
 その為に――、

 鋼の攻撃・ファイター!
 悪を逃さぬ・スナイパー!
 科学の力・サイエンティスト!
 野生の護り・ビーストマン!

 そして集う新たな能力者達――!!

 UPCの戦いは――終わらない――!


●楽屋にて
「はいっ、お疲れ様でした!!」
 撮影が終了し、皆を労う総責任者、天爪 竜斗(gz0059)。

「いやあ、辰巳さん、ノリノリでしたね」
「ふふ、久しぶりに役者魂が疼きましたよ」
 仮面を外し、汗を拭うルビデガルド役、辰巳 空(ga4698)。
「台本ではもう少し格好いい役だったのに」
「はっはっはっ、いや、そこは視聴者の期待には応えなきゃ」

「ふう‥‥暑いのう、加恋に倒される前に熱中症で死にそうだったわい」
 今回ある意味最も頑張ってたキマイラ役のルフト・サンドマン(ga7712)。
 全身着ぐるみでの出演である。
「着ぐるみを着てあの動きは能力者ならではですよ、お蔭で迫力出ました」

「お疲れ様です、UNKNOWN様」
 馴染みのUNKNOWNと言葉少なく語るのはアジャタント役の緋霧 絢(ga3668)。
「今回は残念。UPC側なら君のサービスシーンも撮れたのだがね」
「UNKNOWNさん、それなら今度は辰巳さんもお願いしますよ」
「え? マジですか!?」

「なんにせよ上手くいったようで何よりです」
 副長官役の古河 甚五郎(ga6412)。
 今回は裏方がメインだったが脇役にも光るモノが。
「やり過ぎですよ、古河さんとUNKNOWNさんは。
 特に古河さんなんか私まで引っ張り出して」
「いいじゃないですか。お似合いでしたよ、某重要機密兵器開発会社顧問」
「――それ、私の名前クレジットに並ぶんですか?
 やだなあ‥‥出しゃばりとか思われますよ、きっと」

 ――こうして、
 深夜特番『バグアと戦う能力者(おとこ)達』の撮影が終わった。
 ――バグアと戦ったのは全員女性だったが。

 反響がどのようなものだったかは、また、別の話で。