タイトル:宇宙の狐マスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 10 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/12/17 09:37

●オープニング本文


 銀河重工本社。第1KV開発室――。
 白衣を纏った長身の男性がPCと向き合っていた。
 ‥‥ディスプレイに映し出されているのは人型形態のKVの3Dモデル。
 ‥‥リアユニットが特徴的な形をしている。
「ふむ‥‥」
 デスクに頬杖をついている男性の名は草壁・誠十郎。
 GFA−01『シラヌイ』やXGSS−03A『シコン』の開発者だ。
 『シコン』を世に送り出した後、彼のチームはすぐに再編成され、
 宇宙用KVの開発にシフトしていた。
 先にリリースされた銀河重工初の宇宙用KV、G−100『ハヤテ』は、
 大規模作戦などに投入され、一定の戦果を挙げている。
 開発者は誠十郎の先輩であり、恩師とも呼べる人物なので、非常に喜ばしいことである。
 しかし――
(俺も、負けていられない‥‥)
 誠十郎の瞳は熱を帯びていた。
 バグアによって閉ざされていた宇宙(そら)。
 新たなフロンティアへの道が開かれたのだ。
 来たるべきバグア本星攻略戦も視野に入れ‥‥
 誠十郎とその開発チームの面々は日夜、新型宇宙用KVの開発に取り組んでいる。
 実は、『ハヤテ』と同時期に開発が進められていた、
 銀河重工の集大成、技術実証機と言う側面もあった『シコン』は‥‥、
 現在開発中の宇宙用KVの下地作りでもあったのだ。
「‥‥ふう」
 誠十郎はこきこきと首を鳴らし、近くに置いてあったマグカップに手をやり、
 コーヒーを飲もうとするが――
「無い」
 もう飲み切ってしまっていたか。と思う。
 ちょっと眠気がぶり返してきた。目を覚ましたい。
 しかしわざわざコーヒーを取りに行くのは面倒だ。などと思っていると‥‥
「主任、コーヒーのおかわりをどうぞ」
 白衣を着た小柄で童顔の女性が誠十郎の脇からコーヒーの入ったカップを差し出してくる。
 彼女の表情を見ると、満面の笑顔。
 ‥‥女性の名は南川・遥。誠十郎の補佐である。
 誠十郎は入社当初から遥をいつも傍に置いていた。
 もう、何年の付き合いになるだろうか‥‥。
 ――もちろん、男女の関係などではない。と、補足しておく。
 あくまで上司と部下なのだ。誠十郎の中では。
「すまないな、助かる」
 コーヒーのカップを受け取り、一口飲む誠十郎。
 香ばしさと同時にミルクと砂糖の甘みが広がる。
 頭脳労働には糖分が必要不可欠だ。と、誠十郎は考えている。
「‥‥『タマモ』の開発は順調ですね」
 遥がPCの画面を見ながら言う。
「ああ。もう試作機の建造に入っても良い段階だ」
 頷く誠十郎。

 ――銀河重工製新型宇宙用KV、GSS−04『タマモ』。
 その形式番号が示す通り、『シコン』の血が色濃く受け継がれている。
 『シコン』で実証した数々の技術と未来科学研究所の『宇宙戦闘機理論』を合わせた設計だ。
 原点をたどれば、『シラヌイ』にまで遡るが――
 実際には新機軸の宇宙用の機体として開発されているので、
 『タマモ』は、『シコン』や『シラヌイ』とは完全な別物と言える。
 価格帯は高級機。ハイスペックで扱い易い、純粋な汎用機を目指して開発中。
 銀河重工内部では『ハヤテ』をLowとし、『タマモ』をHighとした、
 Hi−Lo−Mix(高価な機体と安価な機体を混合して配備すること)として、
 UPC軍へ大々的に売り込む構想もある。

 ――ともあれ。
「試作機の建造へ入る前に、傭兵の意見を聞きたい」
「わかりました! それでは後でULTに連絡を入れておきます」
「頼んだ」
 誠十郎はそう言い、再びPCに向かう。
「‥‥そういえば最近、青木さんを見ませんね」
 ふと、遥がぽつりと漏らす。
 青木さん――青木・由香子女史。
 『シコン』の固定武装『高出力レーザー砲「種子島」』の設計者。
 ちなみに『タマモ』は汎用性を重視したため、固定武装は搭載されていない。
 ゆえに‥‥青木女史はお役御免かと思われたが――
「試作型FETユニットの調整に没頭しているようだからな」
 誠十郎が言った。
 FET(Flexible Emion Thruster)ユニット――
 未来科学研究所からもたらされた新技術、
 エミオンスラスターから銀河重工が独自に開発した物である。
 その設計者は他ならぬ、青木女史。彼女の才能はレーザー技術だけでは無かったのだ。
 ‥‥彼女は新たな技術を取り入れ、自分なりにアレンジするという資質を持っていた。
「FETユニットは『タマモ』の要‥‥由香子の働きに期待だな。もちろん、大丈夫だと信じているが」
 そう話す誠十郎の表情はどこか嬉しそう。
 その様子にちょっぴり嫉妬し、ぷうと頬を膨らませる遥であった。

●参加者一覧

須佐 武流(ga1461
20歳・♂・PN
漸 王零(ga2930
20歳・♂・AA
終夜・無月(ga3084
20歳・♂・AA
櫻小路・なでしこ(ga3607
18歳・♀・SN
オリビア・ゾディアック(gb2662
19歳・♀・ST
趙韓良(gb5179
15歳・♂・ST
ラサ・ジェネシス(gc2273
16歳・♀・JG
ラン・エクサリス(gc4683
18歳・♂・SF
月見里 由香里(gc6651
22歳・♀・ER
アルバート・ステンセル(gc6841
35歳・♂・EP

●リプレイ本文

●GSS−04 タマモ
 銀河重工本社を訪れた10名の傭兵。受付の後、会議室へ通される。

 須佐 武流(ga1461)――
「タマモ‥‥メインノズル1基とスラスター8基を九尾に見立てての名前か‥‥」

 漸 王零(ga2930)――
「機体のデータを見た感じだと高い回避力とスキルを活かして、
 遠い間合いから一気の近づき、敵を倒す高機動強襲機って感じかな?」

 終夜・無月(ga3084)――
「宇宙の狐か‥‥面白いですね‥‥」

 櫻小路・なでしこ(ga3607)――
「シコンの系譜と伺い、興味津々です。
 シコンは途中から試作機パイロットとして参加、
 また宇宙用KVではハヤテのテストパイロットも努めましたので、
 タマモでも試作機テストに参加出来ればと思います」

(せっかくのチャンスだってのに‥‥うちは‥‥)
 オリビア・ゾディアック(gb2662)は、
 KV開発に関われることを嬉しく思いつつも良い案が浮かばず苛立ちを覚えていた。

 趙韓良(gb5179)――
「よし、この依頼なら危険は無いし初依頼には丁度いいかな」

 わくわくした様子のラサ・ジェネシス(gc2273)。
「高級機かぁ‥‥楽しみだなぁ、もう見れるのカナ?」

 ラン・エクサリス(gc4683)――
「データを見た感じですとかなりの高性能機みたいですね。発売が楽しみです」

 月見里 由香里(gc6651)は現在所属している小隊が宇宙戦にも対応している為、
 搭乗する機体の戦力アップを図りたいと考えていた。
「うちが乗っとるリヴァティーも悪い機体やないんやけど、
 今後の小隊の事を考えると少しでもええ機体があれば、よりええ思います。
 せやから、うちなりの意見を述べさせて頂きますわ」

 アルバート・ステンセル(gc6841)には思う所があった。
 直前にシコンの搭乗権を購入して臨んだ北米での大規模作戦。
 未熟な己の腕前をカバーして余りある戦果を上げる事が出来、
 ドロームの新鋭機と並び陸の王者と称される所以を肌で感じた。
 その血を引く宇宙用機体、タマモ。自分が乗る事になるかどうかはさておき、
 どんな機体なのか話を聞いてみたくなり、この依頼を受けた次第である。

●意見聴取1
「先ずは皆さん大規模作戦お疲れ様ー。
 ハヤテは癖が無くって乗りやすいですネ、開発してくれてありがとうゴザイマス」
 ラサはぺこりとお辞儀し、持参した羊羹とお茶を皆に振舞う。
「疲れた頭にはコレが効くのデスヨー」

 意見聴取開始。草壁・誠十郎と南川・遥が同席。
 最初は機体性能について。

「性能は高めでバランスよく纏まってるけど、折角の高級機、他社との違いを作りたいなぁ。
 という訳で攻撃・知覚・回避・命中削って行動4を推したいナ。
 後は最近重い武装も増えたから錬力と装備力上がらないカナ。
 いい物は高くて当たり前。行動4なら400万後半でもいいなぁ」
「機動性を売りにするなら価格の高騰は織り込み済みで行動値を上昇させる事を提案します。
 最低でも奉天の破曉と同質に出来れば食指の動く傭兵の数も増える筈。
 通常時の能力上昇が難しいならFETマニューバBに行動値上昇を付加するのはどうでしょう」
 ラサと無月は同意見らしい。
 誠十郎の答えは「不可能では無いが調整の域を出てしまい、再設計となるレベル」という物だった。
 ちなみに機体特殊能力での行動上昇については後述。

 武流――
「性能に関してはカタログスペックを見る限り‥‥これを弄る必要はあまりない様な気はするし、
 今までの開発依頼から考えて基本は弄り難い。
 それに、無理に弄ろうとすると無理が生じてリリースに支障が出たりとかするからな」

 王零――
「上げるなら装備。装備を限定し戦法を絞る軽装型高機動のハヤテと差別化する為に、
 多彩な装備で幅のある戦いが出来る重装型高機動とするのはどうだろうか?
 実際、性能の良い物の重量増加傾向と、
 基本的に重い宇宙兵装を使いこなすにはそれなりの積載量は必要だろうし、
 重装系の宇宙機が少ない中、大きな売りポイントになると思う。
 装備を上げる方法は装甲で防御力を確保するのではなく、
 攻撃を受け流す様な流線型の形状にしたり、
 重要な個所に重点的に装甲を配置する事で防御力を確保し、
 空いたスペースを活かして人工筋肉等を用いたりして装備を上げるのはどうだろう?
 400後半以上は欲しい」

 なでしこ――
「スペック情報から提示額で妥当かと。
 シコンに比べて固定武装がない分、装備は450前後ある方が良いかと思います。
 その他は十分な配分かと」

 オリビア――
「価格帯は400万台でも良いでしょうね。妥協をしない、最高ランクで推すわ」

 趙韓良――
「かなり高レベルな機体性能なんで弄れる所は限られてるだろうから‥‥、
 それなら、利便性を上げる為に装備を上げるのに一票!
 ‥‥しかし、ここまで来ると400万で済むかな‥‥でもいい機体は高いものですよね」

 ラン――
「機体性能は既に申し分ないんじゃないですか? これといった欠点もないですし。
 上げるとなると、あって困るものじゃない装備・生命・練力を上げるのが自分はいいと思います。
 タフでスキル使いまくって一杯武器持ってるってかっこいいですよね。
 価格は‥‥ここまでいい機体だと下手に抑えて妥協するより突き詰めてしまった方が得策かと‥‥。
 こう、高い金払ってでも欲しくなる機体を作ればいいんですよ!
 更にシラヌイみたいなチューン機を出すとかして!」

 由香里――
「これまでの機体から引き継ぐ形で機体アクセサリを装備する人はかなり多い、思います。
 この機体のメインユーザーはおそらくはベテランの方が多いでしょうし、
 そう言う傭兵はんは大概自分のスタイルで装備を決めてはるん違いますか?
 機体アクセサリは高性能な物ほど重い物も多い様ですし、装備力はあればあるほど、ええ思いますわ」

 アルバートは価格に見合う性能であれば、想定されている値段に異論無し。
「シコンが陸の王者ならば、タマモには是非とも宇宙の女王を目指していただきたいものです」

●意見聴取2
 機体特殊能力について。まずはFETマニューバ。

「各能力の消費練力は可能な限り少なくしてもらいたいですね。
 宇宙での戦いは『錬力=戦闘時間=命』ですから、
 消費錬力の高さは自分の首を締める結果になり、折角の特殊能力を活用し難くしていまいます」
 無月はその様に言う。

「FETマニューバは内容に異論はありません。
 A・B共に強化内容の割り振りも良いです」
 と、なでしこは前置いた上で、
「シコンの機体スキルをカバーしていると思いますが、
 ただ気になる点としては‥‥AとBの消費練力は如何ほどか、各能力の上昇幅も如何ほどか。
 攻撃と知覚はストライク・アクセラレータ、命中と回避は超伝導アクチュエータとの、
 比較になると思いますので、気になります」
 と、質問。「AはSAと同等。Bの練力効率は良いと自負している」との答え。

「機体特殊能力に関しては、申し分ないのよね‥‥」
 オリビアはそう述べるのみ。

「機体スキルは痒い所に手が届く感じですね。宇宙用って事だし燃費がいいといいな。
 後、Aの移動はBにならないかな? 回避も移動も速度だし」
 趙韓良の意見には「威力・移動の同時上昇は実戦で有用性が証明されている」との答え。

「折角スラスター沢山あるんだし垂直離陸機能も欲しいデス。
 FETマニューバCで行動+1とか出来ないカナ。
 マニューバAは細分化して錬力を抑えたいなぁ。
 A1は攻撃・命中・回避、A2は知覚・命中・回避トカ」
 言ったのはラサ。
「我が社に行動上昇のノウハウは無く、そこまで万能化する事は不可能」
 という答えが返って来る。

「練力の使用量が気になる所ですね。あまり高くない方が使い勝手よくていいと思いますし。
 ‥‥あ、そういえばターンの初めにBを使って途中からAを、って出来る様になりませんか?」
 ランの問い。誠十郎は「それは難しいな」と答える。

 アルバートはマニューバAの回避上昇を削除しても構わないのでBに付与する事は出来ないか尋ねた。
「AとBの併用が出来ないのなら、Bを先に使って敵の攻撃を掻い潜りながら一気に懐に潜り込んだり、
 または戦場を離脱する際の安全性向上に使ったりするのに便利ではないかと」
 誠十郎はふう、と息を吐き、
「依頼内容をちゃんと確認して貰えたかな? 回避機動はBだ。
 君が言いたいのはBへ移動上昇を移すという事だろう」
 と言った。資料を確認したアルバートは「これは失礼しました」と頭をかく。

 ***

 続いて超伝導RAについて。

「機体の重要箇所のみに張れる様にすれば‥‥。
 エネルギー効率の改善とか、常時展開しておける様に出来るとか。そんな所か」
 武流の言葉に誠十郎は「効率については問題ない。エネルギーカートリッジ方式を採用している」と答えた。

「超伝導RAは、シコンの超伝導AECと違って防御・抵抗に有効な所が良いかと。
 回数制なので練力も気にしなくて済むのも良いポイントです」
 と、なでしこが言った。

 由香里は練力消費する事で防御・抵抗に更なるプラス修正を施す事が可能か、
 可能とすればどの程度の練力消費になるかを質問。
 だが‥‥返って来た答えは「難しい」だった。
 続いての「改造は可能か」という質問に対しては「現時点では不明」との答え。

●意見聴取3
 推奨装備について。

 武流――
「そうだなぁ‥‥宇宙戦闘では練力の消費がシビアだからな。
 まずは練力増強できる装備がいいだろう。
 特にコイツは構造とかを見る限り練力消費がかなりシビアになるだろうから必要だろう。
 逆にプロペラントを増やすんではなく、
 練力の消費を効率化させる装備でもいいかもしれないな? ‥‥難しいか?
 続いて‥‥折角の人工筋肉だ。こいつを外側から増強できる装備とかあってもいいかもしれない」

 1:パワーを増強し攻撃力を高める
 2:動作を補助し機体の運動性能の向上
 3:動作を補助しエネルギー効率を上げる

「まぁ、こんな所か?」
「それは専用装備という事かな。難しいと言っておこう」
 誠十郎の言葉に武流は少しだけ肩を落とす。
「本当は実機‥‥いや、シミュレーションだけでもあって、
 それを動かせればもっと洗い出しとか出来るんだが‥‥まぁ無いなら仕方ないな」

「攻撃の性能の高さから威力よりも利便性の高い武装が欲しい」
 王零が提案したのは機刀銃『彗星』。
 ノワール・デヴァステイターの様に銃剣一体型で近接も射撃も出来る武装。
 遠距離から接近して攻撃する際にスムーズに戦えるという考え。
 機刀であると同時に鎬が銃身となっている銃と刀が一体化した物。
 射程20以上を確保する為に銃身を長めに。分類は中距離。
 弾数は少なめだがリロード可、攻撃力は市販品より少し高い位。
 説明した後、彼は「名前は宇宙を駆ける彗星の如く戦える様にという意味を込めて」と付け加えた。

 無月――
「練砲『狐火』。宇宙用装備で手甲型の腕と一体化させる形態の知覚砲。
 生身装備の超機械の機構を利用し手をかざし、
 照準した対象又は空間に青白い蒼炎に見える知覚エネルギーを発生させ対象を攻撃。
 射程としては其のエネルギー発生方法的に良くて中距離、戦闘機形態でも使用可能な方が望ましいですね」

 なでしこ――
「1つはシコンの種子島と同等のレーザー砲が欲しいと思います。
 また、近接系に刀剣の類で、通常は物理攻撃ですが切り替えで知覚攻撃が可能なものが欲しいです」

 オリビア――
「これほどの性能ならば‥‥近接の格闘兵装も有りだろうと思う。
 知覚剣や薙刀の様な物も良いでしょうね。でも、独自性は欲しい」
 フォトンオーブの様な知覚兵装『殺生石』、
 二股の棍の様な形状をし、突き・殴打での知覚攻撃を行う練機棍『炮烙』を提案。

 趙韓良――
「推奨武装は銀河といえば機刀系だと思うし、機体の攻撃系の性能から物理と知覚で一本ずつ欲しいね。
 後は‥‥こんなのどうですか?」
 小型ミサイルコンテナ『管狐』。
 小型ミサイルを大量に搭載したコンテナで射出後に搭載した小型ミサイルをワラワラと打ち出していく。
 ‥‥という物。
「管狐ってこう‥‥1つの管からわらわら出てくるイメージがあるんですよね、自分」

 ラサ――
「9本目の尻尾として槍なんかいいかも。ビーストランス‥‥なんちて。
 まぁ増加装甲『殺生石』なんてのはありかも」

 ラン――
「推奨武装は‥‥こうですね、最高ランク品に高出力の知覚武装、その下のランクに利便性の高い武装。
 それ以下には‥‥回避を上げるアクセサリや攻撃力を上昇させてくれる物とか、
 物理・知覚の機刀とかでどうでしょう?
 あ、勿論店売り品も出して下さいね」

 由香里は他の能力に比べて防御・抵抗が抑えめである事から、
 現行の『鎧型推進装甲「神風」』を更に発展させる形で、抵抗も補える物を提案。
「長所を伸ばし、短所を補えるものがあれば、便利や思いますわ」

 アルバートは今後戦う機会が多くなりそうな敵の大型目標攻撃用の、破壊力のあるミサイルやロケットの類を提案。

 ***

 機体の外観について。

 なでしこ――
「機体シルエットは、シコンとは対照的にタマモの名をイメージして優しいライン‥‥女性的なものが良いかと」

 オリビア――
「欲を言ってしまえば獣型、もしくは女性型のフォルムが望ましいわね。
 名称が九尾の狐が化けた玉藻の前から来ているのだから、相手を魅了する美しさはが欲しい」
「獣型というのは、宇宙用の機体ではまだ無い言うのもあるし、
 尻尾の様なスラスターが多いのだから良いとは思うのよね」

 趙韓良――
「まぁ、九尾にしろ八尾にしろ尻尾が複数ある段階で妖孤または仙狐ですし、
 男女どちらの型でもない方がいいんじゃないですか? そこは乗る人の個性に合わせる感じで。
 機体形状は、シコンみたいにトゲトゲゴツゴツだと装甲の交換性が悪そうですし、
 やっぱりシラヌイやハヤテみたいな感じでシンプルかつ、かっこいい感じがいいですね。
 色はやっぱり狐の毛色になるんですか?」
 誠十郎は「黒色を予定している」と答えた。

 ラサ――
「スラスターの関係上難しいかもしれないケド見た目はシンプルな方が好みかな。
 ハヤテやシラヌイみたいな機能美っていうカナ? その路線が良いデス」

 ラン――
「機体のフォルムは‥‥女性的にはしないほうが良いんじゃないかな。
 個人的に、乗る時に恥ずかしいですから」

 ***

 こうして意見聴取は終了。
「タマモと言うのは、日本の伝説に登場する狐の妖怪の事だとお聞きしました。
 伝説では玉藻前は人に災いを為す悪女との事でございますが、
 こちらのタマモはバグアに災いをもたらす才女であって欲しい物ですな」
 アルバートがそう言い、
「素敵な機体が出来るといいなー」
 と、ラサが言って、お開きとなった。