タイトル:イカルDash! Ep3マスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/07/02 01:16

●オープニング本文


 東南アジア某地域。某島。

 写真家の月日星・イカルは波の音を聞きながら浜辺を歩いていた。
「また来ちゃった。やっぱり綺麗なところだなー」
 燦々と降り注ぐ太陽の光を手で遮り、顔を上へ向ける。青い空に‥‥白い雲。
 視線を下げると‥‥目の前に広がるのは青く透き通った海。海鳥の鳴き声も聞こえる。
 心が洗われるような光景にイカルは笑みを浮かべた。
 長いまつ毛。ぱっちりとした大きな瞳。ぷにっとしたほっぺ。
 サラサラとした長く美しい艶やかな黒髪が海風になびく。
 どう見ても可憐な美少女‥‥しかし、イカルは男である。

 線の細い華奢な身体つき‥‥思わず守ってあげたくなる‥‥しかし、男である。

 一般的な女性より女らしい‥‥しかし、男である。

 サファリルックの半ズボンから伸びたすらりとした白い生脚がなんともそそる‥‥しかし、男である。

 戦闘依頼の報告書ばかり書いていた報告官の息抜きかもしれない‥‥しかし、男である。

 ‥‥まあとにかく、イカルはれっきとした男の子なのだ。
 それゆえに困った事態に巻き込まれることもしばしばあったが‥‥それはまた別の話。

 さて、昨年訪れたこの島を彼が再び訪れたわけは‥‥もちろん観光ではない。
 この島の海辺の洞窟で珍しい植物が見つかったそうなのだ。
 その写真を撮影するため、イカルはやって来たのだった。
 イカルは手紙をくれた村長の家へと向かう。

 ***

「ええー!! せっかく来たのにー!!」
 村長宅に響く高い声。まるで少女のような声色‥‥しかし、イカルは男だ。
「わざわざ足を運んでくださったのに‥‥申し訳ありませんのう」
 ぺこぺこと頭を下げる村長。
 話を聞いたところ、件の海辺の洞窟には‥‥キメラが出現してしまったそうな。
 危険なので今は近づかない方が良い、と村長は言った。
「ううぅ‥‥」
 ここまで来たのに‥‥珍しい植物があるのに‥‥。
 イカルは唇を噛む。
「‥‥大丈夫です! 僕だって1年前より強くなりました! キメラなんてへっちゃらですよ!」
 胸を張るイカル。根拠の無い強気な表情。
「ですが‥‥」
 村長はあからさまに不安そう‥‥。
 イカルは1年ほど前にもそのようなことを言って飛び出し、キメラに捕まってしまったことがある。
 強くなったと自称してはいるが‥‥。
「そういうわけで行って来ますね! キメラもやっつけちゃいますから!」
 村長の制止も聞かず、イカルは荷物を背負い、家を飛び出してしまった‥‥。
「‥‥」
 これはULTに連絡するべきか、と村長は頭痛のする頭に手を添えた。

 ***

 浜辺の洞窟。薄暗い内部をイカルは進む。ライトも持ってきたが必要なさそうだ。
 ちなみに洞窟内部の道幅は広く、天井も高い。
「うーん、この辺のはずだけど‥‥」
 片手に持った地図に目をやる。と、そのとき――なにか物音が聞こえた。
「なに‥‥?」
 イカルが恐る恐る道の先に視線を向けると‥‥そこに居たのは‥‥
 人間の子どもほどの大きさの巨大なカニが2匹! シャキンシャキンとハサミを鳴らしている!
 その後ろには、うじゅるうじゅると無数の触手をくねらせた巨大なイソギンチャクのような生き物!
 大きさはドラム缶を一回り大きくしたくらい!
「‥‥出ましたね、キメラ‥‥」
 頬に汗が伝う。イカルは腰からアーミーナイフを抜いて、構えた。
「成敗ーーー!!」
 考え無しの突撃! ‥‥案の定、それは通用しなかった。金属音を響かせ、ナイフが宙を舞う。
 カニキメラのハサミによって弾かれてしまったのだ。ナイフは地面に突き立つ。
「し、しまった‥‥」
 イカルは後ずさりする。が‥‥時既に遅し。2匹のカニキメラがイカルに襲い掛かる。
 煌くハサミ。イカルは思わず目を瞑る。――数秒経っても痛みは無かった。
「えっ‥‥?」
 イカルは目を開く。攻撃を受けたはずなのに‥‥と考える間も無く。
 バラバラに切り裂かれたイカルの衣服がはらはらと地面に落ちた。
 どうやらカニキメラはイカルの衣服『のみ』をハサミで攻撃したらしい。
 露になる白い肌。
「きゃーーー!?」
 イカルは甲高い悲鳴を上げ、大事なところを隠す。
 ‥‥カニキメラが少し赤くなっているように見えるのはきっと気のせいだろう。
 そして――イソギンチャクのような生き物がイカルに向かって触手を伸ばした。
 イカルの身体は簡単に絡め取られ、持ち上げられてしまう。
「いやぁぁぁ! 助けてぇぇぇ!!」
 イソギンチャクのような生き物はイカルを捕まえたまま、洞窟の奥へと去って行った‥‥。

 数時間後、気を利かせた村長からイカル救出の依頼がULTへ出されることになる。
 もちろん報酬はイカル持ちだ!

●参加者一覧

相沢 仁奈(ga0099
18歳・♀・PN
佐倉・咲江(gb1946
15歳・♀・DG
楠木 翠(gb5708
18歳・♀・HA
柚紀 美音(gb8029
16歳・♀・SN
希崎 十夜(gb9800
19歳・♂・PN
湊 雪乃(gc0029
15歳・♀・FC
リコリス・ベイヤール(gc7049
13歳・♀・GP
賀村 省(gc7487
18歳・♀・FC

●リプレイ本文

●南の島!
 イカル救出の依頼を受け、南の島へとやって来た傭兵達。

「イカルくんったらまたえっちぃキメラに捕まったんか。やっぱ、かわええってのは罪なんやねぇ‥‥」
 小麦色の艶かしい肌にFカップの大きな膨らみが特徴的な相沢 仁奈(ga0099)が言った。
「さて、ウチは囮やねー。全力で触手を堪の‥‥もとい、キメラを誘き寄せたろやないかッ!」
 ぐっと拳を握って気合を入れる。Fカップの美味しそうな果実が、たゆんと揺れた。

「がぅ、美音久しぶり。元気だった‥‥?」
「お久しぶりです。ええ、元気そのものですよ」
 獣耳の少女、佐倉・咲江(gb1946)と、前髪で片目を隠した少女、柚紀 美音(gb8029)が挨拶。
(ふむ‥‥イカルさんという方は変なキメラに好かれるのでしょうか‥‥?)
 美音は唇に人差し指を当て、小首をかしげる。

(私は可愛くないですから、狙われたりもしませんよね!)
 翠色の鮮やかな長い髪の少女、楠木 翠(gb5708)は何やら油断している様だ。
 傍から見れば十分可憐に思えるが‥‥。

(緊急の救援依頼‥‥。敵の詳細は掴めていないが、急がなければ)
 今回の参加者で唯一の男性、希崎 十夜(gb9800)。
 装備をしっかりとチェック。刀を差し、知覚銃をホルスターに収める。

「カニカニ♪ かにきめらー♪ イソギンチャクは珍味だぞー」
 嬉しそうにはしゃぐ湊 雪乃(gc0029)。
 彼女にとってイカル救出は建前であり‥‥
 実際は蟹キメラとイソギンチャクキメラ(ローパー)を食べてみたいだけらしい。

 リコリス・ベイヤール(gc7049)は今回、さすらいの老紳士『山田さん』に変装して参加。
 シルクハットに鼻眼鏡を装備、漆黒のスーツの上にトレンチコートを着込む。
「ご婦人方、ご機嫌麗しゅう」
 声を低くして言う。怪しさ爆発である。
 ちなみに何故正体を隠しているのかは謎だ。
(しかし‥‥暑いんだよぉ‥‥)
 この気温でその厚着では下手をすると熱中症を起こしかねない。一般人であれば、だが。

(見た目が女なのに男ねえ‥‥若干の親近感か? 興味湧くなあ‥‥)
 賀村 省(gc7487)は救出対象であるイカルの写真を見つつ心の中で呟く。
 自分が中性的な外見と立ち振る舞いの為、親近感が沸いた様だ。

 さて、準備を整えた一行――。
「しかしえっちぃキメラと組んで行動しとるとなると‥‥囮はやっぱ複数居た方が安心やね。
 ちゅうワケで咲江ちゃん、一緒に囮行くでー!」
「ん、私は尾行をするつもり‥‥え、がぅぅぅ!?」
 咲江は仁奈にぐいぐいと引っ張られて行ってしまった。
 他のメンバーも続いて、イカルが捕まっているという海辺の洞窟へ向かう‥‥。

●囮作戦!
 先行し、囮班は洞窟内部を進む‥‥。

「‥‥にしても、やっぱ南の島ってなるとあっついねぇ‥‥汗で服がじっとりしてまうわぁ。
 思わず脱ぎたなってまうくらい」
 仁奈の格好‥‥上はランニング。下はショーツのみ。ちなみにノーブラ。
 ランニングの薄い生地が汗で肌に張り付いて一部透けてしまっている。
 このままでは豊満なFカップの先端も‥‥!

 そんな時、蟹キメラ4匹、ローパー2体が出現。
「がぅ、おっきな蟹‥‥食べられそう? 誘き寄せれば‥‥」
 咲江は姿勢を低くして、じりじりと後退。
 しかし蟹キメラは意外と素早かった。接近を許し、鋏で服を切り裂かれてしまう。
「がぅぅっ!?」

 仁奈はキメラを発見すると、即効で突貫。
 当然、服を切り裂かれる。ランニングがバラバラになり、上半身が露に。
「あ〜ん♪」
 そしてそのままローパーの触手によって捕まってしまった。咲江も同様。
「こ、こんなの聞いてない‥‥きゃぁぁぁ!?」
 にゅるりとした感触に咲江は悲鳴を上げる。

 ***

「咲江さん、大丈夫でしょうか‥‥? 心配です」
『きゃぁぁぁ!?』
「!? 悲鳴? 咲江さん!」
 美音は咲江の悲鳴を聞き、物陰から飛び出した。
 囮になるつもりはなかったのだが、咲江が心配で付いてきたのだ。
 十夜も刀を抜き、一緒に飛び出す。

 蟹キメラ・ローパーと対峙する美音。手には拳銃と剣。
「蟹さん、その鋏は切らせて貰います」
 剣を構えて躍りかかる。

「やり過ぎだろうと全力全開ー!!」
 甲殻類アレルギーの十夜は全力で刀を振う。必死だ。
 だが斬撃は鋭い鋏によって弾かれる。

 美音と十夜が蟹キメラと交戦している最中。
 仁奈と咲江はローパー1体に捕まったまま洞窟の奥へと連れ去られて行った‥‥。

「しまった! 咲江さん!」
 一瞬の隙が命取り。蟹キメラの鋏が煌く。
 美音の着ていた半袖のワンピースがバラバラの布片と化した。
「きゃー!?」
 ついでに十夜の服も切り裂かれる(上半身だけ)。
「ぬあー!?」
 そのままローパーの触手に捕まり、2人とも奥へ連行されてしまった。
 見事なキメラの連携プレイである。
「いやぁぁぁ」
「放せぇぇぇ」
 激しく抵抗するが無数の触手によって拘束されている為、無意味。

 ***

 物陰に隠れ、後方から様子を窺っていた尾行班――。

「これは‥‥早く助けないと大変な事になりそうですね」
 翠の頬に汗が伝う。

(あっ、十夜の裸‥‥)
 男性の裸を目にし、頬を赤らめる雪乃。

(ふふふ、翠のあられもない姿を堪能‥‥げふんげふん。
 という本音はおいといてっ! 翠が酷い目に合わない様に守るっ!)
 リコリス‥‥もとい、山田さんには下心があるようだ‥‥。

(囮の方々は尊敬するぜ、ホント‥‥)
 額に浮かんだ汗を腕で拭う省。
 自分が囮にならなくて本当に良かった。と安堵。

 尾行班は囮班の後を追う‥‥。

●救出!
 洞窟最深部。ローパーに捕まっている囮班――。

 救出対象であるイカルは1体のローパーに生まれたままの姿で拘束されており‥‥
 その、あらぬ処には触手が巻き付き、うねうねぬるぬるの状態になっていた。
 イカルは茫然自失の状態。瞳が曇っている。

「わぁぁ〜イカルくん‥‥すごい事に‥‥」
 その光景を見て、仁奈はじゅるりとよだれを垂らす。

 自らの定位置と思われる場所に到着したローパーは触手を仁奈の身体に這わせ始めた。
「はぁ、あぁぁ、堪らんわぁ‥‥♪」
 触手が敏感な部分を刺激してくる。快楽に身をくねらせる仁奈。

 咲江も仁奈と同様、無数の触手によって無垢な身体を撫で回される。
「や、やめっ‥‥あぁぁ‥‥」

 美音は両手足を拘束され、触手の先端で敏感な部分にツンツンと責めを受けていた。
「はぅ‥‥ダメですっ。そこは触っちゃ嫌です‥‥! はぅ! ひゃ! あぁぁ!」

 ***

「あぁ‥‥あぁぁ‥‥あぁん♪」
 触手に弄られる内に快楽に溺れ始めた美音。
 隣で責めを受けている咲江の脚に自らの脚を絡ませた。
「あぁ‥‥咲江さん、可愛いです♪ ここが、敏感になってますよ♪」
 そして麻痺し始めた手をゆっくりと伸ばし、小さな膨らみの先端を指の腹で撫でた。
「ちょ、なんで美音や‥‥ん、仁奈まで‥‥きゃぅん!?」
「ウチもちょい昂ぶって来てもうて‥‥♪」
 触手による責めと、両隣からの悪戯で咲江はもう気がどうにかなりそうだった。

 そして3人は次第に身体が麻痺し、触手のされるがままとなる。
 身体は動かなくなるものの、肌の感覚は返って敏感となる様子である。
 ローパーの触手には媚薬の様な成分が含まれているのかもしれない。

 そんな中、十夜は女性3人のあられもない姿に赤面。
「どうしてこんな事になってしまったんだ‥‥」
 などと心境を口にする。
 十夜は最深部に連れて来られたのだが、やはり野郎なので放置プレイを食らっていた。
(と言うか見てはダメな状況じゃないか‥‥!
 そうか、目隠しをすれば――‥‥って、見えなきゃ助け様も無い!)
 激しい葛藤。それ以前に身体は麻痺して動かないのだが‥‥。
 結局見たいんですね。わかります。男の子だからしょうがない!

 ***

 暫くして、尾行班が追い付いた。
「だ、大丈夫なんでしょうか‥‥アレ‥‥」
 囮班があれやこれやされている様子を見てぼっと頬を赤くする翠。
 両手で目を覆うが、指の隙間からしっかりと、ばっちりと見ている‥‥!
 ――触手に弄られて悶えているほうは、かなり大丈夫ではない。
 侵入者に気付いた蟹キメラが迎撃に出てきた。戦闘開始。

 翠はしばし見とれていたが、我に返って、距離を取って知覚弓を引いて攻撃。
「‥‥っ。近づかれなければどうと言う事はありません」
 蟹キメラの鋏を回避――したが、床の粘液に足を取られて転倒してしまう。
「きゃあっ!?」
 その隙を逃すキメラではなかった。服を切り裂いた後、触手によって翠を捕らえる。
「んっ、だ、だめぇ‥‥」
 にゅるりんにゅるりんと翠の白い肌を触手が撫で回す。
「ふわぁ‥‥あぁぁ‥‥」
 ぬめった感触に翠は身体をもぞもぞさせた。

 一方で、雪乃も触手に捕まっていた。
「わ! コラ、ヤメロ! わあああああ!?」
 脚甲で蹴りを入れようとした際、翠と同じ様に粘液に足を取られバランスを崩し、ご覧の有様。
 服も切り裂かれて半裸状態となっていた。ぐりゅぐりゅと触手が敏感な所を責めて来る。
「ひゃあああ!! んあああ!! ‥‥あぁ‥‥んっ」
 艶っぽい嬌声が上がる。

 省は刀で戦闘を行っていたが服の胸の部分を蟹キメラに切り裂かれ、腕で隠しながら全力で逃げる。
「うわ!? 俺に変なコトするなぁぁぁ!!」
 ものすごく必死である。そこまで自分の女性らしい部分を見られたくないのだろうか‥‥。

 山田さんも服を切り裂かれ、触手によってシルクハットや鼻眼鏡も取り払われてしまう。
 変装が解かれてリコリスに戻った。だが‥‥リコリスは白い肌が露になっても特に気にしない。
「はう! よくもやったな〜っ! そして翠を放せ〜っ!」
 反撃。漫画肉でローパーを殴打。翠が解放される。

「はぁ‥‥はぁ‥‥。助かりました、リコ」
「いえいえ♪」
 リコリスは漫画肉をぶんぶん振り回しながらにっこりと微笑む。
「では――」
 翠は息を吸い込み、【ひまわりの唄】を歌う。
 全員が麻痺から回復。――反撃、開始。

「がぅぅぅ‥‥この恨み、晴らさでおくべきか‥‥!」
 咲江は超機械の電磁波で蟹キメラに攻撃。

「自慢のお肉の一撃を喰らえ〜♪」
 リコリスは再び漫画肉を乱舞。

「ああっ! 勿体ねー!!」
 省はボコられていく蟹キメラを遠くから見て、何やら叫んでいる。
(あの蟹美味そう‥‥何人前かなぁ‥‥)
 ちゃんと食べられるかどうか、原型を留めているか心配だったらしい。

 漫画肉を振り被り、強烈な打撃!
「蟹よ〜っ! 食材になれ〜っ!!」
 リコリスが蟹キメラをノックアウト。ほどなくキメラは全滅した。

 ***

「美音は、普段はこんな子じゃない‥‥ぁぁ」
 我に返った美音は乱れてしまった自分に激しく後悔。
 ローパーの粘液の所為でアレな気分になっていたとは言え‥‥。

 雪乃はぷるぷると震え、十夜にすがり付いている。
「怖かった‥‥怖かった‥‥」
「もう大丈夫‥‥だ‥‥」
 十夜はぎこちなく、その細い肩を抱いてやる。
「俺の恥ずかしい所ばっかり見て‥‥。責任、取って貰うからな‥‥」
(責任‥‥!?)
 驚愕の表情を浮かべる十夜。『責任』という言葉にショックを受けた様だ。

●蟹三昧!(イソギンチャクもあるよ!)
 洞窟から帰還した傭兵達とイカル。
 戦利品の蟹キメラ(とローパー)の残骸を捌き、焼く等して食べる事にした。
 村からバーベキューセットを借り、海辺で勝利の宴を行う。

 仁奈は焼き蟹(キメラ)を食べながらイカルと話す。
「アレやね、これからは最初からイカルくんが依頼を出して一緒に来てくれるコを募るんがええかと」
「すみません‥‥僕、珍しい植物を前にすると何も見えなくなってしまって‥‥」
 イカルはしょんぼりして肩を落としている。
「最初から皆で‥‥なんて♪ うふふ♪」
 妖艶な笑みを浮かべる仁奈。イカルは思わずドキッとした。

「酷い目に遭ったけど、食べられるのは良い所?」
 咲江は美音と一緒に焼き蟹を食べる。
「がぅ、美音、御代わり要るなら持ってくるよ」
「ありがとうございます。美味しいですね。ん? ほっぺに付いてますよ」
 咲江の頬に付いた蟹肉を取り、自分の口に運んで、美音は微笑んだ。

 翠は海辺に放置された丸太に、リコリスと並んで座っている。
「はぁ‥‥酷い目に遭いました」
 溜息を吐きつつ、焼けた蟹キメラの足にパクつく。
「あっ‥‥美味しい‥‥」
「すごく美味しいですよね〜っ!」
 リコリスは翠の隣で焼き蟹をもしゃもしゃ食べている。

 雪乃は‥‥十夜にぴったりくっ付いていた。
(責任‥‥この場合の責任って‥‥。そもそも、この状況はなんだろう‥‥)
 女性に免疫がない十夜は心臓がバクバク。鼓動が自分でも聞こえそうなくらい。
「これ‥‥唐揚げ‥‥」
 ふと、雪乃が何やら皿を差し出してきた。
「えっ‥‥?」
「イソギンチャクの唐揚げ‥‥さっき作った。珍味なんだ。美味いぞ。ほら、あ〜んして?」
「そ、そうなんだ。あ、あ〜ん‥‥」
 反射的に口を開き、もぐもぐと咀嚼。
「どうだ?」
「う、うん。不思議な食感だな‥‥」
「俺にも‥‥あ〜んして‥‥欲しい‥‥な」
 2人のイチャラブは暫く続いたと言う。

 省はイカルが1人で居る所に近づき、話しかける。
「よ、あんたの話は聞いてるぜ、前もここで酷い目にあったとか‥‥。
 懲りてねえって事はあんたまさか‥‥?」
「そ、そんな事は‥‥!!」
「いっひっひ、冗談冗談。悪かったよ‥‥にしてもホント、男に見えねえな‥‥」
 悪戯っぽい笑みを浮かべた後、省はイカルの顔を舐める様に見る。
「‥‥なあ‥‥あんた女装、とか興味ねえか‥‥?」
「はっ‥‥?」
「あんたも今までそのナリで男だから苦労してる事があると思うんだ‥‥。
 ならいっそ吹っ切れた方が‥‥!」
 どこからか女物のピンクと白でフリフリな衣装を取り出した省がじりじりとイカルに迫る‥‥。
 それはまるで獲物を前にした狼‥‥。
「えっ‥‥? あの‥‥何を‥‥? や、やめてぇ‥‥!」
 イカルは涙目でぷるぷると震える。そして――

 ――乙女としか思えない悲鳴が、南国の夜空に響いたのだった。