●リプレイ本文
●それぞれの胸中
チューレ基地跡へ向かうKVが16機――。
「残党狩りね‥‥それじゃあ‥‥行こうか」
漸 王零(
ga2930)の機体は雷電改2『アンラ・マンユ』。
「要は、はぐれワームか。確かに放って置く訳には行かないな‥‥」
ゲシュペンスト(
ga5579)の機体はリッジウェイ改『Gustav【グスタフ】』。
「頑張ろうか、シロ」
コクピットにて、愛機のコンソールを優しく撫でる鐘依 透(
ga6282)。
彼の機体はミカガミB型『代鏡(シロカガミ)』。
「なんっちゅーか、妙な依頼やねぇ? 歩合制??」
首を傾げるカーラ・ルデリア(
ga7022)。
「まっ、それじゃせいぜい稼がせてもらうよん。にゃは☆」
彼女の機体はイビルアイズ改『デスエンジェル』。
「ふふー♪ 智覇さん達と勝負なのだ♪ ドゥさん、あっちに負けないよう頑張ろう♪」
今回ペア行動を取るドゥ・ヤフーリヴァ(
gc4751)へ通信を送る香坂・光(
ga8414)。
彼女の機体はペインブラッド。
「掃討戦、という奴ですか‥‥」
ふむ、と斑鳩・八雲(
ga8672)はあごに手を当てる。
彼の機体はディアブロ。
「そういえば、智覇さんがKVに乗っているのを見るのは初めてですね。あまり乗らないのですか?」
八雲が通信を送る。智覇からは「基本は生身です」とだけ返って来た。
「‥‥いかに敵が弱っているとは言え、狩り気分じゃいつ足下をすくわれるか判ったモノじゃないしな」
Anbar(
ga9009)の機体はシラヌイ改『アルタイル』。
「ここは2機連携で確実に仕留めていこうぜ。頼りにしているぜ、相棒!」
僚機へ通信。
「シラヌイドライバーの1人として、同じシラヌイ乗りのあんたには負けないぜ、智覇さん」
そして智覇に、その様な通信を送る。「こちらも負けません」との返答。
「報酬の争奪戦みたいな感じになるのかしらねー。ま、気合入れていきましょうか」
フローラ・シュトリエ(
gb6204)の機体はディアマントシュタオプ『Schnee』。
「報酬に興味は無いな‥‥黒椿単機でどれだけ切り崩せるかが見たいだけさ」
不破 霞(
gb8820)の機体はディアマントシュタオプ『黒椿』。
(さて‥‥残党狩りみたいでいい気はしませんけど‥‥)
エイミ・シーン(
gb9420)の機体はサイファー『First Color(初めの色)』。
「今回は一緒に行動しようと思いますので、よろしくお願いしますの」
智覇のシラヌイ改に並んだアンジェリカ『ドライアド』に乗る来栖・繭華(
gc0021)が言った。
「了解です、繭華さん」
友人の言葉に、親しげに答える智覇。
「確かに敵の数は多いですけど‥‥なんか気に入らないです」
Anbarとペアを組むヨダカ(
gc2990)は不満そうな様子。
機体はペインブラッド『ナハトファルケン』。
(最近なんだか内ゲバを煽られてる様な気がするのは気のせいです?)
少なくとも依頼主にその様な思惑は無い。
(お金なんて日々の糧を得られるだけあれば十分で、戦う理由なんて憎悪だけで事足りるのですよ!)
ヨダカはきゅっと口元を引き締める。
「報酬はスコア次第ですか、腕が鳴りますね」
ヨハン・クルーゲ(
gc3635)の機体はオウガ『Blaue Vision』。
(‥‥本音を言うならこう言う依頼が来るのを心の端で待っていた)
光からの通信を聞きながらドゥは思う。
(‥‥傭兵としてなんていうのは柄じゃないけど、僕なりにある人の想いを継ぎたい。その為に)
彼の機体はスカイセイバー『ウォード・インペラトゥーレ』。
「仕方ないわね。援護射撃に徹してみるわ」
報酬関係で少々ギクシャクしている仲間を見ていたルティシア(
gc7178)が呟く。
彼女の機体はスカイセイバー『ルーテシア』。
‥‥まもなくチューレ基地跡へ到着。戦闘が開始される。
●掃討戦1
傭兵達は単機やペアに分かれて行動を開始。
王零機――。
超伝導アクチュエータVer.3とブーストを使用。
レーダーにて索敵。――HWらしき物を2機確認。
「いけっ‥‥!」
王零はその座標にM−181大型榴弾砲を2度発射。爆炎が立ち上る。
距離があるので効果の程は確認出来ない。
「誓約の名の元に‥‥漸王零‥‥推して参る」
一気に前進。試作型『スラスターライフル』で射撃しつつ敵との距離を詰める。
砲弾に貫かれ、先程の榴弾砲でダメージを受けていたHW1機が爆発した。
「まずは1機!」
王零は機体をもう1機のHWへ向ける。突進。
ジャイレイトフィアーでの猛烈な連続突き。
その後に機杭『エグツ・タルディ』を下段から叩き込み、打ち上げた。
HWは爆発。2機目撃破。敵の反撃を許さぬ、あっという間の出来事だった。
***
八雲機――。
「さてディアブロ、今日は楽をさせてやれそうですよ」
索敵しつつ単独行動中。
「‥‥というと、強敵が出てきてしまいますかねぇ」
大小の岩や氷が散乱しており、視界が良いとは言えない。
暫くして――レーダーに反応。
「‥‥!」
前方の岩陰に人型が見えた。剣を振り上げている。――ゴーレムだ!
八雲機はその斬撃をライト・ディフェンダーで受け流す。
「お返しです」
レッグドリルで敵の装甲を削った後、試作型『スラスターライフル』で牽制射撃。
一旦距離を取る。剣を構えて相対する2機。先に動いたのは八雲機。
アグレッシブ・フォース使用。ライト・ディフェンダーを振り上げる。
「伊達や酔狂だけで、翼を刃にしている訳ではありません」
――だがそれはフェイントだった。すれ違い様にソードウィングで斬撃。
装甲を深々と切り裂かれたゴーレムは小爆発を起こして沈黙した。
***
フローラ機――。
「今この機体でどれだけやれるか、試させてもらうわよー」
こちらも索敵しつつ単独行動。
レーダーに反応。敵はHW2機。まだこちらには気づいていない様子。
「HBフォルム」
プラズマライフルで射撃しつつ、機動力を生かして一気に距離を詰める。
この間にプラズマ弾に貫かれたHW1機が黒煙を上げて沈黙。
「単独で動く以上、無理はできない‥‥けど、この程度なら」
練機刀『白桜舞』を抜き、一閃。――機体を真っ二つに断ち切られたもう1機のHWは爆発。
「‥‥ふう。上出来、かしらね」
爆発を背に、フローラ機は練機刀『白桜舞』を収めた。
***
ゲシュペンスト機と透機はペアで行動中――。
「それじゃ後ろはよろしく。当てにしてるぜ」
「了解です」
透はゲシュペンストからの通信に答える。
「思ってたよりも遮蔽物が多く視界も良くは無い‥‥か。こりゃ、気を引き締めて行かないとな」
モニターに移る風景を眺めながらゲシュペンストが呟いた。その時。
「ゲシュペンストさん!」
透が叫ぶ。レーダーに反応。
「こちらでも確認した!」
敵はHW4機。プロトン砲の先制攻撃。4条の光線が走る。
透機は回避運動。ゲシュペンスト機は盾で防ぐ。
「やってくれたな。邪魔はさせませんよっ‥‥とぉ!!」
47mm対空機関砲『ツングースカ』で弾幕を張るゲシュペンスト機。
その隙に乗じて透機がブーストを使用し前へ出る。
LRM−1マシンガンでの射撃の後、接近仕様マニューバを使用。
「マニューバ――ゴッドブレイド」
真デアボリングコレダーでの打撃。続いて機体内蔵『雪村』で斬り付ける!
HW1機を撃破。その背後からゲシュペンスト機が飛び出し――
「究極! グスタフキィィィック!!」
跳躍からのレッグドリルでの蹴りを別のHWに叩き込んだ。
●掃討戦2
エイミ機――。
既にゴーレム1機と交戦中。
フィールド・コーティングを使用。試作型『スラスターライフル』を連射し敵の足を止める。
その隙に接近。飛んできたプロトン砲の光条はFコーティングによって弾かれた。
懐へ飛び込み、バーニングナックルでの打撃を見舞う。
「たまには‥‥熱くいきましょうか!」
衝撃により軽く後退させられるゴーレム。
「まだまだぁぁぁぁぁっ!!」
至近距離から試作型『スラスターライフル』で射撃しつつ、尚もバーニングナックルによる打撃。
懸命に剣を振るおうとするゴーレムであったが動きを阻害され、攻撃を受けるのみ。
「これで終わりだぁぁぁ!!」
バーニングナックルで思い切りゴーレムを殴り飛ばす。
尻餅をついたゴーレムに対し試作型『スラスターライフル』の集中砲火を加える。
打撃によりベコベコになっていた装甲を穴だらけにされたゴーレムは爆発四散した。
***
ヨハン機――。
「さて、少々お付き合い願いましょうか」
こちらもゴーレム1機と遭遇。戦闘状態となる。
PCB−01ガトリング砲の砲弾をばら撒き、挑発する。
挑発に乗ったゴーレムは盾と剣を構え、突撃してきた。
それを確認するとヨハンは兵装をレーザーカノンに切り替え、照射。
盾を前に出して防ぐゴーレム。
(そこだ‥‥!)
ゴーレムの盾に向けてスパークワイヤーを伸ばすヨハン機。
ヨハンはスパークワイヤーを盾に絡ませ、動きを止める事を狙ったのだが‥‥
スパークワイヤーには巻き付く程の弾性は無かった。多少ダメージを与えたのみ。
「何っ!?」
ゴーレムはそのまま突っ込んで来る。剣による斬撃。続いてプロトン砲が発射される。
「うわぁぁぁ!?」
装甲に斬痕を刻まれ、高熱により表面が融解し、大ダメージを受けてしまう。
「くっ‥‥」
一旦離れ、機体に練鎌『リビティナ』を構えさせるヨハンであった‥‥。
***
ルティシア機――。
「ここからといい感じね」
遠距離からスナイパーライフルD−02による狙撃。
彼女は味方を狙撃で援護して回っていた。
「――見つけた」
ふらふらしているHWを発見。ロックオン。狙撃。
砲弾は命中し、装甲を貫いた。狙撃手に気付いたHWはこちらへ急接近。
近接戦用アームを持ち上げて襲い来る敵に対し、90mm連装機関砲で弾幕を張る。
「あら、残念ね。私‥‥近接格闘の方が得意なのよ」
エアロダンサーとアグレッシブトルネードを使用。
SAMURAIランスによる連続突きを繰り出し、HWを撃破した。
***
ペアを組んで行動中のAnbar機とヨダカ機――。
「敵機発見、12時の方向なのです」
ヨダカ機からの通信。
「了解。視認した。‥‥数はゴーレム1、HW2。俺が前に出る。ヨダカ、援護を頼んだ」
「分かりました!」
試作型『スラスターライフル』で射撃しつつ、ヨダカ機を隠す様に前へ出るAnbar機。
敵の方はHWのプロトン砲の支援を受け、ゴーレムが突出。
「当たるかよ」
Anbar機は超伝導アクチュエータVer.2を使用。回避運動。
ヨダカ機は十式高性能長距離バルカンで牽制。
「レーザー発射なのです」
Anbar機がゴーレムとの近接戦に移行するとヨダカ機は兵装を切り替え。
レーザーライフルとレーザーカノンを照射。HWを誘導する。
(敵が射程内に入った。いける‥‥)
「Anbarさん!」
「了解した!」
Anbar機の後退を確認すると、ヨダカ機はブラックハーツを使用。
「フフフ‥‥ブラックハーツ・クラスター! 発射!」
悪い笑みを浮かべたヨダカがポチっとな。
フォトニック・クラスターを敵部隊に向けて照射。大ダメージを与える。
「よし、一気に畳み掛ける」
動きの鈍った敵に向けて、Anbar機は試作型『スラスターライフル』を連射した。
●掃討戦3
カーラ機――。
「あはっ、無駄だよん。明後日の方向に無駄弾ばら撒いて御苦労様〜」
ゴーレム1機と戦闘中。連続で放たれるプロトン砲。しかしカーラ機を捉える事は無い。
カーラ機はロックオンキャンセラーとスモークを併用し、敵をかく乱していた。
「そいじゃ、消えてもらおっかな? ばいば〜い」
煙に紛れ、敵の背後から現れると機鎌『クレスケンス・ルナ』を振り被る。
――金属が切り裂かれる音と共に盾を保持するゴーレムの左腕が落ちた。
ゴーレムは剣を振るうが、カーラ機は既に姿を消していた。
――再び斬撃音。今度は剣ごとゴーレムの右腕が落ちる。続いて肩口から袈裟斬り。
装甲を大きく斬り裂かれたゴーレムは火花を散らして地に伏した。
「この死天使の鎌から逃れられると思ったの?」
***
霞機――。
(‥‥っ!)
EBシステムを使用。遠距離からプラズマライフルでHWを射抜き、撃破。
「‥‥譲られたものに何の意味がある。それにな‥‥手負いこそ真に恐ろしいものと知れ」
その様に言い捨てる霞。敵機を探し、その場を後にする。
「‥‥!?」
警告音。後方からフェザー砲が飛んで来る。回避運動を取るが間に合わない。衝撃。
確認すると岩陰から2機のHWがこちらを狙っていた。
「不意打ちだと‥‥?」
霞は悔しげに機体をHWへ向ける。プラズマライフルを連射。
数発命中するが致命傷には至らない。
2機のHWは霞機を挟み撃ちしてきた。プロトン砲が連続で飛んで来る。
霞機はHBフォルムを使用。回避運動。
射線を外し、誤射を狙ったがHWも常に動いている為、成功せず。
「くっ‥‥」
周りをくるくると回りながらフェザー砲を浴びせて来る2機のHW。
霞は苦戦を強いられた‥‥。
***
ペアを組んで行動中の光機とドゥ機――。
「敵機体発見♪ それじゃあ、れっつごー! なのだ♪」
機体を前進させる光。それに続くドゥ機。
「敵はHW4機かーちょっと多いね。連携していこう」
「了解です」
盾を構えつつレーザーライフルで射撃する光機。
強化型ショルダーキャノンとスナイパーライフルRで砲撃するドゥ機。
適度にダメージを与える、敵を固める様に誘導すると――
「固まったらあたしの餌食になっちゃうんだぞ♪」
光機はブラックハーツを使用。
「褌の力を借りて、必殺! フォトニック・クラスター! いっけー!」
高熱量のフラッシュを浴びせる。敵機は大ダメージ。
光機は追撃とばかりに接近しソードウィングで斬り付ける。
「あたしの翼で切り裂かれるのだ♪ ん、ドゥさん今がチャンスだよ!」
「わ、分かりました!」
Sライフルをリロードし、損傷したHWをロックオンするドゥ。
トリガーを引こうとしたその時。HWはどこからか飛来したプラズマ弾によって撃破された。
「‥‥あれ?」
***
繭華機と智覇機もペアを組んで行動中――。
「にゅ、援護射撃は任せて下さいですの」
「ええ、頼りにしています」
などと通信していると‥‥
「にゅ、敵さんの反応がありましたの」
「了解。敵機補足。攻撃開始」
ガトリング砲で弾幕を張った後、2本の機刀を抜いて突っ込んで行く智覇機。
「智覇お姉ちゃんの背中は繭華が守りますの」
後方からプラズマライフルで一生懸命智覇を援護する繭華であった。
***
数時間程で敵の殲滅は完了。任務を終えた傭兵達は基地へ帰投する。
繭華に誘われ、カーラと光と智覇は一緒にシャワーを浴びて汗を流す事になった。
‥‥シャワー室から出て来た光と智覇は、何故かどんよりしていたそうな。