タイトル:その温泉、侵略マスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2011/02/14 11:52

●オープニング本文


 阿蘇山のふもとにひっそりと軒を構える『湯万寿』という名の温泉宿。
 ここは一部の者のみに知られている秘湯である――。

 その温泉宿自慢の露天風呂。
 一組のOLがお湯を楽しもうと、脱衣場から風呂場の戸をがらりと開いた。
 1人はショートカットの髪に切れ長の瞳‥‥綺麗系の美人。
 もう1人はセミロングの髪でややたれ目、ふわふわとした可愛い系の美人。
 ショートカットの女性がくんくんと匂いを嗅ぎ、口を開く。
「ねえ、なんだか磯臭くない?」
「そうかな? 気のせいじゃないー?」
 首をかしげるセミロングの女性。
「ならいいけど」
 2人は足を進める。すると――
「ゲソゲソゲソ」
 岩陰から巨大な烏賊らしき生き物が出現! しかも複数!
「「きゃーーーっ!!?」」
 悲鳴。烏賊の化け物達は触手を伸ばし、2人を絡め取ってしまった!
「いやぁぁぁ! 烏賊臭いぃぃ」
「にゅるにゅるするよぉ‥‥!」
 烏賊の化け物達にあんなことやそんなことをされ、声を上げるOL2名。
 そこへ――数度煌く光。斬撃音。
 OL2名を束縛していた触手がスッパリと斬り落とされた。
「大丈夫ですか?」
 落ち着いた、凛としつつも優しさの感じられる若い女性の声。
 2人が顔を上げると、モデル並のスレンダーなボディをした長身の少女が短剣を構えて立っていた。
「智覇さん‥‥」
「ありがとう‥‥また助けてくれたんだね‥‥」
 少女の名は――智覇。ダークファイターの智覇。灰色の髪のキメラハンター。
 湯万寿の常連である智覇はOL達と顔見知りであった。
「いえ、それよりも早く逃げてください。ここは私が」
 OL達は頷き、脱衣場へと退避。智覇はOL達を庇うように、短剣を構え直す。
(また、キメラ‥‥)
 休暇のつもりで来てみれば‥‥。そのように考えながらキメラへと躍りかかる。
 斬撃。またボタリと触手が落ちる。が、しかし――
「なっ‥‥」
 先ほどOL達を救出した際に斬り落としたはずの触手が‥‥再生している?!
 それに敵は複数。その場を不利と判断した智覇は迫る触手を切り払いつつ、脱衣場へと退却した。
 ぴしゃりと扉を閉め、一息つく。
「‥‥ふう」
「ぶはー!?」
 偶然居合わせる男性客。湯万寿の温泉は混浴風呂1つのみ。
 気付けば、激しい動きをしたせいで巻いていたタオルが取れてしまっているではないか‥‥!
「見ましたね‥‥?」
 両手で慎ましい胸と大事なところを隠しつつ、智覇は短剣を光らせた――。

「というわけです」
 智覇は座敷でお茶を啜りながら、風呂場で起こった出来事を女将に報告した。
「しばらく出ないと思ったら‥‥」
 しくしくと涙を流す女将。このところ出ないので安心していたのに‥‥!
 湯万寿には断続的に変なキメラが出現している。原因は不明。
「‥‥」
 智覇の顔をチラッと見る女将。智覇はぷいっと顔を逸らす。
 現在彼女は休暇中。仕事とプライベートをきっちり分けるタイプなのだ。
「はあ‥‥ではいつも通りにしましょう‥‥」
 女将は涙を流しつつ、古めかしい黒電話の受話器を手に取った。

●参加者一覧

鳴神 伊織(ga0421
22歳・♀・AA
遠石 一千風(ga3970
23歳・♀・PN
香坂・光(ga8414
14歳・♀・DF
白銀 楓(gb1539
17歳・♀・HD
六道 菜々美(gb1551
16歳・♀・HD
二条 更紗(gb1862
17歳・♀・HD
如月・菫(gb1886
18歳・♀・HD
エレミア・エグゼニミル(gc6672
28歳・♀・HA

●リプレイ本文

●湯万寿へいらっしゃーい
 温泉を侵略しているキメラを退治しにやって来た能力者達――。
「‥‥キメラも温泉に入るのですね。いつまでも放っておいたら迷惑ですし、早く片付ける事にしますか‥‥」
 凛とした雰囲気の和服美人、鳴神 伊織(ga0421)が言った。
 そして彼女は座敷でお茶を啜っている長身の少女に挨拶。
「こんにちは、智覇さん。始祖鳥キメラ退治以来ですね」
「お久しぶりです。あの時はお世話になりました」
 長身の少女――智覇はぺこりとお辞儀を返してきた。
「ぬるぬるうねうねの触手‥‥嫌な相手ね‥‥。でも依頼を受けた以上、露天風呂は取り戻さないと」
 少し近寄りがたい程の美貌を持つ女性、遠石 一千風(ga3970)。
 彼女は触手の類に苦手意識を持っており、それを払拭したいと思っていた。
「女将さん、なんていうか毎回毎回大変だねー」
 香坂・光(ga8414)は湯万寿の女将の肩に手をぽむと置く。
 女将は「お気遣い感謝します‥‥」と弱弱しい声で言った。
「智覇さんがいつも良いタイミングで居てくれるのは不幸中の幸いかもだけど」
 ちらりと智覇の顔を見る光。視線に気付いた智覇はぷいと顔を逸らした。
「巨大なイカですか‥‥如何にも侵略者といった感じですね!」
 元気な美少女、メイプル・プラティナム(gb1539)はぐっと拳を握る。
「キメラは食べられるんでしょうか? とりあえず包丁持ってきましたけどー」
 手に持った鬼包丁がギラリと光る。今は危ないので仕舞って下さい。
「今度はイカさん、ですか‥‥」
 大人しそうな美少女、六道 菜々美(gb1551)は嫌な予感を覚えた。
 過去の依頼で色々されてしまった事を想起する‥‥。
(また、恥ずかしい目に‥‥?)
 嫌だなぁ、と思いつつも心の奥では何だか変な気持ちもあった。ドキドキする。
「この温泉もよく意味不明キメラに襲われますねぇ」
 やれやれと首を横に振る二条 更紗(gb1862)。
「敵は懲りもせず触手が武器な烏賊ですか、このキメラ作ってるバグアは相当にえっちぃんでしょうね。むっつりじゃなくてオープン助平です、ちょっと顔を見てみたい気もしますね」
 この温泉を襲うキメラに関しては一切不明である!
(温泉にただで行けると聞いて! てか、烏賊キメラってことは食べられるかもしれないんだよなー。どうでも良いけど。ま、そんなに強くないだろうし)
 『温泉』という言葉に釣られて来たらしい如月・菫(gb1886)。
 彼女は楽観視しているようだが‥‥さて‥‥。
「なんともおいしそ‥‥じゃなくてぇ、けしからんキメラが出たみたいですねぇ〜。これは是非堪能‥‥ではなく、退治しませんとぉ〜」
 おっとりした口調でエレミア・エグゼニミル(gc6672)は少し危ない事を口走っている。

 そうして能力者ご一行は脱衣場へ移動する。智覇は「健闘を祈ります」と手を振った。

●VS烏賊キメラ1
 今回の敵はぬるぬる系のキメラ! という訳で水着の着用が許可されている。
 一行は早速お着替えを開始。
「個人的には別に裸でも問題はありませんが、TPOは流石に弁える必要がありますからね」
 持参した黒のビキニに着替える伊織。
「‥‥私の裸1つで騒ぐほど、男性の方は欲求不満なのかと言いたくなりますが」
 いや、なんというか‥‥伊織ほどの美人の裸体を見たら健康的な成人男性であれば普通は大変な事になってしまうだろう‥‥。

 一千風はスポーティなラインの入った黒のワンピースの水着。
 豊満な肢体、ボディラインがはっきりと伺える。
(‥‥)
 これから水着一枚で戦闘をしなければならないと思うと不安を感じてしまう‥‥。
 しかも相手がアレでは――。

「うん、恥ずかしいけど‥‥女の人ばっかりだし、まあ問題ないよね♪」
 光は露出の多い、最低限の部分しか隠していない白の水着。
 健康的な小麦色の肌に白が映える。

「あぅ‥‥これ、動いたら見えちゃいそうで恥ずかしいですー‥‥」
 メイプルはきわどい三角ビキニ。今にもこぼれちゃいそうです!

(キツイかも‥‥少し、太ったかなぁ‥‥?)
 菜々美は昔部活で使っていた競泳水着を着用。
 しかしサイズが微妙に合っておらず、ぴっちぴち。危険だ!
「ん、しょっと‥‥」
 菜々美は地味にショックを受けつつ、胸や裾をちょいちょいと直す。
 この仕草には「キター!」と叫ばざるを得ない。

「烏賊はサックと倒して温泉を堪能しましょう」
 更紗は旧タイプの濃紺のスクール水着。
 平坦な胸を最大限に生かしていると言えよう。

「んー、一応準備運動しとくかー」
 菫は青の競泳水着を着用。
 ただし菜々美と違って別に水泳部という訳ではなく、れっきとした帰宅部であった。

「この程よい締め付けが堪りませんねぇ〜」
 エレミアは適正よりサイズ小さめの、旧タイプの濃紺のスクール水着。
 『3−A えれみあ』と書かれた名札付き。
 着ているものは同じだが体型的に更紗とは真逆だ。
 そして菜々美がぴちぴちならばこちらはぱつんぱつんである。

 さて、これから風呂場へ突入するのだが――
「えっと‥‥誰が最初に入ります?」
 毎回最初に入った者が一番先に捕まる為、メイプルは警戒。
「っ‥‥私が行きますっ!」
 菜々美が名乗りを上げた。思い切り扉を開け放つ! すると――
「きゃあああ!!」
 悲鳴。菜々美は触手に絡め取られてしまった。
 やはり待ち伏せされていたようだ‥‥。
「菜々美さん! 今助けますっ!」
「‥‥い、今助けるわ!」
 メイプルと一千風が突入。一千風はどこかびくびくしている。
「このまま一気に‥‥って、うひゃあっ!?」
「!?」
 床を覆っている粘液に足を取られ、メイプルが転倒。
 巻き込まれて一千風も転倒。その隙に捕まってしまう2人。

「‥‥! そう簡単には!」
 更紗は槍をプロペラの如く回転させ防御しながら烏賊キメラに接近。
 だがやはり無数の触手に巻きつかれ、拘束されてしまう。

「よし、速攻で終らせるのです!」
 ちょっとおかしな丁寧語を使いつつ菫が吶喊。
 スキルを使用。刀での強力な斬撃を烏賊キメラに放つ。
 ――1体を撃破。菫は練力を使い果たし、覚醒が解除される。
 後先考えない捨て身の攻撃‥‥当然その直後、別の烏賊キメラの触手に捕まった。

「ふ、今回はなるべく捕まらないよう頑張るのだ♪」
「わぁ〜い♪ 触手さ〜ん♪」
 光はエレミアと一緒に踏み出すが、エレミアは自分から触手に捕まりに行ってしまった。
「えぇ?!」
 相方を失った光。余所見した隙に捕まる。

「くっ‥‥まだ!」
 槍で触手を斬り飛ばし、何とか脱出した更紗。
 水着は脱がされてしまっており、全身粘液でぬるぬる状態。
 ただし彼女は覚醒中、羞恥心が無くなるため恥じらいなども無い。
「美味しく調理してやるから大人しく刻まれろ!」
 全てのスキルを使用。怒りに任せた必殺の一撃を繰り出す。
 ――烏賊キメラ1体が串刺しとなった。
 菫と同様に練力を使い果たした更紗は覚醒解除。‥‥再び触手に捕まってしまう。

「‥‥これはまずいですね」
 伊織の頬に汗が伝う。彼女は戦闘開始からずっと刀で触手を切り払い続けていた。
 しかし残るは彼女1人。やはり多勢に無勢で‥‥まもなく捕まってしまった‥‥。

●VS烏賊キメラ2
 触手に捕まり、弄ばれる乙女達――。
「うわぁぁぁ、やめろぉぉぉ」
 にゅるりんにゅるりんと身体中を這い回る触手に悶える菫。
 作っていた丁寧語も崩れ、すっかり素の口調に戻っている。
 練力を使い切ってしまったため、されるがままである。

「くぅっ‥‥」
 同じく練力切れの更紗。菫と同じ様にされるがまま。
 背中などを触手に刺激され、凄くくすぐったそうな様子。
(むずむず‥‥する‥‥)
 徐々に頬が赤らみ、息が荒くなる――。

「やぁっ‥‥ぬめぬめして気持ち悪‥‥むぐっ!?」
 触手に四肢を拘束されて身動きが取れないメイプル。
 口内に太くて硬い触手が侵入してきた。
「ぷあっ‥‥うぇ‥‥口の中までぬめぬめが‥‥げほっげほっ!」
 生臭い粘液が口内を満たす。メイプルは思わず吐き出し、咳き込んだ。

「離してぇ‥‥!」
 メイプルと同じく四肢に触手が巻きつき、拘束されている菜々美。
 ぴちぴちの競泳水着の隙間から、無理矢理触手が中に侵入してくる。
 触手は水着の下から身体中を撫で回した後、するすると水着を脱がせた。
 生まれたままの姿になる菜々美‥‥。顔も真っ赤になる。
「は、恥ずかしい、のにぃ‥‥っ」
(どうして‥‥身体、熱く‥‥)
 恥ずかしさと共に、何故だか胸の奥が熱くなる。
(これは‥‥どういう‥‥こと‥‥?)
 続いて触手は直に責め立てて来た。
「やっ‥‥さ、触らない、でぇ‥‥」
 敏感な部分にぐりゅぐりゅと触手の集中攻撃!
「ひゃあんっ!? そ、そんなの、だめぇ‥‥!」
 菜々美の嬌声が上がる。

「やめなさい! ‥‥それは、や、やめてっ!」
 水着が脱がされそうになるのを、必死に抵抗する一千風。
 しかしそれも無駄であった。‥‥美しく整った裸体が露になる。
 触手はそれを汚すようににゅるにゅると這い回り、粘液を塗りたくってゆく。
「いやぁぁぁ‥‥」
 気持の悪い感触に一千風はか細い悲鳴を上げた。

「烏賊臭いのってぇ、何だかアレみたいでぇ、えっちな気分になっちゃいますよねぇ‥‥はふぅ♪」
 エレミアは触手を堪能中。豊満な胸や太腿に触手を挟んでいる。
 触手の先端を口に含み、分泌される粘液を美味しそうに飲み干す。
「この喉に絡む感じも、またぁ〜♪」
「結局こうなるのー!? あ、こら‥‥足離して!」
 エレミアの隣で捕まっている光。じたばたと暴れているが――
「ちょ、開くなー! どこ触ってるの!」
 両方の太腿に触手が巻きつき、大股開きにされてしまった。
 既に水着は脱がされている‥‥。
「光さんもぉ〜もっと身体と心を解放して楽しむべきですよぉ〜♪」
 エレミアは特に抵抗しなかったので手は拘束されておらず自由。
 両手で光の顔を引き寄せ、唇を唇で塞ぐ。
「んむぅ!? んんん!!」
 ほどなく光もとろんとした表情になった――。

「あぁぁ‥‥あぁぁ‥‥」
 触手に両腕両足を拘束され、宙に浮いた状態の菫。
 ぬるぬるの粘液で競泳水着がぴっちりと身体に張り付いている。
 彼女はかれこれ数十分ほど触手の責めを受け続けた結果‥‥
 もはや目の焦点が合っておらず、身体をぴくぴくとさせるのみ。

「はぁぁぁ‥‥んんっ‥‥ああんっ‥‥」
 更紗はというと、頬が紅潮し、艶っぽい表情となっていた。
 触手の感触を味わい、快楽に身を委ねている‥‥。

「‥‥っ」
 全身に触手が巻きつき、身動きの取れない伊織。
 触手による辱めを受けても尚、毅然とした態度を崩していない。
「‥‥んっ」
 だが――度重なる触手の責めで、伊織もまた、艶っぽい声を出してしまう。
(まだ‥‥この位では‥‥! キメラ如きに屈しては駄目‥‥!)
 再びキッと表情を引き締める伊織。業を煮やした(?)触手は強行手段に出る。
「!? そこは! ‥‥ぁ‥‥っ!!」
 風呂場にくぐもった声が響く。

「たっぷり堪能しました〜♪ そろそろですかね〜」
 エレミアは太腿にセットしておいた機械剣を抜き、足を拘束している触手を斬って脱出。
 他の触手も次々に切り裂き、皆を救出。

 解放されたメイプルと菜々美――。
「はあ‥‥はあ、はあ‥‥」
「‥‥っ、もう許しませんっ!」
 2人は暫く床に伏していたが、ゆっくりと立ち上がる。
「この温泉を守るため‥‥」
「護りたいものがある限り‥‥」
「「私達は――」」
 2人の美少女は声を合わせて叫ぶ。
「負けないっ!」
「負けませんッ!」
 メイプルと菜々美は不敗の黄金龍を使用。
「やあっ!!」
 菜々美は機械剣で攻撃の後、超機械からエネルギー弾を発射。
「豪快ぃっ! 白銀・十文字斬りぃぃっ!」
 メイプルは剣で十字の斬撃を繰り出す。
 ――2体の烏賊キメラが倒れた。

 最後の1体は――
「来なさい‥‥微塵切りにして差し上げます」
 口端から垂れる粘液を手で拭い、伊織が刀を構える。
 無数の触手が迫る‥‥! 伊織は踏み出し、刀を一閃。
 それは全てのスキルを使用した斬撃。――最後の烏賊キメラはバラバラに切り裂かれた。
「ふう‥‥全く」
 火照った頬に手を当てつつ、伊織は一息つくのだった。

●露天風呂とイカスミパスタ
 なんとかキメラを倒した一行は風呂場の清掃。
 メイプルはバトルモップで床を掃除しようとするが――粘液に足を滑らせて転倒。
「うぅー‥‥助けてくださいー‥‥」
 また全身ぬるぬるになって立ち上がれなくなってしまった。菜々美に救出される。
「このキメラ、料理したら美味しくならないかな?」
 光は烏賊キメラの残骸をせっせと回収。

 清掃を終えたら、いよいよ露天風呂を楽しむ!
「‥‥やはり温泉は良い物ですね」
 酷くぬるぬるになった身体を洗い清めた後、ゆったりとお湯に浸かる伊織。
 お湯を手ですくい、肩にかける。
(気持ちいい‥‥)
 ぽーっとした表情となる。

「‥‥」
 一千風もゆっくり温泉を楽しむ。
 身体を綺麗にした後、お湯に浸かって温まる。
 酷い目に遭ったが‥‥先の戦闘の事は忘れる事にする。それ位幸せな時間だ‥‥。

「はふー。仕事が終わった後の温泉は気持ちいいですー」
「はう‥‥」
 温泉に入ってゆっくりと疲れを癒すメイプルと菜々美。
 そこへ1つの影が忍び寄る――
「温泉にタオルはダメなんだぞっ♪」
 何者かが背後からメイプルのタオルを奪い取る。
 犯人は例によって光であった。
「そっちも♪」
 光は続いて菜々美のタオルを取ろうとするが――菜々美は自分から脱いだ。
「おぉ‥‥大胆なのだ‥‥」
 意外な出来事に目をぱちくりさせる光。
「‥‥」
 自分の行動に、菜々美はぽっと頬を染める。
「む、やっぱり凄く大きい! どうしてこんなに違うかな」
 その後、お湯にちゃぷんと入る光。
 メイプルとエレミアの胸と、自分の胸を見比べて凹む。
「あああの‥‥恥ずかしいのであんまり見ないでくださいー‥‥」
 恥ずかしそうに腕で胸を隠すメイプルだったが隠し切れていない。
「あらあら〜、光さんはお胸が好きなんですか〜?」
 エレミアは光を抱き寄せ、光の顔を自分の胸に埋めた。むにむに。

「っはー、やっぱ露天風呂は格別だなー」
「折角ですからマッサージをして差し上げます」
 気持ち良さそうに湯に浸かっている菫を更紗ががっちりと拘束。全身マッサージを開始。
「ちょっ、まっ‥‥あぁん!」
 触手の責めで敏感になっていた肌を刺激された菫はなんとも色っぽい声を上げた。

 お風呂上りの能力者達。
 光が回収した烏賊キメラの残骸で、湯万寿の女将がイカスミパスタを作ってくれた。
 皆は程よい塩加減に旨みたっぷりのイカスミパスタを美味しそうに食す。
「パスタうめぇ、ずずずずず」
 口の周りを真っ黒にしてパスタを啜る菫。何回もおかわりしたそうな。

 そんなこんなで大変な目に遭いつつも、依頼は無事終了となった。