●オープニング本文
前回のリプレイを見る 相川小隊駐屯基地。ブリーフィングルーム――。
「皆さん、前回の作戦、お疲れ様でした」
相川小隊の隊長、相川・俊一少尉が隊員達に向かって言う。
「‥‥」
しかし皆は無言。
前回の作戦‥‥キメラプラント乙8号攻略作戦は熾烈だった。
幸い死者こそ出なかったものの、負傷者が多数。
入院となり、一時的に戦線離脱を余儀なくされた隊員が数名。
これにまだ若い、少年少女の隊員達はショックを受けていた‥‥。
「皆、元気出そうぜ! 仲間が死んだわけじゃないんだ。またすぐに戻ってくる!」
第2分隊長、深森・達矢が声を上げる。
能力者の回復力は常人の比ではない。達矢の言葉に嘘は無かったが‥‥隊員達の表情は暗いまま。
やはり目の前で仲間が倒れていくのを見てしまった為だろう。
「ふむ‥‥。被害がこれだけで済んだのは里美さんや牧原さん‥‥第4分隊のおかげですね。
彼女らには感謝しなければなりませんよ。第1、第2、第3分隊の皆さん?
深森君の言うように、我々は仲間を失ったわけではない。ここで挫けてどうします」
俊一少尉は小隊全員に問いかける。
ちなみに第4分隊は技術、および医療を担当している。
「病院へ運ばれた方々に、命に別状はありません。安心して下さい」
第4分隊長、米谷・里美少尉は落ち着いた声で、励ますように皆へ声をかける。
「隊長の言う通り。仲間の命が助かったのは里美さんや‥‥蝶子、お前達のおかげだ。ありがとな」
達矢は幼馴染兼恋人の牧原・蝶子の手をぎゅっと握った。
「たっちゃん‥‥」
黒髪をポニーテールにした少女はぽっと頬を赤く染める。
「うむうむ。ワシらは何も失ってはおらん。元気を出せ!」
鍛え上げられた肉体を持つ老人、第3分隊長‥‥
竹中・宗司軍曹も怒鳴るのではなく、励ますように声を上げる。
そして俯いている少年少女の肩をバンバンと叩いていった。
***
隊長、各分隊長の励ましにより、隊員達の不安はいくらか解消された。
「さて、我々はここで足を止めるわけにはいきません。まだ成し遂げなければならない任務があります。
それは皆さんもご存知の通り、この九州の地に存在するキメラプラントを全て破壊すること。
――次の目標はキメラプラント乙6号。
‥‥正直に言いましょう。前回の作戦より困難な任務になります。覚悟して下さい。
困難ですが、やらねばならない。いえ、我々がやるのです。力無き人々に代わって。
皆さんもそうでしょう? そういう志を持って能力者に志願したはずです。私もその1人です」
俊一少尉はにこりと微笑んだ。
「それに、忘れないで下さい。我々と志を同じくする人達が居ることを」
俊一少尉の言葉が指すのは――傭兵の存在。
キメラプラント乙7号の攻略を担当するのは彼らである。
「また、全員で、生きて戻って来ましょうね。ここへ」
俊一少尉が言うと、隊員全員が表情を引き締め、敬礼した。
●リプレイ本文
●
相川小隊駐屯基地。
「最近は一緒に戦えないねー‥‥残念。とりあえず、今回もお互い気を付けて頑張ろうね♪」
出撃する相川小隊を見送る神崎・子虎(
ga0513)。
達矢は「傭兵の皆も気を付けてな」と言って部屋を出て行った。
「この前の作戦に引き続き、今回も相川小隊とは分担しての攻略作戦なんですね」
前回の作戦では、相川小隊にも少なくない被害が出たと耳にした。
達矢や蝶子達が今回も無事ならば良いが‥‥。
「‥‥っと、人の心配をしている場合じゃないですね。ボク達も気を付けないと」
ティリア=シルフィード(
gb4903)はぶんぶんと首を振る。
「ええ、一桁台のプラントですから気は抜けません」
ノエル・アレノア(
ga0237)がティリアの手を優しく握ってきた。2人は恋人同士。
「ありがとう、ノエルさん」
ティリアは微笑むがどこかぎこちない。
(あの芳賀教授の事だから‥‥きっとまた厄介な物を‥‥)
(教授のキメラ実験はなんとしても止めなくちゃならない)
相川小隊に負傷者が出たと聞き、その分もこちらで頑張らなければ。
と、遠石 一千風(
ga3970)は気を引き締める。
アンジェリナ・ルヴァン(
ga6940)は思考をめぐらす。
(これで5つ目のプラント‥‥。順調に進んでいるが、順調過ぎるのも懸念となる。
敵はこのまま黙ってプラントが壊滅に追い込まれるのを見ているのか? そうとは思えない。
尤も、今は目の前のプラントを潰すしか無い訳だが‥‥)
砕牙 九郎(
ga7366)は敵の情報を見てうんざり。
(全身刃物とか、勘弁して欲しいトコだが‥‥やるっきゃねぇか)
(いい加減負傷せずに済ませたい所だけど‥‥)
そう思う柿原 錬(
gb1931)。だが、今回の戦いも熾烈となるだろう。
「今回もどかーんとやりますよー」
ヨグ=ニグラス(
gb1949)は主兵装のエネルギーキャノンMk−IIをきゅっきゅと磨く。
「さて、今回も一桁台のプラントね 腕が鳴るわ」
冴城 アスカ(
gb4188)が気合を入れていると――
恋人の天原大地(
gb5927)が不意打ちでアスカに熱い口付けをする。
「んぅ!? んんん‥‥」
アスカは目を白黒させるも、すぐにうっとりとした表情になる。
唇を離す大地。
「馬鹿、皆見てるじゃない」
「‥‥続きはアトでな」
頬を赤くするアスカに、大地はふっと微笑んだ。
ほどなく傭兵達も出撃。軍用トラックで現場へ向かう。
●
キメラプラント乙7号付近。大きな岩陰に身を隠している傭兵達。
「ノエルン!」
「わわっ!?」
子虎が後ろからノエルに抱きついた。ノエルはびくっとなる。
「囮はすごく危険だからね‥‥無茶しないでね」
「ボク達が行くまで、無事で居て下さい」
ティリアも心配そうに言った。無論、合流してからが本番なのだが。
「わかりました。2人ともありがとう。それじゃ‥‥行きましょう」
ノエルを含めた囮班の4人が岩から飛び出して行った。
(ノエルン達が危険を冒して頑張ってくれるんだ‥‥僕だって‥‥!)
子虎は覚醒。髪が銀色に染まる。
***
正面から突撃し、注意を引く囮班――。
ノエルとアスカは【瞬天速】を使用。
ヨグはバイク形態のAU−KV『リンドヴルム』に騎乗。
「突撃の時間です。いきますよっ」
岩を遮蔽物として敵の弾幕を防ぎつつ正面から一気に接近。アンジェリナはそれに追随。
ヨグは対角線を描く様にAU−KVを走行させ、敵の攻撃を自分へ向ける。
ノエルとアスカは敵陣に突入。
エクリュの爪でブリットビートルに斬撃を加えるノエル。
弾幕を回避。避けられなかった砲弾はガンズトンファーで受けるアスカ。
敵の背後に回り込んで背中に飛び乗り、【急所突き】を使用。
貫通弾を装填したガンズトンファーを連射。
「さっさと沈んで頂戴、本命が居るんだから」
やや遅れたアンジェリナは刀・蝉時雨を抜く。
生体機関砲の砲身となっている角を切り落とし、ブリットビートルを次々と無力化。
***
敵の注意が囮班に向いた所で、迂回しつつ接近していた攻撃班が側面から攻撃を仕掛ける。
「今だ! 攻撃開始ー!」
子虎は大剣『カマエル』を振り上げ、ブリットビートルに上段からの一撃を加える。
一千風は【疾風脚】と【急所突き】を使用。
「一気に攻める!」
直刀・神斬でハイブリッドバグズB型を斬り付ける。
九郎はB型とブリットビートルの連携を崩すべく、アラスカ454で銃撃。
AU−KV『アスタロト』を装着した錬。
騎龍突撃を使おうとするが既に乱戦状態にあり、味方を巻き込む可能性があるので断念。
エネルギーガンを構え、連射しつつ接近。
機械剣『莫邪宝剣』に持ち替え、レーザーブレードでブリットビートルの甲殻を切り裂く。
ティリアはブリットビートルの対応として動く。
正面に立たない様にして側面や後方に回り込み、甲殻の隙間へ二刀小太刀『永劫回帰』を突き刺す。
大地はB型へ【ソニックブーム】を放った後、踏み込み、刀・蛍火にて突きを繰り出す。
「――散りな」
B型はその攻撃を甲殻の分厚い部分で受け止めた。反撃。両手の甲から生える剣にて突き。
大地は咄嗟に身を逸らしたが鋭い突きは彼の纏う鎧を貫き、生身にまで食い込む。
「がはぁっ‥‥!?」
吐血。
AU−KVを装着したヨグはエネルギーキャノンMk−IIで支援砲撃を開始。
大地に追撃を与えようとするB型に光条を飛ばす。
「援護しますっ。あの人型はやばそうですっ。早くやっちゃわないとー!」
「了解した」
アンジェリナは交戦中の一千風とB型に目をやる。‥‥一千風は押されている様子。
「一旦下がれ!」
一千風に向かって叫びつつ正面から突進。
【流し斬り】を使用。B型の側面に回り込んで斬りかかる。
肘の刃で受けるB型。反撃の斬撃。速い。
「くっ」
アンジェリナは手甲で受け流すも少なくないダメージを受ける。
片膝をつく大地にアスカが駆け寄る。
「大丈夫? さ、立って。メインディッシュを頂くわよ」
「ああ。こんくらい平気だ。‥‥行くぜ」
刀を構える大地と、トンファーをくるくると回すアスカ。
「下手に距離を取るよりもっ‥‥!」
【瞬天速】を使用したノエルがアンジェリナに加勢。爪で斬撃。甲殻を少し削る。
‥‥傭兵達は入り口周辺のブリットビートルを駆逐。
その後、2体のB型に対して4方向同時攻撃を連続で仕掛け、大ダメージを負いつつも何とか撃破。
傷の手当てをした後、プラント内部へ突入。
●
通路を走る傭兵達。
多数のブリットビートルが迎撃に出て来た。弾幕が展開される。
ノエル、子虎、ティリアは3人1組となってブリットビートルに対処。
ノエルとティリアは砲弾を回避しつつ接近。
「やあああっ!」
「たあああっ!」
同時に1体へ爪と二刀小太刀で攻撃。
「喰らえー!!」
大剣による上段からの一撃を叩き付け、撃破。
ノエルとティリアが撹乱し、子虎がトドメを刺してゆく。
「はぁっ!」
刀を振い、ブリットビートルの頭部ごと角を割るアンジェリナ。
「援護するわ。背中は任せて」
一千風はアンジェリナの背中を守る様に立ち、群れるブリットビートルに刀で斬撃を加える。
「オラオラ、メッタ撃ちだ」
拳銃を連射し、ブリットビートルを次々撃破する九郎。
「‥‥化け物虫の大群の中に美女2人か。中々映えるな」
虫の死骸を盾に拳銃をリロードしつつぽつりと呟く。
「ツイン!」
「イグニッション!」
「「ファイア!!」」
バイク形態のAU−KVに騎乗した錬とヨグは同時に【騎龍突撃】を使用。
衝撃波が発生。多数のブリットビートルを巻き込み、撃破、または大ダメージを与える。
アスカは【瞬天速】を使用し、ブリットビートルの群れの中に飛び込み、撹乱。
敵を誘導するように動く。適度に密集した所で‥‥
「大地、今よ!」
と、叫び、離脱。
「OKだ」
アスカの言葉に、大地はそう答えると跳躍。
「喰らいやがれ虫ども」
敵の密集地点に着地すると同時に【十字撃】を使用。床へ刀を叩き付ける。
十字の衝撃波が走り、複数の敵が沈黙した。
***
傭兵達はブリットビートルを撃破しつつ通路を進む。
暫くすると分かれ道に出た。地図を確認し、全員で動力炉のある部屋へ向かう。
ごうんごうんと稼動する動力炉。傭兵達はそれが存在する部屋にたどり着く。
そこには複数のブリットビートル。そして‥‥
入り口の戦いでは苦しめられたハイブリッドバグズB型3体の姿があった。
3体のB型は傭兵達の姿を確認するやいなや、突進してきた。
続いて生体機関砲が飛んでくる。
「!? くぅっ‥‥!!」
繰り出される斬撃を短剣『メイル・ブレーカー』で受け止めるノエル。
斬撃の衝撃波により頬が傷つき、真っ赤な血がつぅーっと垂れる。
「ノエルさん!」
「ノエルン!?」
ティリアと子虎が叫ぶ。2人は加勢しようとするが‥‥
「2人はブリットビートルを早く! その間はこいつを!」
ノエルは良いながら爪での斬撃を見舞う。手の甲の剣で受け流すB型。
再び接近し今度は連続の突きが来る。左右に動きギリギリで回避するノエル。
「抑えているから! 早く‥‥! あんまり長くは持ちそうにない!」
ティリアと子虎は強く頷くと、大剣と二刀小太刀を構えて砲撃を行う敵へ向かった。
「――っ!」
アンジェリナに向けて繰り出された斬撃を、彼女は刀で受け止めた。重い。
「ぐ‥‥っ!」
同様に一千風も刀で斬撃を受け止める。
2体のB型がアンジェリナ、一千風へ攻撃を仕掛けたのだ。
「くそっ!」
2人を狙うB型に対し、至近距離から拳銃の銃弾を叩き込む九郎。B型2体は後退。
「よぉ‥‥そこの少年2人。ブリットビートルに攻撃を集中して貰えないか?」
再びアンジェリナと一千風に斬りかかるB型2体に銃撃を行いながら九郎が言う。
「了解です」
「わかりましたっ」
AU−KVを装着した錬とヨグはそれぞれ、虫の群れに光条を放つ。
「ノエル君が危ないわね‥‥」
アスカは射撃しながら、押されているノエルを見る。
「よし、じゃあ俺達はそっちに加勢するぞ」
大地が言い、駆け出した。アスカもそれに続く。
ブリットビートルを優先して撃破。それからB型に専念して撃破。
安全を確保した後、動力炉を破壊。
それが傭兵達の筋書きだった。実際それは上手く行っていた。しかし――
「硬ぇんだよ。ちくしょうめ」
拳銃を放つ九郎。その背後から迫る影。‥‥斬撃音。
「――っ!?」
九郎は背中に衝撃を感じた。鋭い痛み。驚愕しつつ鮮血を散らし、崩れ落ちる。
床に倒れ込んだ九郎が見た物は‥‥新たに出現した2体のハイブリッドバグズB型だった‥‥。
●
傭兵の後方に現れた2体のB型‥‥。
「どういう事なんです?」
錬は思わずトリガーを引く手を止めた。
「‥‥ま、まさか、培養施設の方の敵がこっちにっ?!」
ヨグが声を上げる。そのまさかだった。
傭兵達は全員で動力室へ来てしまった為、培養室がフリーになってしまっていたのだ。
‥‥挟撃を受けてしまう形となった傭兵達は苦戦を強いられる。
ブリットビートルが全滅していたのが唯一の救いだろうか‥‥。
増援のB型2体に対し、対応可能だった錬とヨグが1体。
もう1体の対応をアスカと大地が行う。
「ヨグには絶対‥‥手は出させない!」
必死に機械剣を振う錬。ヨグには動力炉破壊という重要な役割がある。
「無理はしないでっ」
ヨグはやや後方から砲撃。
「沢山剣を付ければ勝てるとでも‥‥? それは違うね!」
斬撃を全身に受けながらも踏み止まる錬。
機械剣を振るった後、ゼロ距離でエネルギーガンを連射。甲殻を焦がす。
「避けてー!」
「――っ!」
横っ飛びに避ける錬。ヨグが焦げた甲殻を狙って光条を放つ。
‥‥B型の甲殻の一部が融解し、大ダメージを与えた。
アスカは【急所突き】を使用。
脚甲『ペルシュロン』にてB型に様々な蹴り技を叩き込む。
アスカのハイキックが決まった所で大地が【ソニックブーム】を使用。
敵の態勢を崩す。その隙を見て甲殻の隙間へ突きを繰り出した。
B型は甲殻で受ける。致命傷ではないがダメージを与えた。
「ナイフ遊びはおしまいよ、坊や」
大地は一旦後退。アスカが前へ出る。
B型の鳩尾にトンファーの打撃を加えた後、装填しておいた貫通弾による連射。
甲殻の一部が砕け散った。が――B型は未だ倒れなかった。
「そんな‥‥」
B型は身体を回転させ体当たりを仕掛けてくる。
「きゃあああ!?」
凶刃の嵐を受け、アスカは血の海に沈んだ。
「テメェ‥‥俺の女に手ェ出してんじゃねェよ――蟲野郎!!」
その様を目の当たりにした大地は激昂し、刀を振り上げる。
B型は剣で受け止め、もう片方で斬撃。
「ぐふっ!」
血反吐を吐く大地。
「まだだ‥‥まだだぁ!」
大地は懇親の力で刀を突き出す。それは‥‥先程甲殻が砕けた部分を貫いた。
「流石にやべぇな‥‥」
背中に傷を受けた九郎だったが戦闘続行可能。アンジェリナと一千風へ援護を続ける。
荒い息を吐くアンジェリナと一千風。
九郎の援護があるとはいえ、このままでは不味い。
こちらが傷を負っている様に、B型2体も相応のダメージを受けている筈。ならば。
アンジェリナは正面から踏み込む。【流し斬り】を使用し側面へ。
【豪破斬撃】と【急所突き】を使用。敵の背面へ渾身の一撃‥‥!
だが――アンジェリナの腹にも、B型の肘から生えた刃が突き刺さっていた。
一千風は【疾風脚】で斬撃を避ける。
「まだまだ‥‥こんな物では、倒れない」
【急所突き】を使用。斬撃。が、剣で弾かれ、反撃を肩口に貰ってしまった。鮮血が飛ぶ。
「だから‥‥まだだと‥‥!」
脚甲『望天吼』による蹴りが、確かにB型の腹部へ入っていた。
「‥‥はぁ、はぁ」
肩で息をするノエル。
「ティリアさん、子虎くん、一気に決めよう」
(アスカさんと大地さんが加勢してくれた分‥‥こっちのB型は弱っている‥‥)
横目で倒れている仲間を見つつ、拳を握る。
「いきましょう」
「いこう、ノエルン!」
それを合図に、3人は飛び出した。
ティリアが【エアスマッシュ】を放つ。子虎が【ソニックブーム】を放つ。B型に命中。
しかし、B型も斬撃を2発飛ばして来た。――空刃? 2人が床に倒れ伏す音。
だがノエルは突進を止めない。【急所突き】を使用。黄金の拳をB型に叩き込んだ。
***
‥‥激戦の末、傭兵達は全ての敵を撃破した。
アスカは出血は多かったが、命に別状はない。
ただし、全員がかなりのダメージを受けてしまっている。
全員が動力室から退避した後、ヨグがエネルギーキャノンMk−IIを発射。動力炉を破壊。
それから培養施設を出来る限り破壊し、傭兵達はプラントを脱出した。
何かデータが得られればと考えていた者も多かったが、その様な余力は残っていなかった‥‥。