タイトル:【MTP】イカルNEXTマスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: 普通
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/03/21 12:16

●オープニング本文


 モルディブタワー計画。それは‥‥、
 銀河重工、奉天北方工業公司、MSI社、アジアのメガコーポレーション3社合同による、
 民間用軌道エレベータ建設計画である。

 ***

 数週間前。
 ラストホープ。UPC本部。
「おぉ、これは!?」
「どうしたの?」
 ULTオペレーターのクラヴィーア・櫻野(gz0209)が、
 隣で突然声を上げた同僚のほうを見る。
 ‥‥同僚は、パソコンのディスプレイを凝視し、何やら興奮した様子。
「これよこれ、クラヴィーアもちょっと見て」
 クラヴィーアは首をかしげつつも上体を傾け、隣の画面を覗き見る。
 そこに映っていたのは――
 『モルディブタワー計画のイメージキャラクター募集!』というタイトル。
 その下に募集要項やらがつらつらと書き記されている‥‥。
「すごいと思わない? こんな大規模プロジェクトのイメージキャラクターだなんて!
 もし合格したら一躍スーパーアイドルよ! あたし、応募しちゃおうかなー」
 同僚はそのように言い、両手を頬に当て、うっとりとした表情を浮かべる。
「あはは‥‥そうね」
 クラヴィーアは『アイドル』という言葉に苦笑い。
 ――彼女、クラヴィーア・櫻野は『元アイドル』という経歴を持っていた。
 同僚もそれは知っているので、こちらには勧めてこなかったが。
「あー‥‥でもダメだわ。あたしじゃ無理っぽい」
「どうして?」
 急に諦めたような表情になる同僚。
 同僚‥‥の女性は一般的に美人と言える容姿をしている。
 年齢は20代前半。確かに今からアイドルデビューというのは少し厳しいかもしれないが。
 元アイドルのクラヴィーアから見ても、十分にアイドルとして通用するように思える。
 クラヴィーアは首をかしげた。
「だってほら、ここに」
 同僚のは画面を指さした。
 『モルディブ――【島々の花輪】のイメージに相応しい清らかな乙女を募集します』。
「あたしって、どう間違っても『清らかな乙女』ってイメージじゃないじゃん?」
「‥‥」
 うむむと悩むクラヴィーア。同僚は確かに美人なのだが‥‥、
 確かにそういうイメージとは違うかもしれない。
 容姿ではなく、性格的な意味で。
 口調からわかるように、同僚の女性はさばさばした性格なのだ。
「でもみすみす逃すのは惜しすぎるわー‥‥誰か居ないかな、アイドルにぴったりな子。
 クラヴィーアの知り合いに居ない?」
「私はそういう仕事から離れて大分経つから‥‥連絡も取ってないし‥‥」
「そっかー残念。‥‥うーん、うーん、うーん‥‥そうだ! あの子が居るじゃない!
 むしろあの子しか居ない! あー、ヤバいわ! 締め切り明日だし!
 ええと、写真は去年の夏に送られてきたのがあったような‥‥おぉ!
 これぴったり過ぎる! うふふ、これは貰ったも同然ね‥‥」
 1人で盛り上がり、ニヤリと笑う同僚。机の上には数枚の写真。
 そこに映っているのは‥‥青く透き通る海と白い砂浜をバックにした黒髪の美少女。
 露出の多いピンクと白でフリフリな衣装を身に纏い、白磁のような肌を晒し‥‥、
 その上で、頬を赤く染めて恥じらう表情を浮かべている――。
 クラヴィーアは思わずドキッとしてしまった。
「‥‥あ、でもこの子って‥‥」
「よっし、応募完了!」
 同僚は手早く別の写真をスキャンし、電子文書を作成し、メールを送信したらしい。
「ん? 何か問題でも?」
 同僚の女性――彼女の名は、月日星・アトリ。
「写真の子って『弟さん』‥‥イカルくんよね? まさか――」
「うん、もちろん性別は『女』にしておいた☆」
 ウィンクをするアトリ。
「‥‥」
 波乱の、予感がした――。

 ***

 そんなこんなで現在。UPC本部。
「やったー!」
 パソコンの画面を前にして、メールをチェックしていたアトリが大声を上げる。
 眉をひそめる上司。何事かとこちらを見る同僚達。
 アトリは口を手で押さえた。ひそひそモードに切り替え。
「ねえねえクラヴィーア! やったよ! 書類審査無事通過!
 まあ、あの子の可愛らしさなら当然だけどね、ふふん♪」
「‥‥お、おめでとう?」
 困った顔のクラヴィーア。
 本当に通過してしまうとは‥‥いや、確かに、あの可憐さなら通って当然だけれども。
「それで二次審査なんだけどー、それには本人が出ないといけないのよね」
 と、アトリは言い、携帯電話を操作し、耳に当てた。
 数分後‥‥。
「ダメだわ、繋がらないわ。
 たぶんまたどっかの島に写真を撮りに行ってキメラに捕まってるんだわ」
「そうかもね‥‥」
 そんな風な依頼の説明を何度か行ったことあった。
 しかし、このまま連絡が取れず、審査に間に合わなければ、
 イカルくん(女の子として)アイドルデビュー!
 なんてことは無くなり、平穏のままに――。
「というわけでクラヴィーア、イカルを探してラストホープまで連れて来てくれるように、
 本部に依頼を出してもらえないかな?」
「えっ」
「弟の晴れ舞台のためだもの、依頼料くらいお姉ちゃんが出しちゃう!」
「依頼は正規の手続きをすれば出せると思うけど‥‥」
「じゃあ、よろしくね! 今度何か甘い物でもおごるからさっ☆」
「しょうがないなぁ」
 もうどうなっても知らない。
 そんな風に考えながら、パソコンを操作するクラヴィーアだった。

●参加者一覧

ロッテ・ヴァステル(ga0066
22歳・♀・PN
幸臼・小鳥(ga0067
12歳・♀・JG
相沢 仁奈(ga0099
18歳・♀・PN
加賀 弓(ga8749
31歳・♀・AA
加賀 環(gb8938
24歳・♀・FT
樹・籐子(gc0214
29歳・♀・GD
秋姫・フローズン(gc5849
16歳・♀・JG
雁久良 霧依(gc7839
21歳・♀・ST

●リプレイ本文

●囚われのイカル
 モルディブタワー計画のイメージキャラクターオーディションの、
 二次審査へ月日星・イカルくんを間に合わせるため、
 東南アジアの某島へやって来た傭兵達。

 ロッテ・ヴァステル(ga0066)――
(ジャングルだし、仁奈に誘われたから来たは良いけど‥‥。
 何故かしら‥‥此の異様なまでの胸騒ぎは‥‥。
 何事も無ければ良いのだけど――無理そうね)

 相沢 仁奈(ga0099)――
「イカルくんてば、本当可愛いもんなー♪
 もういっそ女の子てコトでええんとちゃうってくらい」
 しかし――イカルは男だ。男だからこそ、良い。という意見もあるとかないとか。
「二人ともイロイロと魅力的やし、面白いコトになりそやね〜あはぁ♪」
 豊満な肉体をくねくねさせている、バニーガール姿の彼女。

 幸臼・小鳥(ga0067)――
「仁奈さんが喜んでるのは‥‥嫌な予感しかしないですぅ」
「仁奈‥‥貴女、此の依頼って‥‥」
 ロッテも不安を隠し切れない。
 仁奈はウィンクし、ぺろりと舌を出した。

 加賀 弓(ga8749)――
「妹の環やロッテさん達小隊仲間と、知り合いが多い依頼ですね。
 それだけに頑張らないといけませんね」
 見知った面子が多い、ということには安心できるが‥‥。
「イカルさんの救出とキメラ退治が目的ですね、救出の方が優先順位は上ですけど」
(ただキメラに関しては、なんでしょうか。
 嫌な予感というか悪寒がしますが、気のせいであればいいですが)

 加賀 環(gb8938)――
「久々の依頼か、っていうか大規模作戦を抜かせば一年以上経ってるよ」
「イカルの救出が任務で、その救出の為にキメラ退治になるか」
(なんか噂に聞いた限りだと、イカルってやたらエロ系統のキメラに縁があるらしいが‥‥、
 今回もそうなのか? ブランクの長い生身でのキメラ戦がそんなのって勘弁してほしいが)

 樹・籐子(gc0214)――
(願わくば涅槃に到達せんことを)
 神妙な面持ちの彼女。
(やっぱり『軌道エレベーター』か‥‥。
 地理情勢的にそれしかないけど技術的にどうかなと考えてたけどねー。
 まあ、目標がはっきりした処で探る事を続けるのには変わりないんだけど、
 真面目に追い駆けてたつもりがこんなボーナスターイムが訪れるなんて、
 お姉ちゃん嬉しい処ねー。なので張り切って、
 可愛い男の娘足るイメージキヤラクター内定者を救出する為に頑張るわよー)
「まあ、巻き込まれたら巻き込まれたでしょうがないし、
 腕まくりどころか身体露出しても構わないしねー、
 勿論他の可愛い皆の艶姿も楽しみなのよねー」
 敵がどんなキメラなのかは、過去のイカル関連の報告書を見れば大方予測できた。

 秋姫・フローズン(gc5849)――
「嫌な予感が‥‥します‥‥物凄く‥‥」
 ぶるりと身体を震わせる。

 雁久良 霧依(gc7839)――
「女装の似合う可愛らしいイカルきゅん♪
 がキメラに捕まってるかもしれないなんて‥‥。
 早く助けなきゃ! お礼‥‥してくれるかしら♪ ウフッ」
 彼女の服装は日本人らしく巫女装束
 当然、下着は付けていない。
 服の隙間が何故か大き目に空いている。
 脇などは全開の改造巫女服である。
 ‥‥日本人らしく、とは言うものの、
 奥ゆかしい大和撫子とは少し遠いような気もする。

 一行はまず村長の家へ赴き、イカルの目的地と思われる場所について尋ねた。

●VSマンドレイク 前半
 村での情報収集を終え、イカルが向かったと思しき場所へ急ぐ一行。
 道中は【探査の眼】を使用した籐子が警戒しつつ先導。

 ほどなくイカルを発見。マンドレイク‥‥約20体にあんなことやこんなことをされている。
 着ていたと思われる衣服はびりびりに破かれ、ボロ布と化し、辛うじて大事な部分を隠しているが、
 ほぼ全裸の状態であった。その上‥‥白い粘液塗れ。
 見た目は『完全に美少女』のイカル。すごく‥‥アレであった。
 その様子をじっくりと観察したのちに囮班が行動開始。

「‥‥仁奈、小鳥‥‥安心して。骨は拾ってあげるから」
 目を伏せつつ、ロッテが言った。
「はぅぅ‥‥骨は拾わないでいいですから‥‥ちゃんと助けてくださねぇ!?」
 小鳥はちょっと涙目。
「ほら、小鳥ちゃんも行くでー!」
 仁奈は【瞬天速】を使用して小鳥を引きずって行く。
「きゃああ!? 嫌な予感‥‥的中なんですがぁ!?
 うう‥‥捕まるわけには‥‥いかないですぅっ」

 だがしかし、二人は速攻で捕まった。
 それは主に仁奈が豊満なバストとヒップを強調したポーズを取り、
 甘い声でマンドレイクを誘ったため。
 それに、小鳥の格好はキャットスーツを初めとした全身猫装備。
 セクシーとは言えない幼児体型の小鳥だが、それでも魅力的には違いなく、
 マンドレイクは嬉々として触手を伸ばしてきた(ように見えた)。
 
 触手に捕まっている二人――
「にゃ‥‥ちょ、変な所触ったら‥‥ダメですよぉ!?」
 小鳥が着用している、身体にぴったりとフィットするキャットスーツ。
 それはぬめぬめの白い樹液により、更に身体に張り付き、
 なだらかなボディラインを際立たせていた。
 触手は小鳥の敏感な部分をピンポイントで責めてくる。
「はぁ、ウチもう辛抱堪らんわぁ‥‥♪ な、一緒に気持ち良くなろ‥‥♪」
 バニースーツの隙間から触手が侵入。白い粘液塗れの仁奈。
 媚薬の効果もかなり効いているらしく、呆けた表情で触手にされるがまま。
 更なる快楽を求める彼女は、隣で捕まっている小鳥に手を伸ばし、
 あるかないかわからないくらいの小さな胸の膨らみに触れる。さわさわ。
「ひゃうん!」
 可愛らしい声を上げる小鳥。

 ***

 意を決し‥‥いやむしろ、辛抱堪らんといった感じで仁奈と小鳥に続く籐子と霧依。

 籐子は出来る限り多くの蔓を引き受けるようにして時間稼ぎ。
 粘液も甘んじて浴びる覚悟(?)。
 ――その無数の触手によって絡め取れれる籐子の肉体。
 あっという間に白い粘液塗れになった。
 触手が身体全体を撫でまわす。
 籐子は媚薬効果によって増幅された快楽に、思わず声を上げる。

 霧依は――キメラの見た目で確信していた。
(これは‥‥バグア脅威の技術力がイイ方向に炸裂したアレ‥‥。
 服だけ溶かすスライムやお尻を執拗に狙うスライムと同類。えってぃなキメラね!)
 というわけで。
(是非自分の身体で試さなきゃいられない!)
 突貫。マンドレイクの気を引き、イカル救出のための時間稼ぎを行う。
 特に警戒せず敵に近寄り、出来るだけ多くの個体の注意を引き‥‥捕まった。
 服の隙間から触手が入り込んできて‥‥彼女の身体を這い回る。
「あんっ♪ イイ感じ♪」
 周りを気にせず声を漏らす霧依。
 更に触手の先端から分泌される白い粘液――媚薬をかけられると、
「んあああ! いい! すっごいのお!」
 と大きく声を上げ、身悶えて着衣が乱れまくり、色々ポロリしてしまう!

●VSマンドレイク 後半
「‥‥‥‥」
 仲間――囮班4人の痴態を目にし、ロッテは思う。
 彼女達の尊い犠牲(?)を無駄にしない為にも、
 救出班の皆と共に一刻も早くイカルを救出しなければ。
 状況次第では救出班の誰かもキメラを食い止める役割を担う必要がある。

「えっと、その、コメントに困りますね‥‥。
 バグアはこういうものとは無縁だと思っていましたが、何故このようなキメラを?」
 目の前で起こっている出来後に、ちょっと動揺した様子の弓。
「私はこれでもアイドルですからイメージ壊すような事は避けたいんですけど‥‥。
 この状態では厳しいですかね」

「ハァ〜。予想はしてたがやっぱりこういうキメラかよ。
 これ作ったバグアの馬鹿は何考えてるんだ?」
 環は思わず呆れて、咥えタバコを落とす。
「っとと」
 火事になったら大変なのでタバコをぐりぐりと踏み、火を消す。

 秋姫を含めた救出班の4人が動く。
 最優先目標はイカルの救出!

 ***

 弓は刀・鬼蛍を振るって蔓を斬り払ったり、
 小銃・ノードロップでマンドレイクの胴体部を狙って遠距離から射撃をしたり。
 ‥‥あまり近づきたくない敵だった。

 環は如来荒神で蔓を重点的にぶった斬る。
「あれが一番ヤバい」
 捕まれば囮班と同じようなことになってしまう。

 ロッテは【瞬天速】と【回転舞】を移動と緊急回避に用いて迫る触手を避けつつ走る。
 キメラの触手に絡め取られそうな場合は、
 自ら武器以外の装備を外す(脱ぐ)事で触手から逃れる。
「止むを得ない、わね‥‥!!」
 ヒョウ柄のワイルド且つセクシーな下着姿のみになろうとも躊躇せずに決断。顔は真っ赤。
「正直、甘く見ていたかしら‥‥くっ‥‥!!」
 だが、触手の数が圧倒的に多く、ロッテもついに触手の餌食となってしまう。

 秋姫は囮班と救出班3人が身を挺してキメラを引き付けている間に、イカルの救出へ向かう。
「一撃‥‥必中‥‥!」
 【急所突き】【強弾撃】【影撃ち】を使用し、マンドレイクに弾頭矢を撃ち込んでいく。
 弾道矢を全て使い切ったら、知覚弓・雷上動に持ち替えて、射る。
「射抜き‥‥ます‥‥!」
 しかし、弓は隙が多い。マンドレイクの蔓――触手により捕縛されてしまう。

 ***

 ロッテ――
「くぅ‥‥離しなさい‥‥!」
 両腕両足を触手で拘束された状態の彼女。
 更に別の触手が最後に残った砦――下着の隙間へと侵入してくる。
 哀れ、下着はビリビリに裂かれ、ロッテは生まれたままの姿となってしまう。
「‥‥!!」
 羞恥心に顔を真っ赤にし、抵抗するも、触手によってぎっちり縛れているため、無駄。
 その触手の先端から分泌される白い粘液、媚薬効果のあるそれによって、
 段々と身体が熱を帯びて行く。‥‥敏感になった肌を触手に撫でられ、
 ロッテは普段の彼女からは想像も出来ない、艶っぽくも可愛らしい嬌声を上げた。

 戦っているうちに触手の数に負け、捕まってしまった環。
 覚醒中はあまり感情が表に出なくなるため、
 反応は頬を染め、内股すり合わせる反応を見せる程度。
「‥‥よくある触手ものですね、私は登場人物になった覚えはないですが」

 弓は環が捕まってしまったことを確認。
「‥‥くっ」
 自分も捕まらないようにしてから救出を試みる。
 下手をして巻き込まれないように。
 刀の斬撃により蔓を斬り裂き、環を解放。だが――
「ありがとう‥‥姉さん。
 んぅっ‥‥ど、薔薇やら百合やらは嫌いだが‥‥姉妹愛なら‥‥。
 あぁ、うん、これは姉妹愛だ」
 環はうっとり顔で自分を救出してくれた弓に襲い掛かった。
 小言の煩い姉は苦手だが‥‥心底嫌いなわけではない。
 むしろ――
「え、ちょっ‥‥た、環? や、やめなさっ‥‥あ、こらっ!
 粘液こすり付けないで!? あぁ! 駄目そんなとこ触ら――」
 弓の唇は妹の唇によって塞がれた。

 キメラに捕縛されてしまった秋姫。
 身をよじって激しく抵抗しようとするが、
 逆に粘液を身体全体にベットリと浴びてしまい白い粘液――媚薬の餌食に。
「ベタベタ‥‥します‥‥あうぅ‥‥」
 媚薬の効果がすぐに表れ、体温が上昇。
「身体が‥‥熱い‥‥」
 全身に大量の汗が浮かび、着ている服がぐしょぐしょに濡れてしまう。
「ひゃ‥‥うう‥‥」
 服を肌蹴たり、脱ごうとして着崩した結果、半裸状態に。
「熱い‥‥熱い‥‥です‥‥!」
 その上で、同じく媚薬の効果により肌が敏感になり、
 身体中を這いまわる触手の粘液により、ぬとぬとねとねとの大変な状態となる。

 ***

「んんっ‥‥あぁぁ‥‥イカルくんは‥‥」
 粘液塗れで触手に弄ばれながら、籐子は虚ろな瞳でイカルの姿を探す。
 ――居た。自分達と同じく粘液塗れて呆けた表情をし、
 身体をぴくぴくとさせているが‥‥触手からは解放されている。
 触手は現在、傭兵の女性たちを弄ぶのに忙しいらしい。
 ならば。
 籐子は自ら【レジスト】を使用。媚薬の効果から回復。
 脚甲で蔓を攻撃し、脱出。
 手わきわきさせ、近くで捕まっている仲間を【蘇生術】で癒し、解放していった。
 そして、傭兵全員の一斉集中攻撃により、マンドレイクを一掃することに成功。

「お風呂‥‥入りたい‥‥です‥‥」
 粘液で前進べとべとの秋姫がぽつりと言った。

●MTP
 イカルの救出に無事(?)成功し、村へ戻ってきた一行。

「ふぅ‥‥ひどい目に‥‥あったのですぅ。
 とりあえず‥‥シャワー浴びて‥‥綺麗にしましょぅ」
 小鳥は持参した簡易組み立てシャワーセットを設営。
 村から水を貰ってお湯を沸かしてシャワーを浴びて、
 戦闘で身体中に付いたキメラの粘液を洗い流す。
 しばらくして。
「うー‥‥なんとか綺麗に‥‥なったでしょうかぁ‥‥ふぇ!? きゃぅ‥‥」
 シャワールームから出る時に足を滑らせてすっ転んだ。
 バスタオルが取れて、全裸を晒してしまう。
 ‥‥傭兵たちは全員女性だったので問題なかったが、
 イカルは別だ。容姿がいくら美少女でも心は男の子。
 頬を赤く染めて顔を背けた。
「はぅあぅあ〜」
 小鳥も同時に顔を赤くし、慌ててバスタオルを巻く。

 シャワールームは順番に使うことになった。

「スッキリせなあかんもんな〜イロイロと♪」
「ちょ、ちょっと待ってください! いやぁぁぁ〜」
 仁奈はシャワールームにイカルを拉致。一緒にシャワーを浴びる。
「けっこう狭いなぁ。‥‥なんかお姉さん、イケナイ気分になってきたわぁ」
「え? なんで狭いのに、こっちに近づいてくるんですか‥‥?
 や、やめて‥‥ひゃあああああ」
 乙女としか思えない悲鳴が響く。

「‥‥仁奈‥‥あの娘は、何処までも‥‥」
 首にタオルをかけ、シャワー上がりのスポーツドリンクを飲んでいたロッテは、
 イカルの悲鳴を聞きいて頭に手を当てた。
 仁奈が彼にナニかしたとしか考えられない。

 ***

「はぁぁぁ〜‥‥」
 環はキンキンに冷えた発泡酒を煽りつつ、落ち込んでいた。
 キメラの粘液の媚薬効果の所為とは言え‥‥姉さんに襲い掛かってしまうなんて。
 自分はノーマルなのに‥‥。
 と、そこへ――
「私にも一口下さい」
 シャワー上がりの弓が隣へやって来て、発泡酒の缶をひったくった。
 ごくりと一口飲む。
「あっ‥‥」
(間接キス‥‥)
 ぽっと頬を染める環だったそうな。

 ***

 夕暮れ時――。
 砂浜に転がっていた流木の上に腰掛け、水平線に沈みゆく夕日を眺めているイカル。
 事情は傭兵の皆から聞いたが、まさか女の子としてオーディションを受けることになるなんて。
(勘弁してよ‥‥お姉ちゃん)
 イカルはため息。‥‥まあ、二次審査は十中八九落ちると思うけれども。
 そのとき、砂を踏みしめ、イカルの目の前に籐子が歩いて来た。
 イカルへ向かって手を差し伸べる。
「ようこそ『楽園の泉』――【MTP】へね」
「‥‥」
 イカルは苦笑いしつつ、その手を握った。

 彼はまだ、自分がこれからどうなるかを知らなかった――。