タイトル:【QA】無人砲台掃討マスター:とりる

シナリオ形態: ショート
難易度: やや難
参加人数: 8 人
サポート人数: 0 人
リプレイ完成日時:
2012/01/25 06:14

●オープニング本文


 漆黒の宇宙空間を往く2隻の船――。
 UPC宇宙軍が独自運用する艦艇として建造した宇宙輸送艦である。
 砲撃戦能力は持たず、戦域外から戦場へKVを投射することを目的としている。
 KVの簡易整備の場とパイロット達の休息場所を兼ねる艦種だ。
 宇宙における戦闘依頼において単艦、あるいは複数で母艦の任を努めるため、
 今後は傭兵にとって馴染み深い艦になっていくことだろう‥‥。

 その2隻のうち、1隻の休憩室――
「まったくもう‥‥宇宙に来てから働き詰めだよ〜」
 室内をふよふよと漂いながら、
 目を閉じ、ちょっぴり不機嫌そうな表情を浮かべて、
 宇宙用のドリンクをちゅるちゅると啜る少女。
「チェラル隊長、任務なんですから文句言っちゃダメですよ」
「あ・の・ブルーファントムの1人なんですから!」
「そうですそうです! 皆期待してますよ!」
 小隊の隊員の少女達が周りで囃し立てる。
「期待ね〜」
 目をぱっと開くウルフカットの少女。
 その瞳はくりくりとしていて、野性的。どこか猫を連想させる。
 彼女の名はチェラル・ウィリン軍曹。人類側のトップエースの1人。
 ‥‥期待。そんなものはブルーファントムとして大々的に宣伝されてきた彼女には、
 常に重圧として肩にのしかかって来た。が――
「ま、そうだよねっ。頑張らなきゃ♪」
 笑顔を浮かべて、ぺろりと舌を出すチェラル。
 彼女だって悩むことはある。プレッシャーを感じることだって、もちろんある。
 しかし、自由奔放かつ極めて軽い性格の彼女は、そのような重圧など大抵跳ね除けてしまうのだ。
 ‥‥それでも何度か、挫けたことはあったが‥‥。

「で、今回の任務ってデブリ帯にあるバグアの無人砲台の排除だっけ?」
 チェラルはくるくると宙を回転しながら尋ねる。
「そうですね。私達は艦の護衛が任務ですけど」
 隊員の少女が答えた。
「ふむり‥‥」
 スクリーンに映っている宇宙空間‥‥そして月に目をやる。
 月で何か動きがあるのは間違いない‥‥。詳しくは聞かされていないが‥‥。
 ――鋭い観察眼。歴戦のエースたるチェラルにはそれが備わっていた。
 猫目がじっと、スクリーンに映る月を見据える――。
「無人砲台の排除は傭兵の担当だけど、こっちも警戒を怠らないようにねっ」
「了解です!」
 びしっと敬礼する隊員達。チェラルも返礼。
(‥‥とりあえず、今回は傭兵の皆次第かな〜)

●参加者一覧

勇姫 凛(ga5063
18歳・♂・BM
飯島 修司(ga7951
36歳・♂・PN
龍深城・我斬(ga8283
21歳・♂・AA
乾 幸香(ga8460
22歳・♀・AA
美崎 瑠璃(gb0339
16歳・♀・ER
宿木 架(gb7776
16歳・♀・DG
カグヤ(gc4333
10歳・♀・ER
烽桐 永樹(gc8399
17歳・♂・FT

●リプレイ本文

●デブリ帯・無人砲台掃討任務
 作戦宙域へ向かう2隻の宇宙輸送艦。
 そのうちの1隻。休憩室――。

 人類側のトップエースチーム・ブルーファントムの1人、
 ウルフカットの野性的な少女、チェラル・ウィリン軍曹は‥‥、
 恋人の勇姫 凛(ga5063)が来ているとのことで、
 もう1隻の宇宙輸送艦からこちら(傭兵のほう)に出向いて来ていた。
「チェラル、また会いに来たよ。今回の作戦も頑張ろうね。
 ‥‥そうだ、宇宙での任務、大変だって聞いたから‥‥」
 愛するチェラルと顔を合わせ、挨拶を交わすと、凛は鞄をごそごそやり始める。
 そして、デフォルメされた可愛らしい猫がプリントされた枕を取り出し、差し出す。
「凛も良く、TVの仕事とが忙しい時はお世話になるんだ。
 宇宙での効果はわからないけど、短い時間で疲れも良く取れるから‥‥」
 この枕は凛が愛用している物と同じデザインである。
「た、たまたま使い易かったからで、このデザインは別に凛の趣味じゃないんだからなっ」
 顔を真っ赤にしてツンツンする凛。
 チェラルは「あはは、ありがとー」と、枕を受け取り、むぎゅーと抱き締めた。
(月への道は凛達が必ず切り開く‥‥。
 チェラルにも会えたし、凛の勇気は百倍なんだからなっ!)
 恋人の笑顔に目をやりつつ、凛はきゅっと口元を引き締めた。

「月、ですか‥‥」
 髭を生やした渋い容姿の男、飯島 修司(ga7951)がぽつりと呟く。
(噂では月面基地の建設が計画されている、などと聞きますが‥‥、さて‥‥)
 修司は思案しつつ、髭を撫でる。

「今回の作戦宙域はデブリ帯か‥‥障害物多っ!
 あんな中から砲台探さにゃならんのか‥‥。
 ピュアホワイト乗りが居て良かったぜ」
 と、言ったのは龍深城・我斬(ga8283)。
 彼が見ているのはスクリーンに表示されている、
 艦の望遠カメラが捉えた作戦宙域の映像である。
 確かに、通常の索敵方法では相当に骨が折れる任務だろう。

「っしゃー! 大空を越え、やって来たぜ宇宙(ソラ)へ!」
 我斬の隣で、そんなハイテンションな声が上がった。
 ‥‥宿木 架(gb7776)だ。
「ツッコムブラザー2号と一緒にぶっこんじゃうぜー!
 とりあえず一緒に動き回って突撃も一緒にしちゃえばいいっしょー」
 そのままのテンションで続ける。
 ツッコムブラザー2号というのは我斬のことらしい。当然、1号は架だ。
「デブリ帯ってならダイタイ人型で進んで良いよねっ。
 よーうは障害物たっくさんってことだよね。
 足場にして加速ーとか、蹴っ飛ばしてデブリアタック!
 ‥‥とかは出来るのかなー?」
「さーなぁ。簡易ブーストの疑似慣性制御があれば、
 わざわざそんなことする必要は無いと思うけど‥‥」
 下手にペースを合わせず、受け流すように我斬が答えた。

「宇宙戦での初陣がこのような‥‥、
 単純な戦闘ではない任務というのは燃えるモノがありますね。
 ともかく皆さんの足は引っ張らないように懸命に務めさせて頂きます」
 メガネをかけた柔和な雰囲気の女性、乾 幸香(ga8460)は、
 宇宙での初任務に際し、燃えているようである。
 おっとりとした口調だが、根は熱血なのかもしれない。

(残骸に紛れて潜む無人砲台かぁ‥‥。
 探して壊してまた探して‥‥ってのは骨が折れそうだけど、
 安全なルート確保のためにはやらなきゃいけないよねっ)
 元気溌剌な少女、美崎 瑠璃(gb0339)は腕組みをし、
 何やらうんうんと頷いている。
「艦の護衛はチェラルちゃん達がやってくれるみたいだし、
 後ろは気にせず、あたし達はお掃除頑張りますかっ!」
「おっ、やる気まんまんだねー。頑張ってねー」
 その様子に気付いたチェラルが瑠璃の顔を見てにっこり微笑んだ。

「お月見大好きだから、がんばるの」
 おかっぱ髪の愛らしい容姿の少女、カグヤ(gc4333)も、
 瑠璃に負けないくらいやる気十分のようである。

「砲台だけとは言わずに、キメラも出来る限り倒したいとこだな」
 作戦内容を確認しつつ、烽桐 永樹(gc8399)が言った。
 今回の目標である無人砲台が存在する月宙域付近のデブリ帯では、
 例によって護衛の宇宙キメラが確認されていた。
 月への道を安全なものとするには無人砲台だけでなく、
 キメラも完全に排除したい。数が多いので中々に難しいが‥‥。

 ‥‥間もなく作戦宙域付近へ到着、となったところで傭兵達は格納庫へ向かう。
 
●戦場へ
 KVを格納しているコンテナモジュール――。
 このタイプの宇宙輸送艦は中央の艦本体に、
 4機のKVを整備する能力の有るコンテナモジュールを2基、左右に配置した形状をしている。
 KVを戦域へ射出するための装置もコンテナごとに1つずつ搭載。

 そして今回、傭兵達はエレメント(2機編隊)を組んで作戦行動に当たる。

 エレメント1――
 凛の機体はハヤテ。
 幸香の機体はハヤテ『アエーマ』。

 エレメント2――
 修司の機体はディアブロ改。
「あちらはMSIの最新鋭機、こちらはMSIの最古参機ですか。
 こうして見ると‥‥フォルムは元より、
 使われている技術も隔世の念を感じますな」
 僚機であるカグヤ機の映像をモニターのウィンドウに表示し、修司は呟いた。

 カグヤの機体はピュアホワイト『【つくよみ】』。
「EPW(早期予兆警戒)機として、
 無人砲台やキメラを早期に発見して戦況を有利にするの。
 カグヤはお手伝いさんなの」

 エレメント3――
 我斬の機体はハヤテ。
 架の機体はハヤテ『Berserk−F』。

 エレメント4――
 瑠璃の機体はハヤテ『Lapis Lazuli Mk3』。
 永樹の機体はラスヴィエート。
 
 ***

 作戦宙域付近に到着。宇宙輸送艦2隻は簡易ブーストを起動し、方向を調整。
 KVの射出シークエンスに入る。

 エレメント1――
「進路クリア。発進どうぞ」
 艦のオペレーターから通信。
「勇姫 凛、ハヤテ、出るよ!」
「出撃準備完了! 乾 幸香、『アエーマ』で出ます!」
 左右のコンテナから同時に凛機と幸香機が射出。

 エレメント2――
「飯島機F−108改、出撃します」
「カグヤ、ピュアホワイト『【つくよみ】』、出撃するの」
 続いて修司機とカグヤ機が射出。

 エレメント3――
「お約束は外しちゃ駄目だよな‥‥龍深城・我斬、ハヤテ、出るぞうっ!」
「よっしゃ、行ってくる!」
 我斬機と架機が射出。

 エレメント4――
「こちら美崎 瑠璃と、ハヤテ――『Lapis Lazuli Mk3』。
 コンディション・オールグリーン、いつでもどうぞっ!」
 瑠璃が宣言。オペレーターから「了解」との返答。
「んじゃ、発艦から気合入れていくぜ!
 烈火の傭兵、烽桐 永樹!!
 この愛機ラスヴィエートと共に一筋の流星となって――りゃ!?」
 永樹が言い終える前に、瑠璃機と永樹機が射出された‥‥。

●VS宇宙キメラ
 作戦宙域のデブリ帯に到達。
「こういうところは‥‥障害物の陰にキメラとか隠れてっかね?」
 言ったのは我斬。

「この子は敵を感じて見えるから、皆の目になるの」
 カグヤ機が【複合ESM「ロータス・クイーン」】により索敵を開始。
「‥‥見つけたの」
 ほぼ全てと思われる無人砲台、20基を発見。
 周囲に展開する多数の宇宙キメラも捕捉。
 機動戦闘に慣性制御を用いる宇宙キメラは当然として、
 無人砲台もワームの一種であるため、姿勢制御に慣性制御を用いていると思われる。
 ゆえに、『ロータス・クイーン』に引っ掛かった。

 カグヤは敵に赤いマーカーを付けていく。
 ついでにデブリ‥‥障害物もレーダーに表示。
「データリンク構築‥‥完了なの」
 これでカグヤ機が捉えた情報を味方全機と共有出来るようになる。

「敵ちゃんの位置情報が貰えるんならありがた過ぎるぜー!
 お世話になっちゃうよっ!」
 興奮気味に言う架。
 あっという間に索敵して見せたことに驚いたようだ。

 ‥‥ほどなく快速の小型キメラ群と接敵。
 全機、簡易ブースト、またはブーストを起動。
 傭兵部隊はカグヤ機(とその護衛の修司機)を中心に正三角形の隊形を取る。
 戦闘開始。

 ***

 エレメント1――
(さっさと終わらせて、チェラルのところに戻るんだからなっ!)
 凛機は戦闘機形態でG放電装置を使用。先制の電撃で小型キメラを焼く。
「チェラルが艦を護っていてくれるんだ、邪魔はさせないんだからなっ!」
 兵装をレーザーガトリングに切り替え。
 突破してきた小型キメラにレーザーの雨を浴びせる。

「目標を多数確認しました。――ロックオン」
 幸香機も戦闘機形態にて高速ミサイル『イースクラ』を発射、牽制しつつ、
 高分子レーザーガンで小型キメラを仕留めていく。
 『イースクラ』が弾切れになると、ホーミングミサイルに切り替え。
 同様の戦法で小型キメラの数を減らす。

 エレメント2――
「では、いきますか」
「護衛は頼んだの」
 修司機は人型形態でカグヤ機に張り付き、護衛を行う。
 スナイパーライフルと高性能長距離バルカンで接近するキメラを排除。
 バルカンで回避行動を取らせ、そこをSライフルで撃ち抜くつもりだったが、
 耐久力の低い小型キメラに対してはバルカンで十分対応可能だった。
 が、それでも突破してくるキメラは居り、それはタイガーファングによる格闘戦で撃破。

 カグヤ機は管制に集中。
 攻撃は合間に、砲撃型キメラへ高分子レーザー砲『ラバグルート』で射撃する程度。
 水素カートリッジを消費するため、無駄撃ちは出来ない。
 機拳も装備していたが、接近する小型キメラは修司機が悉く排除していたので、
 今回使用することは無さそうだ。

 エレメント3――
(さて、宿木も前に出たがってるし、先陣は俺らで切るか)
 人型形態の我斬機は敵に接近し、アサルトライフルと高分子レーザーガンで射撃。
 小型キメラの格闘攻撃は機拳『シルバーブレット』で受け、
 殴り飛ばして反撃。打撃を喰らった小型キメラは弾ける。
「派手に行くぜい!」

 戦闘機形態の架機、迫る多数の小型キメラに照準。
「お出でなすったなぁ。なら、ロックンロールだぜぃ!」
 【アサルト・アクセラレータ】を使用したGP−9ミサイルポッドを一斉発射。
「目標、あの辺一帯! ミサイルパーティ! フィーバーよっ!」
 大量の小型Gプラズマミサイルがばら撒かれ、小型キメラに着弾。
 エネルギーの爆発が巻き起こり、デブリと共に破裂・粉々になっていく。
「デブリごとお掃除しちゃえばいいんじゃん?」
 我斬機から「おぉ、やるねぇ」との通信。
「固定ほーだいって事はー、障害物使えば近づきほーだいってニンシキでいいのかな?
 やー、逃げない敵ってうれしいよねっ」
 余裕綽々で答える架。
「いや、固定砲台じゃなくて無人砲台な。動くかもしれん。
 ‥‥まあ、キメラみたいにビュンビュン飛び回りはしないと思うけど」
 と、我斬の突っ込みが入る。
「ふふん、ちょっとくらい管制に抜けちゃっても‥‥大丈夫っしょ。
 ディアブロのおじさん強そうだし?」
「いやいや、ダメだろ。データリンクから外れたら敵を見失っちまう」
 無茶な機動を行う架機。それを制する我斬。
(うーむ、こっそり宿木の後方に付いて、
 死角からの攻撃に対してフォローしてく形が効率良さそうかね‥‥)
「‥‥ま、1号のケツ持ちは2号の役目ってな♪」

 エレメント4――
 瑠璃機は基本的に射撃主体。アサルトライフルで弾幕を張る。
 デブリが多い場合はSライフルに切り替えて、
 砲撃型キメラを集中的に撃つ。だが、敵が隙を見せれば‥‥、
「チャンス! 殴りに行くよっ!」
 僚機に注意を向けた砲撃型キメラに接近。腕部に装備した機拳で打撃。

「‥‥舌噛んだ」
 出撃時の台詞を噛んでしまったことに凹んでいる永樹。
 ともあれ、気合を入れ直し、ガトリング砲の砲弾をばら撒く。
 小型キメラを蹴散らしながら砲撃型キメラに接近。
「ドラゴンスタッフ・アタァーック!!」
 兵装を切り替えて、叫びと共に殴り付ける。

●VS無人砲台
 各エレメントの働きにより宇宙キメラは大分数を減らした。

 エレメント1――
 凛機は人型形態で浮遊するデブリを盾にしつつ、
 AAを使用。加速。無人砲台に対し、練機槍『旋』でチャージアタックを仕掛ける。
「デブリを上手く使えば一気に近づくことだって‥‥彗星ロケット点火!」
 ブースターを使用。更に加速。
「――光の尾を引き、貫け! ハヤテ!」
 練機槍の穂先が勢いよく砲台に突き刺さった。
 凛機は槍を引き抜いて離脱。爆発が起こる。

 幸香機は人型形態にて砲撃型キメラに対し、
 量産型機刀『凪』とレーザーガンで近距離戦を行う。
 プロトンビームを回避し切れない場合は【超伝導AEC】で防御。
「‥‥っ。まだまだ!」

 エレメント2――
 カグヤ機は管制を続ける。
「修司、射線クリアなの。そこからミサイルで砲台を狙い撃って欲しいの」
「了解です」
 修司機は戦闘機形態に変形。
 カグヤ機から送られて来た情報を頼りに、
 対艦ミサイル『アウルゲルミル』を発射。
 絶大な威力を誇るそれが命中し、砲台は爆発四散した。

 エレメント3――
 我斬機はAECで砲台のプロトン砲を受け止める。
「くうっ!? 流石に剛覇のようにはダメージを軽減出来んか‥‥。
 基本は回避でいったほうが良さそうだな」
 ハヤテのAECはシラヌイS2型の物より出力が低い。
 代わりに使用可能回数は多いが。

 架機は人型形態にて機拳を用い、小型キメラと格闘戦を演じる。
 機動力を生かして逃げ回りながら交戦していると‥‥、
 砲台の射線に入ってしまう。
 カグヤ機から警告。しかし回避は間に合わない。
 プロトン砲やフェザー砲が飛び、被弾。
 AECで防御するが大ダメージを受ける。――ピンチ。
「や、やばっ」

 そこへ我斬機がブーストとAA、ブースターを同時使用。
「砕け散れ――フルブーストバスター!」
 一気に接近し、練機槍で攻撃。砲台を貫き、破壊した。
「ったく、まあ‥‥いいけどな」

 エレメント4――
 瑠璃機はSライフルで砲台を狙撃。
 砲台に撃たせてから回避し、位置を特定‥‥という戦法を取っていた。
 カウンタースナイプで破壊していく。
「にゃは、見ぃつけたっ! 一発必中、撃ち抜くよっ!」

「くっそ、狙い辛ぇ‥‥。水素カートリッジが無くても‥‥、
 デブリくらいなら潰せるかな?」
 永樹機は水素カートリッジを使用せずに135mm対戦車砲で砲撃。
 デブリを破壊し射線を開く。
 今度は水素カートリッジを使用して砲撃。
 しかし、あっという間に水素カートリッジが尽きてしまった。
 兵装をガトリング砲へ切り替え。残存のキメラの排除を行う。

 間もなく、カグヤ機から「無人砲台全基、掃討完了なの」との通信。
「‥‥地球に帰りたい」
 安堵しつつも、出撃時の失敗を思い出し、また凹む永樹。

 それから傭兵部隊は可能な限り宇宙キメラを排除し、輸送艦へ帰投した。
 任務完了である。